光山鉄道管理局・アーカイブス

鉄道模型・レイアウトについて工作・増備・思うことなどをば。
こちらはメインブログのアーカイブとなります。

今月の入線車「マイクロのED78」

2015-09-30 05:36:41 | 車両・電気機関車
 先日の上京土産から。

 5月の時にしなのマイクロのEF64を入線させたはなしをしましたが、今回は秋葉の中古ショップでマイクロエースの方のED78を見つけました。
 メーカーこそマイクロエースですがED78については基本的にしなのマイクロ時代のモデルをリファインしたものらしいです。

 ですからスカートにカプラーの首振り用の大きな欠き取りがありますし、EF71の動力ユニットを流用している関係で実車より車体が長めになっています。
 ある意味80年代初めのNゲージ機関車のノリを現在に引き継いだモデルとも言えるかもしれません。
 (これをどう評価するかは人によって異なると思いますが)

 マイクロになってリファインされているのは主に屋根上で高圧線がプラ成形から真鍮線になって細密感が上がっている点が異なります。とはいえボディの設計が30年近く前のモデルだった部分が所々に透けて見える気もしますし、逆に言えば「30年前のモデルでもやろうと思えばリファインが効く」という事も出来るかもしれません。

 ED78はしなの当時からマイナーな機種で新品で売られていたのを見た記憶もあまりありませんし、中古モデルも故郷や現住地のショップではまずありませんでした。
 こういうのが買えるのも秋葉みたいに中古ショップが集中している地域ならではです。
 値段も2千円ちょっとと電気機関車としては安価な部類でした。

 動力は現行マイクロエースのそれになっていますから走行性は例によって「マイクロの機関車そのもの」
 取り立ててスムーズではありませんが不満もありません。

 見た目にはEF71とED76を折衷したようなイメージのロコですがサイドのルーバーの配列などにそれなりに個性は感じられますし、旧客なんかが意外に似合います。

上京中の買い物・ASSYパーツに感じる「都会と田舎」のはなし

2015-09-29 05:34:39 | 鉄道模型 
 先日の上京の折の戦利品から

 今回は手持ちのモデルのレストア関係の買い物が多かったです。
 完成品や新製品なら予約さえきちんとしておけば都会も田舎も入手そのものに大きなハンデはありません。
 最近は通販や奥もありますし。

 ですがレストア用の補修用品となると都会のショップの層の厚さは大きなメリットです。
 以前、現住地のショップで買ったスプレー塗料がいざ使おうとしたら「中で塗料が固まって出てこない」なんてトラブルがありました。
 その時のカラーはごく一般的な色だったのですが、田舎のショップの場合、特に工作関連は品物の回転が悪いので経年劣化の可能性は都会より高い気がします。

 上記のは極端な例ですが、それを別にしても例えば「16番のパーツが常時コンスタントにある」と言うのは田舎のショップには期待しにくいのも確かです。

 そんな訳で上京の折に私がそうした店を一度は覗くのはここ数年の習慣です。
 事実、それで裏切られた事は今のところありませんし。

 先日入手したエンドウの16番モデルのASSYとして同じエンドウのパンタグラフとケーディカプラー。
 同じくエンドウのN車両のレストア用にGMのパンタ一式

 先日エンドウのEF57が格安で買えた銀座の某中古コーナー、今回は何と同じエンドウの「EF58庇付きの車体だけ」が先述のEF57と一緒に 1個200円で並んでいました。
 これなどは私の手持ちにある「ボディ状態に難あり」のジャンクEF58の交換パーツとして大いに利用価値があります。

 最近鉄コレのASSY用に注目されているKATOの黒染め車輪もサンプルのつもりで買って見ました。

 なんかこんなのばかり買っているといよいよ泥沼にはまっている様な気もしますが(大汗)
 それにしても
 以前鉄道模型趣味における「都会と田舎」のはなしを書いた事がありますが、現実のホビーライフにおいて一番都会のメリットを感じやすいのはこうした16番ASSYや工作用のアイテム、マテリアルの充実度なのかもしれません。
(「マテリアル」には改造のベース用のジャンク中古の入手しやすさも含みます)

中村精密のC57を復活させる

2015-09-27 05:29:43 | 車両・蒸気機関車
 先日紹介した中村精密C57の話のその後です。

 前回でモーターに接続されたリード線が片方外れていた事をお話ししましたが、あの後パーツ屋でリード線を購入。併せて1・2ミリ径の釘も買い込みました。
 元のリード線はかなり固くなっていたので無理につなぎ直すより新しい線に交換した方が速そうという判断からです。

