光山鉄道管理局・アーカイブス

鉄道模型・レイアウトについて工作・増備・思うことなどをば。
こちらはメインブログのアーカイブとなります。

「不二家」と「グリーンマックス」

2018-08-30 05:44:33 | ストラクチャー
 帰省土産鉄道模型編その2

 などと書くと大袈裟ですが、車の帰省でないと買いそうにないものをいくつか。
 TOMIXの角店「不二家仕様」
 それまでの同社のストラクチャーの中で最もおしゃれに見える建造物(更に実在のブランド準拠)だったので印象が強いものです。

 TOMIXの角店そのものは割と単純な形態で自社の店舗と組み合わせる前提の構造なのですが、それだけに街並みが画一化しやすくなる欠点もあり、そこをどう処理するかがビルダーの腕(かセンス)が問われる部分でした。
 この不二家仕様はそういう意味で風景のアクセントとしてかなり良く機能していたアイテムと思います。

 ただ、困った事に当時(も今も)私の故郷には「不二家の店舗そのものが無かった」ですがw

 もう一つ、先日のイベントでつい手を出してしまったのがGMの商店のキットメイク品のジャンク。
 その名も「グリーンマックス」の店舗です。
 GMの商店はTOMIXの店舗とほぼ同時期に登場したにも拘らず外見がそっくりだったせいで当時のレイアウトの「街並みの画一化」を加速させてしまったという悲劇のアイテムと思います。

 キットのGMらしく店舗のステッカーは割合豊富でセブンイレブンやメガネドラッグ、事もあろうに「不二家」の仕様まで用意されていたのですが中には店舗の規模にそぐわない様な物も結構あったと記憶しています(例えば6メートル四方の敷地に立つ「西友ストア」なんてものは想像できませんw)
 ですが「自分の店の看板ステッカー」まで用意していたのは遊び心は感じた反面、自分のレイアウトに組み込むのには一種の気恥ずかしさも感じてしまい使った事はありませんでした。今回のジャンク品購入は当時私ができなかった事を実現していたユーザーへのオマージュみたいなものです。

 とはいえどちらのアイテムもジオコレやジオタウンの登場このかた日本型の店舗が充実している今だったら逆に使いでもありそうに思います。
 ですがとりあえずウェザリングと墨入れは必須ですね。

「新幹線公安官」と0系

2018-08-29 05:19:59 | 映画・テレビ
 8月からCSで「新幹線公安官」(昭和52年・東映・ANB)というドラマがスタートしています。

 西郷輝彦主演で内容は東京駅にある公安室のメンバーたちが新幹線の車内や駅構内などで起きる様々な犯罪に挑むというものです。
共演は中谷一郎、大坂志郎と西郷を合わせて「ナショナル劇場トリオ」に加えて坂口良子、三ツ木清隆、山村聰他。全体に地味なキャスティングですが以前紹介の「鉄道公安官」よりもハードな印象で笑える様なポイントがほとんどない生真面目な作品といえます。

 渡辺岳夫の手になる主題曲も緊迫感あふれる中にレールのジョイント音をモチーフにした様な名曲と思います。

 (とはいえ管轄外に当たる鉄道施設以外の場でカーチェイスをやったりとか、新幹線車内でいきなり拳銃を抜いたりとかするのですが、まあ、あの頃のアクションものは大概こんなのでしたw)

 題材が題材なだけに新幹線、それも0系の走行シーンがゲップが出るほど堪能できるのが本作の特徴の一つ。加えて車内セットは「新幹線大爆破」のそれを転用した「実車と同じパーツが使用された」リアルなことこの上ないものです。
(それゆえセットでないとできない描写も多数w)
 それどころかカットによっては「新幹線大爆破」のミニチュアシーンまで挿入される事があります。

 あの当時新幹線と言えば無条件に0系の事を指していたのですが、その0系しか出てこないドラマなのに、その劇中ではシステム性や時間帯の違いによる車内の様子の違いなども結構描写されていて案外画面的に飽きる事が無いのが意外でした。

 実は同じチャンネルでは先日来、石立鉄男主演の「鉄道公安官」(昭和56年 東映 ANB)というのもやっているのですがそちらの方はハートフルコメディ色が取り入れられ、割と気楽に観られるのですが、本作の方はそれに比べるとハードな印象で笑える様なポイントがほとんどない生真面目な作品といえます。
 こちらの作品も折を見て取り上げてみたいと思います。

帰省の戦利品から TOMIXの455系訓練車

2018-08-28 05:16:03 | 車輌・電車

 今他の方のブログを覗いているとこの世界、ほとんどJAM一色ですが、今年もスケジュールと予算の都合もあってやっぱり出かける事はできませんでした。
 それは残念ですが、先週の帰省の前後は例年になく収穫が多かったので多少なりとも慰めにはなっているかと。

