光山鉄道管理局・アーカイブス

鉄道模型・レイアウトについて工作・増備・思うことなどをば。
こちらはメインブログのアーカイブとなります。

レイアウトビルダーの「分化」と「流派」の登場を俯瞰して・3

2022-03-31 05:24:45 | 思いつくままに・考察
  前回、前々回と私なりに日本におけるレイアウトの歴史とそれに伴う「流派」の成立過程をまとめさせていただきましたが、こちらも今回が最終回です。

 うまく纏まっていない点も多々ありますが、そこはご勘弁ください。


 今回の美里山倶楽部さんの分類は主にレイアウトを作る側から見た、楽しみ方のベクトルを分類するという意味でこれまでになかった視点だと思います。
 これは言い換えるなら「流派がいくつも生まれるほどに鉄道模型ファンの中でレイアウトというものが普及し、膾炙される様になった」という事でもあると言えると思います。
 (実際、今でも「鉄道模型」=「車両模型」が全てであると考えるモデラーやコレクターは多いですから)

 さて、ここからが私なりに感じたことのまとめとなります。

 「鉄道模型には色々なジャンルがある。大きく分ければ車両を楽しむ行き方と、レイアウトと運転を楽しむ行き方がある。
この両方を適当にミックスするのが一般的なファンであろう」

 これはカラーブックスの名著(と私が勝手に思っている)「鉄道模型」の冒頭の一節です。
この「適当にミックスする」と言う部分には、わたしなりに深い含蓄を感じています。

 レイアウトの方でも、主に作風やポリシーの置き方、運転の形態で分類されますが、わたし個人の感覚で言うなら「誰もが(比率の多少はあれ)今回の分類の全ての要素を混在させて楽しんでいる」のではないかと思います。

 むしろ、その方が趣味人としては健全なのではないかと。

 尤も、個人の拘りやその総体としての「流派」が存在することそのものは悪い事ではないと思います。
 ですが問題は自分の流派に必要以上にこだわりすぎるあまり「他が見えなくなってしまう」事かもしれません。

 他人のレイアウトを指して「正統派か否かを決めてかかる態度」などはその典型でしょう。
 趣味の世界において「真のファン」とか「大人のマニア」などの冠を借りた特定の価値観だけが幅を利かせるなどと言うのはあまりいい傾向ではありませんし、もしそうなったらそのジャンルは確実に衰退する事になります。
(これについてはかつてのGTカー、スポーツバイク、オーディオなど過去の実例には事欠きません。但しここで付け加えておきますが、あまりにも反社会的な嗜好が跳梁する事へのアンチテーゼとしての「真のファン」云々を語るのはやむを得ない側面があるのも認めます)

 「それぞれの花があるから野も楽し」とはかつて推理小説の世界で流派同士の諍いが多かった時期に横溝正史が語った言葉ですが、同じ事は鉄道模型やレイアウトのジャンルでも言える事でしょう。

 流派は流派として、個人のポリシーは持ちつつも他のジャンルに対する寛容性は持っていたいものですね。

鉄コレの「鹿島臨海鉄道キハ2001」

2022-03-30 05:22:54 | 車両・気動車

 久しぶりに発掘した埋蔵金鉄コレネタです。
 ものは第13弾の「鹿島臨海鉄道キハ2001」

 思えばこれを箱買いで入手したのは、11年前の東日本大震災の直後でした。震災やら原発やら計画停電やらで気もそぞろになりがちだったあの時期、予定通りに入荷した鉄コレを手に取った時に「日常が少しづつ戻ってくるような感覚」になったのを思い出します。


 鉄コレ第13弾は国鉄キハ20の譲渡車やキハ20準拠の設計がされた私鉄バージョンの車両で纏められていましたが、本車両は国鉄のキハ20を大洗鹿島線の開業のタイミングで譲渡、入線させたものだそうです。

 真横から見るともろにキハ20以外の何物でもないのですが、同じ鹿島臨海鉄道のキハ6000系と併結できるように貫通路の開口を若干高くした上に、ヘッドライトも従来の屋根上から運転席下の前面に移動する改造がされています。


 たったこれだけの改造なのに、キハ6000準拠のカラーリングがされた途端にキハ20臭さが一気に払拭されたのは、まさにマジックとしか言いようがありません(笑)
 今回このモデルを久しぶりに引っ張り出したのは、昨年秋に同じ鹿島臨海鉄道のキハ8000が、暮れにKATOのキハ6000が相次いで入線したからです。この増備は全く偶然の産物だったのですが、これまでの手持ちでこの鉄道のモデルと言えばキハ2001しかありませんでしたから、ある日突然鹿島臨海鉄道のディーゼル車のバリエーションが急増した事になります。
 年越し運転の前後にはこの「鹿島臨海スペシャル」的にこの3者のバリエーションを愉しませて頂きました。

 尤も、この2001は鉄コレそのままでN化もしていませんが。

 余談ですがこのキハ2001は6000系に比べて装備が見劣り(何しろ1980年代後半の入線なのに非冷房車でしたし)するところから20世紀末に茨城交通に再譲渡され、カラーリングを変更されて向こうでも活躍しました。
 その仕様も第13弾で鉄コレ化されていますが、その車両については次の機会にでも。

170円のモハ485をレストアする・その2

2022-03-29 05:18:35 | 車輌・電車
 先日、某ホ●ーオフで入手した「不動品の学研モハ485」のレストアごっこの話です。

 帰宅後まずやって見たのはモータへの通電ができるか、モータが生きているかのチェック。
 この動力は台車から集電した電気をウェイト下の基盤を通じてモータに通電している様です。
 車輪と接点を磨き、通電すると音がけたたましい物のモータが回り始めました。とりあえずこれでモータまでは生きていることは確認できた訳です。

