光山鉄道管理局・アーカイブス

鉄道模型・レイアウトについて工作・増備・思うことなどをば。
こちらはメインブログのアーカイブとなります。

「偉大なる凡庸」の系譜2024・EF65編

2024-08-07 05:59:58 | 車両・電気機関車
 先日のEF58に続く当鉄道の「偉大なる凡庸」のはなし第二弾
 今回のネタはEF65です。

 前回このネタで「偉大なる凡庸」としてEF65を取り上げたのは12年前、続編として前回EF65を取り上げたのは2017年ですが、流石にあれから7年も経つと当鉄道のEF65の顔ぶれにも変化が出てきています。
 当時の記事はこちらから
「偉大なる凡庸」の系譜・2・EF65
偉大なる凡庸のそれから・EF65編

 Nゲージで言うならその間の変化としては
 従来KATOの独壇場だった当鉄道にTOMIXの高崎機関区セットでいきなり3両も500番台が入線した事と、これまたこれまでノーマークだった「マイクロエースのEF65」が入線した事で0番台、500番台に関する限り当鉄道の65も百花繚乱の域に達しています。

 どちらもKATO製とは異なる佇まいと造形のノリを感じさせるものでKATOのそれと並べてもクローン臭さがないのが面白いところです。

 そして今年に入ってからの新展開としては、16番とZゲージでEF65が相次いで入線した事でしょう。

 これについては相当に偶然の要因が大きかったのでまさに幸運という言葉が似合います。
 特にマルイの65はコロナ禍以来5年ぶりのZゲージの入線でしたから。

 これらを合わせると当鉄道のEF65の在籍数は同じく「偉大なる凡庸」のED75に匹敵する物になっていてまさに「両横綱」という言葉が似合いそうな感じもあります。
 が、故郷で馴染みがあり新製品を新車で入線させることが多いED75と違い、EF65はその9割以上が中古モデルの入線なのが特徴的です(それだけに定価より高いものはありませんでしたし)

 まあ、それだけ「どこの中古ショップにも出物がある機関車」という事でもありますが、それでもわたしの琴線に引っかかる様なモデルが今でも散発的に出てきているというのは凄いはなしなのではないでしょうか。

7月3日なのでED73のはなし

2024-07-23 05:07:59 | 車両・電気機関車
 今回の元記事は7月3日にメインブログで上げたものの再録です。もう7月も20日を過ぎて居て何ですが、ご勘弁を。

 今回は久しぶりに日付絡みの語呂合わせネタから。
 今日が7月3日なのでED73を取り上げたいと思います。

 故郷ではED75しか見る事のなかったわたしにとって、同じ交流機でも活躍の場が九州北部に限られていたED73はとても気になるロコのひとつでした。
 故郷や現住地で見る電気機関車は貫通扉の必要性から「半流線形」を名乗りながらも絶壁みたいなフロントフェイスでメリハリに欠ける印象だったのですがED72やED73は鳩胸というか逆スラントノーズのモダンなお面で惹かれるものがあったのです。

 加えてED73の場合、組み合わされるのがこれまた当時もっともモダンなデザインの20系客車の「さくら」なんかでしたからイメージとしてもとても垢抜けた印象を刻み付けられたものです。

 実車の方はED72から蒸気暖房機を除き車体を短縮化させた貨物(とブルトレ)専用機の扱いでしたが、その成り立ちゆえか軸重が重くなり運用範囲が限定されたせいもあってか、割合早い段階でED76やEF70などに振り替えられたという一種薄幸な機関車だった様です。
 保存機も1両もない様ですし。
 イメージとしてはモダンな感じもあるED73ですがどことなく儚さをも感じるのはそういう経緯も関係あるのかもしれません。

 Nゲージでも本機のモデル化は比較的遅い方で、プラ量産品としてはマイクロエースが発売、一時期見られた「151系九州乗り入れ対応編成」のセット〈151系編成にサヤ420を組み合わせた仕様)もリリースされていました。
 (クラブのメンバーの一人がこれを持っていまして、運転会で走らせているのを見るのが楽しみだった思い出もありますw)

 流石にそっちの方は手が出なかったのですが、数年後にKATOから1000番台がリリースされた時には半分舞い上がる気持ちで速攻で入線させた思い出があります(実車を見た事もないのに汗)

 モデルの走行性能もなかなかスムーズで惰行もほどよく効くので単機で走らせても楽しい機関車ですが、やはり20系を繋げた時が一番似合う様な気もしますね。

「偉大なる凡庸の系譜・2024」EF58編

2024-07-05 05:46:19 | 車両・電気機関車
 今年の上半期は先日入線のTOMIXの仕様、春に入線したKATOの初代青大将の仕様とふたつのEF58の記事を上げたのですが、どちらもコメントでの反響が思いのほか大きく、記事を上げた私も驚いています。

 その折のコメントでも上げましたが、当鉄道のEF58は「偉大なる凡庸」の称号が似合う位に在籍数が多いロコでして過去それをネタに二度ほど記事を上げています。もちろんその度に在籍数も増えている訳ですが、二度目の記事を上げた以降も今回のを入れて4両増えた事になりトータルで14両くらいになった勘定になります。

