光山鉄道管理局・アーカイブス

鉄道模型・レイアウトについて工作・増備・思うことなどをば。
こちらはメインブログのアーカイブとなります。

鉄道ミステリとNゲージ36 「蒸気機関車殺人事件」とC57

2021-05-30 05:22:48 | 小説
 久しぶりに「鉄道ミステリとNゲージ(あるいは鉄道模型)」ネタから
 今回は鮎川哲也監修、光文社版の「見えない機関車」所収の海野詳二作「蒸気機関車殺人事件」をば

 私は殺人犯人であります。しかも世にも不思議な殺人犯人でもあります。
(光文社カッパノベルズ「見えない機関車」所収「蒸気機関車殺人事件」P62より引用)

 こんな書き出しから始まる本作は、かつて走行中の機関車内で先輩機関士を殺害したとして逃亡中の元機関助手の独白の形で、殺人犯の名を負いながら逃亡を続ける「私」が事件の真相を追いながら彷徨してきた経歴を語ります。
 彼も知らない事件の真相、それが知りたいが故に自らは逃亡者の身に置きながら一心に生きてきた「私」。
 事件から永い時が流れ、ようやく掴んだ事件の真相とは何か。


これが大まかなあらすじです。

 本作は業界紙の「運輸日報」に掲載された一編ですが鉄道員の読者が多かったのか中盤で「私」が語る機関区の仕事の描写はかなり詳細です。

 そして本作のもう一つの主役と言えるのが「私」と先輩機関士が乗務するC57蒸気機関車の描写です。
 C57の外見の魅力に始まって整備や乗務の苦労、そして勾配を越え平坦地を走る変化に飛んだ区間を疾走させる機関士と機関助手の苦しみと達成感に満ちた業務への使命感と喜び。
 全24ページの作中のなんと10ページまでがC57の描写とそれに乗務する機関士の矜持のはなしで占められていますが、実はこれが「私」が汚名を着、身を落としてまで事件の真相を追い求める「動機」に対応しているのが見事です。

 そして後半である人物から事件の真相が語られますが、編者が解説で書いている通り「未だかつてこうした動機に基づく『殺人』は書かれたことがなかった」と思われます。
 それゆえ短編のミステリでありながら読後の感動と寂寥感は長編に負けないものがあります。
 これまで紹介してきた数々の短編鉄道ミステリの中では随一の「泣けるミステリ」でもあると思います。

 さて、上述の様に本作の一方の主役と言えるのがC57な訳ですが、16番でも昭和40年代から複数のメーカーから完成品やキットが出ている定番モデルです。
 一方、79年に「やまぐち号」の牽引機にC57が抜擢された辺りからNゲージでもC57が続々と製品化されています。
 最初は確か中村精密の金属モデル、次いでTOMIXがテンダードライブのプラ製、そしてKATOがエンジンドライブの模型としてはコンベンショナルなモデルで続きました。
 その後もワールド工芸や天賞堂などが続きTOMIXやKATOの第二世代C57のリリースで現在に至ります。

 かつてのD51同様、蒸気機関車の代表格になったC57は模型の世界でもスターであり続ける存在ですが、本編を読むと実車が当時乗務していた方々からも愛された花形だったことがよく伝わる一遍でもあります。

モジュール改装中7 火の見櫓を復活させる

2021-05-29 05:18:46 | モジュール・2
 モジュール改装工事も大詰めです。
 前の運転会の時に紛失していた火の見櫓を再度据え付けました。

 モジュール製作当時はNゲージスケールの火の見櫓というとGM製しかなかったのですが、それから10年ほどの間にジオコレやみにちゅあーとでも火の見櫓が発売され、外見や設定に合わせて選べるようになっているのには驚かされます。

 実はこの機会に別なブランドの火の見櫓に差し替えようかと思ったのですが、改めてみるとGMの火の見櫓は後続製品が出た後でもなかなか端正な造りで、これを差し替えるのはちょっと躊躇させられました。

 結局ストックから予備の火の見櫓を据え直します。
 ついでだったので人形も載せてしまいました。

 但し消防団員のフィギュアは今の処どこからも出ておらず、既存の人形の塗り直しも難しそうなので「非番の団員が何かのついでに登ってみました」と言った感じのノリになっていますw