 欠落している片方のドライブシャフトですが、以前関水金属の初代C50のレストアでゴムチューブの代用に購入していたシリコンチューブの残りを使いました。台車とモータのシャフトにチューブを挿入、長さの調整も容易なので旧型動力のレストアには重宝しそうです。

 ですが再び線路に乗せて通電するとやっぱり動かない。
 よくみるとウエイトが微妙に変形してしまい、基盤が歪んで接点が離れていたのが原因の様です。
 とりあえず接点部の基盤をマスキングテープでぐるぐる巻きにして固定。

 ここまでやった段階で線路に乗せて通電すると「普通の学研動力程度の走り」が復活しました。

 マスキングテープの代わりになる固定法が見つかるか接点同士を半田付けしてしまえば、動力系は完全復活となりそうです。

 ここまでの時間は1時間弱。170円のホビーライフとしてはなかなか楽しめました。
 あとはこの動力で何をするか・・・ですか。
 (たぶん、ここからが悩みそう)

「紙で作る日本の蒸気機関車」5680を作る・その1

2022-03-27 05:06:39 | 車両・16番
 前回まで紹介してきた「STEAMで深まる〜」のペーパーキットの製作。
 実はこの工作にはもうひとつ目的がありました。

 今年の正月、今年の計のひとつとして挙げていた「紙でつくる日本の蒸気機関車」に挑戦するにあたっての肩慣らしだったのです。

 この本の入手は50年近く前、まだわたしが小学生の時分だったのですが、試しに作ったB20があまりに大惨事な出来だったことから以後封印同然の状態で塩漬けしてきたものでした。
 その時のトラウマがいい歳になった今まで続いてきたのですから困ったはなしですが、昨年美里山倶楽部さんのブログで本書の工作が取り上げられたことで「そろそろやってみようか」と思い立ったのでした。

 今回選択したのは「5680」
 明治期の機関車らしい4−4−0の古典機だったのと「曲面が多く貼り合わせに要領を要しそうだったから」の選択。
 つまりこれが上手くいったら他の大概の蒸気もどうにかいけそうに思えたからです。例えばC55とか(笑)

 とはいえご覧のように部材はかなり細かく、STEAMの様に切れ目がついているわけではないので切り出しの段階でかなりの手間がかかります。

 これについては美里山さんのアドバイスで「細工用カッター」を用意、ボイラーなどのカーブを作るための丸棒も太さの異なる2、3本を用意しました。

 実際、細工用カッターの威力は凄く円形の窓の切り抜きが予想よりも遥かにスムーズにできたのは助かりました。普通のカッターではとてもこうはいかなかったでしょう。

 切り出しはそれでよかったのですが、一部それらを曲げながら接着する工作は流石に一筋縄ではいきません。
 ボイラーとキャブの一部を取り付けるまでで2時間以上かかりました。

 接着ではタミヤのクラフトボンドを用いましたが、速乾の必要のある部分では「STEAM〜」に付属していたロケットカードグルーも威力を発揮しそうな感じがするので次の工程で試験的に使ってみるつもりです

 前の「STEAM〜」よりも難しいのは間違い無いですが、それでも肩慣らしして勢いをつけてから掛かったのは(心理的に)無意味では無かった気がします。

「TEZMO SYNDOROME」と初代キャロルのはなし

2022-03-26 05:03:31 | その他
 前回に引き続き「TEZMO SYNDOROME」のはなしから

 さて、今回のはなしでは主人公の「鉄(模)女」風奈が赤羽の模型屋さんで買ったKATOのキハ82系を愛でるのがメインのはなしなのですが、漫画の冒頭で風奈のルームメイトの麻里が同じ店で買った「自動車のプラモ」の製作を風奈に頼み込むくだりがありました。

 そのプラモと言うのが「マツダの初代キャロル」それも後期型です。

 これにビビッと来るわたし(爆笑)


 実は私の亡父が50年以上前に免許を取って初めて買ったマイカーと言うのがこの初代キャロルでした。
 当ブログではこれまで亡父やわたしのクルマ遍歴について随分と書いて来たのですが、このキャロルの事をまだ書いていなかったのを思い出しました。

 今回の「TEZMO SYNDOROME」の掲載はいいきっかけと思うのでこの機会に当時のキャロルの思い出話も書きたいと思います。

 父が初めてキャロルで乗り付けてきたのは確か昭和43年か44年頃と記憶しています。
 あの頃は軽自動車でもスズキのフロンテやダイハツのフェロー、そしてHONDAのN360が台頭してきていた時期でそれまで主流だったスバル360やマツダのキャロルがそれらの進行勢力に徐々に追い立てられつつあった時期でもありました。
 そんな折にキャロルを購入した父の意図は今でもよくわかりませんが、他社の軽に比べるとセダンの様なノッチバックデザインは小さいながらもなかなか立派に見えたものです。

 購入後しばらくは共稼ぎだった父と母、そして当時小学生だったわたしの3人を詰め込んで朝夕の通勤、通学にこのキャロルが供されていました。
 一応4ドアセダンだったのですが後席などは小学生、それも低学年の餓鬼が二人も乗ればキツキツの狭さでした。いわゆるクリフカットのCピラー造形のおかげで頭が窮屈と言うのだけはなかったのですが、横方向の狭さは如何ともし難いものがありました。
 しかもこの状態だと「荷物なんかまず載らない」

 今にして思い出すのですがこのキャロルに乗っていた時期は「クルマで買い物に出掛けたという記憶がありません」3人乗って3人分の買い物荷物を飲み込むほどの余裕はこのクルマには殆どなかったのでしょう。