 そんな訳で今回は帰省土産から
 物はTOMIXの455系訓練車3連。
 故郷の中古ショップで見つけた出物です。

 実車は平成の初め頃に訓練車に改造された仕様で、そのため一方のクハがクヤに変更されています。そのため主に車内を訓練車の仕様に改造しているそうですが、今回のモデルではそこまでは弄っていないらしいです。また、反対端のクモハの方は通常塗装に戻したうえで鉄道博物館の展示車となり現在は割と手軽に見る事ができます。

 訓練車という特殊な仕様が限定品とはいえ製品化される様になったのですからNゲージも凄い時代になりました。

 実はこの顔の急行型でTOMIXを入線させるのは今回が初めてなのですが、KATOのかっちりした造形と比べて微妙に柔らかさを感じさせる印象があります。以前頂いたコメントで「剛のKATO、柔のTOMIX」という評がありましたが言い得て妙です。
 少なくとも無機質的ではありません。車内は急行型の車内テーブルまでモールドしてあって個人的にはそそられますが皮肉な事にクヤの場合インテリアを弄っていない証拠としても目立ってしまいました。

 因みにTOMIXのHGモデルの名物(と私が勝手に呼んでいる)山の様な後付けパーツですが殆どが前ユーザーの手で取り付け済になっていました。今回ばかりは少し残念という気持ちと手間が節約できたという気分が半々です。

 さて、訓練車特有の標記や帯の追加は見慣れこそしないものですが、元のカラーリングが個人的に懐かしいものだけに、不思議な印象を残します。

 今時のファンだとグリーンライナー色くらいしか印象がないかもしれませんが、かつてはこのサーモンピンクのカラーリングに長旅を感じたものです。
 物が訓練車ですから通常ダイヤの間合いなんかでこっそり走っていたと思いますが、上記の懐かしのカラーリングと併せると一種の「幽霊列車」みたいなものかもしれません(笑)

 特にフライホイールなどを付けていないらしく走行性は一昔前のTOMIX車のそれです。特に惰行したり滑らかに加速するわけではありませんが、かと言って不満もないレベルということでしょうか。

 それにしても今年、いや昨年キヤ95を入線させて以来、不思議とこの種の事業用車両(いわゆる「はたらく電車(か気動車)」)の出物に当たります。実は今回の帰省ではもうひとつ大物を引き当てているのですがそれについては次の機会に。

ウッディジョーとバンダイ動力のはなし

2018-08-26 05:44:16 | 車両・路面電車
先日の帰省の折の戦利品から。

 この間モデルを製作したウッディジョーの木造電車ですがKATOの動力を指定されていたものの妙に腰高感があってどうしたものかと考えていました。
 この件に関しては以前レサレサさんからポケットラインの二軸動力のへコンバートの可能性を指摘いただいたのですが、その時は帰省中だったのでおいそれと手が打てませんでした。

 そんなおり、鉄道模型をほとんど扱わない故郷のホビーショップを覗いたところ、そこでひとつだけバンダイのBトレインショーティの動力を発見しました。しかも幸か不幸か「路面電車用」です。
 これを買ってしまうと帰省の際のお土産代が足を出してしまうのですが、今後入手できるかどうかわからないという焦りから購入してしまいました。

 帰宅後KATOの動力と並べて見たのですが、シャシの長さこそ同じなものの台車の軸距はバンダイの方がやや広めでした。
 そのせいか、足回りはKATOと異なるどっしり感があります。

 試しに車体を載せてみましたが、腰高感の改善はわずかなものの、KATOよりも見た目の安定感が得られました。
 肝心の走行性ですが、KATOのそれとは大差なし。特に不満はありません。

 さて、肝心のポケットライン動力ですが「ぎりぎりで動力の方が長いためにそのままではコンバートできません」でした。
 但しシャシを一部カットすれば載る可能性はありそうです。

 ここからどうするか、少なくとも3種類の選択肢が出てきたので考え処です。

帰省とあの頃の模型屋さんのはなし

2018-08-25 05:32:42 | 思いつくままに・考察
 帰省で故郷にいる間は用事やら買い物やらであちこち飛び回りますが、その折に感じるのが街並みの変転の激しさです。



 故郷の街中を流していてふと目についたのは、かつて地域のRC模型の殿堂とされ、鉄道模型もそれなりに充実していた模型屋さんの建物でした。
 看板こそ残ってはいますが現在はとうに廃業し、別の事業所が入っている様子です。

