光山鉄道管理局・アーカイブス

鉄道模型・レイアウトについて工作・増備・思うことなどをば。
こちらはメインブログのアーカイブとなります。

KATOのキハ20系のはなし

2015-01-31 16:20:40 | 車両・気動車
 今回はNの定番車両のはなしから。
 出だしはやっぱり中古モデルからです。

 昨年秋に見つけたKATOのキハ20セット。
 国鉄旧塗装の仕様です。
 昔はこういうのも「横須賀色」と称していた事もありましたが実際にはクリームの部分がくすんでいるので完全なスカ色とは異なります。

 先日ジャンク箱で入線したアーノルドのレールバスと似たカラーリングでもあり個人的には好きな色です。
 走行性はさすがに今のモデルだけあってスムーズなものです。

 KATOのキハ20は3回くらい動力をモデルチェンジしていますが今回のような最新タイプはあまり手持ちがありません。
 一度など、800円で買ったキハ25のM車の動力だけ取り出して鉄コレのキハ20タイプにコンバートした事すらあるくらいです。

 さて、先月から紹介のジャンク箱にも当然の様にキハ20系が入っていました。
 こちらはひと世代前の動力の国鉄色。70年代Nゲージャーの定番商品です。
 キハ20とキハユニ26の組み合わせは私も含めて当時のNゲージャーが必ず買った組み合わせでした。
 ふだんはキハ20を単行で、気が向いたらキハユニをつないだ2連というのもありですが、旧動力ユニットはモーターマウントの関係上真ん中のでっぱりが大きかったのでそれをごまかしやすいキハユニを動力にするパターンも多かったと思います。

 40年前に私が最初に買ったのもそういう組み合わせでしたが、ジャンク箱の前のユーザーもそうだったようです。

 ボディ自体は71年のデビュー以来ほとんど外観が変わっていません。
 この種の時代を超えた定番商品と言うとKATOでは他に103系やオハ31系辺りが該当しますが、何れもボディ周りが殆ど変っていないのにあまり古さを感じさせない辺りが凄いと思います。台車の転がりの良さなどは40年前も今も殆どそのままですし。

 正にロングセラーたるにふさわしいクオリティを最初から持っていたという事なのでしょう。

トミーナインスケールの基本セットのはなし・3

2015-01-30 16:18:02 | 鉄道模型 
 ナインスケールの基本セットで感じた事から、第3回です。
DSCN9917-1.jpg
 このセットは使い込まれた形跡がある割にはパーツの欠落も最小限で中古のセット品として中々良いコンディションの様に思います。
 で、当然「説明書」も付いています。

 この説明書が懐かしさ満点で(笑)
 しかも内容の丁寧さは当時のKATO(関水金属)のカタログのそれよりも丁寧な位です。
 いや、ひょっとしたらこの間入手したクラウンモデルのZゲージセットよりもそれらしいかもしれません(笑)

 この辺りはプラレールのトミーというか「良い意味でのおもちゃ屋さん」の面目躍如たる所だと思いますし、同時にナインスケールを「年少ユーザーのプラレールからの上級移行」を狙った遠大な目論見すら感じさせます。
 (TOMIXに関する限りその狙いは結構当たった様な気もしますし)

 中でも一番時代の違いを感じるのが「車両の整備」の項です。

 少し長いですが引用すると
「(前略)時々図の様に車輪を空回りさせながら目の細かいサンドペーパーを当てて汚れを取り去ってやります。貨車などの動力の付いていない車両にはこの必要はありません」
「一般的に言ってNスケールの場合、注油は殆ど必要ありませんが、もしあなたの動力車が突然キーキーとかすれた音を出すようになったら、一度ボデー(原文ママ)をはずして、モーター軸受とギアに注油してやる必要があります。
つま楊枝の先などで、ミシン油をほんの数滴垂らすだけで十分です。(食用油はいけません)
ついでに、モーターのコンミテーターのミゾを針先などで掃除してやれば完全です。
 くれぐれも油のさしすぎに気をつけて、モーターのブラシ、車輪の踏面、集電ブラシなどに油が付かない様注意して下さい。
(これらの部分は、むしろ絶えず気を配って、ベンジンなどで油気を吹き取る位の注意が必要です。)」

 初心者用セットで「最低でもボディの分解整備必須」という前提で話が進められている所が凄いです。
 マニアが増えている今だってモーターの軸受にまで注油するユーザーがどれだけいる事か。

 この文中の出てくるコンミテーターですがこのセットが出る数年前のTMSの誌上で(昭和40年代前半ですからもちろん16番の話ですが)「コンミテーターに注油すべきか否か」という論争が行なわれていた事を思い出させます(笑)
 当時反対派の殆どは実験もしないでやみくもに否定するのに対し、試しに実験したり以前から実行していたユーザーの大半が賛成派に回っていたそうです。中には後にある専門誌の主筆を務めた読者もいたりするのが興味深い話ではあります。
 まあ、これは閑話休題。

 初めてこれを買ったユーザーはこれを読むだけで「プラレールとは違う覚悟のいるホビーである」事を覚悟した人も多かったのではないでしょうか。
 (一方で恐れをなしてこれだけで足を洗ったユーザーも多かったのではないかという気もしますが)