 走りは他のクルマに比べるとかなり喧しかった筈なのですが不思議とその記憶がありません。
 恐らくですがあの当時は未舗装路がかなり多かった(1972年当時で日本の道路舗装率は20%だったそうです)せいか「砂利道のノイズの方が強く印象に残っていた」せいでしょう。


 一度か二度平坦路で、父が試しに「時速100キロ」を出してみた事がありますが、メーター上とはいえ時速100キロは助手席にいたわたしからするとかなりの恐怖体験でした。なにしろ当時はシートベルトどころかヘッドレストすらなかったのですから無理もない。
 (実際はメーターの甘さを勘案して時速80キロ内外だったのではないかと思います)

 流石に親子3人(翌年弟が生まれて4人)ともなるとキャロルでは余裕がなさすぎるのは明白でした。
 そのキャロルは二年ほどで同じマツダのファミリアプレストに切り替わります。

 今ではそのキャロルは当時撮影された8ミリフィルムの映像かTLVのミニカーで偲ばれる存在になりました。

 TEZMO~では風奈がプラモの製作を約束しているので次回辺りその漫画が載るのかなとかひそかに期待していたりします。
 何か今回はキハ82よりも分量が多くなったような気が(汗)

「TEZMO SYNDOROME」とKATOキハ82系のはなし

2022-03-24 05:01:09 | 車両・気動車
今月もWEBコミックの「TEZMO SYNDOROME」が更新されました。
先月のRM MODELSの出張版から2週間ほどのスパンなので先月から今月にかけて連続で楽しませて頂いている次第です。

さて、今月の題材は「KATOのキハ82系」
中古ショップで購入した中古の初代モデルを手に主人公の風奈があれこれ思いを巡らせる一編です。

わたしにとってもこのモデルはこの趣味の開始時に新発売されたという思い出深いモデル(その割には編成を揃えたのは21世紀になってからですが)でした。
それまでキハ20系とかオハ31系など渋いながら地味目なラインナップだったKATO(当時は関水金属)のNゲージモデルで初めて「華やかな編成美の優等列車」を感じさせるモデルとして登場したのがキハ82系でした。

当時の16番スケールでこの手の優等列車のモデルは181系をはじめ581系、165系はもとより157系やキハ181系まで(当然キハ82系も)完成品の各種列車がラインナップされていたのに比べるとNゲージのそれは寂しいものでした。
それだけにキハ82系の登場はNゲージの新時代の幕開けを感じさせるインパクトがあったのです。
(余談ですが同年に登場した「とれいん」の創刊号で最初に紹介された新製品もこのキハ82系でした)

「TEZMO~」の作中で風奈も語っていますが、車体との段差を感じさせない「はめ込み窓」「車内へのはみだしを最小限に抑えた動力ユニット」「後付けで室内灯や前照灯を装着可能な構造」など以後のKATO製品の標準的なスペックの殆どがこのキハ82系からスタートしています。

初期モデルでは食堂車の「キシ80」に動力が装備されていましたが、これもわたしが「初めて買った食堂車」にして「初めて買った特急の動力車」の栄誉を担っていました。
走行性は流石に今の目で見れば見劣りしますが、キハ20系以前の動力に比べるとはるかに洗練されていて、これも新世代を印象付けてくれた部分でした。

・・・とそこまでは良いのですが、せっかく買ったキシ80は購入から1年くらいは「単機回送状態」で1両だけぽつんと走っている存在。その後もキハ82としての編成が組まれる事もなく、事もあろうに「181系の編成で食堂車兼動力車として生涯を終えた」という、わたし的に初物尽くしだった割にはあんまりな一生を送らせてしまいました(大汗)
(中学の文化祭で仮設の線路上を走らせた事がありましたが、あの頃はおおらかと言うか「181系の中間にキシ80やキロ80が混じっていても誰も文句を言わなかった」ものです)

キハ82系は後に趣味を再開してから当時物の編成を中古で入線させて現在に至ります。こちらのはブックケース入りですが、相変わらず動力車はキシ80ですし外見上は初期モデルと大きな違いはありません。今でも折を見ては同世代のTOMIXキハ181系なんかとコラボ走行させることがあります。


 実は今月のはなしではもう一つわたしを燃えさせる題材があるのですが、それについては次回に

レイアウトビルダーの「分化」と「流派」の登場を俯瞰して・2

2022-03-23 05:59:36 | 思いつくままに・考察
 前回に引き続く形で美里山倶楽部さんの「レイアウトの作り手の分類」シリーズに触発された殴り書きの続きです。

 ただ、今の時点ではまだ結論(と言うか私見)のところまで行っていないのですが、今回だけは我慢してください。
 注・今回の記事は美里山倶楽部さんの記事を読んだうえでないと理解できない内容なので、以下のリンクをご参照の上読んでいただけると有難いです。
美里山俱楽部のブログ・レイアウトの作り手を分類1
美里山俱楽部のブログ・レイアウトの作り手を分類2
美里山俱楽部のブログ・レイアウトの作り手を分類3
美里山俱楽部のブログ・レイアウトの作り手を分類最終回
  本題であるはずのレイアウトの「流派」の話から離れてきましたが、今回はホビーとしてのレイアウトの歴史を俯瞰してからでないと次のはなしに進めないと思うのでとりあえずこのまま続けます。

 Nゲージで日本型ストラクチャーやレールシステムが登場した昭和50年には実はもう一つ、大きな変化の予兆を思わせる出来事があります。
 この年のTMS10月号で初めて紹介された「NTRACK」と呼ばれる「モジュールレイアウト」の概念です。
 これはアメリカ発のレイアウト文化のひとつで「各自が持ち寄ったモジュールを組み合わせることで大レイアウトを構成する」というコンセプトでしたが、従来個人の家、またはクラブの集会場など「インドアに固定されていたレイアウト」が「イベントごとに個々のモジュールを持ち寄り運転会を催す」といういわば「レイアウトのアウトドア化」という方向性が打ち出されたのです。


