光山鉄道管理局・アーカイブス

鉄道模型・レイアウトについて工作・増備・思うことなどをば。
こちらはメインブログのアーカイブとなります。

3Dプリンターと鉄道模型に思うことから

2014-12-27 16:21:26 | 思いつくままに・考察
 先日、テレビの旧車のレストアの番組を観ていてクラシックカーのヘッドライトのパーツを復元するのに3Dプリンタを使う場面があり妙に感心しました。

 この間もごくラフな物ながらもN車両の車体に3Dプリンタを使う作例を目にしましたし、コストの問題がクリアされればこの新アイテムが鉄道模型のジャンルでも工作に革命的な変化をもたらすであろう事は容易に想像されます。

 何しろやろうと思えば「実車の設計図面を縮小して設計図通りの模型が作れる」可能性もある訳ですから革命でない訳がありません。

 ですがそれらによって「実物の縮小版」そのものの模型が容易に作れる様になった時、前にも書いた事のある「模型」と「オモチャ」の関係性にも大きな変化が出てくるのではないかと思えています。
 だれでも「実物の縮小版が作れる様になった時、一体どこに模型を作るプライオリティがあるのか」という問題が必ず出てくると思えるからです。

 或いはこれも以前触れた相馬御風の「実物と模型」の一節の様に「魂のない模型は実物に似れば似るほど実物から離れた観る物に不快感を与える怪物になって行く」
 の実現になるかもしれません。

 同じ一文の中に
 「人間の手をじかに型にとった石膏で造り上げた物を見た。しかしどういう訳かそれは少しも生きた感じを与えなかった。却って芸術家の目で観た人間の手の印象を基として作った物の方がより多く私たちに生きた手を感じさせるのである」
 ともあります。
 これが書かれた頃よりはるかに複製の技術が進化しあたかもコピー時代の到来を思わせる現状の中でこれは未だに古さを感じさせない論旨と思います。

 そうなるとこれまで鉄道模型の世界で「オモチャ臭い」の一言のもとに切り捨てられてきていた「省略と誇張」に基づく「印象把握のセンス」と言うのが非常に重要な意味を持ってくるとも言えます。
 これはこれまでにも時折触れて来た「鉄道模型はアートたりうるか」という課題にも重なる部分と思えます。

 少なくとも今後は「実物の縮小コピー」がやりたければそのものずばりに実物のコピーが容易に作れる様になる訳ですからやりたい人やそれが至上と思う人はその通りの物を作ればいい訳です。
 ですが、これは同時にただ細密なだけ、実物どおりなだけのモデルが少しも自慢の対象にならなくなる事をも意味します。

 その一方で実物の縮小コピーに我慢できない人、アートな要素を鉄道模型に求める向きはよりアーティスティックな「模型」造りに進みやすい気がします。

 但し「アーティスティック」であるという事は大なり小なり自分自身の内面が造られる模型に反映される事は覚悟する必要があります。

 これは鉄道模型をひとつの造り手の自己主張をどこに置くかという「アート」と捉えるか否かにかかわる部分でもあります。 何だかこの辺は大昔の「探偵小説芸術論」の鉄道模型版みたいです。

 ですが実車を忠実にまねた車両の工作であっても「印象把握のためのディフォルメ」を加えた物の方が実車の立体写真みたいな細密モデルよりも人の心を打つ事も多いですし。
 ここで一つ興味深い実例を上げますが、この間見たテレビ番組で熊本の「山鹿灯篭」の製作を取り上げた番組があったのですが実在の建物を細密かつ忠実に紙による灯篭に作り上げる過程に息をのみましたがその製作者の一人がこんな事を言っていました。

 実はこれらの建物は意識的に実際の建物より1割か2割縦に引きのばして作っています。「実物通りの比率で作ると実物より貧弱に見えてしまうからです」
 これなどはアートとしての模型の本質を見事に言い当てた一言ではないかと思います。
 これに近い事は特撮美術監督の井上泰幸氏も著書か何かで書いていたと思います。

 人間の眼に映る印象は外的な要因でかなり左右されます。
 この点で眼はある意味相当な嘘つきであるとも言えます。
 良く出来た(と言われる)モデルの大半は一見実物通りに見えても実はどこかしらディフォルメが入っている事で実物並みのリアリティが出ているという事でもあります。