 それにしてもこれだけで下手な入門書よりも確かな内容の説明書になっている事に驚きを禁じ得ません。

 それと今となっては懐かしいのが裏面の製品表。
 この頃のナインスケールはまだ機関車と二軸貨車だけのラインナップで「ワキ1000」「タキ3000」などのボギー車が「予定品」になっていたり解説ページの下の方のイラストがこれまたまだ出ていない「K・S・KタイプCタンク」のそれだったりします。
 更に予定品に載っている「月光形電車」が実際に出た583系ではなく581系でラインナップされている所も興味深いです(もっともこのふたつ、そう大きな違いはないのですが)

 入門セットの中で製品予告までやっている(しかもちゃんと製品化※を実行している)とはトミー恐るべし(爆)

 ※・・・同じ頃の関水金属のカタログで予告されていた「D52」はいつ出るのでしょうか。そろそろ40年近く経ちますしいいかげん待ちくたびれてます。

カラーブックスの「軽便鉄道」から

2015-01-29 16:16:43 | 書籍
カラーブックスの鉄道ネタから。


 今回は「軽便鉄道」について書こうと思います。
 蒸気機関車などは最近レストアやイベント列車での運行も増えてきているので昭和50年当時のフィーバーは何だったのかと思えるほどに身近になりました。
 電気機関車でもEF55がイベントに駆り出されるなど以前からは想像もできなかった位です。

 ですがその一方でナローゲージの軽便鉄道の方は遊園地用等を除くと実質絶滅状態。
 車両だけではなく施設や周囲のインフラ、社会構造と密接に結びついて成立するジャンルなだけに簡単に復活できないのが現実です。

 
 少なくとも「地元の生活に密着した交通機関」としての軽便鉄道は完全にノスタルジーのかなたに飛び去ってしまった感があります。
 それを端的に示すのが最近専門誌やWEBなどでナローゲージの鉄道模型が第二次隆盛期に近い感じで活況を見せ始めている事です。
 サイズの手ごろさや素朴さに魅力があるのももちろんですが「既に絶滅状態で資料を基にしたモデル化しかできないジャンル」である事がモデラーの製作意欲を強く刺激している側面が大きいのではないでしょうか。

 それはさておき、
 鉄道模型の世界でナローが第一次ブームを迎えたのは私の印象では70年代の初め頃に「レイアウトモデリング」で「祖師谷軽便鉄道」が発表された前後からと思います。
 75年前後からはナローモデルの記事が明らかにそれとわかる位増え始めましたし、年少者向け雑誌の「子供の科学」までもがナローの鉄道模型の記事を連載していたほどでした。
 80年代前後には「ナローゲージモデリング」も刊行されブームも最初のピークを迎えた感があります。

 (私の想像ですが今のナローの小ブームの背景のひとつにはこの時期に年少者だったモデラーがいい大人になり、ようやくナローに挑戦するチャンスをものしているという側面もあると思っています)

 前振りが長くなりましたがカラーブックスで「軽便鉄道」がリリースされたのにはこの時代の空気が強く反映している気がしてなりません。
 一応カラーブックス自体が一般書としてのシリーズですからあまりマニアックにはならないですが、初めて軽便鉄道の存在を知った人にその魅力を伝えるという意味では良く出来た一冊と思います。

 「ナローゲージ」では少なかったカラー写真もふんだんに使われていますし、眺めていて楽しい本に仕上がっているのは流石と思います。

 最近の軽便ブーム(?)を思うと上述の「ナローゲージモデリング」を含めて本書も復刻を期待したい一冊です。

「KATO」と「鉄コレ」・ふたつのクモニ143

2015-01-28 16:13:06 | 車輌・電車
先日しなのマイクロと鉄道コレクションのクモニ143の比較記事を書きましたが、その後にKATO版のクモニ143(但し旧製品)があった事に気が付きました。

 手元にあるKATO版は数年前に中古で入手していたものです。確か115系と込みで一袋いくらと言う奴でした。ですので現在店頭にあるものとは異なる部分もあると思いますがそこはご承知おきを。
 ただ私の記憶違いでクモユニ74か何かと覚えていたのですが改めてよく見たらクモニ143だったというお恥ずかしい次第です(恥)
 そんな訳でKATO版との比較もこの機会にやってみようかと思います。DSCN6470.jpg
 鉄コレのクモニは5号機でしなののそれは2号機と厳密な意味でのプロトタイプは異なるのですが今回確認してみたらKATO版も鉄コレ同様5号機だったというのは驚きです。
 ほぼ同じ構成、造形でプロトタイプが全く同じと言うのは電車の場合結構珍しい気もします。

 二つを並べてまず気付くのはオレンジの色調の違い。
 KATO版はどちらかと言うとしなのの色調に近い印象でよく言えばリアル、悪く言えばややくすんだ感じです。先日触れた鉄コレ版のややプラスチッキーな色調と比べるとそれなりに好感は持てます。
 これは推測ですが塗装前のボディの地色がKATOが黒なのに対して鉄コレが白っぽいグレーでやや光の透過性のある素材である事がこの印象の違いと関係あるのかもしれません。

