光山鉄道管理局・アーカイブス

鉄道模型・レイアウトについて工作・増備・思うことなどをば。
こちらはメインブログのアーカイブとなります。

HOスケールの「オペルカデット」

2021-07-31 05:05:59 | アクセサリー
 先日来紹介している「グランシップ土産のHOスケールミニカー」から。
 この間紹介のセネターに続き今回もオペルの車です。


 オペルの大衆車タイプのカデット。

 日本ではなぜかパッとしないままで輸入が打ち切られているのですが、ドイツではワーゲンゴルフに次ぐ普及を誇るのがオペルの大衆車です。
 中でも歴代のカデットは世界規模で展開したグローバルカーでして3代目に当たるカデットCは「初代いすゞジェミニ」として日本でも生産、販売されていました。


 今回入手したカデットは1991年まで生産されていた「Eタイプ」と呼ばれるものです。卵型のフォルムの3ドアHBは空力に優れたスタイリッシュさでVWゴルフに対峙していたモデルでした。

 ミニカーでもそのスタイリッシュさがきちんと再現されているのが嬉しい。
 相変わらず造形はシャープで丸っこいフォルムとの相性も抜群です(カーコレ80なんかで丸っこい造形をやらせると妙にぼってりしてしまう事が多い)
 ただ、中古で色が選べなかっただけに地味な黒しかなかったのが残念といえばいえますが。

 とはいえ、外見上ぱっとした個性が無いだけに「国籍を問わずレイアウトの風景に溶け込みやすい」のは確かだと思います。
 (実はこういうところもオペルの人徳の様なものだと思いますし)


 実車のカデットは次代から車名が「アストラ」に変更され21世紀初めまでヤナセで輸入されていました。現在でも本国ではモデルチェンジを繰り返していますが現行型も個性に欠けるもののスタイリッシュさは相変わらずなので今からでも輸入されないかなとか思ったりします。

 代車で乗った事のあるアストラはサイズ的に「ちょうどいい感」が感じられるいい車でしたし。

ノスタルジック鉄コレのEB10に思うこと

2021-07-29 05:03:54 | 車両・電気機関車
今回は先日リリースのノスタルジック鉄道コレクションネタから

今回のラインナップで注目株の随一はおそらく国鉄EB10形ではないかと思います。
わたし自身ついこの間まで「こんな小型機がプラの量産品でリリースされるなんて当分ないだろうな」とか思っていましたから。

今回のラインナップでは国鉄型のEB10のほか「富井化学工業バッテリー機関車」なるフリースタイルに近い蓄電池機関車の2種類が出ています。
そして今回のシークレットというのが「国鉄AB10 31」だそうで、ネット奥なんかでは早くも出物にとんでもない値付けの入札が付き始めている様です。

元々EB10という機関車は蓄電池機関車のAB10にパンタグラフを載せて電気機関車化したという経緯の機種であり、基本的に形態は同じものです。
ただし全く同じという訳ではなく、本来のAB10と並べるとそれなりに印象が異なる事がわかるのですが。

今回のシークレットを拾う事こそできませんでしたが、AB10については以前八王子の中古屋でワールド工芸のモデルを入手しています。なのでEB10と並べて比べてみる事ができます(ついでに写真でお目にかかるシークレット仕様とも)

同じタイプとはいえ、片やプラの量産モデル、片や洋白板製のキットメイク品ですが。EB10の方はプラの肉厚は感じられますが、エアフィルターなどのモールドは割合あっさりとしておりサイズの割には品のある造形に感じます。
逆に「あっさりし過ぎ」に見えなくもありません。
一方、ワールドのAB10は洋白パーツを貼り重ねる構成上、メリハリのあるフィルター表現。リベットの表現も強めでよく言えば「密度の高い造形」悪く言えば「サイズの割にうるさいディテーリング」とも取れます。

走行性ですが鉄コレのTM–TR07はスムーズさにはやや欠けますが不満もあまり感じません。但しKATOの現行ポケットライン動力のスムーズさを知っている人には物足りないかもしれません(KATOの方が400円くらい安いですし)

ワールドのAB10はそのポケットラインの旧動力を使っていますが、現行動力ほどではないにしても走りはそこそこスムーズ、と言うか元気の良い走りを見せてくれますw

と、この二つを漫然と並べる分にはどちらも一長一短という印象でした。

因みにノス鉄シークレットのAB10の写真を見ると、前面窓の形状の相違は作り分けられているものの、実車にはなかったらしい(というかEB10への改造時に付けられた)ボンネット上にふたつの点検蓋が付いた造形になっています。また車輪の前後についている砂箱の形状もEB10と同じになっています(実車のAB10はEB10とは微妙に形が異なります)などの相違があり(そもそも実車が2機しかなかったのに31号機というナンバーも変です)
ここは「AB10タイプ」と解釈した方がよさそうですね。

積みプラの「ぺディストリアンデッキ」のはなし

2021-07-28 05:55:17 | ストラクチャー

 昨年春以来のコロナ禍に伴い、ここ十年分くらいの積みキットとして死蔵状態だったストラクチャーを随分と消化してきました。
 そのどれもが作ってみるとなかなか味のあるもので、レイアウト上の街並みに順次差し換えてみるとそれだけで雰囲気が一変してしまう辺り「ああ、作ってよかったな」と実感させられるものばかりです。