 帰宅後、動力車であるテンダーからモーターを外しリード線を付け替えます。
 余談ですが中村の蒸機の場合、動力テンダーとモーターはマイナスねじ二本で繋がっているだけなので時計ドライバがあればKATOやTOMIXのそれより割と楽に外せます。
 取り付けも同様でねじの小さささえ気を付ければ問題ありません。

 外したモータに通電するときっちり回り出しましたから、これで問題が通電にあったのは間違いないようです。
 早速リード線をはんだ付け、機関車につなぎ直します。
 こちらも集電パーツがプラバンに金属の接点パーツが嵌ったような構造でこれまたねじで固定されていたので意外に楽でした。
 ただしシャシばかりか機関車のボディもダイカストなので接点部が接触すると一発でショートするの要注意です(ねじ止めという事でパーツ自体が固定時にずれやすく、それが接触を招いているようです)

 ねじ曲がっていた機関車とテンダーを繋ぐドローバーはやっとこで修正。
 折損していたテンダ側のポッチは上述の釘で代用しました。ダイカストパーツはきれいに根元から折れていたのでその跡に逆さにした釘を瞬着で固定しています。

 ここまででレールに乗せて通電。
 モータは廻り始めましたがまだがたがたする走りで実用には程遠い状態です。

 ところが真横からよく見ると機関車の動輪にある集電板から盛大に火花が散っているのを発見。ガタつきの原因は集電不良の要素も大きい様です。
 再度接点を清掃、機関車の車輪には集電補助剤のROCOを塗布しました。

 更にテンダーのギア部にはセラグリス(ギアが金属とプラの併用のため)を注入。

 再度通電したところ見違えるようなスムーズな走りになったのには驚きました。
 もちろん火花も出ていませんし、これまでに入線させてきた中村の蒸機の中でもかなり好い方の走りとなりました。

 ここまでで私の腕で二時間弱。腕のいい人なら30分以内でできるでしょう。

 購入直後はどうなる事かと思いますが予想以上の走りになりました。
 購入時不動品ジャンクという事で2000円でしたから走ってくれさえすれば上出来といえます。

 何より動力のレストアで2時間近く楽しませてくれましたから(なんて歪んだ楽しみ方なんだ汗)

 ただ、このC57、30年以上前のモデルなだけに最近のTOMIXやKATOのそれとは比較できる造形ではありません。
 真横から見るとキャブがやや垂れ下がったように見えますし、エッチング主体のパイピングも今の目で見ると「一枚の板から切り出した」感満点です。
 ただ、サイズは当時としては珍しい150分の1なので大きさの点での違和感は最小限です。

鉄コレ第21弾をGMの京王3000と比べてみる

2015-09-26 05:26:41 | 車両・私鉄/民鉄
 先日来紹介している鉄道コレクションの21弾から

 言うまでもなく今回のシリーズは元京王3000系(通称「ステンプラ」)の譲渡車が大半です。
 ベースの3000系自体は鉄コレでもまだ出ていないようですが、ステンレス車体に前面窓パーツだけプラスチックを組み合わせた当時としては特異なスタイルはモデラーやメーカーにとっても魅力的だったらしく各社が製品化しています。

 古くは実車同様に前面パーツをプラにしたエンドウの金属製モデル、キット形式でグリーンマックス、ごく最近ではプラの完成品でマイクロが目に付くところでしょうか。

 私の手元にはGMのキットメイク品の中古モデルがありますので例によって比較してみようかと思います。
 写真のサンプルは北陸鉄道の仕様ですが窓周りが若干異なるので本来なら岳南辺りと比べると違いがもっとはっきりしたかもしれません。

 実を言いますとGMと鉄コレでは製品化に40年近い間が空いているので漠然とですが鉄コレの方が圧倒的に出来が良いのではないかと思っていました。

 ですが実際に並べてみると細部のモールドに関する限りは意外と差を感じません。
 強いて言えばGMの方が表現がきつめという所でしょうか。

 ただし当時ははめ込み窓を使えませんでしたから窓周りの表現は鉄コレの方が良好です。ワイパーもついていますし。
 側面のサッシはGMが車体で、鉄コレは窓パーツへの印刷で表現しています。鉄コレではモデルによってはサッシと車体の間の隙間が目立つものがありGMの方がそれらしく見えるメリットもありますがこれは好みの問題でしょう。