 細密度やレタリングの細かさは殆ど互角。と言いますか微妙に違う双子でも見ている感じがします。
 製造時期がしなのに比べて比較的近接している事とプラの一体構造と言う共通点があるからかもしれません。
 但し荷室扉を中心としたサッシ周りの細かさは鉄コレの方がそれっぽい感じです。

 屋根上はこの二つで最も相違が目立つ部分で避雷器やベンチレータが別パーツ化されている鉄コレの方に雰囲気の良さを感じます。

 こうやってつなげてみても相違をあまり感じません(プロトタイプが同じなので当たり前ですかw)
 逆にここまで似ていたら2両居る意味が希薄になる感じすらします。

 ここは好みの分かれる所なのですがKATO版の利点はスカートが台車一体式でアーノルドを装着した場合鉄コレほど違和感がないのが有難いです。(当然KATOカプラーにも対応)とはいえ、スカートが豪快に首を振るのに違和感を感じる向きには欠点と映るでしょう。この辺りは難しい所です。
 又、ライト点灯を前提としているせいかライト回りの印象も鉄コレよりしっかりしています。

 と、値段を別にすればKATOと鉄コレのクモニは素人目にはクローンにしか見えないほど近接した出来である事は確認できました。
 昔はクモニばかりを繋げた荷物電車の専用編成というのがありましたが、動力の入手が比較的容易な鉄コレのクモニをM化してブラインドパッケージでなく購入できる(笑)KATOのT車と組み合わせて編成化というのもこれはこれで結構面白くリーズナブルかもしれない。
 そんな事を思わせる比較となりました。

トミーナインスケールの基本セットのはなし・2

2015-01-27 16:08:34 | 鉄道模型 
 先日入手したナインスケールの基本セットのはなし、その2です。

 このセットの線路配置は単純ないわゆる小判型エンドレス。
 この間の童友社のプラモ線路の異様なまでの充実度に比べると拍子抜けする位です。

 とはいえ、アクセサリに踏切をつけ、パワーパックまで付いてくるのですから「鉄道模型のセット」と考えると最小限の構成で鉄道模型を楽しめる様になっています。
 何しろ電池駆動と違って前進後退はもちろんスピード調整まで手元のパックで出来る所は電池駆動のモデルとは楽しさが違います(笑)

 そのパワーパックですがこれまでカタログ(それもTOMIXでない「トミーナインスケール」の)でしか見た事がありません。あの当時は関水金属の「青いパワーパック」と共に「トミーの黄色いパワーパック」がNのパワーパックの双璧だった筈ですが(笑)

 もちろん他の模型メーカーや教材メーカーからもNに対応した奴はあったのですがご覧の通り「何かの実験器具」にしか見えない味も素っ気もない物が殆どでした。これに比べればトミーのそれは(玩具っぽく見えるかもしれないにせよ)「ホビーの小道具」っぽさは感じさせてくれる分ましな方だったとは言えます。

 ともあれ、そのトミーのパワーパック、40年近いインターバルを経て初めて実物にまみえた事になります。
(そもそもこのセット自体当時見た事がなかったのですが)

 物が骨董品級の古さなので作動状態はどうかと思ったのですが線路に結線して通電するとCタイプディーゼルが走りだしたのには一種独特の感動がありました。

 フィーダーはコンセント状の端子を線路脇にぶすりと差し込むタイプ。
 実はこれも40年前に初めてNゲージを始めた時に使っていたのと同じパーツです。
 レイアウトに使うには問題ありの構造ですがテーブルトップで使う分にはよく出来ていると思います。

「しなの」と「鉄コレ」ふたつのクモニ143

2015-01-26 16:06:53 | 車輌・電車
 今回は昨年暮れに入手した鉄コレの第20弾から

 第20弾はかなりの車種が他メーカーからモデル化されており(但しリリース時期はまちまちですが)昔のモデルの持ち主であれば手持ちの車両を鉄コレと比べてみるという楽しみ方もできます。
 そんな訳でクモ二143を比べてみたいと思います。

 とはいっても比較対象は最近出たKATO製品ではなくさらに30年以上前に出されていたしなのマイクロの金属ボディのモデルです。

 実はこの二つを比べてみようと思った時「30年以上前のモデルと比べるのは圧倒的な差が出てしまうのではないか」と思えたのも確かです。
 事実結論から言っても造形面での差は大きなものがあると思います。

 側面から見たドアや窓周りの造形は流石に鉄コレに軍配が上がります。プレスによる浮き出しに頼らざるを得ない当時の金属ボディではあまりシャープなモールドは望めません。

 サッシ周りも別パーツ化されたはめ込み窓を使う鉄コレに細密感があります。
 時代の差を最も感じるのはレタリングで実質的に車番くらいしかないしなののそれに対し鉄コレは過剰に思えるほど細かい表記が付いています。

 ですが前面周りの造形では意外としなのも健闘しています。
 モールドはあっさりしているものの浮き出しがかっちりした印象で決して悪くはありません。

 と、単純にここまでの比較では鉄コレが圧勝…という事になるのですが、意外な所でしなのが好印象を残す部分がありました。
 それはボディそのものの質感です。
 コストの関係もあったのか鉄コレのクモニはオレンジの部分を中心にプラスチッキーな安っぽさが出てしまっていてだいぶ損をしている印象でした。恐らくKATOのクモニと比較してもマイナスポイントとなるかもしれません。
 この点では品のせいは旧モデルゆえの塗装のくすみが見られますが質感的には実車にごく近い印象でした。
 このせいもあってか少し離れて眺めてみるとこの2者に明確な優劣は感じにくい感じがします。

