光山鉄道管理局・アーカイブス

鉄道模型・レイアウトについて工作・増備・思うことなどをば。
こちらはメインブログのアーカイブとなります。

東京ジオラマファクトリーの雑居ビルC・その1

2023-02-28 05:52:32 | ストラクチャー
 先日、マンションCを完成させた東京ジオラマファクトリーのペーパーキットストラクチャーの制作記第二弾から。

 以前から電車での帰省の際に沿線の風景を眺めていて気になっていた駅前のビル。

 それらのビルの特徴は全面がガラス張りで各フロアの窓が全面フィルム看板で覆われた独特の構造にあります。見た目もかなり華やかで現代の盛り場の雰囲気を演出するには欠かせない建物ではないでしょうか。

 当時のわたしはこの手のビルを「駅前の行燈(あんどん)」と勝手に呼んでいたのですが、こうしたビルは昭和の頃にはなかった形式の建物でこれがあると「ああ、平成の風景だな」と感じ入った物でした。

 こうしたビルは最初は大都市圏の辺縁部などでしか見ないものでしたが、最近は故郷や現住地、あるいはそこに隣接した地方都市の駅前なんかでも徐々に見かける様になりかなりポピュラーな存在になったといえます。

 従来この手の建物をレイアウトで再現しようと思ったら自作しかないのが現状でしたが、最近になって東京ジオラマファクトリーがペーパーキットでリリースしてくれたのはわたし的にも朗報でした。

 前回のマンションと同様、レイアウトに組み込みたくなる建物の最右翼の一つでもあり、早速飛びついたのはいうまでもありません(笑)

 実際の製作プロセスについては次回以降に。

TEZMO SYNDOROMEと仕掛かり品モデルのはなし(大汗)

2023-02-26 05:26:39 | 書籍
 今回はWEBマンガの「TEZMO SYNDOROME」のネタから一席。

 今月更新された本作のネタは「積みキット、あるいは仕掛りモデル」というわたしにとっては耳の痛いネタです(汗)

 ストーリーは「某社から113系1000番台のリニューアル完成品モデル発売予告の広告を眺めて、この連載開始時に取り上げていた旧モデルの113系の仕掛品の工作が進んでいないのに溜息をつく風奈」のはなし。
 これにそれ以前から放置されていた仕掛品モデルが発掘されたりして更に悩みが深まるという展開ですw

 趣味としての模型の場合、一度作りかけのままほっとかれると意外と長い間放置される事が多く、その間にお目当てのモデルの完成品がリリースされてしまうなんて事がままあります。
 これなんかはわたしに限らず、曲がりなりにも車両工作をやった事のある人なら一度は必ず経験する事ではないでしょうか。
DSCN0903.jpg
 このネタに関してわたしが真っ先に思い当たるのが近鉄3000系です。

 エンドウの3000系が妙に気になっていた時期、たまたまGMのキットの出物を見つけ(但し近鉄通勤車の汎用キット)ついでにコルゲート板も買い込み勇躍製作に掛かったのは良かったものの、1,2両分の下処理が終わった時点で工作がストップ。
 2年くらいうだうだしているうちに当のエンドウの3000系の出物が見付かり入線させてしまってから現在まで9年くらい塩漬けになってしまっています。この手の工作は作り始めの段階である程度目鼻を付けないと、作業が進みませんし一度中断すると再開するのに無闇にエネルギーを使う様な気がしますねw

 この場合は、工作前のコルゲート処理に精力を集中した反動が大きかった気がします。せめてあの段階で4両分すべての処理をやっていればもう少し進める事もできたのではないかと。

 まあ、それは置いておいて
 今回のマンガでわたしが引っかかったのは風奈の仕掛品の中にクロスポイントの「地方私鉄電車」があった事です。

 実はわたしも数年前に中古のキットを二箱購入して、作中の風奈みたいに「これはこういうふうに作ってこんな雰囲気のレイアウトで走らせてみたい」とか夢想していたものです。当時すでに鉄コレで似たような車両がモデル化されて、わざわざこのキットを作る必然性は薄かった筈なのですが当時は逆に「鉄コレの動力が使えそうだから」という理由で購入したのですから。