 NTRACKをお手本にTMSも昭和50年代半ばに「JANTRACK」と呼ばれる規格を提唱し賛同するメンバーが集合式レイアウトに参加する形式が始まりました。
 これは日本ではそれまでなかなか定着しなかった「レイアウトのクラブ」の勃興に少なからず影響し、現在イベントでお目にかかるクラブのレイアウトの大半がモジュールレイアウトの形式となっています。

 これは意識、無意識を問わずレイアウトの造られ方にも影響を与え始めました。つまり「自己満足としてのレイアウト」から「誰かに見られることを前提にしたレイアウト作り」への転換です。
 もちろん、それまでにも「専門誌への投稿」「コンテストへの出品」という形でそうした方向への萌芽は見られましたが、集合式レイアウトの登場と普及はその方向性をより推し進めました。

 美里山さんの分類にある「ドラマ・ストーリー派」が登場、普及し始めたのがこの頃からではないかと思います。
 その頃になると一般建造物の製品も最低限のレベルのものが揃い、駅前や沿線風景のあるレイアウトを作るハードルも下がり始めました

  (過渡期の弊害として一時期「どのレイアウトも同じ駅前風景に見える」というのもありましたがw)

 近年ではジオコレ、ジオタウンの登場やみにちゅあーとなどのペーパーキットなどで一般建造物の既製品モデルのボリュームは飛躍的に増加していますし、この傾向は規模の多少があれ、HOやZゲージにも波及しています。

 つまり、風景づくりに関する限りは誰もがそこそこの純日本風の情景をレイアウト上に作る事が出来る様になった、といえます。

 その一方で、そうした既製品を良しとせずに建物の一軒一軒、草木の一本一本に至るまで自作によって表現しようとする流れも従来より先鋭化する事になります。

 近年のコンテストなどで見かける優秀作などは50年前のレベルからすると格段の進歩を感じさせますし、従来プラモデルの世界で盛んだったミリタリーやカー関連の「ジオラマ」の技法やコンセプトが鉄道模型にフィードバックされ始めた事も関連していそうです(2000年代初頭、ホビージャパンやモデルアートなどが相次いで鉄道模型関連の別冊をリリースし始めたのもこのタイミングでした)

 この辺は美里山さんの「超リアル派」と重なる部分でしょう。

 この為、情景模型としてのレイアウトからセクション、モジュール、パイクと言う形でより情景を表現しやすい製作形態が続々と現れています。

 その過程で(必ずしも鉄道ファンではない)「情景製作者」と言う層も徐々に表れ始めています。特にこのジャンルでこれまでの模型メーカーが想定していなかった女性ファンの出現は、こうした方向性の今後を占う存在と思われます。

 こちらが美里山さんの分類の「小型ケース派」に近いと思われます。

 更にイベント目的とは別にクラブ所有のレイアウト(あるいはそれに準じる個人の大レイアウト)ではトラックプランの複雑さやいちどきに走らせる編成の増加が目立ち始め「キャブコントロールに頼らず、同一線上で個々の列車を自由にコントロールしたい」と言うニーズが増加します(これも元々は欧米のホビースタイルに伴うニーズが輸入された形ですが)

 その過程でメルクリンデジタルやDCCといった列車のコマンドコントロール化も勃興し始めました。
P5120796.jpg
 こちらは「自動運転派」「DCC推進派」が該当します。

 そして21世紀に入りまた新たな方向性が現れます。

 それは「レンタルレイアウト」の登場と普及。

 最初の頃こそ大都市部の人口稠密地区に偏在していたレンタルレイアウトですが、最近では「一つの県に最低一つはレンタルレイアウトが現れ」「県境を越えてレンタルレイアウトを行脚する」というホビースタイルが登場することになります。
 それまであまり意識されてこなかったのでしょうが、スペースの問題や予算の問題で自宅に大レイアウトを持てないニーズは潜在的に大きかった訳です。
(これにはNゲージの普及に伴い「レイアウトはなくても走らせる編成はいくつも持っている」コレクターやモデラーが増えたことも影響しているのでしょう)

 しかし、だからと言って「レンタルレイアウト派」がレイアウトのファンでないとは一概に言い切れません。何故なら昔と違って「好みのレイアウトを複数の候補の中から選ぶ事ができる」様になったからです。
 「好みを選ぶ」というのは趣味の第一歩とも言えるプロセスですから。

 これらを美里山さんの分類に無理やり当てはめるなら「運転一筋派」「編成重視派」に当たると思います。ただしこの二者は例えばモジュールレイアウトや組み立て式レイアウトの運用形態と重なる部分も多いと推察されます。

 ここまでの分類だけでも結構な長文になりましたので残りは次回に。

今月の入線車 マイクロのキハ07

2022-03-22 05:57:23 | 車両・気動車
 今月の入線車から。

 数年前から良い出物がないか探していたマイクロのキハ07ですが、先日リニューアル品がリリースされたのを知りようやく入手しました。

 今回の仕様は0番代のリベット車体2両セット。
 これまでのマイクロの仕様は4両セットで数が多すぎる上に中古のお値段も相応に高くなっていましたが、今回は手頃な2連だったのも有り難いポイントです。

 造形面は元々のモデルと大差はない様子。
 実はこのキハ07をベースとした同じマイクロのキヤ92を持っているのですが、ボディはともかくとして「床下が一塊に見える動力の処理」には問題を感じていました。