KATOの京急230形 大師線4両セット

2021-05-27 05:14:09 | 車両・私鉄/民鉄
 先日現住地の近場にオープンしたヨ〇バシカメラの開店セールで入手したご祝儀買いアイテム。

 実はこの間までリリースを知らずホゾを噛んでいたKATOの京急230大師線仕様の4連。
 開店セールでなら入手できるのではないかと踏んで真っ先に駆けつけた甲斐はありました(笑)

 16M級の短躯でありながら、4連化するとなかなか堂々とした佇まいを見せる230。独特の大窓の前面は戦前派とは思えない開放感あふれる軽快なルックスで私の琴線に触れる車両でした。
 これまで量産モデルでは鉄コレ仕様とホビセンのデハ268が出ていましたが今回の4連はまさに真打と言いますか、後出しジャンケンの強さと言いますか、従来モデルの不満点をほぼ解消している好モデルと思います。

 実は今回の4連は現在改修中のモジュールのサブエンドレスで主役として活躍してもらう目論見がありましたので帰宅後、早速試走します。

 4連とはいえ動力車が片側台車駆動なので線路のコンディションや勾配の設定によっては息切れしやすいと思われる走りでした。
一応R140のミニカーブは余裕でクリアします。

 短躯故に4連でも900✖️400のミニエンドレスに丁度いいくらいの長さになるのはこの形式ならではですね。

 もしこれでも長すぎるというならホビセンから230の琴電仕様の2連モデルも出ており、こちらならかなりの小レイアウトにも似合うと思います。

モジュール改装進行中 その6 クルマとヒトを配置する

2021-05-26 05:12:11 | モジュール・2
 春からこの方続けてきたモジュール改装もそろそろ仕上げの段階です。

 今回は車の配置のし直しと、人形の配置です。
 最初にこのモジュールにかかった時には車の年代も数も無造作に配置していました。作った時はそれでよかったのですが、運転会に持ち込んでみると列車を撮影したり眺めたりする時に手前の車が邪魔になって列車がよく見えないと言う本末転倒な事態がしばしば。

 人形に至っては製作以来1人も配置しないゴーストタウン状態でした。

 後に追加製作したモジュールでは人形や車の密度の配置が風景の活気に大きく影響する事を改めて認識しましたから、今回の改装では車の配置には少しだけ慎重になります。

 撮影ポイントの前に車が邪魔にならない配置を計算し、年式も基本昭和30年代前後に絞りました。
 ・・・までは良かったのですが、一番目立つところに配置していた2000年代のフェアレディZだけはどうやっても外せずにそのままになってしまっています。やむなく手前に人を配置して少しでも隠そうと図っていますが殆ど無意味でした汗

 人形の方は多すぎず少なすぎずを心がけましたが、車ほどの影響はなかったような感じです。まあ、ゴーストタウンよりはマシですが。

Nゲージスケールの「亀有公園前派出所」

2021-05-25 05:09:58 | ストラクチャー
 先日「こち亀」とテツドウモケイというネタを書いたばかりでしたが、それから間を空けずに関連アイテムを入手するとは思いませんでした。

 今はなき「こばる」さんの「葛飾区亀有公園前派出所」のNゲージスケールキットが近所の中古ショップに並んでいるのを見つけました。
 こばるといえば、こち亀の主要キャラクターをNゲージスケールフィギュア化・製品化していましたが、存在は知っていても舞台となる派出所の方は手が出ませんでした。

 まあ、無理からぬ話で当時は当レイアウトやモジュールにはすでにジオタウンやジオコレの派出所、それどころか警察署まで既に配置されていたのでこの上派出所を増やす事ができなかったからです(現状でも土地がないですが)

 ですが先日のブログ記事を書いた直後にこう言うキットにあたるとなると何か引き寄せられている感覚を感じたのも確かです。

 と言うわけで晴れて購入となりました。

 とりあえず休日蟄居の友となってもらう腹づもりですが、これまでのプラやペーパーキットに比べ手間がかかりそうな部分があります。

 それはクリアパーツ。
 普通のこの種の建物キットならば窓セルを貼るのが普通ですがこのキットの窓ガラスははめ込み式。
窓だけなら良かったのですがドアまでもクリアパーツ成形と思いませんでした。つまりこのまま素組みしてしまうと「ドアまで透明化」と言うことになります(笑)
 それを離れてもプラキットで塗装が必須となりそうなのでいつものペーパーキットより手間がかかりそうです。