 なのに一度手に入ると中々取り掛かりの踏ん切りがつかないのは上述のキットといっしょですね(大汗)


鉄コレ西武山口線の密閉タイプ客車

2023-02-25 05:24:34 | 車両・16番
 先日入線した西武鉄道山口線の車両から

 最初はオープンデッキタイプの客車の仕様を入線させていたのですが、同じシリーズには密閉タイプの客車もラインナップされています。

 実は当初は密閉タイプを入線させる予定はなかったのですが、よく考えてみたらセットのB12以外にもこの種の客車の牽引が似合いそうな機関車が他にもあったことを思い出し、急遽入線させることにしました。
 その機関車というのが先日紹介のKATO スモールイングランドでした。

 モデルの構造は基本的にオープンデッキタイプと同様ですが、サッシ部分の造形が非常に細密でなかなかいい雰囲気を見せます。
 聞くところではオープンデッキと今回の密閉タイプは屋根と窓周りパーツ以外は共通のパーツ構成だそうで細かな造形と思われた窓周りも「クリアパーツの窓ガラスにサッシの銀と桟の車体色を色差ししたもの」です。
 これがなかなかの好印象で侮れない出来だと思います。

 走行性はオープンデッキと全く同じなので特に書き加える事はありません(笑)

 まずこれをクリスマス運転で牽引させたのは富井電鐵猫屋線のBタンク蒸気機関車。
 当初これを入線させた時には特に考えなしに緑色の仕様を選んでしまったのですが、今回の客車のオレンジ色には結構似合います。

 (山口線では実際にこの客車を蒸機が牽引していましたが、コッペルのB&Cタンクで色は普通に黒だった様です)

 そして正月には今年最初の入線車であるスモールイングランドに牽引させて楽しみました。

2023レイアウト改修の第一歩w

2023-02-23 05:20:30 | クレイドルレイアウト
 今回は昨年来進行中の下段レイアウトの改修の計画と、それに合わせた今年最初の作業について書きます。

 従来レイアウトの両コーナーはモジュールの厚み(40ミリ)に合わせてスタイロを張り、線路が無勾配のフラットな状態を作っていました。

なのでシーナリィがあるとはいえ、実際にはお座敷運転のエンドレスと大して変わるところがなかったのです。
 今回はそのスタイロ層を一旦撤去し、代わりに5.5ミリ厚のベースボードを入れ替えることで本線が約3センチ駆け降りる配置にして地形の変化をつけようと思います。
 (一番奥の第三の線路は逆に2センチ駆け上る形で勾配を付け、レイアウトの裏側に立体交差を作る目論みです)

 実は昨年のうちにウッドランドシーニックスのインクラインを買い入れていたので両サイドのコーナーに勾配が設定できます。
 改めて説明すると、インクラインとは自由な径のカーブを作りながら勾配を作るためのスチロール製の勾配土手のパーツのこと。いわばフレキシブルレールの勾配版とでも思って間違いありません(但し、そのままでは曲がった状態を保てないのでベースに貼り付ける形の固定レイアウトにしか使えないパーツです)

 このパーツはこの趣味を再開して最初に作ったレイアウトでも大活躍しているのでその威力は確認済みですが、前作のレイアウトやファイントラックの勾配を4%にしたところ、長編成の牽引で機関車が息を切らしやすい弱点が露呈したため、今回は可能な限り緩い勾配にと3%に設定しました。本当なら2%くらいが理想なのですがそうなると今度は立体交差の設定に影響しそうなので微妙に妥協しています。