 キットメイク品の宿命で塗装についてはモデラーの腕とセンスの差が大きいので一概に鉄コレとは比較できません。
 とはいえ今回のモデルに関しては多少不自然なテカりがあるものの上手な方だと思います。

 走行性はもろに40年の差を感じる部分なので比較自体がナンセンスかもしれません。

 ただ、全体的に言って40年近い差がある割にはGMのモデルもかなり健闘している印象です。
 後からのパーツ追加やモディファイで鉄コレに肉薄する事も出来そうな感じすらします。
 GMのユーザーで今回の鉄コレにがっくり来ている向きもあるかもしれませんがGMもそれほど悪くはないと思います。

16番の中古パワーパックのはなし

2015-09-25 05:49:41 | レイアウト・竹取坂
 最近上京すると何故か出物に当たるジャンルという物があります。
 現住地とか故郷とかのショップではなかなか買えないジャンルだったりするとそれなりにお得感もありますし図体の割には案外安価だったりして財布の負担も大きくないのが有難いです。
 但し、異様にかさばるという問題点もありますが。

 それは何かというと16番・HOスケールのレイアウト関連用品です。
 今回はそれに関連した題材で。

 今年の初め、カツミの111系を入手した折、手持ちのNゲージ用パワーパックでまともに走れなかった話をしました。
 その折に頂いたコメントの中にNと16番では起動電圧が違うので容量が大きくても使えないのではないかという意味の物がありまして、それなら16番用パックも欲しいと思っていました。

 とはいえこれがまた見つからない。
 Nだったらそこいらの中古ショップでも観るのですが16番用となると中古新品を問わず田舎ではまず見ないと言って良い位です。

 ですから秋葉のショップでカツミの中古パックを見つけられたのは渡りに船でした。
 但し容量の方が感心しませんし、動作チェックもされていませんが。

 ですので今回はあくまでパック本体の外見的印象の話になります。
 まず懐かしいのはパック全体の印象。

 表面を縮緬処理された金属パネルで覆われた外装は重厚そのもの。
 「これはオモチャではない。模型だ」という主張が前面に感じられます。
 前後進をレバーで操作し速力はレオスタット操作という所はまさに70年代の鉄道模型の文法です。

 ついでに真っ赤な電源ランプもLEDではない、豆電球式でノスタルジック感は感じられます。
 ただ、物が古いだけにブレーカの類はありそうにないのでショートには十二分な注意が必要と思いますが。

 後に出て来るNゲージのパワーパックとは明らかに違うノリなのがお分かり頂けるでしょうか。
 今でも例えば天賞堂で売られている16番用パックなんかにこのパックの雰囲気が引き継がれている気もします。

 聞く所では今後旧製品のパワーパックが中古屋に並ぶことは無くなるそうなので今回がぎりぎりのタイミングではあります。

不動品ののC57に苦闘する(汗)

2015-09-24 05:48:09 | 車両・蒸気機関車
 先日モーター焼けのジャンク品Zゲージモデルでがっかりしたばかりなのに全く懲りもせず…
 今回はそういうはなしです。
 帰省や上京の折に私がよく覗くとあるチェーンの中古ショップ。

 先日紹介した学研0系、或いは昨年紹介した「鉄道模型のアナログレコード」なんかはそこで入手したものですが、それに限らず意外な物が並んでいる事があって油断ができない店でもあります。
 この間の上京でも意外な物が意外な値段で買えたりしましたが今回はそのひとつから。

 中村精密のC57、やまぐち号仕様です。
 C57はC58と並んで中村の蒸機の中では比較的出物の多い機種なのですが、店頭とか奥で見掛けても大概1万円前後かそれ以上である事が多いモデルです。
 それがこの店ではKATOのC57の中古の半額~3分の1程度(と書くと値段の見当がつくでしょうか)という値段で置いてあったから驚きました。

 安いのも道理、よく聞いてみたら単に「不動品のジャンクだから」と言う事だったのですが。
 ですが価格的にも「レストアして走りを復活させてみたい」と言う欲求を満たすには妥当な額ではあります。
 
