まさか鉄道模型のブログで「ドラえもん」を取り上げる事になるとは我ながら驚いています。
前回のブログの最後の方で「ミニチュアカメラ」の話をしましたが、あの後どうしてもその話が読みたくなり子供の持っているドラえもんをチェックして見たのですがどうしても見つかりませんでした。
確か連載の初期、昭和45年頃の小学1年生辺りの話だったと思いますが・・・
ただ、それを探す過程でそのものずばりの「のび太の模型鉄道」というのがあるのを知りました。
ファンの間では当然知られているとは思いますが本編は単行本の39巻、時期的には80年代半ば頃の話と思われます。
アニメにもなっているらしいですが生憎未見です。
おじさんに買ってもらったNゲージのセットを基に小レイアウトを作るのび太、ところがスネ夫はもっと大型のレイアウトを自慢してのびたを悔しがらせるという展開。
大レイアウトを作るには大きな部屋が欲しいという事になり、ドラえもんがインスタント地下室を造り大レイアウトを作らせるという話です。
上述の私が覚えている話は確か「お座敷レイアウトを部屋に広げて自慢するスネ夫を羨ましがったのび太がドラえもんにミニチュア製造カメラを出してもらい自室に一大パノラマを現出させる」話だったと記憶しています。
その際、ミニチュアカメラでのび太とスネ夫のミニチュアも出すのですが「ミニチュアの世界でも同じ様にスネ夫が鉄道模型でのび太を羨ましがらせていた」
というレイアウトのミニシーンを思わせる落ちが付いていました。
なんだか昔のTMSで水野良太郎氏辺りが描きそうなネタです。
これが描かれた当時は当然16番が主流でしたから恐らくエンドウの組み立て線路を念頭に置いていたレイアウトだと思われます。
前のブログの繰り返しになりますが、この頃は「鉄道模型を持っている」というだけでステイタスだった時代を象徴している一編でした。
(おまけに鉄道模型の高価さも知れ渡っていた様でねだられたのび太のママが「いけません」の一言で済ませていたりします)
あの頃でもすごい話でしたがそれから少なくとも10年後に書かれたらしい(根拠は後述)「のび太の~」になると「小さいデスクトップレイアウトならのび太でも持てる」様になっているのですから、まずここで時代の変化を実感します。
何しろ「おじさんがお年玉にくれたセットをベースにしている」と言うのですから。
事実バブルの前後の時期から「お年玉でNゲージのセットを買う」と言う年少者が増えたというのは「TOMIXのすべて(だったかな?)」のマンガで江頭 剛氏も書かれていたとおりです。
冒頭にレイアウトの製作法を1ページ半にわたって説明、よく見ると津川洋行の住宅やユニトラックのホーム、今では幻のKATOの商業ビルなんかがあり、制御機器はTOMIXとかなり的確に描写されています。
これらのアイテムが揃うのは83年以降ですから書かれた時期もその頃でしょう。特にKATOの商業ビルは売られていた期間が短いので90年代以降とは考えにくい気がします。走行する列車もEF81の300番台ローズカラー仕様の牽引するブルトレですし)
「ドラえもん」の作中で実物の電車や自動車でさえプロトタイプ不明の自由形(爆)が多い事を考えるとこれはかなり凄い事と言えます。
また、当時TMS以外では一般化していなかった「9ミリゲージ」という呼称が使われたり「ストラクチャー」という準専門用語(笑)があったり(但し説明は少々いい加減)とわずか8ページのマンガなのに異様に濃いところがあります。
あとのび太もスネ夫もレイアウトを床置きせずに机や高い台に載せて楽しんでいる所など、前作から明らかにバージョンアップしている描写もあります。
(これも77年頃に水野良太郎氏が「鉄道模型入門」という本で「床置きしないで台の上に載せてリアルさを楽しもう」と提唱するまで一般レベルではその重要性があまり認識されなかった部分です)
さて、折角完成させたのび太のレイアウトですが実はスネ夫がもっとでかいレイアウトを作っていて「ぼくみたいなベテランになると最低これくらいのスペースはほしいんだよね」「家がひろいからできる事なんだけどね」と(笑)
いつの時代にもレイアウトの最大の問題はスペースであると思い知らされます。
そこでドラえもんがインスタントのポップ地下室を庭に作ってのび太に思う存分レイアウトを作らせますが・・・
極めつけがポップ地下室に現出したのび太の大レイアウト!
注意して見ると四方の壁面に密着したベースに線路が引き回されながら「奥に行くほど線路のレベルが高くなっている」など、線路配置がかなり巧みで唸らされます。
この様に僅か8ページのマンガでありながらドラえもんとは思えないほどマニアックなレベルの描写が満載で結構楽しめました。
ふだん無気力の権化みたいなキャラののび太がレイアウトを作っている時だけ目を輝かせている描写、そして一旦レイアウトが完成してしまうと「その中の寝台車で一日中寝てしまう」落ちに「レイアウトは完成したらおしまい」という深遠なテーマが感じられ(大ウソ) このオチも前作をほうふつとさせるものです。
後で知りましたが藤子・F・不二雄先生は72年頃(!)からNゲージをやっておられていたらしいので描写のマニアックさも頷けそうです。
なにより「レイアウトをやりたいけどスペースがない!」というファンの心の叫びを的確にすくい上げている所は敬服以外の何物でもありません(笑)
ところで、歴代のドラえもんの劇場版アニメは大概「のび太の●●」というタイトルになっていますがその伝で「のび太の模型鉄道」なんてのも映画になったりするでしょうか(笑)
先程、閲覧者数が54万になりました。
最近こういう変なネタも増えていますが(汗)よろしくお願いします。
光山鉄道管理局
HPです。
にほんブログ村
にほんブログ村
現在参加中です。気に入ったり参考になったらクリックをお願いします。