 まあ、一部を除いてどれもが中古かジャンクで格安に入線した物ばかりという共通点がありますがw

 前回の記事以降に増えたのは「大窓」と「TOMIX」の仕様。
 実は数は大いに増えたEF58なのですがその大半は「小窓のひさし付き」の仕様でして大窓や小窓でもひさし無しの仕様はあまり無かったのです。
 例えばNゲージの58の初期の代表格だったエンドウなどは4両中3両までがひさし付き。それどころか後にレストア用に買い入れたASSYのボディまでもがひさし付きだったのですから偶然なんてものではありません。

 エンドウの58はひさし付きの方が200円くらい高かったと記憶していますが、これはおそらく「子供や孫のプレゼントにNゲージを買おうとしたお父さんおじいちゃんが『少しでも高そうに見える方を』とか言って選んだものが多かったのではないかと思えます」
 (バブルの頃のクルマの世界ではこういう購買パターンを「一番高いのくれシンドローム」とか呼んでいましたがw)

 事実、エンドウのNゲージは名古屋の三越とか盛岡のニチイなんかでも売っていたので「デパートで買えるテツドウモケイ」の代表格でしたからw

 KATOのモデルが小窓ばっかりというのは、これは単に偶然だと思います。
 
 ですが前回の記事から何年か経ち、その間にかねて欲しかったTOMIXの大窓仕様やこればっかりは当分入線しないだろうと思っていた青大将仕様まで入線し、当鉄道のEF58のバラエティも随分賑やかになりました。

 あと忘れちゃいけないのはカツミ模型店の「EB58」と称するHOのショーティモデル。NのEF68のどれよりも古いモデルなのですが、走りはきちんとテツドウモケイしていますし58のディフォルメとしてはなかなかいい線を言っているモデルだと思います。

 このところ機関車を中心にリニューアルが進むNゲージの世界、EF58も現行の仕様が出てから大分経ちますし、二大メーカーもそろそろリニューアルの時期ではないかと思います。
 出来ればそれに合わせてデッキ付きの旧仕様のモデル化もそろそろあっても良いのではないでしょうか。
 ・・・って、これ2017年の時にも書いたぞ(!)

TOMIXのEF58(茶色塗装ひさし付き)

2024-06-29 05:51:39 | 車両・電気機関車
 先日の上京での戦利品から。

 まあ、何という事のない「TOMIXのEF58」です。
 当鉄道の「偉大なる凡庸」のひとつであるEF58はその大半がエンドウのブラスモデルでして次いでKATOが増備されているのですがライバルたるTOMIXの58は少数派(と言うか、これまで1両しかなかった)です。
 製品名は知りませんが、茶色塗装ひさし付き、小窓のHゴム仕様とでも言うのでしょうか?

 避雷器、つかみ棒取り付け済みでボディの状態はまあまあなのですが、なぜかKATOのパッケージに入っていて、走行性はわたし的にギリギリ許容範囲内の走りっぷり。
 それで1両1600円でしたから東京で買うNゲージの中古機関車としてはかなり格安の部類です。

 どういう訳か店頭でこれを手に取った時、ビビッと来る何かがありましてつい衝動買いしてしまいました(まあ、1800円だから衝動買いになったのかも汗)
 前に入線させた茶色の大窓仕様の時もそうだったのですがTOMIXのEF58は細密感ではKATOに迫る出来ですが、それにプラスしてKATOとは異なる独特の表情を感じさせます。
 それが具体的にどういう事を言うのか、中々文章では書けないのですが、前にManicさんが書かれていた「剛のKATO、柔のTOMIX」という印象に近いのかもしれません。

 (エンドウの造形は、これはこれで「一種の豪快さ」を魅力には感じています笑)

 年代物らしく微妙に腰高で真横から見ると幾分違和感はありますが、ただ停まっていても好ましい佇まいを見せるEF58だと思います。

5月4日なのでED54のはなし

2024-05-23 05:44:47 | 車両・電気機関車
 今回の元記事は去る5月4日にメインブログに上げたものです
 GWに因んだ日付の語呂合わせネタから

 今日が5月4日という事でED54のはなしをば。

 ED54はスイスから輸入の高性能、大馬力電機としてデビューしたのですがいかにもスイスらしい精密極まりない機構のために整備が難しく、もともと2両のみという小所帯もあって早々と姿を消した形式です。

 「精密な機構」というのは大出力=大型(というのが当時の常識)のモーターを床上に配置しているため(一般的な電気機関車は台車内にモータを搭載する釣り掛け式)その出力を確実に駆動輪に伝達しつつ路面の追従性をも高める目的で採用された「ブッフリ機構」という特殊な伝達形式にあります。
 この機構を言葉で説明するのは非常に難しいのですが各々の車体に設置されたモータの歯車と動輪の間に各々2本の連結棒と歯車の付いた梃を介して間接的につなげる事によって車輪の上下動に動力の伝達機構が追従できるようになっていると言う物です。