 また、インクライン自体は2センチしか高さがないので一部には平面のスチロール板をスペーサーに噛ませる必要がありますが、これは近所のホームセンターで売られていた1.5センチ厚の発泡スチロール板を使い、併せてコーナー部のシーナリィのベースにも使う事にします。

 インクラインは幅がキツキツながらサイズ的にはユニトラックの複線プレート線路(もちろんカント付)を載せられたのはありがたかったです。
(この項続く)

ふきの芽の「情景用ステッカー 電気街・オタク街」

2023-02-22 05:16:54 | アクセサリー
 ここ最近Nスケールのストラクチャーやアクセサリのメーカーが続々登場しています。

 先日紹介の東京ジオラマファクトリーもそのひとつなのですが、今回紹介のアイテムはこれまた最近登場した「ふきの芽」というところのステッカーです。

 このメーカーでは大都市に似合うような高層建造物やビル系のキットを数多くリリースしていますが、それとは別に既存の他社の店舗やビルにも使えるオリジナルのステッカー類もリリースしています。

 今回わたしが注目したのは先日新発売された「情景用ステッカー」
 何しろ題材が「電気街・オタク街」だからレイアウトに電気街を組み込んでいたわたしが盛り上がらない訳がない(爆笑)

 この種の街に使われる看板はポップな色調と印刷臭いレタリング、独特なノリのイラスト看板(いわゆる萌え系)が特徴です。
 以前GMの映画館キットに使われている看板類が「見るからにラベルソフトで作成した様な無機質な字体とレタリング」で残念だったという様なことを書いた事がありましたが、同じ様な字体でも殊、オタク街の場合にはこれはネガティブな要素にはなりません。

 この種の町の店舗はここ20年ほどの間に急速に増えたものが多く、その間テナントの入れ替わりも激しかったため、看板類もそれに併せて比較的新しいノリのレタリングが使われていることが多いからです。この点数十年前の老舗が混在しやすい地方の商店街とは異なります。

 今回のアイテムではほぼ全てが架空の店名(実在の店によく似たものはあるものの)が使われ、イラスト類も知財権の問題からオリジナルイラストとなってはいます。
 ですが現実の秋葉原を見た場合、3ヶ月ごとにコンテンツが入れ替わるため看板類の入れ替えが非常に頻繁(言い換えれば1年くらいで時代遅れになってしまうリスクが大きい)なので実在のアニメのイラストを使うくらいなら萌え系の最大公約数的なイラストをいくつか使った今回のアイテムの方向性はむしろクレバーな選択だったと思います。

 現実にユーザーレベルで看板類をラベルソフトで自作すること自体は可能ですが、実際にこれをやった経験(爆笑)から言わせて頂くなら何から何まで自作というのは必ずしも効率的ではない気がします。
 ユーザーのこだわるピンポイントの看板はオリジナルを使い、それ以外はこの手の既製品を活用するのが現実的なのではないかと。

 現在、当レイアウトでは電気街は一時撤去されていますが、再度改修、配置する際にこのステッカーが大いに活躍するのは確実と思います(笑)

東京ジオラマファクトリーのマンションを作る・その5

2023-02-21 05:14:49 | ストラクチャー

 東京ジオラマファクトリーのマンションCの製作記、今回がラストです。

 完成したマンションの存在感は抜群で白亜の壁面と合わせて清潔感すら感じさせる仕上がりです。

 早速レイアウトの丘陵の空きスペースに仮配置してみましたが、まるで何年も前からそこに建っていた様に錯覚させるほどリアリティのある存在感を見せました。
 派手過ぎず、地味過ぎずのバランス感覚に優れた外観なのが物を言っているのかもしれません。

 東京ジオラマファクトリーのキット全般に感じる事ですがストラクチャーとしての細密度はみにちゅあーとに準じるものの、サイズが大きな建物が多く(それでいて決して大きすぎない)題材自体も時代設定がやや新しめで、みにちゅあーとと被らないものが多いのでこのメーカーの存在意義は大きいと思います。