 そういえばこの趣味を始めた頃は、盛岡だけでも5軒以上は鉄道模型を扱う模型屋さんがあったのですが今では新品が買える模型屋さんは実質一軒だけです。その一方で中古モデルを扱う店は3,4軒ありますから中古の方が入手しやすいという状態になっています。

 これは現住地でも同様でして新品の模型屋さんよりも中古モデルの店の方が多いのですが、どちらの場合も近場にホビー系の量販店がないという共通点があります。

 つまり量販店すらない様な地方都市でも個人経営の模型屋さんは確実に減少傾向にあるという事は言えそうです。
 (もちろんネット通販の普及という要因も無視できませんが、この種の商品を手に取って確かめもせずに万単位の金をポンとクリックするというのは相当の度胸を要求される気がします)
 田舎だから模型のニーズが薄いという訳でもない様なので、一番の問題は後継者難ではないかと思えるのですがこればかりは厄介な問題かもしれません。
 ただ、そんな中で生き延びているショップは私個人では帰省の度に必ず覗きますし、大概の場合パーツ一個、キットひとつにしろ何かしら買って帰る事が多いのも確かです。特に車での帰省の時は帰省先でちょっとした工作をやる事もままありますし、現住地から持ち込んだモデルのトラブルの際には非常に重宝するのです。



 それにしても、手に届く所に「模型の事に詳しく、ちょっとした相談に乗ってくれるご店主が居る模型屋さんがある」というのは単なるノスタルジーとは別に実に重要な気がします。
 そういう店はたとえ定価販売で値引きがないか少なくても定期的に覗いてみたくなりますし、工作中にちょっと「あれが欲しい、これが足りない」と言った時のコンビニ的な存在としても、とても大事な気がします。ある意味ショップによってユーザーが質的に育まれるという要素はあるのではないでしょうか。

ポケットラインのチビ貨車

2018-08-24 05:28:14 | 車両・客車・貨車
帰省土産鉄道模型編(笑)

今回も実家でモデルの運転をするつもりで小型機関車を何両か持ち込んでいたのですが、それにけん引されるべき客貨車をなぜか忘れてしまっていました。
これでは単機回送モードの運転になりそうだと思っていたのですが、幸い故郷の中古ショップで適当なモデルに当たりました。

KATOのポケットライン、チビ貨車3両セット。
元々はチビ電のトレーラーの貨車を別個のセットにしたものです。
少しずんぐりしたトとトフの3両組ですがKSKタイプCタンクやマイクロの産業用機関車なんかにはよく似合います。


しかも前ユーザーの手により貨物として丸太が積み込まれ、更に予備として砂利の仕様まで用意されているという親切さ。

おかげで実家のミニ運転会は大いに盛り上がりました(と言って運転しているのは私一人なのですが)

帰省していました

2018-08-22 05:25:15 | 旅行

 例年よりも日程が若干ずれたせいでブログの更新のタイミングもずれましたが、つい今さっき故郷の帰省から帰ってきた所です。

 全く今年は気候が不安定で無闇な暑さとゲリラ豪雨の巣窟みたいな状況だったのですが、それでも熱帯夜級の夜の寝苦しさは幾分緩和された気がします。
 故郷ではそれすら通り越して明け方には毛布が欲しくなる位でしたが、この時期の東北の明け方というのは大体そんなものです。


 さて、帰省の折には故郷やそこまでの道沿いのあるショップも覗きまわるのが、ここ最近の常となっています。
 たまに意外な出物があったりするとつい財布を開いてしまい、いきなり編成物のデンシャ(もちろん中古)なんかを買ってしまう事もあるのですが、考えてみれば旅先でこんな真似ができるのも、サイズが小さい上に全国レベルでコンスタントに中古を入手しやすいNゲージならではと言えます。

 一方で台車だけ一組とか、現住地のショップで見掛けない塗料とか、周囲では払底してしまった動力ユニットとかなんて拾い物を買うことも最近では多いのですが「帰省・若しくは旅行中のお土産」としてはイメージの落差が物凄い気もします(汗)
 それをまた嬉々として現住地の自宅へ持ち帰るいい歳したおっさん、我ながらなんだろうこれは。



 そんな帰省などでここ数日の間に入手できた戦利品については次回以降触れていきたいと思います。

しなのマイクロの営団6000系と不動トラブルのはなし

2018-08-21 05:16:22 | 車両・私鉄/民鉄
入線の中古モデルとそれにまつわるひと騒動から。

 先日しなのマイクロの営団地下鉄6000系4連を見つけて入手しました。
 このモデルについては古くはGMのキット、以後もマイクロエースの完成品を経て先日大御所のKATOからも決定版と言えるモデルがリリースされている物です。