 まあ、外見上は「時計の内部機構みたいなのが一輪一輪の車輪の中に組み込まれたようなもの」とでも言えばいいのでしょうか。

 この方式は性能面でのメリットは大きくスイス国鉄ではかなりの機関車がこれを採用していたのですが、日本の場合出力こそ当時最強で運転士たちの評判も良かった(「デゴヨン」という愛称で呼ばれていたらしいです)ものの、狭軌で線路の幅が狭いため同じ機構でもより狭いスペースにメカを押し込めなければならなかったのがこのロコの悲劇でした。

 複雑すぎる機構ゆえに結局は整備がしきれなくなり、ED54は比較的早い段階で引退を余儀なくされました。
 同様に3シリンダという先進機構を持っていたC52がC53という国産の後継機を得たのとは違ってと違ってED54の先進性が国産機の設計に反映されることもなく、一代限りだったのも悲劇的です。

 で、このED54ですが原鉄道模型博物館の原信太郎氏がブッフリに惹かれたらしく実機同様の機構を持つブッフリ電機を何両も製作していたのだそうです。中でもED54はそれだけでも3両作ったのだそうで(但し1番ゲージのモデルですが)

 鉄道模型の世界でもED54のモデル化というのは極端に少なくHOゲージでもムサシノモデルや鉄道模型社などから出ていた程度だそうで、ましてやNゲージでED54が製品化されているなどとはわたし自身知りませんでした。

 ブッフリ機構そのものの再現はともかくとしても、蒸気機関車並みのサイズの大径動輪を装備し外見も両サイドで異なる外見の足回りを持っている(おまけに碍子は横に付いている)のに加えて実機がこの通りのマイナー機でしたからメーカーが量産品のモデルで製品化するのは極めて困難なモデルであったと思われますし。

 わたしの手持ちのED54はムサシノモデルの高級モデル(と言って良いでしょう)で手にとって見るだけでも圧倒される細密な足回り&屋根上の造形には圧倒されます。
 何しろNの電機で台車に砂撒き菅を付けているのは少ないでしょうし、実感重視でカプラーもZゲージ用の物をあつらえているくらいですから。

 カトーカプラーならどうにか連結できるのでダブルルーフの客車などをごくたまに牽かせる事がありますが、その存在感は今でも圧倒的です。

みっつのEH10のはなし

2024-05-18 05:31:42 | 車両・電気機関車
 先日紹介した当鉄道のたから号編成に関連したネタです。

 たから号とくれば外すことが出来ないのがEH10ですが、当鉄道では過去に3両のEH10が入線、在籍しています。
 これらがまたどれも出自や個性の点で思い出深いロコばかりなのですが、今回はその思い出ばなしでも。

 最初にEH10が入線したのは当鉄道でもかなり早い2005年くらい、恐らくKATOの初代モデルと思われます。
 当時すでに行きつけだった中古ショップで一両(2車体)500円という安さ(実はこれが曲者でしたが)と珍しさに惹かれて財布を開いたのですが、帰宅後よく見ると「2両をつなぐドライブシャフトがない」!

 KATOのEH10は初代モデルの頃から1モーターで2車体の全軸駆動を実現していたエポックメイキングなモデルでしたが、肝心のドライブシャフトがないと「ただでさえ重量級な上に動輪が回らないロコを1両のM車で引っ張らなければならない」訳で当然機関車としてはまともに機能できません。
 最初はASSYを手当てして復活できるかと思ったのですがKATOのEH10はその後のモデルチェンジで駆動パーツが変更されたとの事で旧製品のドライブシャフトが入手困難であると判明。

 M車の方がなまじっか走れるだけに、一時ストレスを溜めたのですが結局前面パーツを後部機から移植して「当鉄道初のオリジナル機関車」として再生してしまいました。
 こちらは今でも「光山市交通局の事業用機関車」として在籍中です(笑)

 そんなこんなで模型としてのEH10には好い思い出がなかったのですが、それから半年くらいして同じショップにマイクロエースのEH10が並んでいるのを発見しました。
 造形や塗装表現がKATOとは異なるノリのロコですが、碍子に色刺しされていたりレタリングが細かかったりとモケイとしては好感の持てるものだったので、KATOの仇討ちのつもりで入線させました(まあ、そんな理由で財布を開ける程の安さでもありましたが。あの頃の中古機関車は大体3000円も出せばちゃんと走るのが買えたのものです)
 ところがたから号をやってみようとした場合、マイクロの弱点は「PS22搭載の改修型」だった事です。PS22への載せ替えは1976年頃からだそうですがその頃だと時代は既にEF66牽引のフレイトライナー。
 まあ、EH10であるには違いないので「なんちゃってたから号」と割り切れれば問題はなかったのですが。

 因みにマイクロのもう一つの特徴は「2車体2モーター」という単純かつ豪快さんな動力にあります。ダブルモーターの協調に疑問は残すものの「モータが二個なら牽引力も二倍」という単純ながら説得力はあるモデルでスムーズさには欠けるものの割合豪快に走ります。


