光山鉄道管理局・アーカイブス

鉄道模型・レイアウトについて工作・増備・思うことなどをば。
こちらはメインブログのアーカイブとなります。

ジャンクのKATO189系をいじる

2021-10-31 05:32:43 | 車輌・電車
 先日紹介したジャンク品のKATO189系のその後のはなしです。

 購入時のこのモデルの問題点は

 ・ヘッドマークが両方ともない
 ・ヘッドライトが片側しか点灯しない
 ・4両目までが密連タイプ、5両目以降がナックルカプラーでコンバートの控車が無い
 の3点に集約されます。

 このうち3番目のカプラーの問題は先日真ん中に当たる4両目で片側密連、片側ナックルのコンバータ車を設定した事で一応解決しています(但しこれは「編成として走らせる事が出来る」というレベルでカプラーの統一性の点では問題が残りますが)

 あとはヘッドマークですが本製品はいわゆる「ヘッドマーク変換装置」を装備しているので、当初は別売り品のヘッドマークを組み込めるだろうとか考えていたのですがこれが甘かった。
 近所のショップで最後まで残っていた「583・183系用ヘッドマーク」どうにか入手してほっとしたのもつかの間。
 
 意外な事に本製品のヘッドマーク変換装置は形こそ似ているものの現行品のそれと互換性が無かったという意外な事実を知る事になりました。
 そこへ持ってきて別売り品のヘッドマークには「あさま」も「あずさ」も存在しなかったのです。

 これには参りましたが、現行品のヘッドマークを一旦分解し、遠目で「あさま」「あずさ」に似た配色、図案のヘッドマークを差し替えてごまかすことにしました。遠目で眺める機会が多い運転会レベルの運用ならバレないだろうという安直な目論見ですがこのブログでばらしている時点で無意味ですね。(大汗)

 結局代用したヘッドマークは「踊り子」のそれです。


 ヘッドマークの取り付けついでに先頭車を分解したところでは非点灯とされていた側のヘッドライトのユニットの配線にずれがあるのを発見。再度調整したところ見事に点灯しました。まあ、こういうのはよくある事です(笑)

 これでどうにか189系は形になったのでさっそく試運転。走行性そのものはほぼ問題なかったのですが

 2両あったモハ188が1両が片パンタ仕様、もう1両が2パンタ仕様になっていたのを発見。元からこういうセットなのか前ユーザーの趣味なのかは謎です。

 ジャンク系モデルは時折こういう謎を提示してくれることがあります(笑)

ヘルヤンの「パン工場」

2021-10-30 05:30:02 | ストラクチャー

 先日紹介したヘルヤンの積みキット消化のはなしをば。
 まず手をつけたのは「パン工場」と称する奴です。

 恐らくこの外見から見て、元々は機関庫のキットだったのを妻板のパーツを改修して工場風に仕立てたものではないかと思います。

 さてこのキット、パッケージの作例写真を見るとお分かりの様にそのまま素組みすると見た目に地味な上に和風の風景ではあまり見かけない「灰色レンガの塊」にしか見えません。
 工程自体は素組みで行くにしても、ここは赤レンガ風に塗装したくなります。

 とはいえ、現住地のショップにある塗料類を見渡して見ると、その物ズバリの「レンガ色」というのになかなか当たりません。20年くらい前ならホームセンターのホビー用塗料にレンガ色があったのですが、今ではそれも見ないですし。

 やむなく近似色としてタミヤの「ダルレッド(艦底色のひとつらしいですが)」を選択、キットの壁面を塗装。そして赤レンガをそれらしく見せる上で欠かせない「漆喰」はスミ入れ塗料の「ライトグレイ」で色差ししていきます。

 実はここは当初、白のスミ入れペンを使ったのですが白が強すぎて「せっかくのレンガ色が埋没して遠目では白壁に見えてしまう」事がわかり、急遽ライトグレイに差し替えています。
 とはいえ、こういうスミ入れ表現はペーパーキットではなかなかできないプラ素材ならではの強みですね。

 組み立て自体は外国製ストラクチャーキットの中では割合イージーな方で(塗装こそ一晩かけましたが)単純な箱造りも同然なので、ものの1時間もすれば堂々たる赤レンガ工場が完成できます。

 と、いう訳で早速この間KATOの銀行支店のあった商店街の一角にこれを配置してみたら赤レンガの建物が街並みのランドマークとして十分機能してくれたのには驚きました(笑)

 何事もやって見るものです。

今月(?)のジャンク車から・KATOの189系

2021-10-28 05:28:22 | 車輌・電車
 先日の塩尻行き(って7月の事なのですが)で入手したジャンク品から。

 KATOの189系「グレードアップあさま」の7連。
 久しぶりの「1両あたり3桁価格(もちろん動力車込みで)」でブックケース付きです。
 おそらくKATOの189系としては最も古い製品と思われます。

