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光山鉄道管理局・アーカイブス

鉄道模型・レイアウトについて工作・増備・思うことなどをば。
こちらはメインブログのアーカイブとなります。

あの頃の8ミリ映画に見る「遊園地のキシャたち」

2015-10-11 05:38:14 | 映像
 しばらく間が空きましたが、40年前の鉄道関連の8ミリフィルムから

 前回予告した通りやや搦め手です。

 東京見物という性質上、鉄道関連の映像にもいくつか変り種がありました。
 それは「遊園地関連のミニ鉄道」の映像です。

 最初の映像は大船ドリームランドのミニ列車。
 遊園地列車特有のディフォルメの効いたフォルムが楽しい編成ですが最近の遊園地でもこういうのはめっきり見なくなりました。
 こういうのが遊園地の周囲を回るのは乗っていても見ていても楽しいものです。


 上野動物園のモノレール
 ここの懸垂式のモノレールは現在でも運用していますが40年代のモノレールは京王の電車を思わせるカラーリングが当時も今も魅力的でした。

 同じく上野動物園の「お猿の電車」
 あの頃は0系新幹線をモチーフにした乗り物が多かったですがこれなどはその代表格と思います。
 それにしても肝心の運転手がきちんと仕事をしていない(笑)

 これらの車両は一部を除いていい大人が一人で乗るのが躊躇されるだけに子供、あるいはその親の特権みたいな物とも言えます。

 私が子供と乗ったのは一番最近でも「富士急ハイランドのトーマス列車」位なものでしょうか。
 今では絶叫マシンの方が人気になってしまい当の子供も乗りたがらなくなってしまいました。

あの頃の首都圏の列車の8ミリ映画から

2015-09-16 05:25:45 | 映像
 昭和44年頃に初めて東京に旅行した時の電車の映像。
 電車の映像が多かったのは私としても意外でした。
 とはいえ、鉄道ファンが電車が好きで撮ったものではないのでかなり細切れな画像なのですがそこはご勘弁願います。

 山手線を通過する103系(非ATC仕様。それどころかクーラーもない)

 横須賀線の大船駅の111系の入線シーン。
 冒頭に見えるホーム上の異様な物体は大船の観音像でしょうか。
 当時はフィルムが高かった筈なのでどれも細切れなカット割りになっている所に苦労を感じます。

 横浜駅での京急800のサイドビュー、目黒周辺と思われる東急電車の通過シーンなんかもありました。
 派手な塗装の私鉄電車が亡父にとっても珍しかったのは間違いないとは思うのですが、それならそれでせめて先頭部くらい撮ってくれなかったものかと(笑)

 マリンタワーからの俯瞰ではDD13の牽引する貨物列車のロングも視認できます。


 駅関連では横浜駅、盛岡駅の駅舎が撮影されています。どちらも今は雰囲気を変えていますからそれなりに懐かしいかもしれません。

 鉄道関連の映像ですが、あともう一回続けます。
 個人的には面白いと思うのですが少しヘンな題材とだけ言っておきます。

あの頃の東北の列車の8ミリ映画から

2015-09-09 05:30:03 | 映像
 先日紹介したあの頃の8ミリ映画から。

 あの時期は亡父がマイカーを買う直前のタイミングだった事や一家で初めての東京旅行をした時期でもあったせいか電車の映像も意外に残っていました。
 私個人から見ても望外のお宝とは言えます。

 とはいえ写っている編成の大半が特に珍しいものではない上に鉄道ファンが鉄道を撮ったものとは訳が違いますので自慢にはならないのですが。

 なにしろ当時はSLブームだった筈なのに蒸気機関車を撮った物が全くありません。

 田沢湖線小岩井駅で撮影されたキハ58系。
 印象的なのは車体のピカピカ具合でした。昭和40年代後半ですらキハ58は結構煤けたコンディションの物しか見ていませんから、これはこれで新鮮だったりします。
 
 同じく奥中山付近を走るキハ58系の並走映像もそれなりに思い出にはなります。

 盛岡近辺の第1種踏切(恐らく厨川の近く)を通過するED75の客車列車。
 あの頃の道路状況は全く悪かったというのが第一印象でした。

 が、通過する客車をよく見ると「デッキのドアが開け放されている物が意外に多く」て驚きました。
 あまりにデッキ部がすかすかなので最初はワムフ系の貨車と誤認したほどです。
 観ての通り、周りは初春の雪景色と思しく、結構寒かった筈なのですが。

「空の大怪獣ラドン」に鉄道模型とレイアウトの魅力を観る(笑)

2015-05-15 10:13:51 | 映像


 昨年暮れの事です。
 たまたま手に取ったRM MODELSの特集で西鉄福岡駅周辺の精密極まるNゲージのモジュールを見て思わず手が震えました(笑)
 あの「ラドンのセット」とほぼ同じものがNスケールでモデル化されていたのですから当然と言えば当然のリアクションではあります。