 残念なことに今回のリニューアル品でもその辺は改善されず、外見上大きなハンデになってしまっています。
 が、その一方でT車の方の床下表現は鉄コレの気動車程度の細密さを備えておりこちらについては不満はありません。

 走行性についてもキヤ92と大差ありません。スムーズさは最新モデルには劣りますが、それで困るほどでもないという、今の水準で言えばやや微妙なところでしょう。

 さて、今回マイクロの仕様を入手したのには一つの目論みがありました。これには春にリリースされるある新製品が関連しているのですが、それについてはのちの機会に。

レイアウトビルダーの「分化」と「流派」の登場を俯瞰して・1

2022-03-20 05:55:16 | 思いつくままに・考察
 先日、美里山倶楽部さんのブログでレイアウトの作り手を分類するという記事があり、非常に興味深く拝見しました。

 車両に比べるとレイアウトの場合、工程もプランニングも、さらには必要とされるスキルやセンスの面においても非常に幅が広く、こうした分類が非常に難しいと思います。
 今回の記事は一私見でありながらも、要領よく分類されており非常に参考になる物でした。

 わたしもこれら一連の記事に感銘を受けた一人なのですが、この記事を読んでわたしなりに感じたことや考察したい事もあったので少し纏めてみたいと思います。

 ただし、美里山さんの記事を拝見しておっとり刀で書いた様な書き殴りなので、文章に整合性がなくなるかもしれませんがその時はご勘弁を。
 注・今回の記事は美里山倶楽部さんの記事を読んだうえでないと理解できない内容なので、以下の記事を検索、ご参照の上読んでいただけると有難いです。
美里山俱楽部のブログ・レイアウトの作り手を分類1
美里山俱楽部のブログ・レイアウトの作り手を分類2
美里山俱楽部のブログ・レイアウトの作り手を分類3
美里山俱楽部のブログ・レイアウトの作り手を分類最終回

 本来なら美里山さんのとは別な分類でも上げれば形が付くのかもしれませんが、レイアウトビルダーの分類としてあれ以上のものは正直わたしには思いつきません。


 しかし、これほど多様なレイアウトの作られ方、楽しみ方の方向性が一種の「流派」と呼べるくらいに広がってきた背景として、過去70年の間にレイアウトの嗜好や方向性における進化や変化が非常に大きかった点は見逃せないと思います

 (この点で進化のポイントが「細密化」「走行性能の向上」に絞られた車両模型よりも変化が大きかったと思えます)

 なので今回はこれらの「流派」が生まれる様になった背景としてのレイアウトの進化史の様なものを手持ちの資料や、これまでの経験、記憶を基に、私なりに俯瞰、考察してみたいと思います。


 かつて、レイアウトの草創期とされる昭和20〜30年代、レイアウトは「持つ事、作る事それ自体が憧れ」の存在だったそうです。
 何しろあの頃はレイアウトに使えるレール自体が市販されておらず、勢いパーツの組み合わせで自作かそれに近いことをやらなければなりませんでした。
 当時のTMSに「ポイントは脱線機ではない」というタイトルでレールや配線の調整ノウハウを考察する記事があったくらいです。つまりシーナリィやトラックプランがどうこういう前に「まともに走らせる」事自体が大変だったわけです。


 ゆえに草創期のそれは「とりあえず線路があって山川と駅らしきものがあればレイアウトとして認められていた」と言ってもいいかもしれません。
 (専門誌に取り上げられるレイアウトは(今でもそうですが)言って見れば「ユーザー総体の中でも上質の上澄み」であり、世間に存在する全てのレイアウトがそうではなかったと思います)

 やがて線路パーツが充実してくると、ポイントひとつとっても「いかに脱線させないか」から「いかに実物に近づけるか」「いかに遠隔操作するか」に関心が移ってきます。
 その過程で「イージーに安定した運転を楽しむ」ために道床一体型の組線路が製品として買える様になり「お座敷運転」あるいはその進化系としての「組み立て式レイアウト」が登場。
 この方向は形を変えて現在もHOやNで一定のシェアを持っています。

 この楽しみ方は美里山さんの分類では「運転一筋派」あるいは「編成重視派」と重なりますし、一部の「車両工作派」(丹精込めて作った車両たちの晴れの舞台として線路というお立ち台の上を走らせるような感覚)も取り込んでいるのではないかと考えられます。

 線路がそんな具合ですから、シーナリィやストラクチャーはまだ二の次三の次。昭和30年代のレイアウトでは、例えば山の造形に自家製の紙粘土や壁土、凄いのになると「コンクリートまで使った」ケースすらありました。

 ただ、この時期はTMSの誌上でJOHN ALLENの伝説的なシーナリィテリングがなされた大レイアウト「GD LINE」が紹介され線路と駅だけでない、沿線風景の作り込みがレイアウトの魅力である事が徐々に認識され始めています。

 沿線風景に意を配ったレイアウトが定着し始めたのはそれから以後、昭和40年代に入ってからと思われます。

 その嚆矢はこの時期に登場した「摂津鉄道」や「雲龍寺鉄道祖山線」などでしょうか、それらの製作に「GD LINE」が直接間接に影響しているのは間違いないでしょう。

 美里山さんのブログにある「正統派」と言う区分けに該当するものがこれに当たると思います。

 また、この時期になってくると登場間もないNゲージのレイアウトの作例がちらほら現れはじめましたが、日本型の車両が少なく、ストラクチャーはまだ出ていなかったため「線路があって車両が走れば鉄道である」というレベルでした(つまり無国籍レイアウト)
 ですが、16番スケールのそれに比べると沿線風景を念頭に置いたシーナリィ作りは早い段階から意識されていることは見て取れます。
 昭和40年代中盤にはオール自作という形ですが「純日本風のシーナリィを備えたレイアウト」がN・16番ともどもちらほら現れ始めます。