 その後のチキの増備とたから号編成の入線でまともなKATOのEH10が入線できたのは既述の通りです。
 KATOのEH10の走りは正にパワフルの一語。独特の動力構造のせいか下手なEF級のロコよりも惰行が効くのは美点(まあ、思うところで停めるのが難しい点では急所でもありますが)で走りの質感もすこぶるスムーズです。

 当鉄道では最後に入線したKATOの仕様が現時点でのEH10の決定版と思いますが、手持ちのチキを分けて2編成化しそれぞれにヨ5000をつないだたから号同士の行き交いが当レイアウトで実現したのはなんだかんだ言っても感動モノではあります。

TEZMO SYNDOROMEと大井川鐡道E31のはなし

2024-04-11 05:22:15 | 車両・電気機関車
 3月に紹介の「TEZMO SYNDOROME」の積みキットのはなしに派生したネタから。

 作中で風奈がGMの客車の積みキットを消化しようとする展開がありましたが、その最初のネタになっていたのが大井川鐵道の「ELかわね路号」でした。
 わたしの手元にはかわね路号はありませんが、同じ大井川鐡道のトラストトレインの編成は在籍しています。

 何の事はない、十数年前に「C12目当てで中古のセット品に飛びついた」というのが真相ですが、最初の頃はお目当てだったC12はともかくスハフ43とオハニ36の扱いに少々逡巡させられたものです。初期型の茶色のモデルだったので青に比べると融通は利くのですが。
 今ならKATOのC12に牽かせればバージョンアップ感は出そうな気もしますし、架空編成に徹するなら例えば高崎の旧客の代わりにEF55やC61に牽かせるというのもアリだと思います。

 ですが今回の本題はそこではありません(笑)

 実は昨年春くらいから行きつけの中古ショップで丸1年くらい残っていたマイクロの大井川鐡道E31(E32仕様)がありまして、今回のコミックを読んだのをきっかけについムラムラと(爆笑)

 これはマイクロの電機の中でも相当に短駆な部類に属するボディは個性的なカラーリングおよび近代型っぽい前面とエアフィルタが胴体下部に並んだサイドビューの組み合わせが独特の凝縮感を醸し出す不思議な印象の機関車だと思います。
 短駆なだけにかわね路号の様な20M級の客車を牽くと「蚤の夫婦」という言葉を連想するくらいロコと客車とのアンバランスさが際立つのですが、まあこれはこれで楽しいものはあります。

 走行性は中古のマイクロ機関車のそれでスムーズではないですが困る様な走りでもありません。前面ディテーリングのバランスも良く、わたし的には好感の持てる機関車でした。
 これなら昨年のうちに買っていても良かったかもしれません。

NゲージEF55の走り・三者三様(EF55のNゲージモデルを比較する・その2)

2023-09-26 05:35:18 | 車両・電気機関車
 前回に引き続いてKATOのEF55に絡むネタです。
 このモデルを買う皆さんの中にはお座敷運転にしろ、レイアウト上にしろ何らかの形で「走らせて楽しみたい」というニーズをお持ちの方も多いと思います。

 それにEF55のあの先頭形状とあのスカートの深さで最急282Rの曲線をクリアできるスペックに興味を持った方も結構居たのではないかと思います(実はわたしもその一人)

 この機関車はその特異な形状ゆえに「走らせるテツドウモケイ」としては設計のハードルが高く(実物ではありえない急曲線の走行を強いられる模型の世界では、台車が大きく回らないとカーブがクリアできない)過去の製品化では各社が独自の工夫を凝らした機構を採用してそれに対応してきた経緯があります。
 今回のKATOEF55人気は実車の知名度によるものも無論あるのでしょうが「模型としての独自の機構に惹かれた層」の比率も高かったと思われ、この点でも従来の「実車人気に引っ張られる事が多い鉄道模型」とは異なる様相だったのではないでしょうか?

 
 そこで今回は、事実上の真打として登場したKATOのEF55と他の2社の同型機のカーブ対策の違いを実際に走らせて比べてみたいと思います。

 最初にEF55を製品化したのはワールド工芸で当初はキット形式、しかも初期のモデルは外観重視で急カーブのクリアには難がありそうな構成でした。
 わたしの手持ち(10年近く前に入線させた中古モデル)はワールドとしては第3世代に当たるもので、ここに来てようやく独自の急カーブ対応機構を装備しています。
 特徴はブラスの肉薄なボディの利を生かし、ボディの内部で動力ユニットを左右に横動させる事で先輪部の旋回スペースを稼ぐものの様です。

 同時に先輪周りでは先輪に掛かる動力台車のフレームを可動式にして先輪の遊びを稼いでいます。
 なお、後方の先輪は動力台車と一体で可動性はあまりありません。

 こちらは350R以上のカーブを推奨しているらしいのでうちのレイアウトの一番外の線を走らせました。動力が古い(KATO製らしいですが)事もあって走りはスムーズさを欠きますがそれでも350Rくらいはクリアできます。