 また、このモジュールの設定年代はラドンのそれの5年後くらいなのですがたった5年ほどでこれほど雰囲気が変わっていたというのが第二の驚きでした。

 そんな訳で今回は怪獣映画初のカラー作品となった「空の大怪獣ラドン」(昭和31年・東宝)です。

 大まかなストーリーは阿蘇山近くの大空洞から復活した前世紀の巨鳥・ラドンがマニラ、北京、沖縄を襲撃した挙句に九州に舞い戻った挙句、西海橋をなぎ倒し西鉄大牟田線の天神駅周辺を蹂躙した挙句に阿蘇の巣に戻ったところをミサイル攻撃で巣ごと焼き殺されるというものです。
 これだけ書くと単純極まる様なストーリーですが実際にはサスペンス物としてもかなりよく出来た作品です。

 冒頭に阿蘇の炭鉱内部にラドンの餌となる巨大なヤゴの怪物が出現して人知れず炭鉱夫を襲うサスペンスから始まり、そこから阿蘇火口付近で記念撮影中の新婚カップルが空を舞う謎の巨大な影に襲われて絶命するエピソード、直後に福岡上空を飛ぶ自衛隊機が正体不明の超音速飛行物体を追跡して返り討ちに遭い、次に発見された巨大なラドンの卵殻の破片から親鳥のサイズが類推されるという一連のシークエンスの積み重ねで姿の見えない怪鳥の存在が徐々に明らかになってゆきます。

 この部分で特筆されるのはロケーションの大半が大空やかなり開けた空間を舞台としているのに見る者に「どこにも逃げ場がない」怖さを与える事です。空を飛ぶ怪獣ゆえの恐怖感がこれほどストレートに映像化された作品はそう多くはありません。

 ラドン自体の登場は映画開始から40分以上経ってからですがそこまでの展開にまだるっこしさをまるで感じません。
 この流れは映画の上でもまだ「怪獣の存在それ自体が驚異」だった時代ならではのリアリティがあります。


 そして後半のクライマックスは実景を基に構成された博多市街のミニチュアシーン、特に大きなセットが組まれた昭和30年当時の西鉄天神駅周辺での破壊・戦闘シーンが見所となります。
 (ラドンの着ぐるみに人が入っている事から類推しても、かなりの広さと大きさのミニチュアセットが組まれている事がわかります)

 ここに登場するミニチュアは店舗の一軒一軒に至るまで緻密に再現されたのみならずそれらがラドンの風圧で吹き飛ばされたりタンクローリーが突っ込んで炎上したりするなど実景を基にした非日常性満載の描写が連続します。
 なお、西鉄商店街周辺のミニチュアは火との絡みがあったせいか10分の1程度のラージスケールだそうです。

 そのシーンの中で天神駅から退避しようとする西鉄電車がひっくり返るカットがあるのですが、このミニチュアは入江義男氏の手になるラージスケールのモデルながらも私たちの使う「鉄道模型」の文法で作られている為不思議な違和感のなさを感じてしまいます(尤も、特撮嫌いの一般の方の眼から見れば「客が乗っていない」とか「ミニチュア丸出し」とかいう感想になるのですが)

 このモデルは実際にモータを台車にマウントして自走できるモデルらしいことが見て取れます。
 普通特撮のミニチュアではピアノ線などで手動で動かす方法が用いられますが自走できた方がリアルな感じになるのは間違いありません。
 ラドンの羽根の風圧で「走行しながらふわりと横倒しになる」部分はミニチュアの表現としてはなかなか理想的に感じました。
 この転覆シーンでは床下の真っ赤な模型用配線までが視認できてしまうのですが、初のカラー特撮ゆえのミスと言えましょう(笑)
 事実、この点については入江氏自身がDVDのコメンタリーで述懐されています。

 ところで件の車両のプロトタイプですが、手持ちの資料でははっきりした事は分かりませんでした。形態の類似から西鉄のモ303系辺りではないかと推測される程度です。

 更に岩田屋周辺、西鉄街などの風景のミニチュアも精密なだけではなく人間が実際に見かける風景のアングルを工夫していることでリアリティを高めていることが見て取れます。
 (この辺り後の怪獣映画が等身大の視線を無視したような不自然な俯瞰やバストショットを多用するのと比べると配慮の深さを感じます)


 もうすでに60年近く前の作品なのですが、今観ても全く色褪せないミニチュアワークと演出の妙が堪能できます。
 これが楽しめるのも本作がミニチュアだから故でしょう。プログラム化された予定調和のCGではどんなに凄い事をやってもどこかで「ああ、やっぱりな」と思われてしまう所がありますし。
 逆にミニチュアと分かっているのに妙に引き込まれる作品にはそうした予定調和(作り手の想像の範囲と言っても良いかもしれません)を超えた何かがある様な気がします。

 (それを言い出すと同じ論法で「ミニチュアより本物」という所に行き着いてしまいますがこれも又一面では真理であります)

 最後に 
 もし手元にRM MODELSの232号(2014年12月号)をお持ちなら31~37ページの記事と対照しながら本作のDVDでも見て頂くと映画のセットとモジュール双方の凄さが同時に再確認できると思います。
 特にNスケールの岩田屋やスポーツセンターの作り込みは写真を見る限りは映画用のラージスケールのそれにほとんど引けを取っていません。