 鉄道模型は「模型」か「アート」か・或いは鉄道模型は「芸術」たりうるか。

 私個人としては実物の正確な縮小版の「模型」たろうとする事は少なくとも「ホビーの対象」としてはあまり正しくないし好ましい方向とも思えません。
 ですがアートの方向にしても余りやり過ぎて前衛芸術まがいになっても困ります(笑)

 もっともこんな寝言も「誰でも鉄道模型が作れるまで3Dプリンタが普及するまでどれくらいかかるのか」という根本的な問題もあるのですが。

小田急モノレール500

2014-12-26 16:18:56 | 車両・私鉄/民鉄

 秋葉探訪の折に立ち寄った新宿駅の小田急ショップでついふらふらと買ってしまったアイテムから。
 Nゲージスケールのディスプレイモデル「小田急モノレール500形」です。

 その昔向ヶ丘遊園の辺りで運行されていた奴ですが、見るからに未来の交通機関と言ったデザインは今見てもわくわくさせられます。
 モデルでもその印象はうまく表現されており今にも「怪獣総進撃」の未来都市に出てきそうな感じです。

 事実街並みの中にこれを配置してみたらいっぺんに普通の街並みが未来都市に変わって見えたのには驚きました。これは子供の頃に観た「怪獣総進撃」に出て来る未来都市のモノレールの印象もあるのでしょうか。

 21世紀の今日、実際に運行されているモノレールよりも未来的にすら見えます。 

 さて、小田急ではこれまでにもデニ1300やらキハ5000やらが鉄コレで出ていたので今回もそうかと思っていましたがこちらは京商製。
 機体の質感は同じ京商のバスのそれを思わせます。

 一応軌道も付属していますがディスプレイモデルなので2連がどうにか収まる程度の長さに過ぎません。
 たとえ動かなくてもできるならダミーの軌道を延長してやりたい感じがします。ただ、レール断面がいささか特殊な形状ですので自作するとなると苦労しそうです。

 それにしても高かった(汗)上述の鉄コレデニとキハのセットを合わせた値段よりなお高いのですから。
 後悔こそしていませんが、秋葉に行く前からここで散財してしまいひやひや物でした。

今月のジャンク車から・エンドウの近鉄3000系

2014-12-25 16:16:22 | 車両・私鉄/民鉄
 先日の戦利品から

 ジャンク電車からちょっとした掘り出し物を。
 エンドウの近鉄3000系の3両セット。

 奥などを見渡してもなかなか出物を見ないか、たまに出ても空恐ろしい値段になるという代物で興味はあってもこれまで手を出せなかった機種です。
 今回はパンタ欠落、相当なクタビレ感のせいか1両当たり800円強(動力車含)ので物を見つけられました。

 近鉄3000系に関しては前にも紹介したようにGMのキットでそれらしいのを製作中でしたがそろそろ組み立てにかかろうかという時にエンドウ仕様を見つけたとは。
 まったくなんと間の悪い事か(笑)

 とはいえ今回のエンドウ版についてはモデル自体が相当にくたびれているのでGMと並び立つうえで問題も少ない気もします

 動力の方はエンドウらしく繊細さに欠ける物のタフな走りでした。
 これはどうにか許容範囲です。

 ですのでレストアの重点はもっぱらボディワークです。

 まず車体自体を水洗い。ブラスボディでメッキ処理された車体ですので剥離に気を付ける必要がありますがそれでも慎重にやればどうにか見られます。
 欠落しているパンタですがとりあえずの暫定処置として同じ下枠交差式のTOMIXのED79用を代用しています。
 GM版の組み立て時期を目途に純正パンタに振り替える予定ではいます。

 ここまでの構成、何だか「クラシックカーディーラーズ」みたいです(汗)

鉄道模型の趣味における「都会」と「田舎」に思うこと2

2014-12-24 16:10:13 | 思いつくままに・考察
 ふと思う事から
 今回もこのブログではよくある「酔っ払いのたわごと」ですので気に障る向きにはご勘弁を。

 以前にも似た様な事を書きましたが今回は少し切り口を変えて。
 以前お話は以下のリンクをご参照ください
レイアウトの嗜好に思う「都会といなか」のはなし

IMG_5478.jpg
 さて、折に触れて書いていますが私の住んでいる所は「自宅を中心に半径2キロ以上の範囲に線路がない」という画に描いた様な田舎です。
 町内に店と言えば10年前に開店したセブンイレブンが一軒きり。
 街の全面積の8割以上が農地と言って良い位のところで街灯のない道路も結構あるところです。