 ただ、動力ユニットを横動させているせいか「動力台車がカーブで全体に外にはみ出す様な外見になる」のも特徴。また、先台車にカプラーをマウントしているのでカプラーの首振りで通過できるカーブの径が制限される傾向があります。

 ここで順番が前後しますが、KATOのEF55を先に紹介します。

 KATOの55は事実上足回りをゼロから設計した物の様で、先輪の回転軸を後ろにずらして可動性を広げ、ワールドほどではない物の動力台車の前後左右の可動域も広げている様です。
 (併せてプラ製ながらマイクロよりも肉薄なボディ造形を取り入れています)
 後方の先輪は動力台車と別に取り付けられ多少は首を振ります。
 こちらは推奨の最急曲線である282Rでの試走ですが宣伝に嘘はなく、実にするすると曲がってくれます。併せて動力のスムーズさは3機種中一番。

 気になる点を挙げれば上記の駆動系のせいか、カーブではワールドほどでない物の台車の横動が見られ、前と後ろの台車の曲がり方に差が見られる(微妙なものですが後ろの方が大きく曲がっているように見える)事くらいです。

 先頭部のカプラーは交換式ですがこちらはボディマウントなのでカプラーで曲がりが制限される事もないでしょう。
 また3社中で唯一「動力台車のフレームが一体のまま、先輪の上に被さる造形になっています(実車準拠)」

 さて、変則的な順序ですが最後に取り上げるのがマイクロエースの製品。
 見た目では一番の奇策を使っているのがここのEF55で、本来二軸の先台車を前後1軸づつに分割。
 「前の方の車輪を展示用と走行用で取り換える」形式をとります。

 併せて先台車に掛かる動力台車枠を分割・可動式とし先台車の動きを邪魔させない設計です(それゆえに最も実車と異なる見た目の足回りです。ただし同様の台車枠の構造はマイクロほど目立たないというだけで、ワールドも使っています)
 また、後方の先輪は動力台車と別体でその可動性もKATO以上に大きく取られています。

 ですので先輪を交換した後の見た目は3社の中で一番しんどいものになっています。以前運転会でモジュールレイアウトを走らせたことがありますが、小さな先輪は結構遠くからでも目立ちましたw

 と、ここまではマイクロのモデルをくさしてしまいましたが、実は3社の中で一番急カーブに強いのがマイクロなのです。
 実験では最も内側の249Rのエンドレスを使いましたが、何の問題もなくクリアできました。
 マイクロのみ後方のデッキと先輪が大きく首を振る構造なので、後方からの見た目もそう不自然ではありません。
 ただし前から見ると線路から浮き上がった「走行用車輪」が盛大にずれているのも見て取れますがw

 1軸だけとはいえ、後方の先台車の上に動力台車のフレームが掛かる構造(EF13辺りと同様)なので流石に140Rは無理でしたが、感覚的には200R近くまでは行けそうです(おそらく見た目はしんどいでしょうが)

 この機動性の高さはマイクロの最大のメリットと思います。他社モデルとは造形での見た目もそれほど大きな差はありませんし走行性もそこそこスムーズ。
 何より「KATOが曲がれない急カーブがクリアできるEF55」というのは入線範囲が広いという意味では大きなアドバンスに思えます。



 (先輪周りを下から見る。上からワールド・マイクロ・KATOの順です)
 今回のテストではKATOの凄さは認識出来ましたが、同時にマイクロの意外な存在意義の高さも十分認識された結果となりました。
 レンタルレイアウトは別としても、個人所有のレイアウトでは280Rを切る様な径のカーブを使っている場合も多いでしょうから。

 そしてこの件では「模型」と「玩具」のはざま、あるいは「鉄道模型に求められているものは何か」についても少なからず考えさせられたのも確かです。
 それについてはいずれ書いてみたいと思います。

EF55のNゲージモデルを比較する・その1

2023-09-24 05:53:54 | 車両・電気機関車
 先日入線したKATOのEF55。
 入手したばかりでまだ走らせてもいないのに、次から次へと好奇心を刺激させてくれます。

 これがどういう事かと言いますと、手持ちのワールド工芸、マイクロエースの同型機(ご丁寧にも機番まで一緒)と並べてみて造形や表現の違いが意外に大きい事を知ったからです。
 という訳で走行レポートはひとまず後回しにしてワールド、マイクロ、今回のKATOのEF55の造形比較から書いてみたいと思います。

 まず、EF55をEF55足らしめる独特の流線形ノーズの表現から

 メーカーの違いのみならず、製造された年代の差も勘案する必要がありますが、真上から見た時にノーズが最もスリムなのがKATO。ブラスボディで肉薄にできるはずのワールドのモデルが最も広幅の様です。
 おそらくこれは次回で触れる独自の動力機構の工夫も関係しているかも知れません。

 ぱっと見で誰にでもわかるのが前面窓周りの表現の違い。

 独特の曲面の多い流線形ノーズと透明プラの組み合わせはプラ車体の肉厚を感じさせやすいものですが、マイクロは特にその傾向が強く、今どきのモデルとしては珍しく窓ガラスが引っ込んだ金壺眼が目立つものになっています。