 ついでに屋根上も。
 質感のしなの、細密度の鉄コレと言った印象が最もよく感じられるのがこのアングルです。

 走行性についてはどう見ても鉄コレの圧勝ですが、しなのの方は走行音がガサツなもののライトが点灯するというメリットが(笑)

 まあ、今更30年以上前のしなののモデルを最新モデルの鉄コレと天秤にかけて買う様なユーザーはまずいないと思います。が、すでにしなののモデルを持っていて今回の鉄コレにコンプレックスを感じている向きがもしも居たならば「それほど悲観したものでもないですよ」と言う程度の事は言える気がします(笑)

今年最初の懐かしアイテム・ナインスケールの基本セットから。

2015-01-25 16:01:53 | 鉄道模型 
 今年最初の骨董アイテムから、当時の思い出も含めて書きます。

 トミーナインスケールのCタイプディーゼル旧国鉄塗装、40年前に購入していた最初のモデルはその後紛失したまま数年かけて探しても見つからず諦めに近い形で三ツ星商会版の同形機の中古で車籍復活させたことは前にお話しした通りです。

 ところが先日近所の中古ショップを覗いた折にまさしくナインスケールのCタイプディーゼルの旧国鉄色を見つけてしまいました。
 ・・・ただし「ナインスケールの基本セット」で。

 コレクターズアイテムと考えるなら高くはないかもしれない値付けだったのですがセット物だけに出費を躊躇させられるものがありました。
 自分自身にはコレクターの資質は薄いですし、どんなレア物であっても「まず走らせる、使い倒す」のを旨としているので走行性が未知数のモデルに手を出すのは結構な賭けです。
 (とか言いつつ昨年は5月の休みにフリマで大散財しているのですが)

 秋葉原の場合と違ってうちの近所ですから悩む時間はたっぷりあったので(笑)10日くらい悩みましたが(その間に小遣いをセーブしたのは言うまでもありません)結局買ってしまいました。
 よく考えたら昨年春に入線させたKATOのDD16ラッセルヘッド付と大差ない価格だったのですが。

 余談ですが、実を言いますとナインスケールのセット物というのはこの趣味に入ってこの方実物を見た事が殆どありません。
 趣味を始めた頃は田舎の事とて高額なセット物を売る模型店がほとんどなかった事もありますが、1,2年ほどでTOMIXが登場しナインスケール規格の線路や周辺機器が一気にバトンタッチしてしまった事が大きかったと思います。

 ですのでこのセット自体は以前の童友社のC58セットと異なり懐かしさよりも珍しさの方が先に立ちます。

 ですが、まずは肝心の機関車から。

 Cタイプディーゼル機関車はナインスケールが最初ですが既述の通りのちに三ツ星商会や河合商会などに引き継がれて連綿と続くN機関車の最古参モデルです。
 ただし前記の3つのブランドのそれぞれで動力ユニットの構造が異なり外見は同じなものの中身はメーカーによって違うという面白いモデルでもあります。

 このセットのモデルはキャブ窓が向こうまで素通しになっているのがナインスケールならでは(?)の特徴です。
 走行性は河合ほどにはスムーズではありませんが慣らしをしてやればそこそこ走ってくれます。
 キャブにある社紋も外見上ナインスケールを見分けるポイントらしいですが当然それもしっかりついています。

 このロコが牽くはこれまたナインスケールの二軸貨車3両。コム1、トム50000、ワム23000がセレクトされています。

 短いながらも貨物列車っぽさが感じられる組み合わせで悪くありません。
 このセット、チェックすればするほど発見のあるものだったので続きは次回以降に。


偉大なる凡庸の系譜・T3型蒸気機関車

2015-01-23 16:39:55 | 車両・蒸気機関車
 偉大なる凡庸シリーズ・今回は番外編の性格が強いのでそこはご承知下さい。
 なぜならあくまでも「うちのレイアウト上での偉大なる凡庸」だからです。

 棚幡線の開業の前後からNスケール準拠の小型のSLモデルをいくつか見つけたりしています。
 「必要を感じると(あるいは欲しくなっていると)普段は働かない注意力が働く」というのは物探しやら探索の際にしばしば起こる事だそうですが、実際この時期は不思議なほど小型機の中古モデルに当たりました。

 ただし小型の蒸機となるとその大半は外国型という事になってしまいます。
 私鉄の小型機にはしばしば輸入機が導入されるケースが多いそうなので日本風のレイアウトへの親和度はそれなりに高く、その意味では大助かりです。

 その過程で単一形式でありながら異様なほど入線率が高かった機種があります。
 旧プロイセンの国鉄蒸機として誕生しのちにドイツ国鉄に編入されたT3(BR93)がそれでした。

 この機種は日本のNゲージの黎明期から普及期にかけてかなりの数が売れたそうなので中古の出物が元々多かった様ですがそれにしてもよく当たりました。
 現在でもこのサイズに適合する日本型はワールド辺りの高級品しか存在しないのでその意味でも貴重とは言えます。