 当然ですが新品の鉄道模型一つ買うにも最低で片道6キロ、下手をすると20キロ以上をクルマで飛ばさないと手に入りません。
 ある意味不便さで言うと不便なことこの上ない環境です。

 ですがだからと言って今住んでいる所が駄目な所かと言うとそんな事もない訳で、普通に住む分には不満らしい所はあまり感じなかったりします。
(尤もそれは「自分のクルマを持っていれば」の話なのですが)
 よく言われるようなやれ「豊かな自然」とか「厚い人情」とか「素朴なライフスタイル」とか言った物とは別の意味で魅力のある場所ではあります。

 そこまで考えて思うのですが「鉄道模型の趣味に田舎と都会の差はあり得るのか」というのが最近少し引っかかっています。

 実を言うとこれまでの私の感覚からすれば「鉄道模型というのは基本的に都会人の趣味」というのが私なりの定説(笑)でした。
 前述した様に新品一つ買うにも近所にショップがあれば便利ですし値引きの大きい量販店でもあればかなりアイテムを揃える事ができます。
 なによりJAMとかのイベントはその大半が都会で開催される物ですから手軽に覗けるメリットは見逃せません。
 レンタルレイアウトも多く、そこでの同好の士との交流の機会が多く持てるのも大きな利点でしょう。
 或いは専門誌の編集部や出版元が近く、有名モデラー等の刺激が得やすいというのもあるかもしれません。

 それらの要素のほぼ全てが生活圏の中にあり手軽に触れるか、どうかすると向こうからやって来る。

 正に「田舎の勉強より京の昼寝」の感覚です。

 まあ、田舎ではまず難しいところではあるでしょう。
 その反面、田舎、或いは田舎者ゆえの強みというのも一方ではあると思います。

 端的に言うなら上述の条件全てに恵まれないゆえの「欠乏感覚」という奴がそのひとつではないかと。
 「欠乏感」というのはある意味「貪欲さ」の裏返しとも言えます。
 これが趣味以外の話なら何もないという事は不幸の一種であり、嘆いたり僻んだりしていれば感情がある程度満たされる事もあるでしょう。

 ですが、好きで続ける決意のある趣味の場合「不幸」というよりも「不便」というのが問題の本質なので「なければ作る」「欲しければ手に入れる」という動機づけが都会人より高くなりやすい気がします。
 ただ、動機づけが強いだけに「強欲なコレクター」とか「意固地なマニア」に成長する確率もそれなりに高そうですが(汗)
 (そしてそこまで成長してしまうとさっさと田舎から都会に出ていきそうな気もしますw)

 尤も何をするにもスマホを片手という現今の現状からすれば少なくとも情報面に於いて都会と田舎の格差は急速に縮まりつつある気がします。
 端的にそれを感じるのがネットオークションの世界で田園調布のお屋敷住まいだろうが岩手の山の中の団地にいようが入札する分には条件が一緒(あくまで機会に於いて、ですが)なわけです。

 ですから他のメジャーな趣味に比べてネットの普及で急速に変革してきた経緯のある鉄道模型の趣味に於いては都会と田舎の差というのはどんどん変質して行く様に思えます。

今月のジャンク車から・富士急行1000形レトロ塗装車

2014-12-23 17:48:25 | 車両・私鉄/民鉄
 先日中古ショップで入手した今月最初の入線車両です。
 京王5000系をベースに富士急行の主力となっている1000形はこれまでにも鉄コレを中心に様々なバリエーションが展開されていますがリバイバルカラーと称する(カレンダーや一部資料によってはレトロ塗装とも呼ばれる)クリームとマルーンのツートン仕様はまだ製品としてはリリースされていないと記憶しています。

 それが今日外出の折にのぞいたショップでノーマルカラーなどとセットになった中古(ジャンク?)が並んでいるのを発見。一部は動力化されている上にパンタまでちゃんと昇降できるタイプに換装されているにもかかわらず1両辺り3桁のバーゲン価格でした。

