光山鉄道管理局・アーカイブス

鉄道模型・レイアウトについて工作・増備・思うことなどをば。
こちらはメインブログのアーカイブとなります。

今年最初の運転会から・子どもと親とレイアウト運転のはなし

2016-01-31 05:21:14 | 旅行・探訪・イベントなど

 今年最初の運転会で印象に残ったはなしから。

 初日の昼間に参加したのが久しぶりだったので、この時間帯のお客さんの雰囲気がよく呑み込めなかったのですが意外と子供が多いのが今回は印象に残りました。
 で、当然子供対象の「体験運転コーナー」も日曜日以上の盛況だったりします。


 その体験運転用レイアウト。

 元々展示と子供の運転に特化した性質のものなので単純な複線エンドレスの構造ながらフレームの強度は普通のモジュールよりも強くかなりがっしりした構造です。

 私も少しメンテナンスを手伝いましたが、トンネル部分が山を簡単に外して上からの線路のクリーニングをしやすくしている所なども結構参考になりました。
 個人のレイアウトだと結構ユーザーの勢いに任せてメンテの考慮がおろそかになりがちな場合が多いと思うのですが展示用だと作り手の心構えも自然と変わってくると感じます。

 メンテにしても作者以外の人間が保守する事を考慮しまければなりませんし、勢い単純な線路配置の方が手間もかからず長く使える利点も大きいと言えます。
 現に今回の設営でもメインの(個人製作のモジュールの集合体)が接合や結線に結構時間を喰っている脇で体験運転用レイアウトはさっさと完成していたりしました。

 そんな訳でシーナリィも線路配置もごく単純なレイアウトなのですが今回は少し様子が違う。

 よく見るとレイアウトのそちこちに見慣れないキャラクターが徘徊しています(笑)
 ファンシー性と言うかテーマパーク的と言いますか、賑やかな感じは従来のモジュールのノリとはやや異質なものですが、独特な楽しさも感じます。

 尤も、肝心の子供たちの方は電車の方に関心が向きがちでしたから(当たり前か)この演出をどうとらえていたかはよくわかりませんが。複線で一度に二本づつの運行ですが大概の場合、急発進・高速巡航の走りをやる子が多くパワーパックのスロットル調整を教えるメンバーも一苦労だったようです。

 運転が終わるとメンバーの一人が撮りだめていた鉄道関係の生写真を一枚お土産に持たせます。

 運行された列車も通常の電車(子供たちの受けのよさそうな短縮版の特急編成など)に混じって朝の連ドラやアニメで有名になった車両とかが今回は意識的に多く投入されていた気がします。

 二日目もこの傾向にはほとんど変化はなかったのですが、子供と一緒に来られている親御さん、それも母親が子供の運転風景を横目にクラブのメンバーと鉄道談義に入っておられた(それも複数)のには何か時代の変化みたいなのを感じます。
 お土産の写真も子供以上に喜んでいた方もいましたし。

 中には隣県の地方私鉄の電車をリクエストして来る方までおられて仰天物でした(当日10人以上居たクラブのメンバーでそこの電車を持ち込んでいたのは一人もいなかった)

 さて、こうした運転に供される編成は大概、走行系にストレスを受けますし通常のモジュール運転でも一周10メートル単位で走らせるものですからこちらもくたびれがちです。
 次辺りはそれらについての話をしたいと思います。


2016年最初の運転会から

2016-01-30 20:10:14 | 旅行・探訪・イベントなど

 昨夜ぎりぎりまで準備した甲斐あって今日の運転会初日はスムーズに展開してくれたとの事でまずはほっとしています。
 今日は設営時に顔を出せなかったメンバーも参加しメンバー面でも昨日よりは賑やかに進行しました。

 今回は久しぶりに初日の昼の部にどうにか顔を出す事ができたのですが、週休二日の影響からか子供さんの数の意外な多さに少し驚きました。まあいつもなら初日は夜の部の「お祭り」にばかり顔を出していたので無理もないのですが。

 それゆえに体験運転のコーナーも結構盛況だった様です。
 明日もこの調子だといいのですが。

 今回の新作モジュールはとある有名アニメ(笑)の舞台をモチーフにしたもの。まだ未製の面もあるのですが建物類の大半がスクラッチされ、すでに電飾も済んでいるのでこれからどう化けるか楽しみです。

 で、私は新製ではないのですがミニSLレイアウトの棚幡線の陰でしばらく手つかずだった鉄博風セクションを改修して持ち込みました。
 従来のオープン形式を改め屋根を被せて照明を組み込む事でバージョンアップを狙ったものです。
 これの製作記については今後徐々に上げてゆくつもりです。