 現在在籍中の物は4両。アーノルドラピードとトリックスが2両づつという内訳です。
 日本型でも同一形式4両というのはうちのラインナップでは多数派に属しますからこれだけでも十分異常だったりします。

 この形式は彼の地でもNゲージ黎明期にリリースされた物だけに構造やスケールダウン、ディフォルメの仕方が特徴的です。
 特にトリックスのものなどは実車の写真とまるで似ていませんし両社とも現行製品と並べるとかなり大きめにスケールアウトしている部類です。

 ですがそこはディフォルメの妙と言いますかT3の外見に拘らなければ、明治期に走っていそうなかわいらしいミニ蒸機と言った趣があり棚幡線の様なレイアウトではかなり重宝します。
 どちらも模型としても車齢をかなり重ねたモデルと思われ走行時には一定時間以上のエージングというか慣らし運転をしないとコンディションを取り戻せません。

 が、一旦調子に乗ると結構タフに走り回ってくれるので運転会などのデモ走行ではかなり活躍してくれます。
 この辺りは実物の蒸気機関車に似ていなくもないですね(笑)

バスコレBU04と岩手県交通のはなし2015(笑)

2015-01-22 16:36:47 | アクセサリー
先述した埼玉土産のひとつから。
ついでなので当時の思い出も交えながら書きます。
 TOMIXワールドで入手しましたバスコレです。

 国際興業仕様のいすゞBU40
 実はこのバス、元々は同じ系列の岩手県交通で活躍していた最後のBU04グループの一台でした。
 引退後、トミーテックが買い上げる形で保存される事となり、その際に国際興業の仕様や行き先幕に変更されるという経緯のあるクルマです。

 とはいえ、BU04は私の学生時代を中心に通学の足としてよく見かけるタイプの最もポピュラーなバスでしたから懐かしさもひとしおです。
 カラーリングは国際興業のそれですが、岩手県交通も最近ではカラーリングを統一している事が多いのでこれはこれで違和感はありません。

 (むしろたまに上京した時に同じカラーのバスが走っている事の方に違和感があった思い出があります)
 本来このモデルは記念品的な性格の強いものですが私にとっては故郷の風景の構成要素としての存在価値の方が大きいと言えます。
 コレクションと言うよりはレイアウトのアクセサリ用途での購入ですが棚幡線の町並みなんかに配置すると意外な位に似合います。

 子供の頃にこういう風景をよく見ていたからでしょう。

 因みに私の学生時代にはこのカラーリングの奴がポピュラーではありました。
 と言いますか、国際興業カラーのバスが見られたのは私の幼年時代(昭和40年代前半くらい)の一時期でその後は順次上のカラーリングに切り替えられていました。21世紀にはいった辺りから再び国際興業カラーに切り替わった様な記憶があります。
 ですから私の中での国際興業カラーのバスは無闇に古いか無闇に新しいかの両極端です(笑)

 
 

 バスコレ旋風の最中、岩手県交通を筆頭に岩手県北自動車や岩手急行のバスまでNゲージスケールでラインナップされるなど、以前は到底信じられない物があります。
 30年位前にトミカの三菱ふそうバスに岩手県交通カラーが存在したことがありますがそれですら当時は信じられない壮挙でしたから(笑)

オリエント急行殺人事件とC58のはなし

2015-01-21 16:34:38 | その他
 実を言いますと、放映当日のEPGを見るまで存在自体知らなかった(恥)三谷幸喜版「オリエント急行殺人事件」
 最近CXの昼枠で妙に古畑任三郎のリピートを見かける事がが多いと思っていたのですがそういう事だったのかと今更ながらに不覚を覚えました(大恥)

 そんな訳で放送2時間前という私としてはぎりぎりのタイミングで急遽録画をセットして先ほどまで第一夜を視聴していました。
 
 シドニールメット版の劇場版は今でも年に何度かは観返しますし、文庫版は訳の微妙に異なる各社の物を何冊か買っているという位個人的に思い入れのある作品です。
 それを別にしても先日もCSでデビッド・スーシェ版のポワロによる「オリエント~」を観たばかりなのですので最近妙にオリエントづいているうちのテレビです。

 原作を日本初の豪華寝台特急「東洋」という設定に切り替えて展開する三谷版ですが原作を読んだ人ならどこかで必ず吹き出すこと必至の「無理のある登場人物のネーミング」とか殆ど普通の日本のドラマの感覚からすれば殆ど怪演という言葉がぴったりの野村萬斎の「勝呂探偵」とか、ドラマというよりも舞台劇の感覚に近い雰囲気でそのつもりで観れば個人的には悪くありませんでした。
 第一夜を見る限りでは舞台設定の変更を別にすれば台詞の一つ一つに至るまでかなり原作に忠実な展開と演出を心がけておられる様で割合安心して観ていられる内容でした。

 さて、このブログが鉄道模型をネタにしている以上見どころの一つは列車描写です。

 冒頭で下関駅から乗客が乗り込むシーンはシドニールメット版の映画のそれを髣髴とさせるものでおそらく意識的にシチュエーションをなぞったのでしょう。
 実際の特急でホームではなくタラップから直接客が乗り込むというのはあの当時でもそうそう無かった気がしますが、ホームから同じ平面上の列車に乗り込むのは今ひとつ雰囲気が出ない気もしますし。