 春のMOREのキ620といい、初夏のナインスケールのメトロライナーと言い、最近の私はこんなのばっかりですね。

 帰宅後コンディションをチェックしましたが、エンジンとテンダーをつなぐドローバーが異様にねじれている上にテンダー部の連結ピンが折損していました。
 中村のモデルの場合テンダードライブで機関車の動輪から集電するという独特の構造なので先ずテンダーからバラして見ました。

 案の定「リード線が片方外れています」
 モータを外して手で回して見た範囲では特に抵抗も感じなかったので通電の問題だろうと思われます。
 とはいえ、今日できるのはここまで。ドローバーを修正した後は再度元通りに組み直しました。

 こちらもじっくり腰を据えてかかろうかと思います。

 余談ですがこのC57、上述の壊れっぷりや、車体の埃の量などから見ても前のユーザーは相当にラフな扱い、使い方をしていたようです。
 中村精密の蒸機は30年前からNゲージとしては相当に高価なモデルでしたが、それをここまでラフに使えるのはどんなお大尽かと(笑)


謎の事業車大行進(笑)

2015-09-23 05:44:51 | 車両・客車・貨車
 先日入線の中古モデルから。

 昨年くらいに前ユーザーが手を加えたフリーのCタンクの話をしましたが今回はある意味もっと凄いです。

 何と「フリーの事業車両の3両組」
 最初店頭でこれを見た時は咄嗟に機種がわからなかった位で(そりゃそうだ)

 GMのクモハユニ辺りがベースらしい低屋根旧国を筆頭にマイクロ辺りのカブースがベースの軌道試験車?やら
 最初こそ面食らいましたが、こういうのも好きですし、値段もお手頃でした。
 ベース車の選択と言い、カラーリングといい、派手すぎず地味すぎないところに製作者のセンスが感じられます。

 そのせいでしょうか、棚幡線の様なミニレイアウトで側線の飾り物をしていても結構様になります。

 この手の事業用車、私も最初の頃いくつか作った事がありますが
 何とも派手すぎて(恥)
 こういうタイプの車両は意外に作り手のセンスがものを言うようです。

 ですがこういう発想のフリー車両、Nは勿論車両模型工作中心の16番ですら最近はなかなか見なくなりました。その意味ではどこか懐かしさも感じます。

今月の一冊「汽車がゆく、だから僕も・・・」

2015-09-22 05:41:10 | 書籍













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思い出の書籍 ふと思うこと 趣味の思い出 そのほか



 神田の古本屋で見つけた「汽車がゆく、だから僕も・・・」(関沢新一著・毎日新聞社)
 これまでこのブログでたびたび取り上げている関沢新一氏(SLブームのきっかけを作った一人で、美空ひばりの「柔」の作詞、「モスラ」の脚本家にして生みの親の一人)が鉄道趣味そのものについて語る一冊です。

 関沢氏の趣味に対するスタンスについてはこれまでTMSの座談会や監修を務めた「蒸気機関車」誌上でも断片的に語られていますが一冊にまとまった書籍が出ているとは知りませんでした。
 それだけに内容的には非常に纏まっており読みやすい一冊でもあります。

 鉄道趣味全般にかかわる部分では今でも学ばされるところの多い本なのですが、その中から今回は鉄道模型に関する件を中心に感想を書いてみたいと思います。

 関沢氏の鉄道模型については「自宅の中を周回するレイアウト」が有名ですが本書が書かれた当時は「鴨居の上に組まれたレイアウト」を主にやっていたようです。
 このレイアウトの存在は私もついこの間「HO車両とレイアウトの製作」という本を手にするまではその存在自体を知りませんでした。
 本書によればこれも関沢氏最初のレイアウトという訳ではなく、これ以前にもいくつか試作を繰り返しており、本書の当時ですらこれとは別にデスクトップのナロー登山鉄道を造っておられていたようです。

 してみると専門誌での露出こそ少ないものの、関沢氏もことレイアウトに関してはかなりのベテランビルダーだった事がわかります。

 それだけにここに書かれる関沢氏のレイアウト談は実際に年季の入ったレイアウトのオーナーだからこそ書けるもので、レイアウトが普及していなかった頃は内容がピンとくる人はそれほど多くなかったのではないかと思われますが、ある程度レイアウトが普及している今なら「ああ、あるある」と共感する層が確実に増えているのではないでしょうか。
 例えば、
 ~できあがってしまったレイアウトと言うのは、それがどれだけ大きくても限界があり、いつも見られる光景になる。当然あきがきて、新しいのが欲しくなる。
  どんどん新しいものを作って行ける経済的余裕と時間の余裕があればそれもよいのだがそうもいかない~