 6000系自体は好きですが、だからと言ってフル編成を揃えるほどの思い入れもなかった事もあって「適当に安い中古でもあれば」と言った程度のノリで中古屋を覗いていて見つけたものです。
 造形は今の目で見るとディテールなどないも同然。
 金属モデルの質感と肉薄の窓周りにアドバンテージはあるものの、エンドウに比べるとラフさが目立ってしまいコレクターユースでもないとなかなか手を出されないモデルとも言えます。

 とはいえお値段は手ごろですし、うちのレイアウトで103系1000番台とでも組み合わせれば様にはなると思い決断した次第。
 動力も試走した範囲ではノイズが物凄い物のどうにか走りますし、フライホイールもそこそこ効果を上げているようでした。

 そして帰宅後、早速4連を組んでパワーパックをひねると。
「全く走りません」
 店頭では走ったはずなのに何事かと思い動力車単体で走らせるとやはり走ります。

 これはトレーラーの台車の転がりの問題かと思い改めてよく見ると「パワーパックの警告ランプが赤」
 つまり動力車ではなくトレーラーのどこかでショートしている事になります。

 物が金属ボディなだけにどこかで絶縁が切れていると思いチェックしたのですがそれらしい形跡なし。
 ですが1両ずつチェックしたところ、片方の先頭車の台車から火花が出ているのが確認できました。

 このモデル、室内灯どころかヘッドライトすらついていないので普通なら火花など出るはずがありません。

 そこで台車回りを再チェック。
 その結果、片方の台車の絶縁が左右逆になっているのが判明。
 これがショートの原因でした。

 前のユーザーが逆につけたのか、それとも出荷当時からそうだったのかはわかりませんがとにかく車輪を逆につければ解決するはずです。
 ところがこの頃のしなのマイクロの台車はエンドウのそれに似てトレーラーでも構造が複雑なので(金属製の台車枠に車輪をはめ込み、プラ製のフレームを取り付け、鉄コレのそれとよく似たやり方で台車枠を装着する。しかも車体へのマウントはねじとナットなのでドライバー必須)分解整備に骨を折ります。
(最近のオールプラの台車枠の方がはるかにイージーなだけかもしれないのですが)

 今回分解してみて分かったのですが片方の台車のねじ止め部は金属製のウェイトにつながっていました。反対側の台車は普通にプラのフレーム止めでしたから、エンドウ同様に「前後の台車で±を集電し、ヘッドライトか室内灯を後付けできる構造」を意図していたようです。

 漏光対策はプラキットよりは楽なので室内灯くらいならあっても良い(もともと地下鉄ですし)とは思います。

 さて、車輪を入れ替えた6000系、4連でも動力が息を切らすような走りですがその辺も「あの頃のNゲージっぽい」と言えば言えます。

S660と猛暑のはなし

2018-08-19 05:28:33 | その他
 先月来35℃以上、どうかすると38度台の暑さが続いています。
 日中などは外の作業などとても続けて出来るものではありません。

 家の草むしりひとつするのだって20分位が限界でその後は日陰で水分でも摂らないとやっていられないレベルです。
 全く汗っかきにはたまらない暑さです。


 ただ、近くの観光地はどこもクルマでいっぱいですし、食堂の類は昼も夜も必ず待たされる始末。
 冷房なしの台所で食事を作るのが辛くなって、外食と洒落こもうとしても猛暑の中待たされるのですから結局変わりません。

 ましてやS660のオープン状態では太腿に直射日光が当たるのでジーンズでも履こうものなら痛いくらいに熱くなります。
 一方でエアコンを作動させるとガッキガキに効きますが、エンジンへの負担も半端なさそうなので多用はできません。
これ位日差しが強いとオープンで走っていても暑い事夥しい。
 「オープンで走っていてもエアコンを回す」というある意味本末転倒な状態です。

 S660のエアコンはMIDモードと言って運転席の腹から太腿に風を通す設定があります。
 これは暖房のみならず冷房にも有効でして、焼けついたジーンズの太腿が冷却されるとそれだけで疲れがとれます。

 ですが軽自動車ゆえにエンジンの余裕が少ないせいで、エアコンを作動させるとはっきりと走りがトロ臭くなります。
 それを実感するのがシフトアップの時で普段と同じ感覚でギアを繋ぐと変速ショックが頻繁ですし、シフトアップ後の加速ももどかしくなります。
 かといって屋根をクローズしてもエアコンを使わなければならない現実は変わりません。。

 個人的には「エアコン作動中はS660でない他のクルマ」を運転している感覚になります。普段運転していてこのクルマが軽自動車である事を忘れる事が結構あるのですが、猛暑の中ではそうはいかないようですね(汗)