 帰宅後早速試走させてみましたが、ツートン仕様だけ妙に様子がおかしいのに気付きました。
 床下機器のマウント、窓枠の処理、床板の装着方法が鉄コレと異なるのです。

 どうやら鉄コレに混じってGMのキットを組んだうえで富士急仕様に変更した労作だったようです。
 その目で見るとカラーリングもなかなか丁寧に塗装されていますし結構な拾い物でした。

 京王5000系は引退後に富士急を始め琴電、一畑、伊予などでそれぞれ主力として用いられ、それに伴い京王時代からは想像もできないほどカラーのバリエーションが増えましたが(中にはエヴァンゲリヲンのコスプレをやった奴まである)中でもこの富士急レトロ塗装の仕様が個人的には一番似合っていると感じています。

 それだけにこれまで製品が出なかった(あるいは出ていてもこれまで目に触れなかった)のが少し残念だったのですが今回の入線で大いにその渇は癒されました。

給水塔ネタ・おかわり(笑)

2014-12-22 17:46:13 | ストラクチャー
 秋葉で見つけた機関区アイテムその4です。

 実は今回買った4つのアイテムの中で一番最初に使えそうなのがこれだったりします。
 前述した機関庫同様にしなのマイクロから出ていた「給水塔(またです)」

 これだけ給水塔ばかり買っていたら鉄コレならぬ「給水塔コレクション」が始められそうな気もしますが(笑)
 前述の機関庫は大絶賛物の出来栄えだったのですが、給水塔は同じメーカーから出たとは思えないほどしょんぼりした出来です。

 物がまず小さい。前述のシバザキはもちろんジオコレやKATOのそれと比べても半分以下(体積でも2分の1か3分の1位)です。
 しかもこの給水塔、金属のむくの一体成型なのでまるで「文鎮を思わせる重さ」を誇ります(笑)

 実際サイズ的にも文鎮として使えそうな代物だったりします。
 表面のモールドも上述の他社製品に比べると大雑把な感じで模型と言うより民芸品のノリを感じます。

 と褒め言葉とも悪口とも付かない書き殴りをしてしまいましたが(汗)それでもこの給水塔だけは購入時に既に行き先を決めていました。

 実はミニSLレイアウトの棚幡線にもジオコレの給水塔が鎮座しているのですが小型タンク機関車主体の棚幡線に使うにはあまりに大袈裟すぎ、どうにかならないかとかねて考えていた所でした。
 今回のしなの製給水塔はサイズ的には逆にやや小さすぎる気もしないではないのですが小型機との組み合わせには好適に見えます。

 ただ、こいつも構造上スポートは必須ですが。

 もしそれが駄目だったとしても「文鎮」として使えるので決して損はないと思います。

しなのマイクロの機関庫

2014-12-21 17:44:36 | ストラクチャー
 秋葉で見つけた機関区アイテムその3.
 ある意味これこそ本命中の本命です。これがなければ他の三つも買わなかったのではないでしょうか。

 煉瓦造りの機関庫と言うアイテムは古くはPECOのプラキットに始まり、最近ではジオコレの3線式のかなり堂々とした物も出るようになりました。
 (木造の物も入れればさくら工房やKATO、ジオコレが加わりかなり選択肢が増えます)

 私も機関区風のセクションやミニSLの棚幡線などで機関区をやっているので一応それらのアイテムにも目を通して(買ったという意味ではありません)いたのですが小さすぎたり大きすぎたり、妙に大仰に見えたり逆に貧弱すぎたり。
 レイアウトにぎりぎり組みこめる様な手頃なサイズと好ましい外見を併せ持つ機関庫と言う物にこれまでまみえませんでした。

 そんな折前述の某中古ショップでふと見つけたのが「しなのマイクロの複線機関庫」でした。

 早速箱から出して見せてもらいましたが速攻でピンときてしまいました。
 大きすぎず小さすぎない2線式の煉瓦造りでサイドに作業場用の張り出しを付けた構造はまさにどんぴしゃりです。
 
 そしてこちらも当時のしなのマイクロらしいオールブラス製。
 直ちに購入を決断しました。

 この機関庫ですが元々は糸魚川の3線式機関庫を2線に縮めたものだそうですがそれが却ってよかったと思います。
 前述の通り本体はブラス製ですが窓枠の抜けの細かさや屋根上の通風口周りの肉薄な表現にそのメリットが最大限に生かされています。
 中に車両など入れて見るとそれがよくわかります。