 の下り、これなどはいくつもレイアウトを作ったユーザーならではの悩みと思います。
 ですが、ろくに作ってもいない私が聞いても「ああ耳が痛い(汗)」

 この後有名になる「自宅の中を周遊するレイアウト」が作られたのは本書の書かれた前後ではないかと思われます。してみると半生を掛けて大レイアウトのGD LINEを組み上げたJOHN ALLEN氏とは別に試行錯誤を繰り返しながらいくつものレイアウトを試し、レイアウトそのものではなくその中のポリシーを進化させ煮詰めてきたて関沢氏の行き方は今読んでも教えられるところが大きい気がします。
 (一部写真は本題とは関係ありません)

日本型Nゲージの50年と思い出から・クモハ52編

2015-09-20 16:34:30 | 車輌・電車
  昭和39年版の「模型と工作・鉄道模型ガイドブック」から50年前の16番モデル工作とそれ以降のNモデルの思い出を語るある意味支離滅裂な企画(汗)です。


 今回は流線型電車のクモハ52系を取り上げます。

 この本を絵本代わりに育った私にとってはクモハ52自体がこの本で初めてまみえたという存在でした。
 あの頃は電車と言うと「切妻でお面の中央に貫通扉と幌のあるのが当たり前」と思っていましたから新幹線やこだま型でもないのに前面がスラントした電車と言うのはかなりカッコよく見えたものです。

 しかもそのカッコ良い電車が自分の生まれる何十年も前のデビューで、現在ではローカル線の普通列車になっているというのは二重の衝撃でもありました(笑)

 そのクモハ52ですが上述の通り当時は飯田線に活躍の舞台を移してはいたもののそろそろ115系なんかとバトンタッチがささやかれていた時期でした。その意味では「懐かしの電車」「去りゆく老兵」という後の字蒸気機関車に近いステイタスだったと思います。

 16番の工作記事もその特徴的な前面の表現にかなりのスペースを割いています。
 又作例のクモハは白黒写真ながらトーンの違いから横須賀色を想定していたと思いますが、同じ記事の実車の写真では妙にくすんだカラーリングに見え、作例とイメージが違うのが不思議に思えたものです。

 このカラーリングが飯田線特有の「オレンジとブルー」と言う組み合わせであった事を知るのはそれから大分経ってからです。

 その52系ですがNゲージで最初の製品化はGMのキットからです。
 GMのキットはそれまで客車も電車も切妻か半流線形の先頭部を持つものばかりでこれほど思い切った先頭部を持つ物はありませんでしたから登場自体結構衝撃的なものがありました。

 157系や西武レッドアローと異なり競合製品がしばらく出なかった事もあってその後しばらくGMの天下が続きます。

 その状況が変わり始めたのはここ10年位でしょうか。
 マイクロエースが完成品のセットを登場させ、しばらく間をおいて鉄コレでも安価なモデルがリリース。

 ついには最近になって真打ともいえるKATOのモハ52系が登場するに至りました。

 KATOの製品はかなり出来が良いようですが、GMを含む先行他社の製品を既に買ってしまった身としては結構つらい物があります。
 それにしても同一形式の旧国でありながら完成品を筆頭にキットやら安価な鉄コレまでチョイス出来るという意味では52系はNゲージは勿論鉄道模型全体を通して見てもかなりのワイドバリエーションを持つ稀有な形式と言えます。

鉄コレの台車枠に思ったこと

2015-09-19 05:39:15 | 思いつくままに・考察
 今回の話には少なからず私の主観が入っています。読む人によっては気に障る向きもあるかもしれませんがご勘弁を。

 先日お話した鉄コレの相鉄5000系の動力化に関連して。

 このモデルは発売の段階では既存ユニットによる動力化は考慮されておらず、普通の鉄コレなら必ず付いてくる専用の台車枠がありません。
 他のユーザーのレポートをみると大概の場合、T車の動力台車枠をカットして貼り付けるというやり方で対処して居るようです。