 が、その一方で勢いに任せて購入した物のこれをどう使うかで未だに悩んでいる物もあったりします。
 2,3年前に購入したジオコレの「ぺディストリアンデッキ」なんかはその最たるもののひとつと言えるかもしれません。

 (鉄道ジャーナル社「日本の駅」525P より画像引用)
 昭和47年、鉄道100年の頃に出版された「日本の駅」(鉄道ジャーナル社 現在でも復刻版が入手可能です)に掲載されていた「将来の旅客ターミナル駅の未来像」という一章があったのですが、大都市拠点駅・中都市拠点駅・大都市近郊駅の想像図のどれにも必ず「駅前広場のペデストリアンデッキ」が掲載されていて、幼心に「そうか、未来の駅にはペデストリアンデッキが付いて来るのか」とか心ときめかせたものです(笑)

(鉄道ジャーナル社「日本の駅」522P より画像引用)
 その後学生時代、仙台駅で初めてその威容にお目に掛かった時には(駅そのものの規模と併せて)駅前広場を縦横に走るペデストリアンデッキに圧倒されました。駅の二階のコンコースから駅前広場の頭上をウォークスルーして「周囲のビルの二階に直接アクセスできる利便性」はまさにあの頃思い描いていた未来都市のひとつの姿とすら思えたものです。
 (最近の地方都市を席巻しているイオ〇系のショッピングモールは建物内にペデストリアンデッキを内蔵させたような構造の物が多いですね。利便性とは別に「歩き回りたくさせる」という点でペデストリアンデッキのコンセプトが生かされた好例とは思います)

 その後、大宮駅の西口とか町田駅の駅前なんかでも同様の機構を目にしていますし、これより相当に小規模ながら甲府駅の北口にもペデストリアンデッキが登場。駅前広場の見せ場のひとつになっています。
(故郷の盛岡駅にはペデストリアンデッキこそありませんが西口前にバスターミナルを兼ねた人工路盤が組まれ二階のコンコースとバスターミナルを同一平面上に直結しています)

 それらを目にした当時でさえ「よもやペデストリアンデッキがテツドウモケイになる事は当分ないだろう」とか高をくくっていたのですが、ジオコレでそれが製品化された時には驚かされました。

 外見上は甲府駅のそれより都会的で仙台駅のそれより手ごろ感のある見た目でなかなか使いやすそうに見えたものです。
 二階部分をビルにアクセスさせるための出入口パーツやバリアフリーのご時世、必須になる外付けエレベーターまで付属していますし。
 そんな訳でキットのリリース直後にさっそく飛びついてしまった馬鹿な私(大汗)

 ですがいざ実際に買ってきてみると「さて、これをどこに使おうか?」という根本的な問題に突き当たってしまいました。
 確かにうちには「光山駅」をはじめペデストリアンデッキが似合いそうな駅前広場はあるにはあります。

 ですが広場の形状や広さを見るとジオコレのパーツを上手く落とし込める形になっていないのです。
 ペデストリアンデッキ自体が「歩道橋のお化け」である以上、最低でも道路やタクシーターミナルをまたぐ構造でなければ様になりませんが生憎それができる空間が殆どなかったのです。
 無理にでも押し込むなら駅前広場自体の大規模な改修が必須になりますが、今はそんな余裕もない。

 という訳で購入直後から積みプラ状態が続いている次第です。
 ですが、考えてみたらこれは相当にぜいたくな悩みです。上述の様にペデストリアンデッキのストラクチャーが出ているなんてNゲージだけですし、自作するにしても応用できそうな高架橋や階段のパーツも豊富なのですから。

 いずれはうまく広場に落とし込む形でこれを使いたいと思いますが、レイアウトやキット自体の改造が必須なのでまだまだ時間が掛かりそうです。

 ・・・それにしてもこのキットを購入して実際にレイアウトに組み込んでいる方はどれくらいいるものでしょうか?

ミニSLレイアウトの開業8周年(笑)

2021-07-27 05:52:33 | ミニSLレイアウト

 8年前の7月7日はミニSLレイアウトの「棚幡線」の開業日です。
 (ネーミングも「急遽七夕に開業したから」といういい加減極まりないものでしたが)

 元々「講談社の週刊SL鉄道模型のレイアウト」のトラックプランとアイテムに惚れ込んでそれをベースに拡張と改造を加え「モジュールレイアウトの独立した一部として機能出来る」様にしたものですが、頻度の多寡はあれコンスタントに「うちのレイアウト」として8年間活躍しているのだから我ながら大したものです。

 8周年の記念列車は先日入線した「ノスタルジック鉄道コレクション」の車両たち、イベント性を重視して「ポケモンWithYouトレイン」も参加して例年にない華やかさで快走しました。

 さて、今から予告するのもなんですが毎年グランシップトレインフェスタにはその年に改修したモジュールを参加させているのですが、次回のイベントにはこの「棚幡線」を改修して出そうと思っています。
 主眼はこの8年でくたびれた部分のリニューアルと季節設定が中途半端な植生の改良。
 秋の設定なのにジオコレの樹木のフォーリッジはすぐボロボロになって枯木状態ですし全般に相当に埃っぽくなってしまいましたから。
 合わせて通電状態の改善と破損したままになっているアンカプラーの再生も宿題です。

 今度はまる1年改修に使えますから少しはマシなものにしないといけないですね。
 と、次年度の抱負を今から書いて締めとさせていただきます(笑)