 そして列車の出発シーンを見ていきなり仰天したのは先頭に立つロコが何と「C58239」だった事です(笑)
 この間私も乗った「SL銀河」の牽引機にしてその前は30年以上故郷の交通公園の展示車となっていた馴染み深いロコでした。

 この際、時代的に「昭和8年にはC58はなかった」とか「特急クラスの豪華列車をC58が牽いているのはおかしい」とか「新幹線よりも室内が広そうな食堂車」とか言った無粋なつっこみは止めにしましょう(あら、私が一番おばかな事を書いている気が汗)
 第一それを言い出したら「東洋」なる豪華列車自体が架空の存在ですし。

 吹雪の中を突き進む列車の描写、や関が原での立ち往生のシーンは周囲の山の感じなどから見て釜石線か山田線でロケーションされた物の様に見えます。
 見える山並みに故郷で観る様な妙な親近感(笑)が感じられるのでそう書いたのですが今の時点ではSL銀河自体がオフシーズンなので、どこかほかの線区でとられている可能性も否定できません。

 それより気になるのがそのC58に牽引されている客車です。
 CGなどの合成でないと仮定した場合既存の車両をベースに改造された車両という事になりますがとっさに種車が想像できません。事によるとオハ50系の小窓仕様(オハ51?)とも考えられますが確信はありません。
 アップのシーンなどでは実物大のセットを組んでいるのは分かるのですが。

 第2夜では犯人の側から描かれる再構成ストーリーだそうで、言われてみればそういう展開での映像化はついぞ見なかった気がします。その意味でも楽しみではあります。
(実はこれを書いている時点で第2夜を観ていません)

暮れのソニックシティにて(汗)

2015-01-20 16:30:33 | 旅行・探訪・イベントなど
 今回は少し時期を外したはなしですので予めご承知おきのほどを。

 クリスマス前の一大イベントと言えるソニックシティへ先日行ってきました。

 毎度の事ながら熱気が凄まじい(笑)
 うかつに厚着でもして行こうものなら汗っかきの私などは一発でびしょ濡れです。

 単なる販売や展示だけでなく実演や展示なども豊富ですし、運が良ければそれなりに掘り出し物もあります。
 ですがあいにく今回は私の琴線に触れる様なアイテムには残念ながら当たりませんでした。
 
 これは決して参加メーカーやショップの責任ではなく私自身の嗜好の変化や昨年無闇に多かった中古モデル旋風なんかもかなり影響していると思います。
 加えて昨年の棚幡線開業以降、レイアウトの製作や改修も滞り気味ですし。

 その意味では参加されたメーカーさんや見に来た皆さんの熱気に少なからず焦りと動機づけを頂いたような今年のソニックシティではありました。

 そんな訳で今年は戦利品なし(笑)です。

 とはいえ、ソニックシティからは徒歩2分強で「TOMIX MODEL WORLD」へ行けたりしますが。
 こちらはソニックにお客を取られたのか単に私が行った時間帯が悪かったのか結構空いていました。

 買い物をするには好い環境ではあります。

 今回は急遽買わなければならなくなった東武6000系用の動力ユニットとTN用カプラーアダプタ(これがある様でなかなか見つかりませんでした)レジ脇でふと見つけたバスコレ1台と殆どコンビニ感覚です(笑)

 とはいえ、子供がガチャポンのくじで鉄コレの14弾を引き当てました。

 大井川のトロッコという、ある意味なかなかのサプライズです。
 ただ、子供はカステラを狙っていたのでそれなりにむくれましたし、そのあとの昼食を奮発させられる羽目になりました(汗)

東武1800系の入線に思うこと(笑)

2015-01-19 16:27:53 | 車両・私鉄/民鉄
 昨年暮れの中古モデルの入線車からとそれに関連して思う事から

 今回入線させたのはマイクロの東武1800系
 先日の年越し運転でも写真だけは紹介していたモデルです。
 いわゆる「りょうもう号」の車両なのですが今回のは晩年に普通電車に改装された姿をモデルにしています。
 りょうもう号自体のデザインは好みなのですがあの真っ赤なカラーリングだけは個人的に違和感を感じていました。

 クリーム色に青の帯という普通車仕様のカラーリングはその意味では私の好みには合致しています。
 その他の改修点としては端の方の窓が開閉可能なサッシになっている事位でしょうか。

 走行性能もいつものマイクロのそれですし危なげない走りではあります。

 さて、この1800系ですが4連の編成で税抜き4000円でした。
 元の値付けは1万円以上した筈ですし、奥の落札価格を見ても6千円から1万6千円の間くらいの様です。
 これを売っていたショップのタグで安い理由はあらかじめわかっていたのですが。

 上の写真をご覧ください。
 このフロントガラスのヒビ1か所をどう解釈するかと言う事ですね。
 これを致命的な疵と捉えて「タダでも要らん」と取るか「これ位なら許容範囲」と取るか。
 私個人はデザインが気に入りましたし、この程度の疵なら運転する分には気になりませんでしたが。