 個人的な思い出ですが、昔E351系が大月駅で201系と衝突して運用不能になった時、その後しばらく欠場中のE351の代打としてASAMAのロゴを塗りつぶした189系が使われていた事があります。
 当該の事故車のすぐ後のスーパーあずさに乗っていてえらい目にあった(真夜中の相模湖駅に乗客全員降ろされた上に、代替バスがなかなか来ない日曜深夜を味わわされる)思い出とその後の帰省で代打の189系に乗る機会が多かった事から思い出深い編成ではありました。

 「あさま」仕様の電気釜はすでにTOMIXの489系を持っているのですが、中央線で「あずさ」の代打をやっていた頃の189系も兼ねて欲しいと思っていたモデルでしたから、今回見つけられたのは渡りに船でした。
 (最も、代打が大窓のグレードアップ仕様だったかは思い出せないですが)

 が、ここまで安価なモデルですから、中身かコンディションについて何かしら問題があるのは当然です。

 早速試しましたが動力車は特に問題なし。他の車体も特に瑕疵は見られません。
 はて、どこが問題だろうかと一瞬分からなかったのですがよく見ると前3両と後ろの4両で「連結器が違う」

 前者はいわゆるナックルカプラー、後者は密連の仕様となっていてそのままでは7連として走らせられないのです。これは予想外(汗)

 さらに問題は続き、ヘッドマークが前後ともにない上にヘッドライトは片側が非点灯。なるほどジャンク品なわけです。

 ともあれ、部材が揃えば自分でできる範囲内でのレストアできそうと見ました。
 帰宅後片側のカプラーを手持ちの密連タイプに差し替え。ヘッドマークは183系用でも入手できればそれに越したことはありませんが「ピンチヒッターあずさ」の再現が目的なので自作でプリントアウトしたヘッドマークを嵌め込んでも悪くはない気がします。
 (この手は以前14系のはつかりを作った時に試した事があります)

「赤レンガの建物」への郷愁のはなし

2021-10-27 05:24:20 | ストラクチャー
 今回はストラクチャーネタと思い出ばなしから。

 わたしの故郷のランドマークのひとつに東京駅を設計した辰野金吾の手になる地元銀行の元本店の建物があります。
 この50年くらいの間に周囲のビル群が高層化して回りから見下ろされる存在にはなったものの、その存在感は今でも絶大で今でも帰郷する時にここの前を通るとなんとも言えない郷愁を感じます。

 また、郊外には元覆馬場だったイベント会場の赤レンガの建物が保存されていて平屋であるにもかかわらず周囲の住宅街の中でランドマークとして機能しています。

 これに限らないのですが、東京駅や横浜の赤レンガ倉庫をはじめとして都市の風景の中で「赤レンガの建物」の存在感は非常に大きなものがあります。
 赤レンガの色調が周囲の樹木などの風景に溶け込みやすいのもあるでしょうが、長いこと地域に定着してきた建物だけに純日本風の城郭に負けないくらいに地元の人の記憶に留まってきたことも大きいのでしょう。

 実はわたしがレイアウトに手をつけるきっかけの一つがファーラーの煉瓦建造物のキットを手に入れたことが大きく影響しています。
 キットを組み立てた時に「これが似合う様な風景のレイアウトを作りたい」という動機がいつの間にかわたしの中に湧き上がり実際の着工につながったわけで。

 ビル街に限らず近郊の住宅地の様な場所であっても赤レンガのランドマークは周りの風景を締めてくれる様な気がしてレイアウトの風景作りの上ではなかなか重宝する存在だと思います。

 ですが、日本のメーカーの一般ストラクチャーで赤レンガの建造物というのにはなかなか当たりません。機関庫や給水塔にはザラにあるのに不思議な話です。

 一方で海外メーカーのキットにはランドマークとして使えそうなものが多く、安価に手に入るなら作り出もあり、使い出もありそうなお得な存在と言えます。

 この間紹介したヘルヤンのキットを手に取った時、わたしの心をよぎったのが上記の「思い出と結びついた郷愁」でした。
 季節も秋ですし、そろそろ取り掛かろうかなと。

カラーブックスの「日本の私鉄 阪急」

2021-10-26 05:18:16 | 書籍
 鉄道ネタのカラーブックスから。
 今回は「日本の私鉄 阪急」(高橋正雄 諸河久 共著)をば。

 前にメインブログでコメントとして書いたことがありますが、阪急の車両というのはデザインにおいて他社にないセンスの良さ(あるいは大人っぽい落ち着き)を感じさせてわたしの好きな私鉄のひとつです。