 肉厚で金壺眼の窓枠のジオコレ辺りのプラ製機関庫ではこの雰囲気は出せません。
 しかもブラスなだけに漏光対策は元から十分なのでこれはぜひ照明を組み込みたくなります。

 強いて難点を挙げるとこのアイテムはKATOの複線間隔に合わせている様なのでTOMIXの線路に使えない事位でしょうか。
(あと道床付き線路では高さが不足しますがこれ程の機関庫をお座敷運転に使うユーザーもそうはいないと思うので欠点とは言えない気がします)

 期せずして金属ボディの機関区ストラクチャーが勢ぞろいしましたが既存の機関区風セクションにつなげる形で舞台を用意したくなりました。

シバザキ模型の給水塔

2014-12-20 17:43:19 | ストラクチャー
 秋葉で見つけた機関区パーツその2です。

 シバザキ模型製の給水塔。
 これもなかなか見ないアイテムですし私自身「鉄道模型考古学」の写真でしか知らなかった物です。

 最近はKATOやジオコレからも給水塔のモデルが次々にリリースされ「給水塔を形態別に複数のアイテムから選べる」というちょっと前からは信じられない状況です。
 が、これが出ていた当時は「給水塔?何それ食べられるの??」なんてノリでメジャーメーカーからはまず製品化すら想像できない状況でした。

 ですがシバザキのそれはそんな時期のリリースとは思えないほどの完成度の高さを感じさせられます。
 何しろコンクリート脚の給水塔としては非常に珍しいオール金属製。
 前に紹介したGMの照明塔と同様に「細密で華奢なのに頑丈」という好印象を持っています。

 同様の形態の給水塔は最近ジオコレからも出ていますが明らかにそれとは一線を画す出来栄えと言えます。
 給水塔の形態上当然ポンプ小屋も付いていますがこちらもブラスのメリットを生かしきった肉薄の構造が好ましいと思います。

 なお、この製品はキット形式でのリリースだったそうなので当然「前のユーザーが組み立てて塗装までしてくれていた状態」の様です。
 この塗り分けも地味ながらよく雰囲気を捉えていて嬉しいポイントでした。

 ただ、製品版にはメタル製のスポートが付いていた筈ですがこの品にはそれはなし。中古品ですから仕方ありません。
 スポート自体はアシュピットとセットでKATOから出ているのでこれ自体は問題ありません。

 それにしてもシバザキの製品なんて車両ですら持っていないのにストラクチャーが入手できるとは思いませんでした。

グリーンマックスの「ヤード照明塔」

2014-12-19 17:41:15 | ストラクチャー
 先日の秋葉行きで一番の収穫がこれでした。
 某中古ショップで見つけたストラクチャーの委託販売品。

 今では知る人も少ないストラクチャーが「機関区ひとつ分」入手できました。
 この間のジャンク玉手箱といい、今年の東京は一味違うようです。
 何れも奥なんかでたまに出物があるととんでもない値付けになる物ばかりだっただけに有難い出物でしたし、これを使ってセクションの改修などを行なうはずみにもなる物ばかりです。

 今回はその中から。
 GMのヤード照明塔を紹介します。

 これは今から40年近く前に完成品でリリースされた物で当時は唯一のアイテムであると同時にこれまたGMのストラクチャーでは殆ど唯一の完成品でもあります。
 金属製の照明塔と回路ユニットを隠すための詰所からなる物で本体から引かれた線をパワーパックなどに繋いで点灯させる物です。

 このアイテムの存在は登場当時から知っていたのですが何分にも当時から高価で手が出せず、廃番になってからもかなりのプレミア価格で中古が出回る状態でこれまた手が出ませんでした。
 ですのでわたし的には殆ど幻のアイテムだったものです。

 写真を見て頂けるとお分かりの様に塔の部分の造形は後にリリースされたTOMIXの製品に比べてかなり華奢で細かい造形です。
 なのに材質がブリキ(だったそうです)のせいか華奢なのに強度的には十分な印象でかなり頑丈です。
 ここまで華奢だと電球部分のオーバースケールぶりが却って気になるくらいですがそれほど悪印象はありません。

 まだ点灯は試していませんがLEDでない電球なので独特の光り具合なのではないかと想像されます。
 これが意外と安価だった理由ですがおそらく前のユーザーが塔全体を真っ黒にリペイントしていたからではないかと思います。
 確か製品はメッキ仕上げだったと記憶していますがむしろこれ位の方が派手すぎずに良いのではないでしょうか。