ヘルパのHOスケール「メルセデスベンツ300E」

2021-07-25 05:23:38 | アクセサリー
 先日のグランシップ土産のひとつのはなしです。

 物は先日のオペルセネターと同じヘルパのHOスケールミニカーですが、知名度はこっちの方がはるか上。

 メルセデスベンツ300E(W128)です。
 「300E」なんて固有名詞を持ち出すまでもなく1980年代当時、日本の街角で見かける「ベンツ」というと大概この形のメルセデスを連想する同世代人は多いと思います。
 あの当時は今以上に「ベンツ」のステイタスは非常に高いものがあり「社長さんか政治家でもないと乗れない車」「堅気には手の出ないクルマ」でありました。
(同時に「クルマは良いけど乗っている人が嫌い」という理由で某専門誌の「読者投票による嫌いなクルマベスト10外車部門で毎年1位をキープし続けたクルマ」でもありました)

 1980年代車に特有の量感に溢れるフォルムとボンネットからCピラーにかけてのシャープな側面の造形は当時一番「わかりやすいカッコよさ」を体現していた車だったと思います。
 ですから、欧州風のレイアウトに限らず日本風のシーナリィにもよく溶け込める車ではないかと思います。

 かねて書いているようにヘルパ辺りのHOスケールミニカーは硬質感のあるシャープな造形が身上。
 (そのかわりボディは無塗装でプラスチッキーなのですが)
 ヘッドランプとウィンカーの別パーツ化はもとよりボンネットの上の「オーナメント」まで造形している所はカーコレ80なんかでも見ない表現で気合いの入り方が違います。

 インテリアもステアリングホイールとシフトレバーが別パーツ、リアのデッキボードがフロントダッシュボードと別な色で成形されているなどこのサイズのミニカーとしてはかなり良くできていると思います。

 と、そこまではいいのですが。
 上の写真をご覧いただくとお分かりの様に87分の1のHOスケールの300Eを80分の1スケールのカーコレ80のクラウンと並べてみると一回りくらいクラウンの方が大きくなってしまうのが難です。

 これくらい大きさの差が出てしまう現実を見ると「HOスケールと16番スケールのサイズの違い」を気にしない訳に行かなくなってしまう私が居る訳で(まあ、模型の世界でも鉄道車両以外眼中にない向きにはどうでもいい事ではあると思うのですが)
 
 さて、この時期のメルセデスベンツには現在のCクラスに相当する「190E」と呼ばれる「5ナンバーのメルセデス」が存在しました。
 当時は「小ベンツ」とか「貧乏人のメルセデス」とか揶揄する向きも多かった車だったのですが普通の庶民にとっては「うちでも買えるメルセデス」という希望を与えてくれた存在ではありました

 実は190Eのスタイリングはサイズが小さいのを除けば300Eとほぼ同じ形。
 なので「小ベンツのつもりで日本型レイアウトに組み込む」事は不可能ではないと思います(実はそれでも80分の1のクラウンより小さいのですが)

鉄道ミステリとNゲージ37 「準急皆生」とキハ26

2021-07-24 05:17:43 | 小説
 鉄道ミステリとNゲージネタから
 今回は光文社文庫版日本ペンクラブ編「殺意を運ぶ列車」に所収の天城一作「準急皆生」を取り上げようと思います。

 天城氏の作品はこれまで「急行さんべ」と「寝台急行月光」のニ作を取り上げていますが、いずれも時刻表を駆使したトリックが出色です。
 今回の「皆生」は作者にとっても自信作だったそうで、実際読後感もなかなか充実しています。

 江迎登志子殺しなんか似た様なものさ。はじめに犯罪計画の誤算がある。次に警察の捜査がいささかイージーゴーイングで、一人の刑事に引きずられた形で容疑者を逮捕してしまう。弁護士がこの穴を察知してあわやというところまで警察を追い込むんだが、図に乗りすぎて不覚の誤算。やれやれ勝ったかと思っていると、十年すぎたときにキー・ウィットネスの突然の出現。いやはや全く振り廻されたね。脱線に次ぐ脱線さ。それでも万事めでたく収ったというんだから「皆生」ならぬ怪奇な事件さ。
(上掲書113Pより引用)

 と言う島崎警部(天城氏のシリーズのレギュラーの探偵役)の述懐から始まる本作は1964年8月、東京でファッションデザイナーの江迎登志子の死体の発見から幕を開けます。やがて浮かんだ大阪在住の容疑者は中国地方の山行に出かけていて帰途に乗るはずだった準急の皆生に乗り遅れたために犯行時間帯に東京に行く事ができないと言うアリバイを主張します。

 従来の時刻表アリバイのほとんどは「犯行時間帯に特定の列車に乗っていた」と言う主張をするものですが、本作では逆に「特定の列車に乗り遅れたために現場に行けない」点をアリバイにしているのが特徴です。
 捜査陣も当然「皆生」より早く東京に到着する方法がないかを探すところを重点的に調べ始める訳で短編ながら時刻表トリックの醍醐味が凝縮しています。

  私なんかも帰省や上京の折に目的地まで行く行程の設定でスマホの路線検索ソフトを常用しているのですが、5つくらい並ぶ候補を見ていると「あっ!その手があったか」というような意外性のあるルートが表示されて驚かされる事があります。