 とはいえ実車を見たり乗ったりした事はないのですが、現住地に近い山梨県の韮崎が創業者の小林一三の出身地という事もあって不思議と馴染みはある私鉄ではあります。
(以前クラブの運転会で韮崎に繰り出した折、手持ちの阪急車を総動員して走らせたのですがギャラリーの一般客の反応が予想以上に薄くてがっかりした事があったりしますが)

 カラーブックスの日本の私鉄でも第3巻がその阪急なのですが、当時何故か故郷の本屋で見かけることがなかった上に、最近でも奥や現住地の古本屋を巡っても見つけることができずに往生していた一冊でした。

 やっとというか遂にというか、つい先日出物を押さえる事ができた次第です。

 日本の私鉄シリーズの他社の本では車両の羅列でも特急車から始まって、急行用、普通車、通勤車と言った括りで紹介されることが多いのですが、殊阪急に関していえば「宝塚線」「神戸線」「京都線」の路線別に分けてその中で特急、通勤車を分ける分類になっているところが目を引きます。

 最初は違和感を感じたのですが、これらは梅田駅を出てすぐの3複線を構成する路線。つまり同じ扱いのメインラインを三つも要している阪急だからこそ成り立つ構成であることに気付かされました。
 地元のファンにはむしろこの方が違和感が少ないのでしょう。

 実際、最初の見開きは梅田駅の「3列車同時発車のパノラマ」ですしわたし自身、この見開きには燃えました。カラーブックスのあの小さい版形なのにこのパノラミックさの構図のインパクトは絶大でした。

 個々の車両の解説は誰でも知っているレベルでしょうから割愛するとして、車両のカラー写真を見ると阪急のマルーンの車体色は沿線の街並みのどれにもよく似合う事に気づきます。風景の中で決して出しゃばらず、かといって埋没もしないその絶妙なバランスを取ったデザインとカラーリングもまた魅力でしょう。

 因みにわたしの手持ちの阪急車モデルは種類こそ多いですが、ほぼ全てが本書が出た時点で活躍していた車両ばかりです。

 ところでカラーブックスの阪急はこの後もリリースされているのですが、それについては次の機会に。

テツモシンドロームと「エーダイナイン」のはなし

2021-10-24 05:24:49 | 鉄道模型 
 今月もWEBマンガの「テツモシンドローム」が更新されました。
 今回の題材はエーダイナインのEF65。

 前回エーダイのスハネフ15を発掘し損なった主人公の風奈が、その遺恨晴らしとばかりに中古のエーダイモデルを落札して楽しむはなしです。
 登場するのはEF65 1000番台。

 漫画ではいきなりギアの摩耗による不動状態で登場しましたが、風奈が手持ちのジャンク車(モハ112)から取り出したギアパーツを交換し再び走る様にする展開(ただしある問題から常用できないことを知る落ちになっています)

 さて、エーダイナインが売られていたのはわたしの趣味の中断前の2、3年くらいの期間でした。しかも扱い店が少なかったせいで実際のモデルを見る機会があまりなかった記憶があります。

 後のマイクロエースや中村精密が車両模型は出しても線路周りには手を出さなかったのに対しエーダイは当初からTOMIXを意識したレールシステムや給電系を用意していました。
 それぞれのレールについてはTOMIXと似た構造でありながら、直線線路の長さやカーブ径はTOMIXと微妙に異なり当時としては唯一「組み立て線路で複々線が組める」ことを売りにしていました(一方でポイントの径はTOMIXより小さく幾分玩具っぽい曲がり方になります)
 それでいてTOMIXの線路と接続するためのアダプターレールが用意されており他社のシステムとの乗り入れも可能にしていたのが凄かったと思います。

 これらのエーダイナインの線路はわたしにとってはこの趣味の再開後に何かのジャンク箱を入手したときにパワーパックと共に入っていたものに出会ったのが最初です。TOMIXとはまた異なる茶色バラスト道床とやや細めのレールはなんとなく上品な印象があります。

 エーダイの車両もこの頃からキハ40、キハ58などを入手できましたがディテーリングも他社に引けを取りませんでしたし、プラ整形色のままのカラーリングだった他社製品に対し全塗装の仕様で出したりとかなり真面目な模型作りをしていたと思います。
 EF65 1000番台では「重連用の無動力トレーラー」も出していましたが、同様の構成の他社製品が「M車からモーターとギアを抜いただけの重量級トレーラー」と化していたのに対して専用の足回りを用意して軽量に仕上げていたのもそうした真面目さが出ていた部分と思います。

 そのエーダイが倒産したのはその2、3年後。
 鉄道模型が不振だったと言うよりもスーパーカーブームの終焉とともにミニカーが不振になったりプラモのヒット作がなかったらしいことが引き金になった様です。

 エーダイのモデル自体は学研に引き継がれ企画段階だったキハ55系やEF60が陽の目を見ますが学研にはそれ以上の展開をする気がなかったようでこれも2、3年で消滅しました。