「こち亀」とレイアウトのはなし

2021-05-23 05:57:12 | 書籍
 先日来紹介している漫画とテツドウモケイのはなしから

 通巻200巻で完結した秋本治の「こちら葛飾区亀有公園前派出所」
 主人公の両津勘吉の破天荒なキャラクターややたらに濃いサブキャラが暴れ回るテンションの高さと適度に人情・レトロ系の話題にも意を配ったバランス感覚の高さでジャンプ最長の連載期間を乗り切った一作なのは皆さんもご存知の通りです。

 一方で本作はありとあらゆるホビーについて蘊蓄やマニアの世界を(漫画的に誇張しながら)謳いあげる「ホビーマンガのお手本」という側面もあるのが見逃せません。
 で、あれだけの話数があるのですから、鉄道模型のネタを使った作品が複数あるに違いないと睨んでいたのですが高志国太郎さんのブログのコメントやレサレサさんからの情報提供により該当する作品が(やっぱり)存在していたことを知り、折に触れて該当の話の入った単行本を探していました。

 とはいえ、どういうわけか私の地元では新刊・古本屋ともに当該の巻が置かれておらず1年くらい往生していました(さっき気づいたのですが電子書籍でなら簡単に入手できたはずです。なぜ今までそれに気づかなかったのか)
 先日ようやくいくつかを揃えることができたのでこの機会に紹介して見ようかと思います。

 まず単行本22巻所収の「線路は続く!」の巻
 冒頭から「プラモ屋の店じまいセールで入手したTOMIXのNゲージ線路を派出所内に敷き回す両さん」から始まります。何故TOMIXかというと「地元葛飾のおもちゃ会社トミーはわし好みのおもちゃを作ってくれる」だそうです。
 そこに飛び込んだ仕事は「秘蔵の模型を盗まれた地元の鉄道マニアに事情聴取」
 出かけてみると「レイアウトはもとより実車の蒸機まで飾られた一人JAM状態のホビールーム」がお出迎え、しかもそれだけでは足りずに近郊に「1/2スケールのレイアウトを建設中(ロムニー鉄道並みですな)」という筋金入りマニアのおじさんが登場します。
 そこに鉄道模型を人質に金を要求する「レイアウトジャッカー」までもが登場し・・・
 というのが大まかなストーリー。

 続いては154巻所収の「よみがえれ!!鉄魂!!」の巻
 大叔母の経営する超神田寿司の座敷で管を巻いている両さんに届けられたのは
 Nゲージの線路セット。早速座敷中に線路を敷き回し檸檬やみかんと運転に興じる両さんだったがふとしたことから「Nゲージの線路の地下鉄網を構築して寿司屋の出前に使う」という壮大な計画を思いつく!

 やがてお得意さんへの路線延長も完成し、5列車同時運転の「出前地下鉄」が開業の運びとなるが・・・
 前回よりもスケールがアップすると同時に冒頭に「両さんの鉄道模型マニアの分類講座」まで付いてきて充実度の高い一編です。

 初読の時その蘊蓄に驚かされましたが、実はこれでもまだ甘かった事を思い知ったのが

 168巻所収の「最新鉄道模型の巻」
 ある日派出所に届いた両さんあての荷物
 それは「世界初の量産型HOゲージレイアウト」だった
 その「29万円というお値段」に驚く麗子だが、両さんがそれにカチンときた事から「以後延々8ページにわたる両さんの鉄道模型講座」が開陳されるのだった!
 (これがなんと前に紹介した少年サンデーの「鉄道模型グラビアよりページが多い」のですよ驚)

 一般向け漫画でこれほど詳細な「鉄道模型講座」が掲載されたのはまさに前代未聞と思います。
 ここでの主役はHOゲージですがNゲージの成立の経緯にも触れられていて下手な入門書よりも要領がいいくらいです(笑)
 尤も「HOは外国サイズなので」とか「メルクリンとフライッシュマンが同じ線路上を走れると誤解させる表現」とかもあったりしますが。