 が、木陰の多い山の中ならS660の小ささと活発さは最大限に堪能できます。こういう時に田舎はいいですね。
 
 それでも天気だけ取れば好天である事は変わりません。
 幸い湿度だけは低いので風が吹いていれば日陰ではどうにか凌げます。

 こんなツーショットが撮れるのは連休中日の観光地位なものです。
 それにしてもS660の小ささは想像以上でした(笑)

ウッディジョーの木造電車タイプ2を作る

2018-08-18 05:19:19 | 車両・路面電車

夏の工作三昧、8月に入ってもあまり勢いが変わらない気がします。
今回は前にも予告した「ウッディジョーの木造電車タイプ2」

前作がクローズボディだったのに対して短いながらもデッキを備え、ピューゲルの代わりにポールを備えた古典的なデザインです。
前作のタイプ3よりも明治村の京都市電みたいな雰囲気が個人的に気に入っていたのでこちらの方を本命にしていました。

制作工程は基本的に前回と違いませんが、屋根の二段構造やデッキ部の工作はいかにも「工作をしている」気分に浸らせてくれます。
ポール部分はエッチングでパーツが小さい分少々手こずりましたが、付けて見るとなかなか雰囲気がよろしい。
かっちり感があるキットなので、製作の手間はそれほどかかりません。私は片手間で二晩掛けましたが、素組みなら2時間もあれば形になるでしょう。

動力はBトレ対応のKATO動力ですが、取り付けて見ると幾分腰高に見えてしまうのが惜しい。
動力の床板を一部カットするか、他に方法があるか検討したいところです。

鉄道ミステリとNゲージから 「駅猫」とワム50000

2018-08-17 05:16:58 | 小説
鉄道ミステリネタから

昨年来貨車や客車のキットを作る機会が増えているせいか、今回のネタも貨車モノです。
双葉社の「鉄道ミステリ傑作選」所収、上田廣作「駅猫」をば。

上田氏というといわゆる「兵隊作家」の草分けの一人とされていますが、鉄道員だった経歴を生かした作品も数多く、ミステリと組み合わせる事で独特の味わいのある作品もいくつか物にされています。「指導物語・或る国鉄機関士の述懐」などは氏の両方の資質が発揮された一作と思いますが現在はこれのみが青空文庫で閲覧できます。できれば「駅猫」も出て来るといいのですが。

内容は貨車を利用した一種のアリバイトリックものですが、ミステリとしてはごく普通の内容ながらも刑事の地道な捜査プロセスと駅周囲の描写の確かさでオチの見当がついても引き込ませるものを持っています。

本作の重要なモチーフとなっているのがいわゆる「駅猫」の存在です。
とは言っても別に和歌山鐵道の駅長のことではありませんw
かつて、貨物扱いの駅が多かった時代には構内に巣食うネズミを捕るために猫が飼われる事もあった様です。大概はそこいらの駄猫なのでしょうが餌に困らないので発育がよくなるのはともかく、そのうちに悪さをし始める様になると駅員の手で「他の駅に左遷させられる」ことも多かったらしい。

この猫の存在が事件解決の鍵になるのですが、詳しくは実際に読んでいただく方が良いかと。

さて、先に「左遷」と書きましたがそのやり方は「回送中の貨物列車の中に捨てて行く」ものでして猫の入り用な駅があるとそこで改めて拾われるという独特な人事異動(笑)だった様です。作品自体はフィクションでしょうが駅猫のシステム自体はおそらく実際にあったことだと思います。

猫を閉じ込めるのですから、捨てるのは当然有蓋車ということになりますが作品の時代から言ってワム80000では様になりません。作中でワムの他にスムやスラといった戦前ものの貨車が出ているところから見てNゲージモデルで該当しそうなのはナインスケールのワム50000とか新しくてもワム23000辺りが似合う気がします。

最近はワムとかツムでも扉が開放できるモデルがちらほら出ていますから、これを使ってミニシーンをレイアウトに組み込んでも面白いと思います。

ただ、Nスケールで適当な猫のモデルがあればの話ですが(汗)

趣味の原点を振り返る 番外編 関水金属のD51

2018-08-16 22:29:05 | 車両・蒸気機関車
趣味の中断前に入線していた大昔のNゲージモデルの思い出から。

今回は関水金属のD51です
このモデルはSLブーム真っ只中の昭和48年にリリースされたものです。
あの当時の「デゴイチ人気」たるや相当なものでして、蒸気機関車がなんだかわからない人でもデゴイチだけは知っているというくらいのステイタスでした。

実際、1000両以上製造されたこともあって日本中D51を見ないところはない(大型機が入りにくい四国にまで入線していました)勢いでしたし、その「偉大なる凡庸」ぶりゆえに全国区の人気に繋がっていた面もあったと思います。
スター級の名機はいくつかありますが普及度の高さで人気を得たケースはそうなかったのではないでしょうか。例えて言うなら「カローラやハイゼットがアイドルになった」様なものでしょうか。