 まあ、私も購入を決断するまでは2カ月位考えたのですが(笑)その間この1800系はずっとこのお買い得価格のままで店頭にあった訳ですから前者の考えの人が多かったという事でしょう。

 先日YANチョさんのHPで店頭でモデルの些細なエラーに店員に食ってかかる人の話がありましたが、それと関連しても考えさせられる話ではあります。


KATOのD51にナンバーを付ける

2015-01-18 18:25:54 | 車両・蒸気機関車
 今回は工作とすら言えない工作のはなしです(汗)

 元日に入線させたKATOのD51にナンバープレートを装着しました。

 ナンバーは17号機ですがこのセレクトには特に深い意味はありませんでした(笑)
 ナンバープレートは小さな二本のポッチで四角い取り付け穴にはめ込む形式ですが以前の様に長四角のポッチではめ込むのに比べると若干ですがはめ込みは楽になった気がします。

 後で調べて見たのですが17号機は戦後、廃車されるまでほぼ一貫して盛岡かその近辺に配置されていたらしい事だけはわかりました。
 廃車も盛岡で昭和43年暮れには廃車されていたそうなので事によると幼い頃機関区の近所に通っていた私が実物にお目に掛かっていた可能性も大きいと思います。

 とはいえ当時の私はまだ幼稚園児だったので機関区の近くに居てもどれがどれだかわかるはずもないのですが。
 (第一、幼稚園児にはなめくじと通常型の区別すらつきませんし、そもそもその頃は「デゴイチ」と言う呼称すら一般的ではありませんでした)



 余談ですが、大晦日入線を果たしている天賞堂の16番のキハ11とも並べているのですが前面のディテーリングの密度が見た目の印象ではそんなに違わないというのはある意味凄い話です。
 モデルのサイズの差があるから余計そういう印象を持つのかもしれませんが。

 ただ、それだけに後部のアーノルドカプラーとの違和感も物凄い事になっています(笑)

カラーブックス「新しい日本の鉄道」から

2015-01-16 16:23:34 | 書籍
 久しぶりに書籍ネタです。

 今回はカラーブックスの「あたらしい日本の鉄道」から。
 実はカラーブックスで私が初めて買った鉄道物がこれでした。
 そのせいで手持ちの中ではいちばんボロボロになってしまっています。

 前作「日本の鉄道」が東海道新幹線開業前後の鉄道を取り上げているのに対してこちらはそれ以後、昭和40年代後半の時期までの新型車や現役車両を中心に書いています。
 実際このわずか5年の間に特急型電車では583系が、通勤型でも103系やその派生車である301系が登場。
 交流電化は青森や鹿児島まで伸び、それに伴い様々な新型電機が登場しています。

 現実の日本でもこの数年でオリンピックから万博まで経験しましたし鉄道をめぐる環境もかなり激変し始めた時代に当たります。
 それだけに二冊を併せて見るとその変化の目まぐるしさに改めて驚かされると同時に時代のダイナミズムの様なものも強く感じさせられます。

 そう言えばこの時期は583系に端を発するいわゆる『電気釜フェイス』の特急型が登場し始めた時期でもあります。
 581系はもちろんでしたがあの頃は「振り子式電車」の381系辺りが中身も含めて相当に特異な印象を残しました。

 「赤い電気機関車」のラインナップもこの時期に急速に増えたもののひとつです。

 SLブームも前作の頃よりかなり加熱し始めた時期のとっかかりに当たります。
 そのせいか最新型に比べると抒情的なカットが多いのが面白いですね。

 もちろん後半の解説ページも充実していますから大人になって読み返してみても二度楽しめるというおまけまで(笑)
 まあ、それらを別としても本書はカラーブックスの鉄道物としては一二を争うカラフルな内容で子供が読んでも結構楽しめると思います。

 この一冊もすっかりボロボロになりました。

外国型蒸機モデルの走りに感じること

2015-01-15 16:18:21 | 思いつくままに・考察
 先日紹介したPECOのLMSジュビリー蒸機を走らせていて思うことから。

 この蒸機、入線以来その走りの良さにぞっこん惚れ込んでいます。
 走行開始時こそカクついたりしますが一旦調子を取り戻すと驚くほどするすると走りますし、40年以上前のモデルとは思えないほど滑らかな走りを見せてくれます。

 また、その後に入手したフライッシュマンのBR38も販売店で「走行に難あり」と書かれていたモデルだったにも拘らずうちのレイアウト上では意外と重厚な走りを見せています。

 同じドイツ製で一昨年入線したトリックスのS10も走りの傾向は同様でスムーズ且つ蒸気機関車らしい重厚さを感じました。

 偶然にもこの1年ちょっとの間に外国型テンダー機が3両入線(何れも30~40年近く前の中古モデル)したのですがそのどれもが予想外の走りの良さとキャラクターを発揮しています。

 この3両に共通しているのは「テンダードライブ機」であるという点です。

 テンダードライブ機は日本型ですと以前は中村精密やTOMIXの初代C57、ユーレイ駆動を含めるとKATOのチビロコなんかがありましたし、最近ではワールド工芸のキット・完成品の蒸機がこの範疇に入ります。
 このうちワールドの蒸機は私にとっては価格的にも技術的にも高嶺の花(涙)なので他のメーカーのそれも旧型機での話となりますが総じて日本のモデルのテンダードライブ機は走行性に難のあるものが多い様です。
 テンダーの駆動部はそれなりに強力なのですが全般にスムーズさに欠け、ノイジーでがさつな印象の物が多いです。