 ここでのHOレイアウトも超急曲線なので漫画の様にDF50が走り切るのは難しそうですが、今なら「猫屋線のナロー」でこの種の出来合いレイアウトも可能かもしれません(おそらくこれなら29万もしないと思いますし)

 ここまで俯瞰して感じるのは「後になるほど両さんの蘊蓄が濃くなってゆく点」です。
 おそらく22巻の時点では一般レベルでは「NとHOの区別がつかない層」も多かったと思われますが、時代が下がるにつれて一般レベルでの認知が進みHOのレイアウトの話が通用する位にまでなったという事かもしれません。
光山鉄道管理局

モジュール改装進行中・5 花を増やす

2021-05-22 05:54:04 | モジュール・2
 秋から続けてきたモジュール改装もそろそろ大詰めです。
 今回はお寺の周囲の植生の追加。

 本堂前の植え込みで花を増やそうというのが今回の主眼です。
 実はこのプロセスではある秘密兵器(ってほどでもないのですが)を使ってみる事も目的のひとつでした。

 今はなき「こばる」さんが数年前に出していた、その名も「花咲か爺オラマ」
 数年前にソニックシティのイベントで購入していたものです。

 レイアウトに花を増やすアイテムらしい事は漠然とわかっていたものの、これまで使う機会がなく、長い事塩漬けになっていたものです。

 中身は正体不明の白い粉。これが花になるものと勝手に思っていたのですが、実際には水性絵の具と木工ボンドを混合して使うものとわかり、慌てて近所の百円ショップへ急行(画材屋かホームセンターなら六十円くらいで買えるのに)

 これらを混合したペーストをちぎったフォーリッジに軽く叩く様に塗りつけると躑躅なんかの様に花の咲いた木の印象になるという物です。
 色は先述した様に水彩絵具の色を使うので色のバリエーションは無限大。
 今回はピンクと赤を適当に使い躑躅のイメージで仕上げました。

 思ったより華やかさには欠けますが、使い様によっては花壇はもちろん例えばさまざまな色を使う花屋の店先などで威力を発揮すると思います。
 あとは人形と車の配置ですか。

地方のテツドウモケイショップの動向に思うこと

2021-05-20 05:49:30 | 思いつくままに・考察
 今回のはなしは一模型ユーザの立場から一種の放言を並べたような内容です。思い込みや思い違いなども多々あると思いますがその点はご容赦ください。

 先日Manicさんのブログを拝見していて、東北地方でファンの聖地となっていた鉄道模型の扱い店が相次いで閉店、縮小しているという記事に当たりました。
 そこで取り上げられている店の中には私が帰省のたびにお世話になっていた(いつ行っても空手で帰る事が無いくらいサプライズ性のある品揃えの店)ところもあって読んでゆくうちに身につまされる思いがします。

 実際ここ1,2年の傾向として私の現住地はもとより出先の店(但し東京周辺を除く)でも全般に鉄道模型の品揃えは縮小傾向にあります。
 これは新品だけではなく中古品でも似たような傾向でして最近では中古ショップに行くにも「欲しいものが無いのを確認しに行く」なんてノリで出かけてしまう事も増えました。
 (ましてや最近のコロナ禍で外出自体が減っていますし)

 これをもって鉄道模型の趣味自体が縮小しているのかどうかは私には正直分かりません。
 ですがここ20年くらいの各メーカーのラインナップを見ていると「地方のショップでテツドウモケイを扱う事が徐々に困難になりつつある」事は実感されます。
 
 その理由のひとつは「アイテムの多品種少量生産化」です。
 これまでの鉄道模型の製品化というのは人気車種、或いは実車の普及度が高い機種をモデル化すればそこそこの売り上げを上げられました。
 Nゲージの勃興期、その普及の原動力になったのはD51とブルートレインでしたし70年代末のTMSのアンケートでも製品化が希望されていたのは気動車と蒸気機関車だったそうです。

 あの当時はまだ国鉄時代で車両のバリエーションが多くなかったのに加えてD51や485系、キハ58系の様な全国区の形式が多かった。
 言い換えるなら当時の鉄道ファンにとって共通言語足り得る形式が多かったという事でもあります。
 だからそれらの形式が製品化され、店頭に並べば何はともあれ一定の数を売る事が出来た訳です。