C53流線型のボディキットから(汗)

2014-12-18 17:39:23 | 車両・蒸気機関車
 これまでもそうでしたが帰省とか年に2,3回の秋葉ツアーでは時折「なんでこんなのを」と思えるような物を買ってしまう事があります。
 流石に大散財レベルの物は少ないですが、特に「こんなの感」を強めるのが「自分の腕で作れるかどうかわからないキット類」です。

 今回のアイテムにもひとつだけそういうのがありました。
 「C53流線型のボディキット」がそれです。

 実は最初店頭でこれを見た時に「大昔TMSが出した事のある流線型C55のキット組み品」と勘違いして手を出してしまったものです(恥)
 帰宅後よく見たら車体の曲げこそされていますが、妙に細かいパーツが多い上にC55にないスノープラウが出てきて驚きました。

 慌てて調べてみるとどうやらキングスホビーがKATOのC55ベース前提でリリースしたキットだったらしい事を知り仰天です。
 キットである以上ハンダ付けは必須。

 道具こそ揃えていますがこれまで使ったのは16番モデルのレストアのみ。
 「ワールド」どころか「とて簡」すらやった事のない私には相当なハードルの高さに感じます。
 大体、蒸気の中でも構造がごく簡単に見える筈のC53の流線型なのにこのパーツの多さはどうかと(大汗)

 自分の腕のなさを承知している身としては考え込んでしまいます。
 買った以上はいつか組み立てたいですが、その前にとて簡辺りで練習した方が良さそうです。

 もし完成できれば、KATOスケール(旧モデルを中心に実際の150分の1よりやや大ぶり)の蒸気では唯一の流線型になりますし。


自由形車両の工作で思うこと2

2014-12-17 17:38:16 | 思いつくままに・考察
 先日もフリー車両(自由形)について私なりの考え、捉え方について書きましたが少し書き落としがあったので今回はその事を中心に書きます。

 前回お話した自由形は自分のレイアウトで日常的に運用する事を前提にした物です。
 当然機能やデザインは造り手のオリジナリティや使用条件による縛りがあるとはいえ既存の車両の延長にあるものですし、だからこそ実際にある車両と混じっていても(作り手のセンスに依拠する違和感wがあるにせよ)不自然さは少ない方です。
 
 ですがその一方で「絶対に線路上で見られる筈がない(爆笑)自由形」と言うのも一方であったりします。

 私の所属するクラブの運転会ではよくそういう車両が参加しています。
 自分の腕とセンスの問題から私自身はその方面には手を出していないのですが運転会に行くと

 ネコバスの共演
 某宇宙戦艦
 某アニメヒーローの愛機
 なんかが本線上を疾走するのを見る事ができます。

 これなどは「純粋趣味」のファンからすると馬鹿にされたりどうかすると許し難い存在として指弾される事すらある物ではあります。

 ですが私個人としてはこういう面白い存在があるからこそ運転会も普通以上に楽しいと感じます。
 何故なら「お祭り」の本質のひとつはある意味「(いい意味で)馬鹿になり切る事」であり、それらのフリー車両は運転会と言う「お祭り」の彩りとして最大限にその魅力を発散できる存在だからです。
 事実これらの車両の活躍を見ている一般のギャラリーの反応は総じて好意的です。

 むしろマニアック過ぎて実際にはメンバーの自己満足に過ぎない実物準拠の編成ばかりが走りまわる方が(この場では)違和感があったりする位です。
(あ、私の事だ汗)

 それにこれらのモデルは運転会のモジュールレイアウトのフォーマットに準拠しそこをきちんと走れる様に調整されていますし通常のモデルでは使えない特殊な走行系を自作かそれに近い改造で賄っている事も多く、製作態度に於いては非常に真剣な物ばかりですし見ていて得る所も多いのです。
 第一それらを作っているメンバーもそればかりやっている訳ではなく、一方で実物の考証に基づいた編成も手掛けている事の方がむしろ多いのです。
 こうした自由形に向けられるのと同じ情熱を払える分モデラーとしての幅は確実に広くなっているのではないでしょうか。

 とはいえ、こんな事が書けるのも書いている私にはこれだけの物が造れないコンプレックスも多分にあったりするのですが汗
 そろそろ私もそういうのを手掛けて見たい気もします。