 個々のキットが高価なのは他社と同様なのですが、数は少なくてもピンポイントで建物自体の存在感を示す様な使い方をすればみにちゅあーと同様に小レイアウトやヴィネットでも大いに役立つモデルではないかと思います。

KATO+PECOの「スモールイングランド」

2023-02-19 05:27:39 | 車両・16番
 実質的な今年最初の入線車から。

 先日も書きましたが当鉄道の傾向として、その年最初に入線する新車に蒸気機関車が当たる確率は結構高いものがあります。

 古くはKATOのD51なめくじとかマイクロのC62、昨年もTOMIXのC11なんかが入線しています。

 以前は元日に帰省していた関係で帰路にあたるショップで新車を買ったりする事が多かったのですが、コロナ禍の影響で正月の帰省ができなくなっている最近は元日に営業するショップが出てきたので新車が買いやすいと言うのもあるかもしれません。
 そうなると、初入線の新車に蒸気機関車が選ばれるのには正月特有の祝祭気分も少なからず影響している気もします。

 まあ、それは置いておいて、
 今年最初の入線車はKATOのOOスケールのナロー蒸気機関車。
 スモールイングランド(プリンス)でした。

 このモデルのリリースは昨年の夏頃だったのですが、その時点では食指は動いたものの積極的に手を出す感じではなかったロコでした(お値段もNの8620より高価でしたし)

 実は今回このロコの入線を決断したのには、昨年入線した西武山口線の客車の存在が大きいです。特に密閉タイプの客車の赤いカラーリングはこの蒸機との相性も良さそうに感じました。

 モデルはKATOとPECOのコラボになるOOスケールのナローゲージ蒸機。実車はイギリスでは有名な保存機だそうで今でも保存鉄道で古典客車を牽引しているそうです。
 実際に西武山口線でおとぎ電車を牽引していたのはコッペル系のタンク機でしたし、それとは別にTOMIXから猫屋線仕様のBタンクも出ているのですが、今回のスモールイングランドはそのどちらとも異なる英国系のサドルタンク式Bテンダー機(そのせいかテンダーが異様に小さいのが印象的です)
 ですが実際走らせてみると山口線の客車の牽引が意外と様になっています。

 むしろ「おとぎ度」の点では従来の猫屋線のどの機関車よりも上ですw

 それでいて走行性もコアレスモータを積んでいるのか鉄コレより遥かに滑らかでナローらしからぬ(笑)上品な走りっぷりが印象的です。
 造形もKATOらしい繊細さと優雅さを併せ持ったもので素立ちの状態で眺めていても安っぽさを感じません。

 夜ごとコタツの天板の上でロッドの動きを眺めながら走らせる様な用途にはまさにドンピシャり。
 走りのスムーズさに和めるナロー蒸機と言うのはいまだに貴重な気がします。

寒い・・・!

2023-02-18 05:23:40 | その他
 今回は最近の気候にまつわる一種の愚痴ですので、おっさんの泣き言に付き合わされるつもりで聞き流してください(汗)

 今週の後半から私の現住地でも異様なほど寒い日々が続いています。

 ここ数年、朝が水道が凍るまで冷え込むなんて事は無かった(とはいえ、10年、20年のスパンでなら何度かあった事なのですが)のに、今夜などはファンヒーターをフル稼働させても室内の気温が14℃から上に行かない(つい先週までは同じ時間帯で20℃は行っていたのに)のですから、何もしていなくても寒さが身に沁みま

 故郷が寒冷地だったので朝が氷点下二ケタ、最高気温が氷点下5℃前後という環境には慣れている(だからそんな条件下の帰省で年越し運転をするのにためらいが無かった笑)筈なのですが、何といっても原住地は元々そういう寒さに対応していないので家の断熱が十分で無く、寒さ対策がなっていません。