 ブラス製でボディの肉厚が目立たないワールドはこの点では有利なはずですが、曲面ボディに窓セルをフィットさせるのが難しかった様で、こちらもマイクロほどではないにしろ金壺眼の傾向があります。

 この点、最後発で造形に気合いを入れて臨んだと思われる今回のKATOのモデルは、はめ込み窓の効果が最も高く「フラッシュサーフェス」という言葉が似合う位にボディと窓との段差が感じられません。
 前に触れたノーズの手すりの別パーツ化と併せて前面の細密感はKATOの圧勝と言っていいと思います。

 前面窓の大きさはKATOが最も大きく次いでワールド、マイクロが窓が小さめでその分額が広く、これが第一印象の違いを産んでいます。


 意外だったのは真横から見た時にヘッドライトの造形や位置が3車とも異なる点です。
 ワールドは点灯を考えない分、別パーツ化されたライトの形状が好ましく、意外と好印象。KATOとマイクロはライトがホイッスルの陰に隠れる造形となっており、マイクロは特に後退が大きいようです。



(上からマイクロ、ワールド、KATO)
 真横から見た印象ではマイクロの銀帯表現の強さが目立ちますが、レイアウトで遠目から見るような場合にはかえって好感を持たれそうな気がします。
 KATOは細密ですがそれだけに帯が意外と目立たず、レンタルレイアウトやモジュールレイアウトなどではやや華やかさに欠けるように見える可能性はあります(あくまでマイクロとの比較ですが)この点ではワールドも似た印象でした。

(左からワールド、マイクロ、KATO)
 後ろから見た時の造形ではマイクロも健闘しています。手すり類がやや太めに造形されているのが功を奏してデッキ部の存在感が感じられ、カプラーポケットが大きいせいかKATOやワールドより安定感がある感じです。
 (因みに3社の中でマイクロだけデッキが首を振ります)
 この点で一番不利だったのが意外にもKATOの55でデッキ下のスカスカ感が強く、華奢な印象につながっています。ワールドは同じ部分に台車のフレームが来ているためKATOほど華奢には感じません。ただしカプラーが首を振りにくいタイプのため急曲線ではやや不利です。

 全体の印象で言えばワールドのモデルがブラス特有の質感の良さでKATOとは別ベクトルの好印象を与えます。
 ここまでの印象ではマイクロは最も個性的な感じですが信号炎管は最初から装備されていますし、銀帯が2社よりも強めに表現されているものの、敢えて比較しなければ悪い印象はありません。
 今回の3社比較については、どれか単体だけ眺めるのだったら、どれもそれほど問題はないのではないかと思います。

 それぞれ発売時期が異なるので、今更店頭でこの3社を比べる物好きもそうは居ないでしょう。
 ですが、ここ二月ほどの間に中古ショップでマイクロのEF55の出物が増えている気もします。走行性は別としてもマイクロ単体ならば悪い造形や質感ではありませんから、特にEF55に強い思い入れがなく出物が安価なら結構な掘り出し物にはなると思います。
 (と言うか、KATOのEF55のお値段はプラのNゲージとしては結構物凄いレベルですから)
 田舎なせいか流石にワールドの出物は当たりませんが(汗)他の2社にない佇まいとブラスボディの質感はワールドならではです。

 とはいえ結局のところ、KATOのEF55は決定版と言っていい造形ですし、現時点で新品で買えるほぼ唯一のEF55でもあるので、お勧め度は高いと思います。

KATOのEF55入線!

2023-09-23 05:50:49 | 車両・電気機関車
 この夏の最後を飾る(とはいえ、残暑は相変わらずですが)大物アイテムの入線です。
 ものは勿論「KATOのEF55 高崎運転所仕様」

 先日行きつけのショップに入荷したと聞き、平日休を幸い早速引き取ってきました。

 EF55のモデル自体はワールド工芸とマイクロエースがそれぞれのメーカーの個性を感じさせるモデルをリリースしていますが、3社目のリリースとなるKATOのEF55はわたしの見た限りではまさに決定版と言える出来に仕上がっていると思います。

 いわゆる「ムーミン顔」と称される独特の流線形デザインの前面はいつものKATOのセオリー通り、そつのない仕上がり。
 ですが驚いたのは他社にはなかった「ノーズの手すりが植え込まれていた」事でした。
 この手すりは細密感の上では有効ですが、一歩間違うと折角の流線形フォルムをぶち壊しかねないリスクもあり他社は敢えてつけなかったのではないかと思っていたのです。

 が、そこはKATOの製品らしく手すりが必要以上に自己主張していない表現にとどめているのは流石と思います。
 (その代わりパッケージからの出し入れには神経を使いますが)

 リアビューは運転台の窓が大きく感じられ、他社モデルに比べるとやや個性的な印象でした。
 (いや、他社の方が個性的なのかも)

 店頭での直線コースの試運転では前進、後進ともスムーズなもので特に書き加える事はありません。
 試運転でご店主も驚いておられましたが「リアのヘッドライトも点灯します」