 Nゲージで「誰もが日本風の風景を持つレイアウトが作れる」という流れが決定づけられたのは昭和50年、GMが日本初の純日本風ストラクチャーキットをリリースしてからと言えます。 

 更に翌51年には「TOMIX」が登場し線路と駅については日本風のもレイアウト或いはお座敷運転が作れる環境が整い始めました。
 そして昭和54年頃には鉄道と直接関係ない「藁葺き農家」「商店」「近郊住宅」が上記の2メーカーからリリースされ始めました。

 この段階では「お座敷運転の彩り」としての方向性と「本格的固定レイアウトでも使えるマテリアル」としての方向性が混在していますが、それでも「線路と駅しかない」段階から「沿線風景にも比重が置かれたレイアウトづくり」への進化はこの時期から始まったと思われます。

 そうした転換をNゲージのレイアウトで端的に示した実例が柴田市蔵氏の「第3次銀河鉄道」(昭和52年TMS誌上に発表)だったと思います。
 これは「元々健在だった第二次銀河鉄道(レイアウトモデリング所収)のベースの裏側に同サイズのレイアウトを新設した」いわばリバーシブルのレイアウトとして作られたものですが、そこに表現された風景は前作の無国籍風から一転して昭和50年代のNゲージの状況を反映したかの様な純日本風の風景が現出されていたのです。



 そして昭和50年代後半以降はこれらのリアル志向とは別個な方向性の細分化がさらに進み始めているように思います。
 (ここまででもかなり長くなってしまったので続きは次回以降に)

平日休に「170円のモハ485」を拾う(笑)

2022-03-19 05:53:27 | 車輌・電車
今回はイレギュラーで入手したジャンクモデルで休日ホビーを楽しんだはなしです(笑)

仕事の都合上、週に一度くらいの割合で平日休が入るのが私の生活パターンですが、それゆえに人混みやラッシュを気にせずにショップ巡りをしたり日帰りの遠出ができるのが最大のメリットになっていると思います(そのかわり連休にはあまり縁がないですが)

そんな平日休を使って久しぶりに出かけた某ホ●ーオフで見つけた「学研のモハ485」
知る人ぞ知る「走らない模型の代名詞」です。

何しろ「新品の時点で既に走らなかった」とか「小学生にすら『あれは走らない』と言われていた」という噂に事欠かない上に、専門誌ですら「華やかな特急車両ならなんでもいいというユーザーに向く」と言う、読みようによっては辛辣に見える書かれ方をされていたくらいでしたから。

おまけに店頭の試走では「通電してもうんともすんとも言わなかった」上にボディは連結面にヒビが入り、屋根上クーラーが一個欠損。
床下機器もドライブシャフトのカバーが片側欠損している上に、そこにある筈のドライブシャフトがこれまた欠損しているという、いい所なしの一品。
これまでわたしが見てきた中古モデルの中でも最悪のコンディションのジャンク品でした。
(第一、このモハ485だけあっても編成は作れない)

ですが、これらのコンディションを知った店員さんが付けた「300円」の値付けに惹かれました。実はホ●ーオフのアプリで今月で期限切れのポイントが130円相当ありましたから、それを差し引くと支払額は「170円弱」

ジャンクとはいえ動力車ですし、レストアの可能性を探るだけでも楽しめそうな気がしました。
実は学研動力のレストアはだいぶ前にもやった事がありますが、その時のコンディションにごく近い様子でしたし。

と言うわけで170円払って帰宅。おそらく私が買った動力車としてはこれまでの最低価格だと思います。
それでも動かなければただのゴミですから一種博打なのは間違いありませんが。

さて、実際のレストアの可否については次の機会に。

モジュール改修2022 樹木を追加する

2022-03-17 05:49:48 | ミニSLレイアウト
 ミニSLレイアウト・ 棚幡線モジュール改修ネタから。

 昨年暮れ以来ストップしていたモジュール改修の続きです。
 今回は主に植生を中心に手を加えます。

 元々の「週刊SL鉄道模型」のレイアウトも秋景色をモチーフにしていましたが、付属の「ザ・樹木」の紅葉樹がフォーリッジが非常に劣化しやすく、レイアウトの開通後半年もしないうちにフォーリッジがポロポロと落ちてしまい丸裸に近い状態になってしまっていました。

 この樹木をリニューアルするのは困難と判断。ここ数年紅葉樹を中心に他のメーカーのものを少しづつ買い揃えていました。
 今回それらを一斉に植樹、合わせて低木部にもライケンを追加するなどの処理を加えています。

 今回戦力になりそうに思えたのがポポンデッタ製の紅葉樹。
 不自然にオレンジぽく見えますが、実景で紅葉を見た時のイメージに近く(他社のものはややくすんで見える)レイアウト自体も華やかに見えそうな感じがあったので今回集中的に投入しています。

 更にKATOから最近リリースされた紅葉樹も加え色の強弱を調整します。
 これが山々の表現であればクラスターフォーリッジを使うところですが、今回のレイアウトは基本平面の風景で木立を通して向こうが透けて見えやすいため枝振りの細かな市販品を使いました。

 ですがここで意外に手間がかかったのが「建築限界」
 樹木を仮置きして列車を通していたときは問題なかったのに同じ位置に樹木を固定すると、それまで通過できた列車が梢に引っかかり動けなくなるトラブルが頻発したのです。
 仮置きの時は列車が接触しても、樹木がかすかに位置を変える事で回避できていたようです。それが一旦固定してしまうと製品の樹木の枝が硬いためにちょっと接触するだけで、まるで壁のように進行を阻むのですから参りました。