 そのせいもあって、室内気温がプラス4,5℃でも身体には大いに堪えるのです。

 上の写真はコロナ禍の前の時期にやっていた故郷での年越し運転のものですが、これをやっていた時の室内気温が3~4℃前後と書くと如何に寒々しい環境の下で走らせていたか今更ながらに呆れます(大汗)



 その影響をもろに感じるのが平日休でのレイアウトの改修作業。

 夏場、冷房が無いのと同じようにここには設置場所に暖房もろくにない訳で、指先がかじかんで細かい作業が上手くできず身体を動かしても動きを止めると寒さが襲い掛かって来るという始末。
 何しろ道床固定用に持ち出したホットボンドの筒先が指先の暖房器具としても稼働しているという笑えない有様です。

 これまでレイアウト作業の大敵は夏の暑さだったのに、今年ばかりは寒さまでもが大敵として立ちはだかっています。

 おまけにこんな駄文を打ち込んでいる間にも外では粉雪がちらつき始めたりして。
 例年この時期は暖冬続きでレイアウト改修の様な大仕事にはもってこいの時期だった筈なのですが・・・

 今はもう少し暖かくなって来るのを待つだけです。

「カーコレクション変身セット(A・B)」

2023-02-16 07:20:23 | アクセサリー
 先日発売されたカーコレクション用OPパーツから

 通常品のカーコレやNスケールの車の個性を引き出すOPパーツの製品化
 「カーコレクション変身セット(A・B)」
 それぞれルーフバーやキャリアバーやそれに載せる脚立やルーフボックスなどをパーツ化したものです。
 1990年代のRVブームの前後からルーフキャリアを装備した車は増えていますし、大工や工事業者の1ボックスに脚立などが搭載されるケースも多いですからなかなか良い着眼点だと思います(ルーフボックスに拘らず、例えば自転車を逆立ちさせて載せるのも良いかもしれません)
 街宣車用のスピーカーや看板類もラインナップされていますが流石にこちらは使用するシチュエーションが限定されそうです。

 さらに有難いのはタクシーや運転代行業者用の行燈パーツや赤色回転灯もラインナップされている事。
 最近はカーコレやジオタウンでもタクシーのモデルが入手しにくいですし普通のセダンをタクシーや覆面パトカーに変身させる事のできる(タクシー用のデカールも付属)のは嬉しい配慮です。

 ・・・とそこまでは良いのですが、一瞬理解に苦しむのが

 謎の形状の大きなパーツ。
 実はこれ「猫耳」と「猫の尻尾」

 つまり「ミニカーをコスプレさせる」ためのパーツなのです。
 これだけでも一般性の薄いパーツなのですが、なんとこれに限れば「Nゲージ用とTLV用の64分の1サイズがそれぞれ2台分づつ」付いています。

 NゲージャーばかりかTLVのコレクターまで相手にするとは恐るべしジオコレ(爆笑)
 ですが猫耳の似合う車は流石に今のラインナップでもかなり限定的ですが。

(先日リリースされたTLVーNEOのミラウォークスルーバンとかサンバークラシックくらい?)
 それともウケ狙いで2000GTやランエボにでも付けてみましょうか?

日本の名随筆「駅」

2023-02-14 05:53:12 | 書籍
 今回は書籍ネタです。

 30年ほど前、作品社というところから「日本の名随筆」というシリーズの本が出ていたことがあります。
第一期全100巻(その後、第二期も出ています)で一冊一冊に「花」「恋」「詩」などのテーマが与えられ、それぞれのテーマに合わせた随筆が10〜20程度集められたものです。
 ここに取り上げられた随筆のいくつかは最近青空文庫などで読める様になっていますが、そのいずれもが安心して読める読み物としています。

 で、このシリーズにテーマが200もあるのなら「鉄道」というのも一冊くらいあるのではないかと思って探してみたのですがあいにくそれはなし(涙)

 ですがそれに代わる存在として「駅」というのが出ているのを知り、先日古本を取り寄せることができました。
 本書の編者は宮脇俊三。集められた随筆は内田百閒をはじめ種村直樹や立松和平から芥川龍之介、水上勉など33編にのぼります。
 (そういえば岡本綺堂の「停車場の趣味」が入っていないのはなぜだろう?)
 