 エーダイが自社体制でもう少し続いてくれていたら意外に面白い存在になったのではないかと思います。

105系のはなし

2021-10-23 05:15:04 | 車輌・電車
 今回のブログは10月5日にメインブログで書いたネタの再録です。

 久しぶりに日付の語呂合わせネタです。
 今回は10月5日に因んで105系のはなしをば。

 それまでの国鉄新性能電車が原則2M(つまり2両一組の動力車)を基本としていた時期、閑散時間帯に極端に乗車率が低いローカル線区などでは最低3両編成が必要になる2Mでは性能も乗車定員も過剰になりがちでした。

 元々そうした線区では1M形式の旧国電車がメインだったのですが、そのままでは上記の問題がクリアできないため1Mで最低2連の編成で運用できる新型電車のニーズが高まり1981年に投入されたのがローカル線区向けの1M電車、105系だったわけです。

 その105系ですが、当初用意された新造車の3扉仕様に加えて103系をIM化した4扉車の仕様も加わった上に線区による個性の違いもあり、意外に多くのバリエーションを誇ります。

 105系は最低2連で編成が成立するので、2/3畳〜1/3畳のスペースのレイアウトでも楽しめる電車としてはなかなか使える車両と言えます。
 そうした小型レイアウト用に140Rのカーブレールを用意していたトミーテック(鉄道コレクション)にとっても好都合な新性能電車でしたから数年前に一度に4タイプのバリエーションの105系をリリースした時には驚いたものです。
 (と言うか、これなら素直に通常品のブラインドパッケージ鉄コレで出しても良かったような気が)

 その時は可部線、和歌山線、仙石線が4扉、福塩線が新製車の3扉仕様だったのですが、その後さらにバリエーションが追加され呉線や紀勢本線の体質更新車や宇部線仕様などのバリエーションも追加され、いつの間にか鉄コレの中でも一大勢力を保っています。
 (そういえばJRE NewDaysオリジナルの鉄コレにも105系のバリエーションがありました)

 これらは出自が出自なので見た目が103系そのまんまの仕様もある一方、片側にオリジナルのお面を付けて「前と後ろでそれぞれ顔が違う」という面白い仕様もあって意外と見飽きません。新造車に至っては103系との共通点を見つける方が大変なくらい別モノの電車に見えますし。

 105系自体はそれ以前にマイクロエースからも仙石線仕様の4連や福塩線仕様の2連などが製品化しており無改造で「2連+2連」の組み合わせが可能だったり「ヘッドライト点灯可能」というアドバンスで鉄コレとは違うメリットを出しています。実はマイクロの仙石線仕様はわたしもひと編成持っていますが、造形面では鉄コレとの差はそう大きくありません。

 個人的には短編成の気軽さとともに新性能車なのにどこか朴訥としたところがあり105系は好みの電車です。
 バリが多いだけに小レイアウトでも105系取っ替え引っ替え運転会と言う事もできますし、今でも時々思い出したように走らせる事が多い車両です。

鉄コレの「小湊鉄道キハ200」

2021-10-21 05:12:41 | 車両・気動車
 今回は小湊鉄道キハ200ネタから。
 とは言っても今回のは先日来紹介しているプラムのキットの話ではありません。

 実はプラムのキットがある程度形になったときにふと気づいたこと。
 「そういえば鉄コレでNゲージのキハ200が出ていなかったっけか?」

 改めて調べてみたら第13弾のラインナップに小湊鉄道のキハ200がありました。
 鉄コレの第13弾というと「東日本大震災の直後に発売された」事でわたしの記憶に残るモデルでしたが逆に「震災の記憶が鮮烈だったためにラインナップが良く思い出せなかった」モデルでもあります(汗)

 13弾も箱買いしていたので、その中に小湊のキハ200もあるはずです。

 早速押し入れをひっくり返してモノをどうにか発掘しました。
 こう言うことがままあるから埋蔵金化しても昔の鉄コレはなかなか捨てられません。

 キハ20系ベースの20M級、気動車を揃えた13弾は床下のエンジン表現を実現するためにわざわざモーターを高くマウントした専用動力を用意するという気合の入ったモデルでした(それゆえ動力化すると床上に鎮座したモーターの存在感も大きかったりしますが)
 今回のキハ200も当然その文法で構成されており、KATOのキハ20系よりも床下の見所の多いモデルです。



 その特徴ゆえ、今回のプラムの16番スケールモデルと床下の細密度対決が可能な訳で(笑)
 床板面積で4倍、容積で8倍もある16番の方が細密にできるのは当然ですが、鉄コレ仕様の方も省略の仕方にセンスが感じられるので、それほど印象に大きな差がありません。