 昔の時刻表トリックの大半はまさに「その手があったか」の意外性が肝な訳ですが、今ではスマホが秒殺で意外なルートを表示してくるのですから、時刻表トリックは形なしもいいところ。
 ましてや天城氏の作品では時刻表の印刷形態までトリックの材料に使う作品がありましたから、純粋にルートと所要時間を計算する検索ソフトの前にはひとたまりもありません。
 検索ソフトの存在は間違いなく旧来の時刻表トリックを絶滅させつつあります(とはいえ、検索ソフトのロジックの裏を掻く形でのトリックはまだ可能ではないかと個人的には思っているのですが)

 それに天城氏の作品の場合はトリックと同じくらいに皮肉と逆説に満ちた人間描写にも意を用いており、そんな点も魅力となっている点を見逃せません。

 作品の話でずいぶん引っ張りましたが、作中に登場する「皆生」というのは三原ー出雲市間を走る準急列車。
 1964年9月の時点ではキハ26とキハ28、キロ28の4両編成による運用がされていました。つまりキハ55系の1エンジン車とキハ58系の1エンジン車で構成された編成という事になります。
 キハ28も繋がっていた点から考えるとキハ26はいわゆる準急色では無かったのではないかと思われるのですがあいにく当時の写真がなかなかヒットしないので確証はありません。

 さて、キハ28もキハ26も1980年代初めにNゲージでリリースされています。

 キハ28の方はキハ58と共にエーダイナインとTOMIXがほぼ同じタイミングで発売、競作になったという曰く付きのモデル。
 TOMIXの方はアイボリーがプラの地色で幾分安っぽい感じでしたがエーダイの方はアイボリーも朱色もきちんと塗装されていたので質感の点でアドバンスになっていました。一方で車体はエーダイがキハ58の流用だったのに対しTOMIXはキハ28専用のボディを起こしており考証面ではTOMIXに分があります。

 キハ26の方はエーダイ倒産後に生産と販売を引き継いだ学研からキハ55と同時リリース。こちらは競合製品もなかったために21世紀になって  TOMIXがキハ55系をリリースするまでレアもの扱いだったそうです。

 私の手持ちのキハ55系は主に最近のTOMIX製なのですが、不思議な事に(でもないか)店頭ではキハ26ばかりが売れ残っていたためにほぼ全てがキハ26になっています(笑)、まあ、今回のようなネタには好都合ではありますが。

ノスタルジック鉄道コレクション

2021-07-21 05:14:53 | 鉄道模型 
 かねて予約していた「ノスタルジック鉄道コレクション」が入荷したとのことで早速行きつけのショップから引き取ってきました。

 今回のシリーズは2軸の小型車両を中心に据え、地方の小私鉄を想定したモデルを揃えることで初期の鉄コレが志向していた「小レイアウトを手軽に楽しむ」或いは「マスコット的な鉄道模型のコレクション」を目指したものの様です。

 まあ、最近の鉄コレはお値段の高さはさておいても18〜20M級の3両以上の長編成を想定したものも増え、当初の方向性とは些か違った方向に振れていたので、こういう方向性への回帰はある意味必然だったのかもしれません。
 (或いは猫屋線ナローとは別な方向性としてNゲージで「上新鉄道」をやろうという方向かもしれませんが)

 わたし個人からすればミニSLレイアウトの「棚幡線」に使える車両が拡充されるというのは悪い話ではありません。実は今年の後半に棚幡線の再改修も予定しているのでタイミング的には有難かったりします。

 今回のラインナップは国鉄のEB10、キワ90、DC20タイプを中心に2軸客車のバリエーションを揃え、一箱で小私鉄がひとつ成立するくらいのボリューム。

 これに専用の新型2軸動力ユニットが加わり走行化にも抜かりはありません。

 今の時点で見た限りでは個々のモデルの造形はそれなりによくまとまっている印象ですがキワやDC20タイプはマスコットにするには些か可愛げに欠けるので「買った傍から動力化したくなる(つまり走らせないと面白くない)」難儀なモデルという気もします(笑)

 それぞれのモデルについてはおいおい紹介したいと思います。

久しぶりに「時刻表」を読み通す(笑)

2021-07-21 05:11:34 | 書籍
 先日購入した「JTBの時刻表」の話の続きです。

 今回はたまたま特集が特集だったから手を出したという側面もありますが(笑)フルサイズ大判の時刻表を購入するのは本当に久しぶりだったので(特に実用に供する予定はないのですが)平日休の昼下がりにパラパラと読み流してみると。

 (久しぶりだからか?)やっぱり面白いです。
 と言って、他の鉄道マニアが注目する様なところはあんまり見ないのですが。それでも暇潰しの一冊として読むには情報量が豊富な上に様々な見方、読み方ができるという点でパズルと百科事典とエッセイ集が一緒くたになった様な充実感を味わえましたw

 時刻表でわたしが真っ先に見るのは路線図ですが長い間のブランクの間に仙台の様に地下鉄や郊外鉄道が増えた地域の拡大図が増え、ここだけでもなかなかの充実感。
 次に楽しみにしているのが「主要駅の見取り図」
 根が田舎者なので、都会のターミナル駅を見ると無意味にワクワクする質なのですが、これらの見取り図を眺めると言ったことの無い駅に行った様な気がしてこれがまた楽しかったりします。

 その一方でかつては時刻表の巻末の大きなボリュームを占めていた「全国主要ホテル、旅館の広告ページ」ががさっと減っているのには寂しさを覚えました。その代わり「ポポンデッタが1ページ大の広告を打っていた」のには驚きましたが。