 このEF55、肝心の急カーブ対応の足回りについては次回以降に検証してみます。

KATOのEF64-1000と4年目の敵討のはなしw

2023-06-24 05:07:09 | 車両・電気機関車
 先日紹介したトレインフェスタのお土産話の続きです。

 物はKATOのEF64-1000一般色。もちろん中古品です。
 前回紹介したアイテムに比べると些か唐突な組み合わせに見えますが、実はこれについても過去のトレインフェスタでのトラブルが関係しています。

 2019年のフェスタの折にわたしが持ち込んだ編成にブルトレの24系「いわて平泉号」(2012年に当時の震災復興の応援イベントのひとつとして中央線経由で山梨から平泉まで走った24系ブルトレ編成)をというのがありその牽引機に同じKATOのEF64(やっぱり中古)を持ち込んだのですが、これがまた本番になって走行系のトラブルが頻発。

 遂には走行も困難になり急遽たまたま会場内の物販コーナーで見つけたマイクロエースのEF64を代打に立てた事がありました。
 (これ以後、トレインフェスタでは中古モデルの機関車を売っていませんから、こんな離れ業ができたのは一種奇跡でした)

 その場はどうにかそれで落ち着いたのですが、何せKATOよりも10年くらいは旧型のマイクロのモデルでしたから異様に引っ込んだ大口開きのスカートを始めとして造形面での不満はそれなりに感じていました。

 4年後の今回、駅ビルのポポンに立ち寄った時、不意にその事を思い出しKATOの中古モデルを何両か物色。一番コンディションの良さそうだった個体を購入して持ち帰った次第です。
 田舎の中古ショップでは複数の個体の中からコンディションの良いものを選ぶ事自体が困難ですし、そもそも購入時に試走をさせてくれる様な店もありません(新品を扱うショップはそうでないですが)

 今回は上述の「いわて平泉号」を持ち込んでいませんが、次回持ち込む時に使えるロコが買えた意味は大きいです。
 試走が良かったのはもちろんですが、ナンバーをはじめ付属品の取り付けが手付かずの言わば「クリーム」なコンディションのモデルでしたから。

 で、帰宅後しばらくしてからパーツとナンバーを装着し、4年ぶりくらいに「いわて平泉号」の先頭にKATOのEF64 1000を立ててレイアウトを疾走させることができました。
 その意味では「4年後の仇討ち」という事も出来ないこともないかとw

5月5日でEF55のはなし

2023-05-24 05:44:01 | 車両・電気機関車
 以下の記事は5月5日にメインブログで上げた記事の再録です。

 GWの語呂合わせネタから。
 今日は5月5日ですのでEF55のはなしから。

 KATOがここに来て製品化を予告し、風雲急を告げる(大袈裟な)EF55ですがNゲージでのモデル化は意外に古く1980年代の終わり頃にワールド工芸のキットがリリースされたのが最初と思われます。

 初代のモデルは実車準拠に近い寸法との事でのちの製品よりも車体幅が狭く、加えて前頭部の造形の難易度の高さからか作り手が違うと顔の表情が変わるという良い意味で個性的な物だったそうですが、生憎実物を見たことがありません。
 先輪まわりを写真で見る限りでは315Rでもカーブのクリアはかなり難しそうです。

 2代目、3代目のモデルはカーブでのクリアランスを取るためか初代よりも幅が広く全長も長くなっているのが特徴だそうです。
 特に3代目は急カーブクリアのために独自の動力横動機能を備えたとの事で、実際350R位ならどうにかクリアできます。

 マイクロからのEF55は2000年に初代モデルがリリースされ、2009年に改良品が投入されました。こちらの特徴は見た目と走行性のジレンマをクリアするために「先輪を2種類用意する」という荒技を使ったのが最大の特徴。
 走行用の先輪は第1軸がダミー化され線路から浮き上がった状態で走りますが、運転会なんかで遠目から見ても不思議な違和感を感じてしまうのが惜しいところです。

 ワールド(3代目)とマイクロのEF55のボディ造形の違いについては以前当ブログで取り上げていますので以下のリンクをご参照ください。
ワールド工芸のEF55・マイクロと比べてみる
 さて、ここに来てKATOがEF55の製品化に乗り出して来て、わたしの周りでも話題になっていますが、試作品を見る限りでは先頭部の窓ガラスのツライチ度はマイクロはもちろんワールドのそれよりも優れている印象です。

 加えてKATO独自の足回りによる急カーブクリアの仕掛けにも大きな関心が寄せられていますが、わたし自身これを入線させるかというと躊躇します。
 すでにマイクロとワールドの2タイプが在籍している上にこの上KATOのが加わったら「同一機番のメーカー違いが3両並ぶ」事態になりますから。
 (コレクターだったら気にしないでしょうが)