KATO版のワサフ8000から

2014-12-16 17:34:58 | 車両・客車・貨車
 先日ホビーセンターカトーへ出かけたのにはもうひとつ目的がありました。
 この間KATOからリリースされた八甲田のセットに入っていた「ワサフ8000」

 これが出た折にASSYパーツの組み合わせで単体のワサフだけを求めたユーザーが結構いた事をネットで知りました。
 ならば総本山たるホビーセンターならASSYを集めるのが容易ではないかと考えたからです。

 事実、ワサフのASSYを集めたセット品が並んでおり初期の目的を達する事ができました。

 こうして帰宅後出来上がったワサフ8000。
 この貨車についてはブルートレインの「北星」に併結する関係上以前切り継ぎ改造で2両、後にマイクロの八甲田にあった物を1両入線させています。


 上の写真はマイクロ版のワサフです。
 ここまでの3両についてはそれぞれ一長一短だったのですが今回のKATO版ワサフ8000は正に決定版と呼べる感じに仕上がっていました。

 モールドと造形には隙がなく、扉のラッチ部分までモールドされているという驚きの細密度。
 更にマイクロ版の欠点だった「デッキ部にデンと鎮座するLEDユニットの箱」もはみだしこそありますがどうにかぎりぎり我慢できるレベルまで処理されています。
 当然テールランプも点灯します。
 とは言うもののマイクロのワサフには扉の開閉が可能というそれはそれで嬉しいギミックがあるのですが。

 ともあれKATOのワサフというのは待ちかねていただけに嬉しいのも確かです。
 あとは青20号に塗り替えて「北星仕様のワサフ8800」を目指したいところです。

ホビーセンターカトーを尋訪する

2014-12-15 16:37:59 | 旅行・探訪・イベントなど
 今回の秋葉行きは前の様に「滞在10分」という事もなく10件近くショップを覗く事ができましたが、その折のオプションツアー(笑)で落合南長崎の聖地も尋訪してきました。

 ホビーセンターカトーが新築なって再び落合に戻ってから10か月近く経つわけですが、歌舞伎町の時と違って田舎者にはなかなか行く機会が作れず今回ようやくの訪問となったわけです。
 前庭の京急230こそ前と変わりませんが建物自体は実に小洒落たものにイメージチェンジ。
 プチ「鉄道博物館」を思わせるノリです。こういう建物、ファーラー辺りのキットでも出ていそうな気がしますが(笑)ジオタウンで出してみても面白いのではないでしょうか。

 中に入ると上記の印象はさらに強まります。
 入り口付近、吹き抜けのエントランスではデモ用の大レイアウトが稼働し更にその周囲にはKATOがこれまで出した歴史的モデルが展示されています。
 専門誌などでも幻扱いされている「テンダーモーターのC50」はモックアップらしきものも含めて3両も並んでいるという豪儀さ。
 先日うちにもジャンクが入線した初代EF70やら歴代の入門セットやらも飾られ、文字通り博物館的なノリでした。 

 併せて従来2階だったショップコーナーは1階に移り見た目に広々した感じになりました。
 前のと比べても売り場の垢抜け度は150%増し位の感じでしょうか、これほど高級っぽく見えるNゲージの売り場はこれまで見た事がありません。

 更に二階に上がるとイベントスペース的なワンフロアにこれまた大規模なNと16番のレンタルレイアウトが鎮座。見る者を圧倒します。
 Nは勿論ですが私個人では車両の持ち込み運転可能な16番大レイアウトに強く惹かれました。
 機会があれば手持ちの機関車を総動員して持ち込みたい誘惑に駆られます(爆)

 全体に鉄道模型を買いにゆくというだけでなくそこにプラスアルファされた雰囲気を楽しめる空間としては最高に近い場所と思います。
 まだ行った事のない人、特に鉄道模型のイベントに縁の薄い地方の方には原鉄道模型博物館と並んでお勧めできるポイントでしょう。
 東北出身で田舎暮らしの私がこう言うのですから、たぶん間違いはないと(苦笑)