 しかし国鉄が分割民営化され、地域ごとに独自の定番形式が作られるようになるとそうした共通言語ともいえる形式がなくなり形式の分散化が著明になり始めます。
 で、21世紀の初めくらいからは「地域によって売れ線モデルが変わってしまう事」が恒常化し始めます。

 まあ、そうでなくても鉄道趣味は地域による嗜好の偏在が他の乗り物ジャンルよりも激しいといえますから勢い多形式を少量生産する方向にシフトせざるを得なくなる。
 (この「共通言語」を「メジャー形式の地方私鉄への譲渡車」という形で焼き直してヒットに繋げたのがトミーテックの鉄道コレクションと言えます。しかしこの手もそう長くは続けられないですから一種過渡期のジャンルではあります)

 そうなるとせっかく多くの種類の製品を並べても、それらの大半がいつまでも売れ残ったままの棚塞ぎになってしまう事になります。
 それでいて模型店という業種は「ある程度の品揃えのボリュームを常に見せつけていないと客が寄ってこない」という特殊性も持ち合わせていますから事は厄介です。

 かくして地方の店では「いつ売れるのかわからない(それでいてそれを支持するユーザーがいつ現れるかわからない)在庫車が店内を埋め尽くし収拾がつかなくなる繰り返し」に消耗する事になります。
 売れ線モデルだけ揃えるというのは一見すると好いのかもしれませんが、そういうところはどうしても品揃えが薄っぺらに見えてしまうジレンマもあります。
 それに鉄道模型ファン自体の嗜好も年を追うごとに細分化が進んできていますからモデルの多品種化の方向は今後ますます加速する事は間違いありません。

 ですから今後は地方のショップは全国のユーザーを相手にした通販に軸足を移すか、予約販売のみの商売にシフトする傾向が今後強まるのではないかと感じてはいます。

ですがこういう傾向が加速してしまうと「鉄道模型を手に取って確かめながら購入する」という模型の買い物として一番大切な買い方ができるのが大都市圏の一握りの専門店でしかできなくなるという事になりかねません。
 地方在住のファンとしてはそれが一番困る事です。

 これに歯止めをかける為の即効性のある方法というのはなかなか見つからないでしょう。
 私なんかでも考えつく事と言えば(非常に時間がかかる地道なやり方ですが)少しでも鉄道模型の購入層のパイを広げるしかないような気がします。

 具体的には地元の一般層にアピールする形での鉄道模型の絡むイベントを積極的に行い、この趣味の魅力をできるだけ多くの人に知ってもらうこと、あるいは他地域の客を呼び込めるような店としての特徴、魅力を構築するとかと言ったことでしょうか。
 もちろんこれは店側の努力だけで成し遂げることは難しいでしょうから地元のファンとの協力を密にし、店とファンとの両輪でこれを行なう形でそれが行なえれば理想的ではないかと思います。
 
 最近は県域、地方レベルでの鉄道模型イベントが増えつつありますし、私の所属するクラブがそうであるように地元の商業施設や祭りとコラボする形でのイベントに乗っかる形で地域とのつながりを広げるケースも徐々にではありますが現れつつあります。
 或いはショップ自体が異業種との連携の中でテツドウモケイの店としての性格をアピールする事で県域外の顧客を獲得するというケースもありうるでしょう。

 テツドウモケイというのはどうしても個人レベルのインドアなホビーになりがちなのは間違いありませんが、一般レベルにその楽しさをアピールしてゆく方向性が特に地方の場合にはこれからもっと必要になってくるような気がしてなりません。

今回も個人レベルの考察としてはとりとめのない形になってしまいました。結論も曖昧なままですが、ご勘弁ください。
(写真は本題とは関係ありません)

橋上駅に思うこと

2021-05-19 05:42:37 | ストラクチャー

 今回はNゲージストラクチャーでふと思ったことから。
 最近は故郷やうちの近所でも駅舎の新築が続きピカピカの新築駅舎にお目にかかる機会が増えました。
 ここ10年くらいで4つか5つくらいが新築されましたか。