 あと最近特に興味を持って見ているのが「夜行バス、長距離バスのネーミング」
 以前時刻表のこのページを見ていて「あまりにヘンテコなネーミングの長距離バスが多かった」のにカルチャーショックを受けたのをきっかけに注目しているページなのですが今回は前に比べてずいぶん大人しくなった印象でした。
 その代わり飛行機ダイヤの部分で「最近の地方空港のネーミングがヘンテコになっている」事を知り再度驚いたりしますw。

 あとその関連で「はとバス」をはじめとする各地の観光ツアーバスのダイヤと日程表なんかも結構楽しめたりします。「このバスに乗ったらどんな処を引き回されるんだろう」という興味だけで面白いのです。

 と、楽しみなポイントを羅列しましたが、時刻表自体がスマホの検索ソフトに取って代わられるこのご時世これだけの情報量をいちどきに見られるという点では「旅の総合百貨店」としての時刻表のステイタスもまだまだ捨てたもんじゃないなと再認識しました。

 最も、これを読んで(趣味として)実際に旅に出るのはご時世と財布と暇がなかなか許してくれませんが。

ジオコレの「建売住宅」に思うこと

2021-07-20 05:53:41 | ストラクチャー
 先日、久しぶりに静岡の鑑定団に出かけた時の話です。
 実は今回の出物は(もっぱら予算面で)折り合わなかったり私の気を引くものが少なかった事もあってなかなか手の出るものがありませんでした。

 で、このまま帰ろうかと思っていた矢先、うちの子供がそこの自動販売機で「お金を入れたのに商品が出てこない」というトラブルがありまして、業者が来るまでの30分間同じ店でポツネンとする羽目になりました。

 で、その30分の間に「なら何か買っていこうか」とばかりに軽い気持ちで手を出したのが「ジオコレの建売住宅」でした。

 実を言いますと、ここ最近みにちゅあーとの民家のキットを連続して作っていた感触から「明らかにみにちゅあーとよりラフな造形で並べたら違和感が大きそう」に見えて最初はスルーしていたアイテムでした。
 ですが時間に余裕ができたのと安価だったことも手伝ってお土産がわりに購入したという次第です。

 と、まあここまでは前振りです(笑)

 帰宅後、早速一軒作ってみました。
 確かに窓周りは金壺眼で造形も割合大雑把。
 同じジオコレの昭和の板目張りの建造物と比べても造形のラフさが際立っています。

 ですがここで私を感動させたのは、
 「一軒でっち上げるのにものの5分とかからない」というイージーさだったりします。
 同じ図体の民家をみにちゅあーとのキットでやったら私の腕では最低でも2時間から3時間は掛かります。
 それが「帰宅後のひと時であっという間に一軒出来上がってしまう」というのはこのところジオコレにご無沙汰していたこともあって改めて感心させられました。

 前にも触れた通り、最近ではジオコレとみにちゅあーとは価格差がかなり接近しておりどうかするとジオコレの方が高価なんてケースも散見するようになりました。

 同額だった場合、そのプライオリティをどこに求めるか?

 みにちゅあーとやパーミルの様に出来上がりの細密感やリアルさも確かに魅力的です。ですが造形がラフなものの、一方でプラ造形でほぼ塗装済み、組み立てに10分とかからないというジオコレの魅力も意外と捨て難いものがあります。

 もっというならほぼ全てが完成品のKATOのジオタウンだと細密度もそこそこですし造形も悪くありません(ただし一部を除いて「お座敷運転の彩り」みたいな用途しか想定していないせいか、レイアウトに組み込むには大きすぎる物が多い、改造前提の分解が面倒だったり室内灯が組み込みにくいという弱点もあります)

 同じストラクチャーでも3社三様。

 ニードに合わせた選択ができる様になったという点ではこの市場も結構成熟してきたような感じもします。
 今回のジオコレの住宅には色々と教えられました(笑)

 因みに出来上がった建売住宅はみにちゅあーとの住宅街にこっそり混ぜ込みましたが「遠目から見たら意外と違和感がない」というのも意外でした。

KATOの「EF64 0番台2次形」

2021-07-18 05:51:01 | 車両・電気機関車
 久しぶりに先日入線した新車から。

 KATOの「EF64 0番台2次形」という普通の人には何やら複雑な製品名の電機です(笑)

 1次形は客車も牽くために電気暖房用のジャンパ栓と表示灯を装備しているのに対し、貨物専用の2次形ではそれらがオミットされているのが特徴だそうですが、私の記憶に残るEF64は基本貨物しか牽いていないイメージなのでこれはこれで問題ありません。

 わたしが現住地に住み着いてから馴染みがある電機というとEH200が登場するまではEF64が定番でした。
 上述の様にもっぱら貨物の牽引機としてお目にかかる機種ではあったのですが、EF65ほどスマートではない代わりに見るからに山岳線を力強く力走する縁の下の力持ち的な朴訥としたルックスには惹かれるものを感じたものです。
 (この朴訥さは故郷でのED75のそれに近いイメージも重なっているかもしれません)

 なのでこの趣味を再開した時、当時製作中のレイアウトとは嗜好が異なっていたにもかかわらず秋葉まで行ってKATOのモデルを無理やり入線させたという思い出もあったりします汗
 そういえばこちらのモデルは1次形だったような気が。