 ですがこのやり方を私がやった場合、きれいに裏面を削るのが意外に難しい上に台車に貼り付ける際に曲がりやすいのが難でした。

 そこで自分の不器用さと相談のうえ、動力ユニット付属の台車枠を転用する事にしました。
 TM-06Rについてくる台車枠は3種類。

 車体とのデザイン上のマッチングを考えてその中からアルストム台車のそれを転用します。
 実際装着させてみるとマッチングは当然良好ですし、手間もかかりません。
 それどころか正調の台車を装着したT車よりも見た目の安定感が向上している印象なのです。
 むしろ実車準拠の台車枠は見た目に華奢でスカート込みで重量感を感じさせるボディとのミスマッチすら感じました。

 そこに気がついてふと思った事。

 これまで鉄コレに限らず組みたてモデルを作る時、闇雲に「実車と同じ台車又は台車枠を使う」事に拘り過ぎていた気がするのです。

 まあ「欲しい台車がなく他の製品などで代用する」なんて言うのは模型的には(たぶん)論外なのですが、一方で「このデザインの車体にはこういう台車の方が軽快に見える」とか「この台車枠を使う方が実車より安定感がある」という発想で台車を選んだ事が殆ど無かったのは我ながら意外でした。
 これなどは例えるなら「今日着て行くこの服にはこの靴が似合う」というファッションコーディネートのそれに近い感覚とでも言いますか。
 或いはクルマのドレスアップで「ホイルを自分の感性で選ぶ」と言う感覚でもあります。

 実物に準拠する事に殊更縛られている感のある鉄道模型ではこういうのは殆ど聞きません。
 (それはいわゆる「フリーモデル」への理解の極端なほどの少なさとも関連しているのかもしれないですが)

 ですが車とかファッションとか、あるいはガンプラやミニ四駆辺りでもごく自然に行なわれている「自分の感性を基にしたコーディネイト」は鉄道模型の世界でももっと取り入れられても良いと思います。
 (オーディオコンポの様に選ぶべき要素の組み合わせの自由度が大きすぎて一ユーザーの感性だけでは収拾がつかなくなっている物もあるにはあるのですが)

 幸か不幸か鉄コレの動力ユニットの場合大概複数の台車枠が付属している事が多いですし、鉄コレ自体専用の台車枠が付いています。
 ユニットの軸距が適合する範囲で気に入ったデザインの台車枠をあえて選んでみるというのも意外と面白いものではないでしょうか。
 但し、それを実行するにはユーザー側の知識やセンスが試されるので別の意味では怖い物でもあると思いますが。

鉄コレの相鉄5000系を動力化する

2015-09-19 05:37:04 | 車両・私鉄/民鉄
 先日紹介した相鉄5000系の鉄コレの話の続きです。

 先日リリースの鉄コレ21弾で動力ユニットが入荷したのを機会に動力化に踏み切りました。
 5000系の場合、6000系や7000系との併結はできませんし、かと言ってこのまま側線の飾り物化しても面白くありません。

 使用したのはTM-06R。

 実はこのモデルで誤解していたのは「車体とスカートが一体成型されていてユニットを入れるのが大変そう」という先入観でした。
 屋根でも外して上から挿入するかと言う馬鹿なことまで一時考えていた位です。

 事実前のユーザーは車輪やカプラーこそ交換していたのですがそれ以上手を加えようとした形跡がありませんでした。
 そんな事も先入観に拍車を掛けていた気もします。

 ですが案ずるより産むが易しと言いますか、このモデル、実はボディとスカートが別パーツでスカートだけ後から外せる構造だったのが判明しました。
 しかもスカートを含めた底面パーツには動力ユニットのモータ部を入れるための逃げ穴まで打ってあります。

 これなら案外簡単に行けそうと思いましたが、TM-06Rそのままでは逃げ穴とユニットの出っ張りが微妙に合いません。
 スカート側の穴を前後に2ミリ程度づつカットして穴を広げどうにか納めました。

 カプラーは前ユーザーが使っていたTNカプラーをそのまま転用、パンタは21弾と一緒に買ったPG16で代用します。

 これで5000系の晴れてレイアウト上で運用できるようになりました。
 一時はどうなる事かと(汗)

ブルトレブームとエンドウの24系客車

2015-09-18 05:33:53 | 車両・客車・貨車
 今回はとある中古モデルを走らせているうちにどんどん膨らんで言った考えを書きなぐったものです。

 物はかつてのブルトレブームの折、当時スターだった24系25形。

 周囲の人気ぶりとは裏腹にあの当時Nゲージの24系には全く手を出しませんでした。
 私の従兄弟等は「バンダイのNスケールプラモ」を持っていたというのに(笑)