フライッシュマンピッコロのDB120-2形電気機関車

2023-05-13 05:36:37 | 車両・電気機関車
 帰省の戦利品から
 今回入線の外国型電機をば。

 物はフライッシュマンピッコロのDB120 0形です。
 120形は1979年から1989年にかけて製造された西ドイツの客貨両用型の交流機です。

 中でも今回入線させたのは初期の試作型とされるもので前の型である103電機と同様のTEEカラーなのが特徴だそうです。
 (後の量産機は朱色の単色)
 実車は103に比べて武骨さが目立つデザインで性能面でも特に高速走行で見劣りした事から103形やその後継の101形に比べると影が薄く、現在では2線級の運用がメインになっているとのこと。

 事前の期待ほど活躍できなかったという意味では理由こそ違え、ドイツのEF200みたいな存在かも知れません。

 ですが模型としての120形は日本のED級機関車に比べると伸びやかなプロポーションで特にTEEカラーは良く似合っていると思います。
 もしこれが現行の赤一色だったら多分手を出さなかったでしょう。

 交流機特有の屋根上配線も碍子を含めて金属パーツを奢っているのも端正な印象に一役買っています。
 
 恐らくモデルとしては40年以上前のものと思われるのですが、最初こそもたつくもののギアの当たりが付いて来ると独特の滑らかさを感じさせる走りを見せてくれます。

 ただ、架線集電を想定したと思われる「異様に高く跳ね上がるパンタグラフ」は外国製Nゲージの電機に共通した弱点。
 うちのレイアウトで跨線橋や立体交差をくぐらせようとすると必ずパンタがぶち当たってしまうのには聊かストレスを感じてしまいます。

 とはいえそれでも模型としての魅力が感じられるのが欧州型Nゲージなので多少の事には目をつぶってしまうのですが。貨車が日本型でもチキやタキ43000みたいなやつとなら相性も良さそうですね。

 純粋にデザインの(個人的に感じる)魅力で外国型を走らせるというのも模型ならではの面白さと思いますし、それと同じ観点で「外国型機関車に似合う日本型の客車や貨車をセレクトしてみる」のもコーディネートの楽しさを感じます。

帰省の戦利品から KATOのEF62

2022-12-14 05:31:54 | 車両・電気機関車
 先日の帰省での拾い物から
 物は盛岡の某ハード●フで見つけたKATOのEF62です。

 KATOがEF62を出している事はかねて知っていましたが、その時点でTOMIXのロコが既に入線していた事と主に懐具合の関係で手を出せなかった一品でした。

 今回はTOMIXの中古と大差ない値付けの出物が出ていたのと「(帰省とは言え)旅に出ると気が大きくなる」という法則に押された形と言えるでしょうか(汗)

 以前入線のTOMIX製とは製品化の時期がかなりずれているのでディテーリングを中心とした造形はKATOに一日の長を感じます。
 特にCーC配置の3軸台車周りの細密感は見事の一語に尽きます。

 さて、わたしにとっては結構な掘り出し物だったEF62ですが、それで思うのは「前のユーザーはどういう事情でこのEF62を購入し(付属品も取り付けされていないすっぴん状態で)手放したのだろうか」という事です。

 これが現住地の近辺だったら碓氷峠を降りた後、東海道線の荷物列車で活躍していた頃のEF62を見ているか、ノスタルジーを感じているようなユーザーを想像できるのですが、流石に500キロは離れたところに住んでいる故郷のユーザーだったら「近代機には珍しいCーC配置の電機」というところからコレクターが手を出したなんて事も想像されます。
 (まあ、それを言い出したらわたしだってEF62の実機を見ていないのですが)

 実際、EF62の中古は秋葉や中野の中古屋でもあまりお目にかからない上に今回の様な値付けで並ぶ事はなお少ないですから、ある意味今回は帰省という偶然から入手できた掘り出し物とも言えます。

ノスタルジック鉄道コレクション第3弾から富井電鉄EB213

2022-11-30 05:09:17 | 車両・電気機関車
 今回は久しぶりにノスタルジック鉄道コレクションの第3弾から
 富井電鉄EB213を紹介します。

 今回のラインナップでは凸電が電機、蓄電池機関車と3タイプ出ていますが、それに混じって箱型の電機がこっそり紛れ込んでいます。
 他の機種と異なり色違いの別仕様もなし、一見電動貨車を思わせる地味なデザイン。
 ご丁寧にも一番目立たない灰色のボディは一瞬無塗装車ではないかと思わせるほどの地味さです。

 ですが購入後、時間が経つにつれて少しづつ気になる存在になって行ったのもこのロコでした。

 前面は一見電車と間違えそうな面構えですが、不思議と実直そうな感じですし側面はまたこれで貨車とは一味違う味を感じさせます。
 屋根上が機関車としては少し違和感を感じる電車の様なダブルルーフなのはこの際ご愛嬌と思うことにします(プロトタイプがそうだったのかもしれませんし)

 雰囲気的には凸電やL形DBよりも少しクラシカルな印象で例えば木造の貨車なんかを牽かせるには向いていそうな気がします。
 そんな訳でこのロコには当初は予定になかった動力化&N化を決行。

 パンタを換え、自走できるようになるとこれまた悪くない雰囲気になりました。ウェザリングなんかも似合いそうです。
 さて、これが牽く貨車ですが少々心当りがあるので入線次第このブログで上げたいと思います。