 結局列車が接触しないように、ハサミとニッパーでトリミングしたり、樹木自体を指で押しつぶして薄くするなどしてどうにか15M級の気動車が通過できるだけのクリアランスは確保しました。

 ゼロからレイアウトを作る場合と異なり、一旦出来ているレイアウトの改修ではこうした盲点によくぶつかります(汗)

 あと足元にはライケンを中心に灌木を配して地面を落ち着かせ、建物や樹木が無造作に置かれているような印象の軽減をはかりました。
 実景でも建物や巨木の周囲が「足元が丸見えになるくらい真っ平らな草原」ということは殆どないですから。

 とは言え一通り樹木を配置すると風景の潤いがまるで違います。

鉄コレ31弾の北陸鉄道03系

2022-03-16 05:47:25 | 車両・私鉄/民鉄
 鉄コレ31弾の埋蔵金車両から。
 今回は北陸鉄道03系です。

 本編成は元々東京メトロの日比谷線で使われていた03系(1986年登場)の譲渡車として北陸鉄道で使われ始めたものなのですが、運用開始がなんと2020年暮れ(つまりつい一昨年!)
 恐らくですがブラインドパッケージの鉄コレとしては登場年次が一番新しい車両という事になりますか(笑)

 日比谷線時代の03系はわたし自身これまでにも上京の折に何度か乗ったことがありますから、馴染みという点ではこの編成が一番(当然熊本電鉄の仕様も)という事になります。

 北陸仕様のカラーリングになっているとはいえ、格好自体は「日比谷線の地下鉄」そのまんま。「東京で走っていた電車」的な垢抜け具合はやっぱりスマートです。
 モデルとしての造形も不満を感じません。

 余談ですが同じ03系は他に長電で3500系の後継として運用を始めている様ですね。3500系も元を正せば営団の3000系だった電車ですから東京と同じ様に世代交代している事になりましょうか。
 長電版の03系も鉄コレで出るのでしょう・・・ね?
 (いや、出して欲しいですが)

 あと現在マイクロの仕様しか出ていないオリジナルの03系も鉄コレ仕様が出そうな予感もあったりします。

 なんだか後半は製品化希望みたいになってしまいました。

TOMIXの「限定品」の車輛ケース

2022-03-15 05:45:11 | アクセサリー
 先日のネタはRM MODELSの「中古モデル特集」のはなしでしたが、今回はそのこぼればなしです。
 本誌を買った直後、本屋の前の駐車場のクルマの中で本誌を斜め読みしていたのですが、

 「そういえば最近中古ショップ回っていないな」と思い当たりました。
 ここ最近のコロナ禍で遠出はもとより近場の中古ショップすら回っていなかったので、一種の禁断症状の様なもの(これってやばいんじゃ?)を感じ始めていたのです

 幸いその日は平日休だったので、昼間の田舎町なら人混みにもそう遭わないだろうとばかりに、帰途は近場の数軒のショップを巡った次第。
 中古モデルの特集を読んだ後で気分的にはワクワクしていましたが、いくら何でもそこからの帰りにレアものモデルとか、格安のヴィンテージモデル(まあ、ジャンクとも言いますが)にそう都合よく巡り合えるとは思えません。

 事実、最初の3軒くらいまでは前に行った時と品ぞろえも変わらず、私の琴線を刺激するような出物には当たりませんでした。

 「・・・まあ、こんなものか」
 いつもの事ですが近場の中古ショップで出物に当たる確率なんてのは知れたものですし、年に何回も通い詰めないとそうしたモデルに当たらない事もわかっている積りです(何しろ店の数自体が少ない田舎ですから)

 ですがほとんど期待しないで入った4軒目で(レア物かどうかは知りませんが)「限定品」と書かれたアイテムに出会えたのにはちょっと驚かされました。

 物はTOMIXの車両ケース、未使用品の様です。

 えっ?車両ケースに「限定品」ってどういうこと?

 最初は意味が解らなかったのですが、パッケージを引っ張り出してみて意味は解りました。

 初期のTOMIXは車両セットの収納に青色のブックケースが使われていました。
 これが今の物よりも頑丈そうな材質に加え、KATOのブックケース同様の開閉方法ながら「開閉用のスナップのベロが革製だったりと」高級感あふれる仕様でした。

 今回のアイテムはTOMIXの40周年記念に「あの頃の車両ケースの雰囲気を偲んでもらう」のが目的のモデルの様です。
 「C57らしきSLのイラストがいぶし銀で印刷されている」パッケージは確かに80年代のTOMIXの象徴でありました。


 ケースを開くとおまけのつもりなのか、これでもかという位に「TOMIX40周年一色のステッカー」が入っていましたが「これ、どう使えばいいんだろう?」と一瞬戸惑います。
 今はTOMIXも46周年くらいなのに(笑)

 まあ、中古モデルの特集雑誌を買った帰りに「限定品を中古ショップで拾って来る」というのも偶然のいたずらとしては良くできている気もします。
 それが「車両ケース」だったというのはわたし的には「分相応」なのかもしれませんw

今月号のRM MODELSから

2022-03-13 05:02:38 | 書籍
 今月の「RM MODELS」はこれまで専門誌でもあまりお目にかからない「中古モデルの買い方、売り方、レストアの基礎」を特集しています。

 ネタがこの趣味再開以来のわたしのホビーライフとかなり合致する話だけに見逃すわけにいかず、今月号に手を出してしまいました。
 RM MODELSで中古模型を扱う特集と言うのは初めての様な気がしますが、最近はビギナーでも中古モデルに注目し始めている層が増えているのをにらんだ特集という事なのでしょう。
 実際、地方のショップでも中古のテツドウモケイが買える環境が整ってきていますし。