 それから30年以上経って鉄道模型の趣味を再開してようやく24系を揃え始めたというのが私のブルトレ歴です。
 一昨年乗った「いわて平泉号」をTOMIXベースで再現したり、バブル時期華やかなりしころの室内灯標準装備のKATOの「北斗星」仕様を中古で入手できたりもしています。

 ですが今回見つけた中古モデルはその中でも最も影が薄い物かもしれません。
 最も入手して見ると中々の掘り出し物だったと思うのですが。

 エンドウの24系25形。カニ24が900番台のモデルです。

 ブルトレブームの時期にTOMIXに続いてリリースされた物でエンドウらしくブラスボディなのが唯一且つ最大の特徴でした。
 ですがそれだけに細密度の点でプラに劣るためか先行のTOMIXはもとより後発のKATOの製品にも猛追され早々と姿を消したモデルでもあります。

 今回のは袋詰めのジャンク扱いで7両編成を入手できたものです。
 カニ・オロネ・オシ、オハネフに加えオハネが3両あるのでそこそこブルトレらしい長さの編成になります。

 早速モデルをチェックしましたが、予想通りと言いますか屋根上機器までプレスの一発造形で表現された車体は細密度の点でプラのそれに劣るのは確かです。
 特に上から見られる事の多いNのモデルにとってはこれは弱点と言われても仕方ありません。
 その上、当時のTOMIX製品より高価だったのにインテリアもテールランプの点灯もなし(オプションで装着は可能でしたが)

 ですがその一方でプレスゆえに見事に抜かれた窓周りのクリーンさ、金属モデルならではの塗装の質感は30年を経た今でも魅力的な部分です。
 その印象の良さは実際に編成を組ませて走らせて見るとはっきりしました。

 最初はTOMIXの旧モデルのEF66で試しましたが、24系の転がりの良い台車のおかげもあってスムーズでした。
 そして、目の前を通過する24系のボディの質感、肉薄のボディゆえに窓ガラスを通した向こう側の景色の抜けが実に良く、プラ造形のボディにない魅力が発散されていたのです。

 ついでに試してみたのは同じエンドウのEF58。
 こちらの方でも印象は変わりません。気になったと言えば「やはりテールライトが欲しい」と言う所でしょうか。
 それでもこのボディの魅力は私にとっても意外な発見でした。

 とはいえこの魅力は上から車両を眺めるお座敷運転では非常に分かりにくい部分でもあります。
 今回の運転では数十センチの高さに置かれたレイアウト上で運転者の目の高さに近い所を通過させて初めて感じるものだったと思えます。
 更に言えばこの魅力は「停止状態で飾られただけだったらまず分らない」物とも言えましょう。

 Nゲージモデルの「走行時の魅力を感じる部分」はひとつには「走りっぷりの良さ」にあるのは勿論ですが次に来るのは「ボディの質感」にあると最近思っています。
 巡航速度で走行中のモデルでは「砂撒き管まで再現される様な」細密さは却って「ノイズ」として認識されやすいため走行時のリアリティにはマイナスになる事すらあります。
 その点ボディそのものの質感の良さは走らせる事でより鮮明になります。

 これは「飾られるための細密モデル」が陥りやすい陥穽かもしれません。モーターを内蔵し自走できる鉄道模型の場合、飾るための細密感と走らせるための質感のバランスをどう釣り合わせるかが難しい所です。
 特に最近のモデルは前者への比率がやや大きすぎる感がありますから、ややアンバランスなモデル化となりがちなのかもしれません。

 その意味で言うなら当初の私がこのモデルに持っていた印象はかなり修正されました。
 このモデル自体は十分に魅力的なものでした。ですがお座敷運転主体だったブルトレブームの折にはその質感が理解されず、後の鉄道ブームの折には「飾られるための細密度」が持て囃される風潮の中で不当に低く評価されてしまったとも言える気がします。
 (それでも「せめてクーラー位は別パーツだったら」とか「室内灯が標準装備だったら」とか「もしこれが24系でなく当時香港TOMIXしか競合機種がなかった12系だったら」といった「もしも」はあるのですが)

 エンドウの24系25形はその真価を理解される前に消えてしまった悲劇のモデルだったのではないでしょうか。

Zゲージジャンク車の誤算(大汗)