 
 今回はそれ以来の入線ですから、0番台の製品化は結構久しぶりの様な気がしますが、旧モデルに比べてバージョンアップ感も感じられるモデルと思います。

 前面ひとつ取っても手すりやワイパーなどの細密度は確実に向上していますし、走行性の滑らかさは最新モデルらしいバージョンアップ感を印象付けます。

 確か前モデルでは後付けだったと思う信号炎管やホイッスルが既に取り付け済みで、後付けするものがナンバーとメーカーズプレートくらいというのはわたしの様な不器用さんには有難い(と思う反面「これもコストアップの一部なんだろうな」という複雑な思いも)ポイントではあります。


 とはいえ、同じメーカーのモデルチェンジ版という事もあってか、旧モデルと並べても印象は大きく変わりません。バージョンアップはしているけれど旧モデルしか持っていない人がバリエーション追加くらいの気持ちで入線させても(運転主体の使い方をする限りは)そう後悔はしない気もします。

7月17日で「717系のはなし」

2021-07-17 05:25:21 | 車輌・電車
 一度始めてしまうとなんだか妙に面白くなってきているのが「日付の語呂合わせで車両のはなしを引っ張る」ネタです。
 語呂合わせをやってみると「そこから連想される車両や編成に意外性を感じることがある」のが面白くかつ興味を感じるところと思うのですが、7月17日の今日は「717系」で書いてみたいと思います。

 717系は1980年代に457系や475系などの交直流急行型電車の部品を再利用して両開き2扉のボディを新製した近郊型電車でした。
 兄弟車に413系というのがありますが、413系は交直流なのに対して717系は交流専用車という違いがあります。

 その717系ですがNゲージでは鉄道コレクションの第24弾で東北仕様の3連が製品化された事があります。
 実際、24弾を買ったときの私のお目当てがこの717系でした。

 いわゆる「グリーンライナー塗装」は当時の仙台周辺ではよく見かけたカラーリングで帰省の時などにこの色の編成が通りかかるのを見ると「ああ、仙台まで来たな」と感じさせてくれる「走るランドマーク」みたいな存在でした。
 それだけにリリースは嬉しかったですし、既に入線していたKATOの455系グリーンライナーと並べる愉しみも期待していました。

 鉄コレの717系はKATOよりも温かめの色調のアイボリーですがキハ40みたいな側面にはそれなりに似合うと思います。
 717系のモデル自体は鉄コレの4年ほど前にマイクロから6連のモデルが出ていますが主にお値段の問題で手が出せていません。

 その代わり形状が似ている(と言うか717系のプロトタイプみたいなもの?)417系の方はマイクロの中古を昨年入線させていたりします。
 この形状の車体は結構ローズピンクも似合う感じで好きですね。

HOスケールの「オペルセネター」

2021-07-15 05:48:44 | アクセサリー
 先日のグランシップの折に静岡の中古ショップでHOスケールのミニカーの出物がいっぱい出ていたので調子に乗って何台か買いこんで来たのですが今回はそのうちの1台から。
 ヘルパから出ていたオペルセネターという4ドアセダンです。

 オペルが日本での販売を打ち切ってかなり経ちますからセネターなんて聞かされてもどんな車かイメージできる人は少ないと思います。
 実際これを売っていた静岡のポポンデッタでは車種表記もへったくれもなく、ただ単に「紺色の車」としか書いていませんでしたしw


 実車はBMWの5クラスやアウディの100辺りと同クラスのセダンとしてオペルが投入した上級セダンだったそうですが、日本では東邦モーターズやいすゞ自動車が少量輸入した程度で、後にヤナセに販売が移行した時に同クラスのオペルオメガに切り替えられる形でひっそりと姿を消したとの事です。

 長々と実車の紹介に費やしてしまいましたが、実はこのセネター、一度だけ私が乗った事がある車でした。
 以前メルセデスのAクラスに乗っていた時に補修時の代車として用意されたのがこのセネターだったのです。

 ですが当時のAクラスがメルセデス初のコンパクトカーだっただけに全長がヴィッツよりも短く車幅も5ナンバーサイズから2センチ広いだけ。
 それがいきなりオペルのでっかいセダンが代車に用意されたのですから当時の私も驚いたのなんのって。見た目に長さがAクラスの2倍近くありましたし。


 ディーラーからの帰宅路は車体感覚もステアリングフィールもまるで違う車で、何よりあの図体だけに路地に入る度にぶつけやしないかとヒヤヒヤものだった記憶があります。

 そんな思い出のある車だけに店頭でミニカーを見た時に「あっ!あの時の代車だ!!」とびっくりしたものです。

 他のモデルでも書いていますが、ドイツ製のHOスケールミニカーは車体がプラの地色であることを除けば造形はシャープで細密感も高く、意外に満足感の高いモデルが多いものです。
 殊セネターの様なマイナー系の車種だとそのメリットは大きいと思います。

 実車を知らなくても再現性が高いので「こう言う車も実在する」と言うことくらいはわかりますからw


 ちなみにAクラスの代車があそこまででかかったのはその時だけで、のちの車検や点検では同じオペルでもアストラやヴィータが回ってきましたからあの時ほどの違和感はなかったですが

 それにしても「テツドウモケイのイベントに出掛けてきてお土産がミニカーばっかり」というのも初めての体験でした(爆笑)