 上回りでもプラムの方はジャンパ栓やワイパー、室内の吊革が別パーツ化され16番らしい細密さがありますが、鉄コレの方は別パーツ化率こそ低いものの印象把握の点で引けを取りません。こうして並べて見ても大きさが違う割に印象にほとんど差を感じないのです。

 むしろ鉄コレに関しては「この小ささでこれくらいの密度があれば十分」とすら思えます。
 この辺は飾るモケイとして下限に近いサイズのHO/16番と飾るというよりは実際に手に取って自宅のレイアウトで走らせる事が多くなるNとの感じ方の違いとも言えます。

 「ディスプレイ用だけれどいざとなったら自走も可能」というポリシーはどちらも同じですが、ここではパワートラックを使い室内インテリアを保ちつつ自走できるというプラムの16番モデルのアドバンスは大きいです。
 が、ある程度の広さを持ちシーナリィのあるレイアウトを走らせる分にはNの機動性の高さ(特に小回り性)と手軽さは見逃せません。
 何より遠目ではどちらもそう印象に違いはないですし。

 このふたつ「見た目の印象とモデルのポリシーがほとんど同じでサイズだけが違う」という点でそれぞれのHOらしさ、Nらしさがよりはっきり出ている比較になりました。

 それにしても「Nゲージと16番スケールモデルを比較する」というと例えばC62とかDD13とかのメジャーな車両で行うのは普通でしたが、よもや小湊鉄道キハ200などというマイナー車でこれができるようになるとは思いませんでした(笑)

コロナ禍と鉄道模型のはなし 10月

2021-10-20 05:08:28 | 思いつくままに・考察
 ようやく当地も朝夕の風に涼しさ(と言うか日によっては肌寒さ)を感じ始め、いよいよ秋本番の気配を感じ始める時節となりました。
 こちらもそろそろ来年に向けてモジュールの改修を本格化させなければならない頃合いです。

 そんな事を考え始める事に「秋」を感じるのもここ数年のホビーライフではあるのですが。

 さて、ここ2年ほど、休日蟄居を使って積みキットの消化やら自宅でのひとり運転会やらが続いている訳ですが、そこでふと思い出したこと。

 「そういえばまる1年半以上(本物の)列車に乗っていない」という事実。
 この間上京もしなければ帰省で列車に乗る事もなし。ましてや趣味で乗る事も自粛状態が続いていましたから。

 確か最後に電車に乗ったのは昨年2月の上京の時でした。その頃はコロナ禍もまだまだ対岸の火事の様な状況で「秋葉原の免税ショップからマスクが急速に消え始めた」くらいのタイミングだったと思います。
 その時はそれなりに不安感を感じてはいたものの、どういう展開になるかがまるで読めなかったので「まさか1年以上電車に乗らない期間が続く」なんて事態を考えすらしていませんでした。

 (現住地は基本田舎ですから、実生活の上で公共交通機関を使う機会自体が少ないですし。そういえばバスやタクシーも同じ期間使っていない事になりますか)
 毎年このくらいの時期になると一つや二つはオファーがある鉄道模型関連のイベントも今年は音沙汰なし。
 まあ、それ以外のイベントも軒並み中止ですからやむを得ないのですが。

 考えてみればこういうライフスタイル自体、私の人生では空前の出来事だった事に今更ながらに気づかされました。

 今は感染者数が減り、一部の規制が緩和されつつある現状ですがこれもいつひっくり返るか油断がならないという不安が残っている限りは(個人的なレベルでは)今の状況がまだ続くという気でいなければならない気がします。

 そんな訳で実車に乗る機会はこのところないのですが、駅や線路沿いで列車を眺める機会は逆に増えている気がします。
 特に平日休の午前中に駅にたむろする列車を眺めたり、あるいはそういう雰囲気を感じたくてわざわざ車を走らせるとかいった事でしょうか。列車が行き交う駅の風景を眺めると田舎であっても一種独特の活気が感じられ無意識のうちに何か元気をもらっているような気がします。

 まあ、そのついでに駅前の店で晩御飯のおかずを買っていったりする余禄もあるのですが。
 (逆に近場でもショッピングモールに買い物に行く頻度はかなり減りました。日曜ごとに3密が現出する施設としては近所の駅前よりもリスクを感じざるを得ませんし)

 インドア趣味としてのテツドウモケイも今の段階では休日の友としてその本領を発揮しています(笑)
 と言いますかコロナ禍が表面化してからこのかた、鉄道模型の趣味には大分救われているような気すらします。

 来年の今頃は今書いた状況からなにかしら変わっているでしょうか?