そしてそのタイミングで関水金属D51をリリースした事は長い目で見てもNゲージの普及に果たした役割は大きかったと思います。

 そのD51、この趣味に入って3年目くらいに入線しています。
 その入手経路というのが「誕生日のプレゼント」
 このブログで何度か取り上げている機関士だった親類の伯父さんから頂いたものです。

 確か同じ関水のトキ15000も2両ばかり付けて頂いたものです。
 あの頃は「誕生プレゼントに鉄道模型」というのは結構なステイタスでしたがあの頃でも日本型の機関車の中でD51はかなり高額な部類でしたから非常に嬉しかったものです。

 このD51が最も活躍したのは毎年大晦日の年越し運転。
 トキの荷台に縁起物のグッズなどを組み込んで年が変わる直前から年をまたいで走らせるというのが趣味の中断まで恒例になっていました。

 上の写真は趣味の再開後にC50で当時の編成を再現したものですがおおむねこんなノリで走らせておりました。

 模型としてのD51ですが走行性はそれまでの日本型Nゲージの中ではダントツに良かった記憶があります。スローこそ苦手でしたが加速のスムーズさや安定した巡航性能は流石関水のフラッグシップの風格が感じられたものです。
 ただ、当時モノのD51の中古は趣味の再開後に何両か入線しているのですがモーターマウントのがたつきなどで自走不能になっている個体が結構あります(モーター単体は回るのにギアがかみ合う瞬間にモーターが後方にずれてきちんと伝達しない)
 どうかすると店頭でのっけから「これは走りません」なんてタグの付いた奴にまで当たったりする事もあります。

甲府モデルのシキ180を作る2

2018-08-14 05:36:31 | 車両・客車・貨車
 甲府モデルのシキ180を作るはなしその2です

 さて、次に控えるはシキ180を特徴づける荷台を含めた車台部分。

 長手の4本のフレームと30近い横梁のパーツをちまちまと組みつけるプロセスです。
 用意するのはよく切れるカッターにピンセットとボンド、更にパーツにボンドを付けるために爪楊枝かそれより細い針があるといいと思います。
 ここは本当にちまちました工程で、鉄道模型と言うよりも帆船模型の竜骨部でも作っているかのような錯覚を感じさせます(笑)

 ただそれぞれのパーツの合いはいいのですが、横梁のパーツがぺナぺナですので2~4本の縦梁の端を揃えるのが意外に難しい印象でした。
 特に一番端に当たる縦梁は前後方向に微妙にずれやすい上に端の部分が折れやすいのでぴったり合わせるのに意外に手間を掛けます。

 ですがここさえ仕上がってしまえばあとは組み立てだけの楽しい工程です。
 上下に床板を貼り、中間フレームを組み込むジョイント部を両脇に貼り付けると車体部も形になります。

 あとはこれに中間フレームと台車、カプラーを取り付け手持ちの6.5ミリ径車輪を10個装着。

 私が作るものなので雑な部分もありましたが黒く塗装してしまうとどうにかごまかしは利きます(汗)

 今回のモデルはこれまで作ってみたトキ900、チラ1、ナロネ40のどれとも工作のノリが異なり、それゆえに少々まごついたり失敗した所もあったりします。
 ただ、組みあがりの達成感もこれまでのどれよりもあったのも確かです。

 個人的な感想ですが、初心者がこのキットにいきなり手を出すのはよほど器用でないと剣呑なところがあると思いました。

 特にペーパー製台車枠はNゲージサイズの小さなものでもあるのでちょっとしたズレでも車輪の転がりやカーブのクリアに影響が出やすいと思います。

 シキ180には荷台が平らな1次型もキット化されていますが、できれば先にこれを習作代わりに作って要領を把握してから2次型に掛かる方が失敗が少ないのではないかと(特に台車回り)
 このメーカーはペーパー製台車枠のボギー車もどんどんリリースしていますからそちらの方も練習台にはなるかとは思います。

 その意味ではこのシキ180、甲府モデルとしてはフラッグシップモデルとして面白い存在と思いました。
 作る事自体にプライオリティを置く様なモデラーにとっては、初めてトラ辺りに挑戦して「いつかはクラウン」ならぬ「いつかはシキ180」みたいな目標になれば面白いかもしれません(笑)

「TMS夏期大学」を受講して(笑)