「HOゲージ」と「16番」で思うこと

2021-07-14 05:36:38 | 思いつくままに・考察
 今回はちょっと拗らせると面倒な事になる話題なので、あくまで当ブログにおける便宜上の表現の表明と捉えてください。
 決して特定の呼称を押し付けて「こうあるべきだ」というものではない事を予め申し上げておきます。

 当鉄道では10年ほど前からHOゲージの線路を使用する模型の増備が始まり、現在では中古モデルを中心にそれなりの数が揃えられています。
 (それだけに自慢になる様なモデルは殆どありませんが)

 ただ、ここは他の大半のファンとは異なる点だと思うのですが、当鉄道の場合米国・欧州型の87分の1スケールモデルと日本形、80分の1スケールモデルがほぼ同じ比率で混在しているという特徴があります。

で、同一の線路上をサイズが接近しているもののスケールの異なる列車が走り回るという特殊な状況での楽しみ方になっています。

 これを指して日本形では「16番ゲージ」という呼称が使われ国際的な統一性の高い外国形では「HOゲージ」という呼称を使い分ける事がある程度の層のユーザーに普及しています。
 一方で同じレールを使う事から日本型も外国形もひっくるめて「HOゲージ」と呼ぶ層も存在し、今ではそちらの方が多数派ではないかと思います。

 確かに同じレールを使い大きさもほぼ同じですから後者の考えにも一理あるのですが、それでも二つを並べるとスケール感の違いは一目瞭然な事が多いのです。

 先日のグランシップの運転会でHOゲージの線路上を16番とHOの列車を同時に走らせているとこの微妙なスケール設定の違いが違和感となって感じられることが実感させられました。
 87分の1の編成の隣に80分の1の列車が停まると「妙に日本車の方がデカく見える」のです。こんな印象は実車ではまず有り得ない事(最も鉄道の世界で同じ線路上を建築限界の異なる二つの列車が一堂に並ぶなど日本ではミニ新幹線くらいでしか見られないのですが)です。
 しかもこれはお座敷運転に近い「ベース上に線路しかない状態」での話です。

 シーナリィを想定した場合、レイアウト用品でのこの差異は意外な形で表面化しています。一例がミニカーでして「カーコレ80の5ナンバーサイズのクラウンがヘルパのメルセデスベンツEクラスより大きい」という車好きだったら明らかにツッコミを入れそうなサイズの違いを生んでいます。人形のサイズでも同じ事は言えます。

 こうした事実を目にして、さらにわたしにとって個人的なある出来事が加わったこともあって「16番とHOを一緒くたにするのはやっぱりおかしい」と感じ始めた次第です。

 この二つが同じ線路を走る事自体は別に問題がある訳ではないのですが、問題は線路規格としての「ゲージ」と模型サイズに拘る「スケール」の呼称が混用されがちな所に混乱の要因があると考えました。

 (同じ事は「外国形160分の1、日本形150分の1を使っているNゲージ」でも言える事なのですが、後付けの呼称が登場しなかったので呼称は「Nゲージ」で概ね統一されてはいます。最もシーナリィ付きレイアウトの場合「日本形のホームに欧州車が止まるとドアの下端より高い位置にホーム上端が来る」なんて間抜けな光景がたまにあるのですがw)

 そこで当ブログでは今後はHOについては線路の規格については「HOゲージ」の呼称を使い80分の1の日本形は「16番スケール」ドイツやアメリカ形などについては「HOスケール」という呼称を使おうと思います。これなら混乱も最小限で済みますし書いている側からすれば幾分でもスッキリした気分で書けるという精神衛生上のメリットもありそうですw

 さて、こんな事を書くきっかけになった「個人的なある出来事」なのですが、それは先日「HOでも16番でもない第3のスケールの車両が入線したから」という事情があったりします。
 それは英国形でしか通用しない「76分の1のOOスケール」なのですがその車両についてはいずれ紹介したいと思います笑

ヴィンテージNモデルの「床下ゴリゴリ系」のはなし

2021-07-13 05:53:45 | 鉄道模型 
 先日紹介した鉄道模型ネタのWEBマンガ「TEZMO SYNDOROME(テツモ シンドローム)」絡みのはなしをもう一本書かせて頂きます(大汗)

 前にも紹介した様に本作の第一回を飾るのは「TOMIXのサロ112」
 本編では主に「モデルとして凝りに凝りまくった床下表現と造形」を中心にヴィンテージのNゲージモデルを魅力的に描いている一編で、私自身その展開には引き込まれました。

 1977年の秋頃にリリースされたTOMIXの113系は「私が初めて自分の小遣いをためて購入したデンシャモデル」という事で今でも強い印象を持っていました。
 中でも床下表現の凝りっぷりはそれまで「シルエット的な床下機器表現の関水金属」や「ウェイト兼用の大雑把な床下機器造形のGMキット」(※注)とは明らかに一線を画すものでした。


 当時のTMSでTOMIXが打った広告も「先頭車そっちのけでサロ112の床下どアップ写真をでかでかと載せていた」位でしたからメーカーの心意気は強く感じたものです。
 本来、マニアの間では鉄道模型は「目の高さに車両を置いて見上げるアングルの中にリアルを感じる」と思われていた訳でキーストンプレートなんかの造形は「車体をひっくり返さない限りわからない」拘りな訳です。
 少なくともHO以上の大きさのモデルで「車体を裏返して床下造形を愛でる」なんてのはあまりイメージできません。