 そのいずれもが「駅という空間の持つ一種独特の雰囲気」が活写されていて臨場感たっぷり。

 題材も上野、市ヶ谷、有楽町、門司港などのメジャーどころから若狭本郷、南大夕張、後半では海外の駅を舞台にしたものも揃えられ、居ながらにして「駅構内をさすらう旅人」あるいは「通勤などで普段利用している駅の常連の一人」の気分が得られるお得な一冊となっています。

 実際、本書は寝る前のひと時のゆったりした気分で読むのが最も似合うと思います。本書を初読したのが「体を壊して寝込んでいた時」だったので余計そうした気分が強かったのかもしれません。

東京ジオラマファクトリーのマンションを作る・その4

2023-02-12 05:54:56 | ストラクチャー
 東京ジオラマファクトリーのマンション工作。4回目です。

 ビルの形が整ったところで最もマンションらしさを表現しているベランダ、テラス部分の工作に移ります。
 (その前に右サイドの出窓を取り付ける工程がありますが、パーツの合いが良いので、かっちり感のある仕上がりと合わせてこれまた楽しい工程ではあります)

 工作を始めてから気づいたのですが、このマンションのベランダはやや斜めに床板を貼り合わせ「ベランダが前上がり」に造形されています。
 物干し台にも使うテラスだったらベランダの床面は平面になっているのが普通なのですが、この構造はマンションというよりもホテルに似合う様な造形にも見えます。

 三角形の各室の仕切りを壁面に差し込み、やや斜めに床板を接着、さらに予め手すりを接着した外壁を貼り付け、マンションの外装は完成。

 併せて屋上の手すりを接着、背面のガレージへの出入り口などの扉を付けると説明書にある工程は完了。

 完成するまで寝る前のひと時を使って大体5日くらいで完成です。

 工作期間はみにちゅあーとのビルよりも長いですが、建物が大きいのと壁面の意匠が凝っているので大体妥当な線ではないでしょうか。


 ストラクチャー全般の感想および実際にシーナリィに組み込んで観た時の印象については次回以降にでも。

2月11日で211系のはなし

2023-02-11 05:29:03 | 車輌・電車
 今回も日付に因んだ語呂合わせネタです。

 今日が2月11日ですからネタは当然211系。



 クルマの世界でヘッドライトが丸目から角目に移行しはじめたのは確か昭和54年(1979年)頃だったと記憶しています。
 それまではクラウンにしろセドリックにしろ丸目4灯が普通で角目のライトは2灯というのが常識でした。
 ですから角目ライトが4つ並ぶ様になった時には何か時代が変わった様な清新さもを感じたものです。それでも慣れというのは恐ろしいものでいつの間にか国産車の顔は角目中心になり角目4灯の顔も普通に見掛ける存在になり、それにつれて感動も薄れてゆくのですが。

 一方で電車の世界で角目4灯が本格的に認知されたのは185系辺りからでしょうか。
 個人的な印象を言わせてもらいますが、185系自体は当時としてはかなり斬新なカラーリングとデザインで記憶に残るのですが、角目4灯のデザインに関しては未消化な感じがあり「マイナーチェンジした117系」の様にも映ったものです。
 
 その後に追加された211系の辺りからようやく「電車の角目」違和感のないレベルにデザインが消化されてきたように思います。
 それまで湘南色デンシャの世界に定着していた113,115系の丸目2灯に対して角目4灯のお面は愛想こそ薄いですが、当時は国鉄電車の新世代を予感させる準未来車の様に見えた物でした。ボディもステンレス基調の銀にさりげなく湘南カラーの帯を付ける処理がなかなかに小粋でした。