2018-08-12 05:34:11 | 書籍
最初にお断りしておきますが、こういう講座をやっているという話ではありませんのでご注意を。

 前回も書きましたが、7月に入り、当鉄道も台所の隅っこでちまちまとはいえ、車両工作のピッチが上がっています。
 一月で4アイテム以上と言うのは、これまでの私のホビーライフでは空前の出来事でして我ながら驚いています。

 それゆえ、例年にない「夏休みみたいな気分」も高まっている訳で(笑)
 そんな折に思い出したのが50年以上前のTMSに掲載されていた夏休み企画「TMS夏季大学」という随筆です。

 物が古本だったという事もあって最初にこれを読んだのは数年前の春先だったのですがこれを読み返すならまさに今がその時ではないかと。
 このコラムは昭和30年代初め「瑞穂鉄道」と言う非電化レイアウトを引っ提げて登場し、40年代には街並み工作にも意を用いた路面電車のレイアウトで当時の読者の心をつかんだ二井林一晟氏。
 晩年(21世紀初頭)の頃まで鉄道模型の世相や動向に関して時に辛口、時にウィットを感じさせる随筆を残して、その面でも印象に残る方です。

 この機会にと改めて読み返して見ると、やはり面白い。
 で、同時に今でもうなづかされたり、触発されたりする事が多いのに驚かされたります。

 この「夏季大学」と言うタイトルからして軽いユーモアのノリがあるのですが、数学・語学・心理学・医学などとタイトルを付けて当時の鉄道模型マニアの生態を時に軽く皮肉り、時に模型の楽しみ方に筆者なりのヒントや指針を示す内容になっています。

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一例をあげると「語学」のコーナーで当時のマニアが専門用語に基づいた隠語を使う傾向を以下の文章を解読させながら投稿の文章にユーモアとセンスが必要である事を軽く皮肉っています。

 
学校を出てから十余年、タンクロコであった時代にはカッコいい電車の5両や10両は、スイスイと製作できて最高にゴキゲンだった(中略)結婚したのが大間違い。モケイも電車もまるでだめ。毎日リモートコントロールされて、オイラは哀れなテンダードライブ(中略)
 吹けば飛ぶよなプラモデルをいじっているうちにかわいいベイビー誕生。ハイハイ。まるで現物合わせだねと言われるほど俺に似ている。1M2Tになってはエンジン加熱でますますC調。アイデア売りますとばかりムキ的車両にスパークして「●●は生きている」に投稿するようになる。
 心境の変化でチョボクレた電車などオカシクッてなどといきまいているうちに家内の顔もウェザリング、オイラのカプラーもダミイとなっては夫婦円満。若い者の意見にも「イイカラ、イイカラ」とよろずムキにならない。心静かにドリルレースやタップを活用していうなれば枯れた作品の制作にいそしんでいる今日この頃である。


 (機芸出版社「鉄道模型趣味」1963年7月号386Pより引用)

 これを読んでちんぷんかんぷんなのは少なくとも30代未満、いや、当時の読者でさえこれの意味を把握できた人がどれだけいる事か。
 尤も今は隠語や専門用語がもっと跳梁していますがこうした傾向が昨日今日始まったのではない事も伺われますね(笑)

 或いは「心理学」の項で鉄道模型の趣味の無理解な一般の人の皮肉に対処する法なんてのがあります。

 
「二井林さん、そんなに汽車が好きならいっそ国鉄に勤めたらよかったのに」「ハハ、なるほど。でも海で魚を釣っている人がみんな漁師という訳ではないでしょう」
 いつも私が使っている方法です。このようにして例えば、
 「モケイなどに時間をつぶしてもったいない」と言う人には「釣って帰った魚は皆食べないと気がすみませんか」と応酬しますし
 「いい年をして記者いじりですか」と冷やかす人には「日本の趣味は今までがあまりにも実用本位でしたからね。切手一枚に850万円出す人の気持ちが分るようになりたいと思いますね」などです。

 決して鉄道模型趣味の本質をむきになって説明しては遠回りです。このように規制の趣味道楽の例を引用してやんわりと返事をする方がずるいようですが成功します


 (機芸出版社「鉄道模型趣味」1963年7月号388Pより引用)

 なんてのも今でも通用しますね。それでいてスノッブなマニアの気質についての皮肉も忘れていません。

 こんな調子で数学では最初はスケール談義と思わせておいてお金の計算に話が移ったり、物理学ではレールや車両のトラブルを物理法則を持ち出して煙に巻いたりと概ねがこの調子です(笑)

 夏の日長を過ごすにはもってこいの肩の凝らない読み物のつもりで読み始めましたが、読むほどに頭の中の凝りがもみほぐされるような感覚が味わえました。
 鉄道模型が大人の趣味と言うならこれ位の余裕のある文章が読みたいものです。