 今回驚かされたのはレポートで取り上げられているのが「新清水鑑定団」に「ヤマナカ模型」というわたしが遠出の旅に覗くショップだった事ですか(笑)
 また、21Pの江頭剛氏のイラストに描かれている生態なんかここ10年くらいのわたしそのまんまの様な気がしますし(大汗)

 モデルの査定の原則なんかは自分が売る側になるときには参考になりそうですが、逆に買う側からすれば「どんな瑕疵が中古価格を押し下げるのか」を見分けるポイントにもなると思います。
(相場よりも異様に安いモデルなんかだと、結構気になるポイントですし)

 収穫と言えば最近、SNSやポータルサイトで「UーTrainsの広告」を見かけることが増え、妙に気になっていたのですが、そこが天賞堂エバーグリーンの衣鉢を継いだショップであることも本書で初めて知った次第です。次に上京した時には是非覗きに行きたい店です。

 あと「TEZMO SYNDOROME」の出張版でヤマナカ模型が出てきたのにもびっくりです。わたし自身は地理的な問題からあそこを覗く回数はそう多くはないのですが「一度入ったら空手で出る事ができない悪魔のような店(笑)」という(わたし的な)ステイタスがあるショップなだけにレポートを読みながら何度もうなづいたりして。



 また、この特集ではTOMIXの初代12系やKATOの2代目EF70、バンダイの24系まで登場し、レトロモデル好きにはたまらない一冊になっていると思います。

 今回はなんだか取り止めのない書き殴りになってしまいました。

「恐怖の夏休み!暴走する新幹線」

2022-03-12 05:20:07 | 映画・テレビ

 今回はネタ的に脱線気味のはなしですがご勘弁をば(こんなのでも一応鉄道ネタですし)

 先日、ネット広告で知ったのですがタカラトミーのトランスフォーマーシリーズに「0系新幹線が変形するロボット」が発売されるとの由。

 上の写真は旧作に登場する列車の合体ロボットですが、今回のはこれのリニューアル、グレードアップ仕様らしいですね。

 デザインを見る限りロボットのかっこよさに破綻はありませんし、何より「本当に25M級車体の0系先頭車の姿に変形できるらしい」と言うのはわたしには大きな訴求力です(笑)
 聞くところではHOスケールで設計にはTOMIXが全面協力しているとの由(TOMIXってHOの0系を出していましたっけか?)

 その凄さに驚いていて、ふと思いだしたこと。

「そういえば0系新幹線がロボットに変形する実写特撮ドラマがあった」
 ちょうどその作品がCSで放映されていますし、この機会に取り上げてみるのも一興かと。

 作品は昭和52年に放映された「大鉄人17(ワンセブン)」(MBS ・東映)の一編「恐怖の夏休み!暴走する新幹線」

 本作は昭和50年代に放映された巨大ロボット特撮物の一本。人類抹殺を企む巨人頭脳「ブレイン」に作られた巨大ロボットの「17」は自らの意志で人類を守るためにブレインに反逆。唯一心を通わせる南三郎少年と共にブレインが繰り出すロボット軍団に戦いを挑むと言うものです。

 夏休みのある日、三郎少年たちが乗った博多行き「ひかり23号」が突如暴走を始めた。
 名古屋も新大阪も勝手に通過し、爆走する新幹線。三郎少年を救出するために出動する17。
 だが突如ひかり23号は線路を外れて宙を舞う!
 実はひかり23号は三郎少年を捕獲するためにブレインが送り込んだロボットにすり替えられていたのだ!
 17の前でひかり23号は「巨大な新幹線ロボット」に変形(いや、変身?)する!!


 と言うのが大まかなストーリーです。

 本作の2年前に同じ東映は劇場用映画の「新幹線大爆破」を製作しましたが、その際に実物大の車内セット(実車と同じパーツを使用した労作!)を製作しています。
 その出来の良さと、当初は不入りの為に赤字だったと言われる製作費回収の穴埋めのためか、直後の時期から東映(やセットをレンタルされた他の制作会社も含めて)で新幹線関連のドラマや映画が何本か製作されています。

 恐らく本作もそのひとつですが、セットとは別に「大爆破」の走行シーンや特撮シーンのデュープがかなり使われており、画面的にはあたかもプチ「新幹線大爆破」みたいなノリになっています。
 ひょっとしたら本作は「大爆破」の素材を最大限に利用するために捻り出された一編かもしれませんね。

 そして、問題の「新幹線ロボット」ですが

 なんと言いますか、とりあえず0系の顔がついていますが、プロポーションは寄せ集めのプラレール風。
 武器は「ヘッドライトから乱射されるミサイル」「自分の車輪を外して転がし相手を転ばせる」と妙に芸達者です(まあ、敵方のメカですからトランスフォーマーみたいなかっこよさを求めてはいけないか)

 本作は前後編になっていますが後編が今から楽しみです(笑)

 余談ですが、この新幹線の車内セットは後に「バトルフィーバーJ」(昭和54年)のある話で、そのものずばりの「撮影所のセット」として登場しています。
 ここでは「車内セットを外から見るとどうなっているのか」もわかるカットがあるのですが、まるで「でっかいビールの木箱」みたいでその落差に少なからずがっかりさせられますがw


更に余談。
この記事をメインブログに上げた後、弟から追加の写真が届きました。トランスフォーマーも昔の仕様だと今回の新幹線ロボと大同小異だった事を知りました。

 更にバンダイのマシンロボの新幹線ロボは顔が17の新幹線ロボそっくりだった事実も知ります(爆笑)