3社のEF64を比べてみる

2021-10-19 05:05:03 | 車両・電気機関車

EF64、それも0番代は勝沼の駅前だったかに1両展示されていますがフィルタ形状などに他機にない個性があるにもかかわらず「偉大なる凡庸」の味わいを感じます。
多分、私が0番代の64好きを決定したのはこの時の経験も大きいかもしれません。
そういえば趣味を再開して最初に入線させたF級直流電機もKATOのEF64でした。

さて、先日紹介している様に今年に入って急にEF64が増備され「偉大なる凡庸」の殿堂入りしそうな勢いになりました。

しかも「入線した3両が全てメーカーが異なる」というおまけ付きで。

ついこの間までそんな気配すらなかったのに偶然と勢いというのは全く怖い(笑)
さてKATOを交えて今回入線のマイクロ、TOMIXを並べて見るとリリースの時期が大きく違わないはずなのにメーカーごとの造形差を感じます。

誰が見てもわかるのはマイクロのEF64は形態も幾分華奢な印象な事、TOMIXのそれは前面窓にHゴムの色差しがなく(モールドはあり)まるでサングラスをかけた様に見える事です。

ボディ造形をKATOも交えて比較しますとスカートの問題が依然残るものの、ボディ自体はTOMIXより細密感があり、KATOよりも繊細な印象をも受けます。
屋上のモニタ窓も、マイクロだけがサッシを嵌め込んでおり、ポイント高いです。また、避雷器が挽物で別パーツ化されていて同様に別パーツ化しているKATO(ただしこちらはプラ製)より細密な印象がありました。

と、ここまではマイクロの善戦ぶりが際立つのですが、走らせてみたら一番ノイジーでスムーズさに欠けたのもマイクロのEF64でした(汗)
TOMIXはKATOほどではないもののそこそこスムーズに走行。KATOはフライホイールの効果なのか、3機の中で最もなめらかでした。

色味はマイクロのアイボリーの黄色味が強く若干違和感があります。
KATO、TOMIXのアイボリー彩度はほぼ同じ。

手すり類、特に前面の手すりはKATOの最新型で別パーツ化されているのを除けばどれもボディや前面パーツと一体化しています。
近めで見るならKATOの第二世代が細密感が優れているのは当然ですが、それ以外の3両は遠目ではそれほど差異が感じられません。サングラス顔のTOMIXですらそうです。

こうしてみるとほぼ同一のプロトタイプとはいえそれぞれの造形の解釈の違いが個性となっており(かといってEF64に全く似ていないモデルはありません)見飽きる事がありません。こういうのも模型ならではの愉しみと言えます。

今月の古本から「マイクロエースカタログvol.1」

2021-10-17 05:58:53 | 書籍
 先日の塩尻行きの戦利品のひとつです。
 物は2003年度発行のマイクロエースカタログvol1

 この趣味を再開した前後のタイミングで2と3は持っていたのですが、最初の仕様もそれなりに面白いのかもと思い購入した物です。
 なんと言っても一冊百円でしたし(笑)

 手に取って見るとこれがまたずっしりと重い!
 現行の体制になってからのマイクロエースは2003年頃の時点でもこれくらいの厚みのあるカタログが出せるくらいにラインナップを充実させていたという事なのでしょう。

 紙質も当時のKATOやTOMIXのそれに比べて厚みがありカタログというよりも普通に本屋で売っているムック本と変わりません。

 巻頭で目を引くのが当時のマイクロの売りの一つだった「ジオラマレールセット」線路と沿線のシーナリィベース(とりあえず沿線の街並みを構成できるくらいの広さ)を組み合わせたプレートで、別売りされていた架線柱などのパーツの一部は今年のモジュール改修の折に使わせてもらったことがあります。

 その当時の印象では「線路と地面だけの無造作な構成のエンドレスだなあ」という物だったのですが、発売初期ということもあってかメーカーもそれなりに力を入れた作例を掲載しています。
 流石にストラクチャー類は他社製品の流用がメインですが、都市・近郊風と田園風の2種類の作例を用意しているところにそれなりに気合いを感じさせてくれるものがあります。
 実際、地面と建物だけでも列車の走る風景は引き立つものですが、ものが単純な構成なだけにその効果がよく視覚化されています。

 車両類は発売時期相応のラインナップですが実車の解説が意外に詳細で単純に「鉄道図鑑」としても読める構成。同じ構成は他社のカタログでもあるのですが、本書の場合は実車についてはモデル説明とは別のコラム形式にしているのが読みやすさにつながっている印象です。

 模型自体の説明では例えば「当社が得意とする多色刷りを駆使した鮮やかな製品は、あなたのレイアウトでも間違いなく愛嬌を振りまく存在となるでしょう」(キハ40系700番代の解説より)といった読者のエモーショナルな琴線を刺激させてくれる文言が楽しい。
 最近の他社のカタログ、どうかすると専門誌ですらこうした表現をしていない無味乾燥さに比べると何かホッとさせられます。
 (読む人によっては「余計なお世話」とか「気恥ずかしい」とか思う人もいるでしょうが)