 最近の技法一辺倒、実車解説一辺倒の書籍はどうにもこの種の頓智と言うかユーモアが足りない気もしますし。

甲府モデルのシキ180

2018-08-11 05:32:11 | 車両・客車・貨車
夏休み工作第4弾にして最大の大物の工作に掛かります。

 物は甲府モデルのシキ180二代目。
 モデルのサイズも去る事ながらボギー台車の台車枠や中心ピンまでペーパー製。
 車体にも大量の横梁を組み込まなければならないという見た目になかなか手強そうなキットと言えます。

 実際、ご店主の話でもユーザーの反応が「難しかった」「案外そうでもない」と二つに分かれていたそうなので私個人としても事前に判断が付きかねました。
 先日の台風が通過して若干時間ができたのでこの大物にもそろそろと掛かろうかと思います。

 先ず最初に掛かるのは2軸と3軸各ふたつづつ必要なボギー台車枠。
 このメーカーの例にもれずペーパー部材を地味に重ね張りして行きます。この際、特にボンドのはみ出しに注意しないと車体に組み込む際に台車が回らなくなったりするので相当慎重にやらなければなりません。

 しかも説明書を注意深く見ないと「台車枠の表と裏を間違えて組み立ててしまう」なんてミスをやらかします。

 カプラーポケットと中心ピンが表と裏に付けるのが正しいのですが、一度ついうっかり両方を同じ面につけてしまいやり直すなんて間抜けな失敗をしてしまいました。
 素材が紙なので、一度剥がして貼り直すとなると表面の剥離やボンドのはみ出しが出やすくなるので注意が必要と思います。

 そんなこんなで台車枠を形にします。
 なお、台車枠の上面と側面の接着は特に強度を要求される部分でもあるので固着には十分に時間をかけた方が良いと思います。

 次に二つの台車を組み込み、更に本体と連結させる中間フレームを同じ要領で製作。こちらもくれぐれも表と裏を間違えないように。

 ここまでやった段階で試験的に台車枠を組み込みましたが、案の定組み直した側の台車枠の回転が渋い。
 他の部分はほぼ問題なく軽く回りましたのでやはりここは貼り直したことが祟っていると思います。
 してみると、この部分は特に細心の注意が必要の様です。

  さて、次に控えるはシキ180を特徴づける荷台を含めた車台部分。

 長手の4本のフレームと30近い横梁のパーツをちまちまと組みつけるプロセスです。
 用意するのはよく切れるカッターにピンセットとボンド、更にパーツにボンドを付けるために爪楊枝かそれより細い針があるといいと思います。
 ここは本当にちまちました工程で、鉄道模型と言うよりも帆船模型の竜骨部でも作っているかのような錯覚を感じさせます(笑)

 ただそれぞれのパーツの合いはいいのですが、横梁のパーツがぺナぺナですので2~4本の縦梁の端を揃えるのが意外に難しい印象でした。
 特に一番端に当たる縦梁は前後方向に微妙にずれやすい上に端の部分が折れやすいのでぴったり合わせるのに意外に手間を掛けます。

 ですがここさえ仕上がってしまえばあとは組み立てだけの楽しい工程です。
 上下に床板を貼り、中間フレームを組み込むジョイント部を両脇に貼り付けると車体部も形になります。

 あとはこれに中間フレームと台車、カプラーを取り付け手持ちの6.5ミリ径車輪を10個装着。

 私が作るものなので雑な部分もありましたが黒く塗装してしまうとどうにかごまかしは利きます(汗)

 今回のモデルはこれまで作ってみたトキ900、チラ1、ナロネ40のどれとも工作のノリが異なり、それゆえに少々まごついたり失敗した所もあったりします。
 ただ、組みあがりの達成感もこれまでのどれよりもあったのも確かです。

 個人的な感想ですが、初心者がこのキットにいきなり手を出すのはよほど器用でないと剣呑なところがあると思いました。

 特にペーパー製台車枠はNゲージサイズの小さなものでもあるのでちょっとしたズレでも車輪の転がりやカーブのクリアに影響が出やすいと思います。

 シキ180には荷台が平らな1次型もキット化されていますが、できれば先にこれを習作代わりに作って要領を把握してから2次型に掛かる方が失敗が少ないのではないかと(特に台車回り)
 このメーカーはペーパー製台車枠のボギー車もどんどんリリースしていますからそちらの方も練習台にはなるかとは思います。

 その意味ではこのシキ180、甲府モデルとしてはフラッグシップモデルとして面白い存在と思いました。
 作る事自体にプライオリティを置く様なモデラーにとっては、初めてトラ辺りに挑戦して「いつかはクラウン」ならぬ「いつかはシキ180」みたいな目標になれば面白いかもしれません(笑)