 それにしてもこんな「鉄道模型の三越」みたいな空間が普通の住宅地のど真ん中にあるのだから東京は怖い所です。周囲の商店街も東京にしては長閑な雰囲気ですし。

師走の秋葉巡り

2014-12-14 16:33:31 | 旅行・探訪・イベントなど


 うちの近所では紅葉も散りつくしつつあります。
 ついこの間まで色づいた木が目を楽しませてくれていたのですが散りだすとなるとあっという間ですね。

 さて、そんな平日休を使って久しぶりに秋葉めぐりをやって来ました。


 9月以来3カ月ぶりですが前回が雨の中わずか10分の滞在(何しろ研修会のついででしたから)だったのですが今回ばかりは時間をかけて探訪できました。

 とはいえ、私の覗く所などたかが知れているのですが。
 鉄道模型のショップばかり10軒近く回ったでしょうか。こんな真似ができるのはまさに秋葉ならではです。
 しかも今回は結構面白い物を観たりできましたし今後の展開に必要なアイテムをいくつか拾えたのは望外の嬉しさだったりします。

 それらについてはいずれメインのブログでも触れるつもりですが、今回はアキバへ行くまでの行き帰りも結構楽しめた気がしますのでこちらではその辺りを中心に触れるつもりです。

 それはそうとして

 行きの電車の中吊り広告で見つけたフレーズ。
 いや、書いている事に間違いはないのですが、さわやかな朝の電車でいきなり「絶望の90分」なんてものを見せられると結構驚きます。

1980年のグリーンマックスのカタログから

2014-12-13 16:31:21 | 書籍
 帰省の戦利品その2

 SL銀河に乗ってきたとは言っても、寝泊まりしたのは実家ですから向こうの押し入れを漁る位の時間はあります。
 そこで発掘してきたのは「1980年版のグリーンマックスのカタログ」でした。
 これまで帰省の折に触れて本棚やら何やら整理してきているのですがそのたびに何かしら発掘できるのですからあなどれないというか、よく良く整理が下手だったというか(大汗)

 GMのカタログはこれまでにも纏まって持ち帰っていたのでよもや実家には残っていないだろうと思っていたのですが、今回は他の書籍の入っていた箱の中からたまたま発掘された物です。

 以前にも書いた事がありますが80年代のGMのカタログは単に「カタログ」と言うのを離れてレイアウト製作や鉄道模型の楽しみ方のヒント集という観点で充実している物が多いのが特徴でした。
 それゆえにKATOやTOMIXのそれに比べてGMのカタログだけは何度でも読み返しに耐えますし希少性とは別のところで処分する事が出来ないカタログです。

 今回の1980年版もその点では例外ではありません。
 特に目を引いたのは「レイアウトのダイヤ運転」のヒントの部分です。

 冒頭で書かれている通り標準的なレイアウトですら「12時に発車した列車が12時1分に次の駅に到着してしまう」のが現実です。
 大きさとは違い、時間と言う物は80分の1だろうと150分の1だろうと同じ流れで進行し「縮尺」が効かないのでレイアウトでの運転はどうしても時間的な矛盾を抱え込んだものになりがちです。

 それゆえに大概の場合レイアウトの運転は「一時的に運転手気分の何十分の一かを刹那的に楽しむ」方向になりがちですし「スケールスピードを無視した豪快な走行」が良く見られる理由の一つになっているのではないかと思えます。

 ですがこれではレイアウトのプライオリティの何割かが無駄になる事でもあります。

 この事については以前にも考察した事があり、実際にミニSLレイアウトの「棚幡線」はダイヤ運転を念頭に置いた線路配置を取り入れたつもりです。
 ですが実際にこれをやって見ても「ダイヤ運転特有の緊張感」が味わえているかと言うとまだ疑問符が付くのも確かです。
 なぜならダイヤ運転とはある程度「スケジュールに追われる緊張感」を楽しむ物であり、それがあるからこそ集中して楽しむ事ができると思えるからです。

 その点について今回のGMのカタログで面白いアイデアが提示されていました。
 それはアナログウォッチの短針を取り去った「レイアウト運転用のファーストクロック」を使うという物です。

 これですとモデルの1時間が実時間では5分に換算される形になり、ローカル線風の小レイアウトであれば2時間で1日分の運転の流れを楽しむ事ができる事になります。
 (言い換えればレイアウト上で実時間で1分の遅れは12分の遅延になる形になります)

 ここで提案されていた運転方法はかねて私が目指していた棚幡線の運転の方向性と重なるところであり大いに参考になりました。
 どこかから古い時計を引っ張り出す価値はありそうです。