2015-09-17 05:32:30 | 車両・電気機関車
 かなり久しぶりになったZゲージネタです。

 ですが今回はジャンク車両の失敗談から

 帰省中の中古屋めぐりで見つけたメルクリンミニクラブの電気機関車。
 このところZゲージの入線がなかった折でもあったので買ってみようかと思い立ちました。

 ただし、袋にはしっかりと7「不動品」と書かれていて200円だったのですが(笑)

 これまでの同じチェーン店でのNゲージ不動品の場合その大半は僅かな調整で自走可能になるケースが多かったのでZゲージも事によるとと思い購入しました。

 帰宅後、線路に載せて通電。

 確かに走りませんでした。ギアへの注油、車輪や接点の清掃をしても効果なし。
 しかし、通電を続けているうちに車体が過熱し、熱くなってきました。

 これはモーターまでは通電している事を伺わせる兆候なのですが、同時にモーター自体の焼き付きの可能性も高くなります。
 更にしばらくするとほんのりと煙まで出てきたので通電を中止、復活はあきらめざるを得ませんでした。

 モデル自体はC-C配列でなかなかに良い雰囲気だったのですが、

 世の中「200円の不動品機関車がそう簡単に直る訳がない」といういい教訓ではありました。

 ・・・でも「まだ懲りていない自分がいる」という事を先日また体験するわけですが。
 それについては後ほど(大汗)

あの頃の首都圏の列車の8ミリ映画から

2015-09-16 05:25:45 | 映像
 昭和44年頃に初めて東京に旅行した時の電車の映像。
 電車の映像が多かったのは私としても意外でした。
 とはいえ、鉄道ファンが電車が好きで撮ったものではないのでかなり細切れな画像なのですがそこはご勘弁願います。

 山手線を通過する103系(非ATC仕様。それどころかクーラーもない)

 横須賀線の大船駅の111系の入線シーン。
 冒頭に見えるホーム上の異様な物体は大船の観音像でしょうか。
 当時はフィルムが高かった筈なのでどれも細切れなカット割りになっている所に苦労を感じます。

 横浜駅での京急800のサイドビュー、目黒周辺と思われる東急電車の通過シーンなんかもありました。
 派手な塗装の私鉄電車が亡父にとっても珍しかったのは間違いないとは思うのですが、それならそれでせめて先頭部くらい撮ってくれなかったものかと(笑)

 マリンタワーからの俯瞰ではDD13の牽引する貨物列車のロングも視認できます。


 駅関連では横浜駅、盛岡駅の駅舎が撮影されています。どちらも今は雰囲気を変えていますからそれなりに懐かしいかもしれません。

 鉄道関連の映像ですが、あともう一回続けます。
 個人的には面白いと思うのですが少しヘンな題材とだけ言っておきます。

鉄コレ21弾から 北陸鉄道の電車から

2015-09-15 05:17:28 | 車両・私鉄/民鉄

 鉄コレ21弾と埋蔵金編成から

 元京王3000系の譲渡車には北陸鉄道の8000系も含まれています。

 3000系譲渡車のモデルの中でひときわ目を引くのが巨大なスノープラウ。
 これがあるだけで3000系とは異なる重厚な印象を与えるのですから面白い存在ではあります。

 こちらもこれだけではさびしい感じなので他の北陸鉄道の車両を鉄コレ埋蔵金編成から引っ張り出して組み合わせてみようかと思います。

 ただし、北陸鉄道の場合は石川総線と小松川線という二つの路線がありそれぞれが離れているので二つの路線の編成が並ぶ風景が見られないのではないかと思いますが(確かめられませんでしたが、実際はどうですか)そこはご勘弁を。


 鉄コレの通常品では16弾で6000系、大井川鐵道譲渡後のしらさぎ号が、単品では元東急7000系の7200系、7100系が出ています。

 現在の北陸鉄道では石川線が7200系、小松川線が8000系と別れているようですがカラーリングに共通性が残されているので並べてみても思ったより違和感はありません。
 どちらもスノープラウがアクセントですし、何が共通項になるかわからないものです。

 6000系は廃止された山中線の看板列車でしたが、時期的に上述の編成と並ぶことはありませんでしたから並べること自体が既に「夢の顔合わせ」だったりします。
 ですがこういう事が出来るのも鉄道模型ゆえの楽しみと思いますし、少なくともNゲージでは鉄コレだから成しえた様な組み合わせではないでしょうか。