 それ以上に問題なのがそのテンダーに押されている機関車部の方で、車体が軽すぎたりロッドの調整が不十分だったり壊れやすかったりで走行時に時々車輪が断続的に止まるものやひどいのになるとロッドがすっぽ抜ける物に当たったりします。
 これまでは旧製品だから仕方がないと思っていたのですが上述した外国形蒸機の殆どが日本型より以前の超旧モデルであれだけの走りを魅せてくれているのを目の当たりにすると少し考え込まざるを得ません。

 よく見ると日本型モデルの殆どはロッド周りが華奢で破損しやすい材質の物が多い(指で曲がってしまうぺナぺナなメインロッドを持つ物すらあります)上に動輪自体が完全に遊んでいる為にわずかなロッドのずれで車輪が止まってしまいやすい(どうかするとそこをユーザーの調整に任せてしまうケースもある)辺りにその一因があるのではないかと感じます。
 
 最初に書いたLMSジュビリーの場合、ロッド部分は骨太ながら鋳造品を使い信頼性を上げている事、動輪同士をギアでつないでしまいロッドと車輪の間の回転ずれを防ごうとしている構造な事などテンダードライブだからと言って機関車部の走行で手を抜いていない事がわかります。
 以前、KATOのD51からモーターを抜いて重連用のトレーラーやD52タイプを作った事がありますがジュビリーやBR38の機関車部の転がりはこの「モーター抜きD51」に非常によく似た走りっぷりなのです。

 これは言い換えるならテンダードライブ機であっても機関車部は自走モデル並みの足回りを奢らないと安定した走行性が期待できないという事を暗に示しているような気がします。

 正直これまでは「テンダードライブ機=走行系に関しては手抜きモデル」という偏見を持っていましたし事実そうとしか思えない走りのモデルにばかり当たっていましたがこれだけよく走る外国形を見るとその偏見は一気に払拭されます。


 更に面白いのは同じ「スムーズな走り」の中でもジュビリーのそれはモーター音が独特で「歌っている」ような一種の軽快さが感じられるのに対しBR38やS10はメーカーが違うのにモーター音が低く「唸る」ような感じで走り全体にどこか共通した重厚さがある事です。
 この辺りイタリア車とドイツ車の走り違いみたいでなかなか楽しめました。

 走りについてきちんと作り込まれたモデルであれば生産国やメーカー毎の「走りの個性の違い」を堪能するのも楽しみのひとつになる様に感じます。

 実際、ジュビリーの入線この方まるで外車を買って運転しているような楽しさを感じます。
 少なくともこの個性的な感覚はKATOやTOMIX、マイクロエースのそれでは感じた事がありません。
 確かにスローは効きますし走行性自体は安定しています。少なくともここ10年くらいのモデルで走行性についてあからさまな欠点を持つモデルには当たっていません。

 ですが感覚的に「走るモデルを操っている感動」を今ひとつ感じにくい、「良く走るのが当たり前」というレベルで止まってしまっている感じもするのです。

 以前はこれも「Nゲージなんて小さいんだから走りの質が良くなっても走りのキャラクター性をうんぬんできるサイズではない」と勝手に思い込んでいましたがこれもどうやら破壊されるべき偏見のひとつだった様です。
 実際ジュビリーやBR38、あるいは小型機ですが同じフライッシュマンのBR86タンク機には走りに独特のキャラクター性が感じられるのです。

 このフィーリングを言葉で表すのは非常に難しい。
 大体にして皆さんもご存じの様に鉄道模型というのはロコを直接動かすのではなく、電気の流れている線路を経由してパワーパックを操作するというある意味原始的な遠隔操作です。
 パワーパックのレオスタットを回した時のロコの加速の応答性という形でしか走りを体感できない以上、そこに走りの個性を感じるなどという事は考えにくいはずなのです。

 ですが現実にはそれを感じる。

 思うにこれはNゲージに限ればその揺籃期から走行系の開発をゼロから試行錯誤を重ねつつ開発と熟成を同時に進めてきた欧州メーカーゆえに身に付いた個性なのかもしれません。
 特にドイツの場合メルクリンという怪物的メーカーを向こうに回してきたのですから細密度を落としてでも走行系の信頼性をないがしろに出来なかった事情もあったと思います。

 言葉や数字で表現しやすいスペックについては日本メーカーもそれなりに熟成してきた筈ですし試行錯誤やメーカー間の切磋琢磨も多かった筈なのですがそれが走りの個性に結びつかなかったのは不思議な話ではあります。
 ユーザーサイドがそうしたフィーリングの部分で語ったりメーカーに求めたりしなかった事も一因かもしれません。
 事実、専門誌の紹介とかSMSなどでのユーザーリポートを見てもモデルについて見た目の細密さ、忠実性についての論評は多くても走行性や走りの個性についてはあまり語られていない気もします。

 鉄道模型が「模型」である以上これは当然かもしれませんが折角モーターとギアを積んでいるならそうした部分ももう少し注目されていいような気もします。