 その後、この顔は415系などにも移植され国鉄時代最後の近郊型電車のムーブメントになった観があります。

 その211系も湘南から退いて大分経ち、他の線区でもそろそろ引退の噂が飛び交い始めています。
 わたしが一番馴染みがある211系は中央線の高尾以西で見掛ける「長野色」の211系ですが、甲府辺りでは3連に短縮され往年の迫力は薄れました(たまに6連を見かけると妙に嬉しくなったりしますがw)

 かつては精神かつ未来的に見えたデザインが「普通」を通り過ぎて「ノスタルジーの対象」に変わる。
 これもまあ、時代の流れという奴なのでしょうか。

鉄コレの江ノ電800

2023-02-09 05:49:38 | 車両・路面電車
 昨年の年越し運転直前に入線した文字通り2022年最後の入線車。
 物は鉄コレの江ノ電事業者特注モデル「江ノ電800」です。

 鉄コレで江ノ電の車両はおそらくこれが最初と思いますが、通常色といわゆるチョコ電色の2タイプ同時リリースとなかなか気合が入ったラインナップです。
 今回は当鉄道に入線しているMODEMOの江ノ電300とお揃いのカラバリという事でチョコ電色を選びました。ただ、実際のモデルはMODEMOの300よりも淡い色合いです。

 モデルの造形自体は最近の鉄コレに準じますが、片側運転台を付けた短躯の車体の2連はノス鉄や過去の鉄コレなどの両運転台モデルに比べてちまちま感が薄いゆったりとした雰囲気があり、田舎の風景にもよく似合う気がします。

 付属のステッカーには通常の行き先幕の他、さよなら運転時のヘッドマークもあり、これらを貼り付けると華やかな感じになります。

 実はこの江ノ電800ですが、元々は山梨交通の7形として登場し、同線の廃線に伴い上田交通へ譲渡、そこからさらに江ノ電に転出してきたと言う複雑な経緯を持つ電車だったりします。

 (現在は山梨の鰍沢の公園に当時の山梨交通色にリペイントされた1両が展示されています)

 実車は江ノ電入線以降フェイスリフトや3扉化でかなり雰囲気を変えているのですが、個人的には山梨交通仕様や上田電鉄仕様のモデル化に期待したくなります。

東京ジオラマファクトリーのマンションを作る・その3

2023-02-08 05:44:09 | ストラクチャー
 先日来紹介している東京ジオラマファクトリーのマンションCの工作ネタから3回目です。

 このマンションが既製品モデルと異なる特徴は向かって右サイドが斜めにカットされた独特の形状。
 一般にこういう構造の建造物は、専ら日照権の問題などで隣接地や道路を挟んだ向かい側に陽が当たる様に壁面を斜めにカットしているものですが、それとは別にデザイン上の特徴づけとか間取りの設定の関係であえてこうした形にする場合もあると思います。

 このマンションの場合、2階の右端の部屋の窓割りが異なる事や3階の部屋割りが中途半端になってしまう事から見て後者の可能性もある様な気もします。

 いずれにしろこのデザインのお陰で、他のモデルにない個性が出ているので悪い処理ではないと思います。

 壁面を貼り合わせて厚みを出すと同時にそれらのパーツを組み合わせてビルの形に近づけて行く訳ですが、この工程で他社のペーパーキットにない組み立て上の注意点が出てきました。
 特に前面や背面の壁面を組み合わせる際に顕著なのですが、他社よりも壁面が大きい上に芋付けの要領で内部の床面や壁面の糊付けに時間がかかるために、みにちゅあーとなどの小型建造物の時の様なつもりでのんびり貼り合せようとすると、貼り合わせる前に先にボンドを塗布した部分が乾きやすいのです(特にタミヤのクラフトボンドの様なノズルの細いタイプで顕著)