 ですがプラ造形で軽量なうえに車体が手のひらに収まるNゲージなら裏返して造形を眺めるのは容易。それどころかパッケージからモデルを引っ張り出せば一度や二度は床下に目が行く確率も高い訳で。
 してみるとこの床下造形への拘りは「Nゲージの特性をTOMIXが自分なりに解釈した結果」とも言えるし「自社のNゲージ車両モデルのウリ」と捉えていたのかもしれません。

 そんな事を思いながら久しぶりに件のサロ112を手に取って見ると、やっぱり凄い。
 実車に存在しないらしい「横須賀色のサロ112」ですが、元々スカ色の好きな私からすればそんな些細な事はどうでもよろしい(爆笑)

 床下機器の凝りっぷりは伝説的なレベルですがトイレ流し管なども生真面目に造形してくれたおかげでそれらがストッパーになってしまい他車よりも台車が首を振らないおまぬけな面も併せ持っています。

 同じ113系1000番台をこのTOMIXと後から出たKATOで比較してみると前面の造形ではモールドのかっちり感や、細密度ではKATOが上回るのに

 車体を裏返すと造形でTOMIXの圧勝という妙な逆転現象が確認できます。

 113系で味を占めた(?)TOMIXが次に送り出したのは「西武レッドアロー5000系」

 113系の床下が黒色の造形だったのにレッドアローは明るめのグレーだったので細密感は更に際立っており、特にモハ5004,5054のそれはキーストンプレートの表現も含めて「立体の鉄道車両図鑑」の様相すら呈しています(笑)

 さて、それでは当時の他メーカーでそれに追随する動きがあったのかというと私の知る限りではこれに肉薄しているのはKATOがキット形式でリリースした「京急デハ800系」位でしょうか。

 KATO初のキットという事もありどうやって他社との差別化を図るか考えたKATOの拘りが屋根上高圧配線の別パーツ化と「床下機器の密度」だったのではないかと思います。

 まるで偏執狂的に羅列された床下機器の配列(まあ実車がこういう構造だから仕方ないのですが)
 当時はこれをユーザーがひとつひとつランナーから切り取って接着していった訳ですが一通り仕上がると完成品では得られないような密度の高い床下表現のモデルが我が手になるという寸法です(笑)
 キーストンプレートはともかく、横梁のモールドも表現されていますしKATOもKATOなりに床下ゴリゴリ系に片足を突っ込みかけていた事を示唆させるモデルです。

 それから40年近く経った今、殊KATOとTOMIXに関する限りは床下機器の表現は上述のモデルに比べて随分とすっきりした(それでいて細密感とのバランスもほど良く取れた)ものになっています。
 (よほどのエラーでもない限り)「あるべき所にあるべき機器が付いている」という点では文句はほとんど出ませんし上回りの細密度との釣り合いもツボを心得たものにはなっていると思います。

 でも、上記のモデルの様な「作り手の勢いを感じさせる、他は粗削りでも一点キラリと光るものがある様なモデル」というのは逆に見なくなりました(まあ、今だとそんなモデルは大概クレームや悪評の嵐に埋もれてしまいやすいという事もあるのですが)
 この種のヴィンテージモデルの持つ「粗削りなオーラ」はまさに勃興期ゆえの輝きの様な気がしてなりません。

 それにしても最初の一編だけで私にこれだけの事を思い出させるのだから「TEZMO SYNDOROME」という漫画は(その情報量も含めて)全く大したものだと思います。

(※注)但しこの傾向はNゲージばかりでなく当時の量産モデルの16番スケールやHOスケールでも似たようなものでした。自作モデルでもタンク類が「バルサブロックや丸棒からの切り出しパーツが木目丸出しでそのまんま床板にぺったり貼り付けてある」というのはざら。専門誌の凄腕モデラーばかりが鉄道模型ファンの総体ではありません。

あまぎモデリングイデアの「旧吹屋小学校」を作る・その2

2021-07-11 05:47:19 | ストラクチャー
先日紹介したあまぎモデリングイデアのペーパーキット「旧吹屋小学校」の続きです。

 このストラクチャー、平面的には玄関部分に張り出しがあり、1階と2階の構造が異なるために組み立てにはこれまでのペーパーキット以上の手間がかかります。
 加えて屋根がこれまた複雑な作りの上に屋根瓦の貼りあわせを間違えると見た目に大きく影響してしまうのもこのキットの特徴で慎重な工作が求められました。
 こんな事を書いているという事は私自身もかなり失敗しているという事なのですが(大汗)

 色画用紙系の素材は組み立てに塗装を要さず、レーザーカッティングされた各パーツの抜けもシャープで細かいため、貼り合わせがずれない様に注意すれば仕上がりはプラ造形にない繊細さのあるものになります。

 また、このキットでは組み立て説明書が丁寧な作りだったので毎晩工程を決めて工作するのには大いに助かりました。

 建物が一応形になるまで(休日及び、夜寝る前の時間を縫っての工作ですが)たっぷり2週間はかかりましたか。

 とはいえ仕上がった校舎はこれまで製作したペーパーキットのどれよりも堂々とした佇まいを見せました。
 これだけの出来だったので出来上がったキットを早速屋外で撮影してみました。
 こんな気にさせてくれたペーパーストラクチャーキットはこれが初めてです。

  ついでだったのでこういう真似も(笑)
 下からの煽りのアングルがこよなく似合うストラクチャーでした。