 内容的にはその後に出たvol2に比べると読み物として読める内容なのでお得感はありました。
 ですがラインナップが充実した分2の方が情報量では圧倒します(当たり前か)

 とはいえ2はボリュームアップに伴い重くなってしまった上に、紙がペラペラな分検索がしにくくなっていることを思えば手軽に読める分1もそう悪くない印象ではあります。
 

機関区が○○〇の襲撃を受けたはなし(大汗)

2021-10-16 05:50:36 | 鉄道模型 
まずはこの写真をご覧ください。

ファーラーの給炭塔のキットメイク。
素組みで無塗装とはいえ、10年くらい前に寝る前の時間を使って完成まで1週間以上掛けて作り上げた代物です。

それがある日帰宅してみたら、設置してあった機関区セクションから床に落下してバラバラになっていました。

これが設置してあった線路からベースの端まではそれなりに距離がある上に、とっさに落ちる理由が思いつかず「もしや誰か(もちろんここでは『人間』)が侵入したのか!?」と一瞬疑心暗鬼になりました。
が、しばらくするとセクションの方からかさこそと聞き慣れないノイズが。

「ひょっとしてネズミ?」とか思ってセクションをよく見ると留置車と建物の間を何者かが走り回っています。

よく見るとそいつは小指ほどの大きさの「ヤモリ」でした。
「小指ほど」と言ってもNゲージの世界では「トキ15000より少し小さい程度」くらいになりますか(笑)

どうもこいつが給炭塔に体当たりを食らわせて落としたらしいのです。
留置中の機関車は重量級なだけに流石に無事でしたが、ごく軽量な2軸貨車かなんかだったら体当たりでひっくり返った可能性もあります。

うちの機関区(風セクション)はその時の気分に応じて蒸機用と電機用で風景の差し替えをしている関係でと一部の詰所を除いてストラクチャーを固定していないのですが今回はまさにそれが裏目に出た形です。

田舎暮らしゆえにこの辺りはヤモリをよく見かけます。特に暑くなってくると蛍光灯の点いている部屋だと、集まってくる虫たちを食べるために窓ガラスの外側にへばりついているヤモリにまみえますし、その仕草が憎からず見える事もあるという意味では季節の風物詩みたいな存在なのですが、よもやそのヤモリが自宅に入り込んだのみならずレイアウトを襲撃するとは全く予想外でした。

物がすばしっこいだけにレイアウトに手を突っ込んでもすぐ逃げられます。家から追い出すのに小一時間くらいかかりましたか。

思えば当レイアウトの建設当初は家内が猫を三匹も飼っていたので、その対策に頭を悩ませた物ですが、猫がいなくなってからは幾分対策も疎かになっていました。
ですが田舎の場合どんな生き物が潜入して予想外の悪さをしでかすか解った物ではありません。

思えば「レイアウトモデリング」に掲載されていた銀河鉄道も16番時代に半地下式のレイアウトでネズミの襲撃が頻発したという記事を読んだ事があります。今は昔よりは家の密閉性が高くなっていますから全国レベルではこの手のトラブルは少なくなっていると思うのですが、他のレイアウトではどんなものでしょうか。

いずれにしろ今後は気をつけないと。

TOMIXの初代EF64 0番台

2021-10-14 05:48:46 | 車両・電気機関車
 今年に入りEF64の0番台が新車・中古を問わずに立て続けに入線していますが、先日紹介したマイクロ仕様に続き今回はTOMIX仕様のEF64を紹介したいと思います。

 TOMIXからEF64の0番台が出たのは1981年だそうです。おそらく0番台としては最初に出たNゲージモデルではないでしょうか。

 ナンバーは今の様なはめ込み式ではなく「何両買っても55号機ばかり」(とはいえ当時の機関車モデルはみんなそんなものでした)前面の青とアイボリーは塗り分けでなくアイボリーの別パーツを組み合わせるという奇策を使い塗分け線のシャープさを出していました。
 ですから茶色塗装では不自然な筋が出てしまうのは同じTOMIXのEF62と同様です(笑)

 (なお、同じモデルでも後期型はナンバーが選択式に改良されているそうです)

 ですが、それ以上に目立つのが前面ガラスこそはめ込み式になっているものの、ワイパーやHゴム類のモールドがされていたのに色刺しがされていなかったため「サングラスみたいなあっさり目の前面」になっている事です。

 動力ユニットも運転席までいっぱいに詰まっている上にユニット本体も黒く塗られているので「サングラス」という印象に拍車がかかっています。
 屋根上に目をやるとこれまたすべてが一体成型で避雷器も真っ青。パンタの質感だけはマイクロより多少良いかなと思わせるレベルです。