 そして新築された駅舎の殆ど、と言うか全てが地上駅舎から橋上駅舎に変わっています。
 昔だったら駅前広場にどんと本屋が鎮座しているものでしたが、今では駅前に見えるのは階段ユニットだけ。
 駅を跨ぐような迫力ものの駅舎(しかも3階建くらいの高さ)が駅前広場を睥睨していると言うのがここ最近の定番です。
 確かに駅前の再開発までを視野に入れれば駅舎を挟んで両側に出入口が作れるのは有利ですし、これまでさびれてきた「駅裏」に光が当たるであろうメリットは容易に想像できます。

 ですがこの橋上駅という奴、固定式のレイアウトの作例に登場するのが意外に少ない気がします。
 自分がレイアウトを作る立場になったら容易に想像できてしまうのですが、今あげた実物の橋上駅のメリットはスペースの制限のある固定式レイアウトでは逆にデメリットが目立つように感じられます。
ただでさえ駅前広場のスペースが十分で無い事が多い日本のレイアウトで、線路を挟んだ両側に広場が必要な橋上駅はまず立地条件で不利です(但しものは考えようで、シーナリィの設定次第では「丘陵の斜面に駅舎が組み込みやすくなる」「ビルに直結した駅舎が作りやすい」という面もあると思います)
 しかもホームの上に駅舎が被さる構造は線路のメンテナンスや車両の脱線時に面倒な要因となりますし。

 しかし一方で実際の市場ではKATO、TOMIXの2大メーカーが揃って橋上駅を製品化し、しかもモデルチェンジまでして現在でも売られています。
 更に中古モデルの市場を見ていると意外に橋上駅の出物が多いのも事実です。

 私自身過去に橋上駅を3軒購入しましたがそのいずれもが中古モデルでした。
ここから想像されることはこの橋上駅という奴は「お座敷運転でのアイテムとして普及、定着している側面が大きいのではないか」という事です。

 短時間での設営、撤収が当然のお座敷運転ならばデメリットは少ないでしょうし、むしろ「ロフト大平原」のアクセントとしてはかなりいいランドマークと思います。

 ですが実物の世界でも橋上駅が主流になってくれば今後、橋上駅を上手くシーナリィに取り入れた固定式レイアウトが増える事も十分に予想できそうですね。

「不器用な匠ちゃん」のはなし・その3

2021-05-18 05:37:00 | 書籍

 前回、前々回と「同じ漫画の話が続く」という当ブログでは異例の扱いになってしまった須賀篤志作「不器用な匠ちゃん」

 まさかこのネタで3回目を書く事になろうとは思いませんでした(笑)

 というのも、先日最終巻まで読破したところ、最初は添え物かと思われていた「レイアウト製作話」が単行本で4巻分のボリューム、最終巻でようやく完成するという前代未聞の「レイアウト製作漫画」になっていたからです。
 何しろ偶然とはいえ最初期の段階で「あらかじめ習作レイアウトを作るところから始めているくらい」ですしw

 完成までの過程で渡井くんが「自走できる懸垂式モノレールを組み込もうと悩みまくった挙句、挫折してダミーで我慢するプロセス」があったり「メンバーの一人が民家のモデルを大量に製作してしまい何を置くかで悩む」とか、まあ色々ありました。

(KADOKAWA刊須賀篤志作「不器用な匠ちゃん」36-37Pやり画像引用)
 さて、そんな騒動を経て最終巻で登場したレイアウトはBトレ専用とはいえ、ダブルクロス込み9個のポイントを組み込み理論上2列車同時運転が可能なトラックプランでそこから分岐した線が本線をオーバーして丘の上の駅に繋がるという(わたし的に)大レイアウトと言っていい代物。
 どう見ても900✖️600に収まるスケールではありません(笑)
 このトラックプランなら2列車同時運転も可能な筈ですがパワーパックは一個だけで、2列車の交互運転を基本にしている様子です


 言い忘れましたが、このレイアウトはメンバーが江ノ電旅行した思い出をモチーフにしたもので各メンバーの得意ジャンルをレイアウトに組み込んだ(店舗ミニチュア、デコスイーツ、そして主人公の藍川さんお得意の「武器モデル」)をも組み込んだものでリアル志向というよりは「なんでもありの模型クラブのシンボルとしてのレイアウト」に仕上がっている点、わたし的には好感の持てるものでした。