 実際、この工程では2、3度ボンドを塗り直しましたが、大きなパーツの貼り合わせでは他社のペーパーキットよりも迅速な処理が必要と思います。あるいはコニシボンドの様な遅乾性の接着剤を使うのも一法かもしれません。

 が、そこに気をつければマンションの形に組み上がるのはそれこそあっという間に見栄えのする外見になるので、工程自体は楽しいと感じられるものでした。

 あとはベランダや手すりなどの艤装工程です。

テツドウモケイ「今年の初入線」の変遷に思うこと

2023-02-07 05:40:11 | 趣味の原点をふり返る
 もう1月も半ばを過ぎているというのに今回はお正月に絡んだ思い出話をば(汗)


 わたしの場合ですが、この趣味を始めた頃(1975年前後)趣味の絡んだ「お正月らしい事」というと「年越し運転」か「走り初め」でした。
 どちらにしても一人部屋に籠ってデーブルトップに敷いた線路の上でちまちまと模型を走らせ(ついでに貨車の上に正月らしい小物でも載せて)個人レベルでの新年の気分を味わうというのが定番だった訳です(故郷では周囲に同好の士がいなかった状況については前回の「TEZMO SYNDOROME」の記事で紹介済みです)

 それもそのはずで、正月になっても当時の商店街は元日から営業している店なんかは殆どなく殊に地方の場合は「正月でお年玉をもらったその足でテツドウモケイを買いに行く」なんて事は不可能でした。
 地元の模型屋さんが開店するのは大概3が日が過ぎた辺りでしたし、新製品が入荷するのは更に1週間程度のインターバルが空くのが普通でしたから、この時期の「今年最初の新入線」は少なくとも1月第3週の前後という感じでした。

 今でも覚えていますが「1月に初入線の新車を買った」のは1978年頃。TOMIXの113系を1月半ば過ぎに購入したのが最初だったと思います。
 まあ、当時は鉄道模型の新製品自体が少なかった上に「歳末商戦」とか「初売り」とかとは全く無縁の販売形態でしたから「1月に新品を買う」事自体がまれではありました。

 それが1980年代半ばに趣味を中断するまでの状況だったのです。

 21世紀に入りこの趣味を再開した時も最初の数年は同じ様なノリでしたが、その状況が一変したのは故郷の様な田舎でも「中古の模型ならそこいらのハード●フや万●書店系で正月3が日でも手軽に買える」様になってからです。
 この頃は「正月の帰省のついでに中古の掘り出し物を見つけて持ち帰り、自宅の走り初めに供する」のが定番で、同じ走り初めでも幾分か華やかさとお祭り気分に浸れました。

 ですがそれで驚くのはまだ早かった。

 帰省のスケジュールの都合でここ10年位正月の帰省が元日に帰宅するのが通例になると「帰路に立ち寄る新宿やアキバでは元日早々に新品のモデルが普通に買える」様になっていたのに驚かされました。まあ、最近のこの界隈は元日でも正月らしさを感じること自体が大分希薄にはなっているのですが。
 

 昨年の元日に至っては現住地でもそれが可能となり「TOMIXのトーマス号を元日の朝8時に購入、自宅の走り初めに間に合わせる」なんて離れ業レベルの真似すらできる様になりました。

 40年前は「正月にテツドウモケイを買う」という慣習が想像すらできなかったのに、それが今ではこのレベルなのですからまったく時代の変化は速い(笑)

 尤も、こうなったのはわたしの場合、年末年始の帰省絡みのスケジュールの特殊性ゆえに初入線がどんどん早くなったという面が大きいのですが、それでも都市部のファンにとっては「正月にテツドウモケイを買う」のが特殊でもなんでもなくなり、どうかすると「テツドウモケイの福袋」なんてのまで普通に売り出されるご時世となっている訳ですから、改めて凄いと思います。
 
 要するにそれくらいにテツドウモケイユーザーの裾野が広くなったという事ではあるのでしょうね。

 さて、当鉄道の今年最初の入線車については次の機会にでも。