 そんな訳で前に紹介したマイクロの0番台に比べると細密感では劣る印象ではあります。ですが、この64はマイクロより少なくとも20年近く前にリリースされたモデルであり、メーカー間というよりも設計年次の差が大きく出ているのではないかという気がします。

 それに実際試走させてみると走りのスムーズさはマイクロよりも上。
 40年前のモデルである事を勘案しても水準以上の走りを見せてくれたのには正直驚きました。

 細密感では劣るにしても全体のプロポーションはいいですし、列車を牽かせてガンガン走らせるという鉄道模型らしい用途には十分に応えてくれるモデルと思います。
 実際、そういう使い方をしたくさせる64でした。

バスコレの「ゆるキャン△ラッピングバス」

2021-10-13 05:46:39 | アクセサリー
先日入手したアイテムから。

今回のはなしの出だしは今年の5月、グランシップトレインフェスタの頃に遡ります(笑)
会場の設営を終えた後、一旦帰宅するために一部開通していた中部横断道を使って当時の入り口だった下部温泉ランプに差し掛かったとき。

夜中の8時前くらいですからヘッドライトを点けているとはいえ、周りが真っ暗なロケーションで車を走らせていたら突然ヘッドライトの中に「アニメのゆるキャン△の看板が道を塞ぐ様に立ちはだかる」のを見て一瞬焦りました。

よく見ると看板と思ったのは「ゆるキャン△のラッピングをしたバス」
下部温泉ランプの最寄りにある波高島の駅から出てきたところに当たった様でした。

正直言って「まさかこんな真夜中の山の中(と言って差し支えないロケーションです)でアニメのラッピングバスに当たるとは」というインパクトがわたしの心に強烈極まりない印象を与えたのです(笑)

その時はまあ、それで済んだのですがイベントの帰りに行きつけのショップに立ち寄ったら「その時のラッピングバスがバスコレで製品化」と聞いて二度びっくりさせられます。

前述のような強烈な印象を受けたばかりだったこともあり、その場で予約してしまう私がいます。
クラブのメンバーの間では「ガールズ&パンツァー」が人気で、そちらのバスコレも何人かのメンバーがその都度買われているのですが、その時でさえラッピングバスには手を出さなかったこのわたしがです(爆笑)

そのバスが先日ようやく入荷。
「あの時のラッピングバス」に模型として再会しました。

流石にこれ位拡大すると印刷の粗も見えますが、これは「小指サイズ」のモデル。
Nゲージスケールのモデルですから実際に手に取って見れば十分以上に奇麗に見えることを申し添えておきます。

むしろNゲージスケールバスの図体なんかわたしの小指並みなのに、ラッピングのイラストが鮮やかに再現されているのには正直舌を巻きます。
バスコレの常で実車の再現度も当然高く、そのままレイアウトに置いてもかなり周りが華やかになります。

何しろ波高島の山の中を走っているくらい(実車が身延町の町営バスと聞いて三度びっくりw)ですから都会から田舎までどの風景にも使えるというのがすごい話です。
この手のバスが走るのはアキバの近辺くらい(同じ田舎でもわたしの故郷にはこの手のバスがない)に思っていましたからこれだけでも結構新鮮でした。

そんな訳で、早速レイアウトのアクセントに使っています。

カラーブックスの「日本の私鉄 中国四国九州」

2021-10-12 05:41:01 | 書籍
 今回はカラーブックスネタです。
 「日本の私鉄 中国四国九州」(井上広和 高橋摂 共著)をば。

 日本の私鉄の地方私鉄網羅編のひとつですが、わたし自身はこれまで北関東・南関東・東海の3冊をすでに入手しており今回が4冊目に当たります。

 ここに掲載されている私鉄でわたしが実際に見た事があるのは土佐電気鉄道くらいしかないのですが、本書では鉄コレのスターと化している高松琴平電鉄と一畑電気鉄道、伊予鉄道なんかが収録されており「実物を見ていないのに模型の世界では殆ど定番化している」というわたしの歪んだ嗜好にはきっちり対応しています(汗)

 それを別にしても今はなき下津井鉄道や同和鉱業片上鉄道がまだ現役だった時代のリリースであり「本の中ではまだ活躍中」という、ノスタルジーとはまた異なる感覚で読み進める事ができます。

 これらの私鉄は(過去の本も含めて)鉄道模型の世界では鉄コレの登場まで「傍流中の傍流」という扱いで当時の新刊も余り注目されていなかった形跡があります。
 現に今回も含めて過去入手した3冊はいずれも「古本なのに新刊本並みのコンディション」の物が多く、手に取ってみて嬉しいやら複雑な気分になるやら。

 ですが鉄コレの登場と普及で地方私鉄の譲渡車やオリジナル車両への注目が高まった今なら本書のシリーズの値打ちは高まっている、そういう感じがします。