 もちろん漫画の本題である各メンバーの恋愛模様やら主人公たる藍川さんの「武器マニアの蘊蓄描写」もレイアウトとほぼ同じ分量で書かれてはいるのですが、これらの要素が渾然としているため、全巻読み通すとずいぶん賑やかな気分になれる一作でした。

NewDays鉄コレの「クモヤ143-52」

2021-05-16 05:27:24 | 車輌・電車
New Days鉄コレの埋蔵金車両から
 今回はクモヤ143−52です。
 実を言いますとこの車両について書こうとするとどうにも困ってしまうのです。

 何故と言ってクモヤ143は同じNewDaysの鉄コレ第1弾で既に出ているからです。
 NewDaysのHP広告上では「初製品化」という事にはなっているのですが、第一弾のクモヤ143は51番、今回のは52番。
 つまり「同一形式の車番違い」でしかなく、外見上の差異もほとんど認められないのです。

 まあ、強いて書くことを挙げるなら今回のクモヤのプロトタイプは「以前鉄コレ第20弾およびKATOの単品で出ていたクモニ143 5」である、ということくらいでしょうか。

 レイアウトでの運用を想定するなら実車が「長野で霜取り列車として単行での運用が行われていた」点が興味を惹くかもしれません。
 1両だけで走らせられる荷物電車(と言うか事業車)というのも動力化すれば面白いと思います。

 おかげで当鉄道では同じカラーリングのクモニ143とクモヤ143が5両も在籍し、しかもそのうち3両は「同一車体のメーカー違い、名称違い」でしかないという凄い事になっていますw
 ですがコレクターにとってなら、こういう機番違いでもコレクションとしてのバリエーションとして楽しめるのかもしれません。

 まあ、ここまで突き抜けるとなんだか逆に面白くなってきてしまいますが。

「全国鉄道博物館」

2021-05-15 05:21:59 | 書籍
今回は書籍ネタから。
 JTBキャンブックスの「全国鉄道博物館」(白川 淳 著)

 様々な展示物が集積している博物館という場所はジャンルを問わず見る者をワクワクさせてくれるスポットですが、そうした施設が手近にない田舎者にとってはなかなか手の届かない場と言えます。

 子供の頃のわたしにとって万世橋時代の交通博物館は一種憧れの場所であり、上京の度に立ち寄る観光スポットでありました。
埼玉に鉄道博物館として移転開業してからも何度となくお邪魔しています。

 本書はその鉄道博物館の開業時期に出版された一冊で総ページ数の前半分が鉄道博物館のガイドで占められています。これがまた懇切丁寧な内容で実際に行った身の目で見ても大概の展示物が掲載されており、実際に鉄博に行った気分になれるほどよく纏っています。

 後半は小樽から沖縄までの主要な鉄道関係の博物館を俯瞰したコーナーとなっており駆け足ながらも各地の博物館を眺められる構成。

 ですがこれを読んでいるとうちの近所にこの手の博物館があまりにも無いことにガッカリさせられるのですが(涙)
(今この種の本が出たなら大阪や名古屋の博物館にも多くのページが割かれると思います)

 本来ならばこういう本よりも実際にこれらの施設に出かけて見る方が何倍も良いには決まっています。
 が、昨今のコロナ禍の折この手の施設を探訪する事が難しくなっている事を思えばこの種の「読む博物館ガイド」にもそれなりに存在意義はありそうですね。

モジュール改装進行中・4 「丘の上のお寺 その2」

2021-05-13 05:14:34 | モジュール・2
 今回はモジュール改装ネタから

 丘の上のシーナリィ差し替え用のベースボードに一応お寺の本堂と二層門を固定しましたが、これだけでは特に上から眺めた時に「無造作に建物が置いてあるだけ」の状態で今一つ見栄えがしません。

 そこで地面の部分を加工し植生を加えることで少しでもそれらしく見える様に手を加えました。

 門から参道にかけての地面を石庭風に見せるためにバラストを撒布、接着します。
 たまたま落合南長崎にあるホビセンの特売で安かったまでは良かったものの、色調が線路用にはピンとこなかったバラストのストックがあったのでそれを転用。
 石庭風にするにはまだベージュっぽい色調なのですが下地の塗装だけに比べるとそこそこ落ち着いて見えます

 あとは乾燥するのを待って植生を適当に加えようかと思います。


 モジュールの線路側から見ると本堂がギャラリーに背を向ける形になりますが、二層門の方を向けると「どこから入ればいいかわからない」シーナリィになってしまうのでこれはやむを得ません。下から見上げるアングルなら本堂の大屋根が目立つのでそれなりに見栄えがするかなとも思います。

 幸いと言いますか周囲の建物は殆どが商家なので、住宅地やアパート街と異なり「どっちが北かわからない」不自然さはある程度抑えられます。むしろ本堂が線路を背にしている事で「北側から見た風景」という設定が固まった感じもします。
(実はこのモジュールを作る時には「どちらが北か」についてはやや無頓着でしたから汗)

みにちゅあーとの「民家D」

2021-05-12 05:03:06 | ストラクチャー

 今回はみにちゅあーとの住宅キットから
 民家Dを紹介します。

 壁面板目張りで玄関が引き戸という構造は、これまで製作してきた民家E/Fに比べると古めの民家という趣です。
 恐らく昭和30年代後半から40年代半ば頃に建てられた家を想定しているのでしょう。

 二階の真ん前にはこれまでの住宅キットのどれよりも大きな物干し台が鎮座していて外観上のアクセントになっています。
 普通の物干し台としても広いので、これを見ていると天体望遠鏡をセットしている住人とか置いてみたくなります(笑)

 おまけに玄関の両脇の吐き出し窓にはそれぞれ縁台が設置されているという親切さ。
 ここも盆栽化鉢植えでも置いてみたくさせてくれます。

 こういう生活感を与えるディテールアップをしたい気分にさせてくれるのはみにちゅあーとの人徳みたいなものかもしれません。

 このタイプの住宅もみにちゅあーと以外での製品化は少なく、住宅地のアクセントとして十分に機能してくれるアイテムではないかと思います。

「不器用な匠ちゃん」のはなし・その2

2021-05-11 05:00:27 | 書籍

 前回の当ブログで「まだ2巻しか読んでいない」とか書いていた、須賀篤志作「不器用な匠ちゃん」(メディアファクトリー)ですがあれから3巻以降を読み進めたら更に凄い事になっていて驚きました。

 藍川さんや渡井くんが所属する模型工作クラブの「アトム会」が江ノ電ツアーの後に「メンバーそれぞれの得意分野を活かしたレイアウトを共同製作する」という展開になってきました。

 作品に登場するのは900✖️600(実際のトラックプランやベースの移動を男二人掛かりで行っている所から見ると、もっと大きなベースになっている様ですが)のスペースにエンドレスや引き込み線をつけた本格的な固定式レイアウト。

 制作工程の描写では渡井君のノウハウ全開でベースにスタイロフォームを使ったりサブテレインを使った勾配工作、山の製作にはプラスタークロスまで動員している、と言えばその本格ぶりが解ります。
 しかもその過程ではトンネル内の建築限界についてさりげなく触れていたり配線の仕方も書かれていたりと懇切丁寧なこと!

 これらのプロセスが「入門書のレイアウト工作解説」ではなく「恋愛漫画の1シーン」として成立しているのが恐ろしい。
 妙齢の男女がレイアウトを作りながらラブコメしてしまう展開というのはある意味日本の鉄オタが本音の部分で夢想するひとつの理想像かもしれませんね(爆笑)

 鉄道模型もそうですが漫画の世界というのも実に奥深い事を実感させられました。

 作者が鉄道模型ファンかどうかは読んだ範囲でははっきりしません(実は鉄道模型以上に主人公の藍川さんの趣味である「武器モデル」に関する描写も同じくらい多い)が、少なくとも自分なりに取材を重ね、実際にモデルに触って書かれている事は十分に伝わります。

 でも一番凄いと思ったのは渡井くんが「鉄道模型の規格とサイズの違いをメンバーに説明」するのに「一番ゲージからZゲージまで5つのモデルを並べて解説したところ」
 しかもそのどれもが江ノ電の300!
 GゲージやOゲージならともかく「Zゲージの江ノ電」というのは初めてお目にかかりました(って漫画のシーンですがw)
どれだけ趣味が広いんだ渡井くん!

(この項あと一回続きます汗 なお、写真は本題とは関係ありません)