新年運転会の準備に燃える(笑)

2016-01-29 05:53:37 | 旅行・探訪・イベントなど

 毎年恒例の新年のショッピングセンターでの運転会。
 昨夜はその準備でつぶしました。

 今回はいつも以上の少人数で一時はどうなるかと思ったのですが、所定の時間内に全てのモジュールの合体と線路の結合が済んだのは奇跡と言うか火事場のバカぢからと言うか(笑)
 ただ、数枚続きのヤード部分の結合では人出の少なさを実感させられました。
 線路だけでなくボルトを複数使って結合強度を保つ構造だけに二、三人では到底できるものではありません。ここばかりは参加メンバー総がかりでも「ぎりぎりどうにかできた」という感じでした。

 尤も、今日からの本番ではもう少し参加メンバーも増えるという事なので少しはローテーションは楽そうですが。

 今回はメンバーの新作モジュールに加えて昨年秋からとり掛かっていた私の鉄博風モジュールの改修版を出品しました。
 今回の運転会が初お目見えという事になるのですが、さて本番で本領を発揮できますか?

むかしのHOとNのストラクチャーから

2016-01-28 05:50:44 | ストラクチャー
 ホビセンの帰途に立ち寄ったとあるチェーンの中古ショップの拾い物から。
 ジャンク品コーナーにあった和洋取り混ぜた中古ストラクチャーの群れ。
 この中には先日紹介したTOMIXの「近郊住宅」なんかもあるのですが今回は一緒に買ったアイテムから。


 メーカー不詳、恐らくファーラーと思われるHOスケールの住宅2軒
 N用にはTOMIXの近郊住宅と総合ビル、さらに食玩の実相寺コレクションの商家2軒を手に入れました。

 ストラクチャーの中古はどこに行っても傍流扱いで店にとっては場所塞ぎに思われている事が多いせいかキットメイク品はかなり安価な事が多いです。
 こういうのをコレクションしているのもそうはいないでしょうし(笑)

 ファーラーの「建設中の家」
 日本型Nでは最近になってジオコレでも出ましたがファーラーのこれは少なくとも40年前から出ていたものです。
 日本住宅とは材料も工程も異なるのでそのまま置くには浮いてしまうのが難点ですがそれを離れて観れば結構いい雰囲気ではあります。

 同様にもう一軒の住宅は見るからに欧州風。
 小じゃれた通りでもないと似合わない感じですが、これはこれで気に入りました。

 それらとは真逆の純日本風のアイテムが「昭和情景博物館」
 私は個人的に「実相寺コレクション」と呼んでいるものですが商家や床屋、或いは路面電車などのNスケールモデルで「三丁目の夕日」と併せて一時期ジオコレのライバルだったシリーズです。
 窓が抜けておらず室内灯に対応していない、所々に歪みが出やすい等の問題もあるモデルですが一方で全体の雰囲気は下手なGMやジオコレの商家を凌ぐ良さを感じさせます。
 
 ベースをカットしてレイアウトにはめ込めば今でも十分に使えるものでしょう。
 それにしても「日野統三商店」のネーミングは如何にも実相寺(笑)

 (日野統三とは実相寺監督がメガホンをとっていた「怪奇大作戦」の一編「呪いの壺」に登場する犯人の名前でもあります。当モデル監修者である実相寺氏のセルフパロディと言う所でw)

今月の中古入線・GMの名鉄7700系

2016-01-27 05:48:57 | 車両・私鉄/民鉄
 先日、ほぼ一月ぶりに地元の中古屋巡りをやらかしてきました。

 先月の時は新規開店に伴う在庫移動とかでずいぶん品揃えが薄くなっていた印象の鉄道模型ですが少しづつながら復調の気配が感じられるのは何よりです。

 個人的に出物もいくつか発掘できましたし

 その一つがGMの名鉄7700系のキットメイク品らしきもの。
 前にも書きましたが鉄コレのN化車と同様にGMのキットメイク品は中古としては安く買い叩かれる傾向がある様です。
 個人的にはその在り方には疑問を感じているのですが一方でそこに目をつぶれば安い買い物ができるのも確かなので複雑です。
 何しろM付の2連で1500円でしたから。

 7700系は最低2連で優等列車が運用できるという意味でレイアウトユーザー向け(と当のメーカーHPでも書いてあったりします)ですが今回の様に旧動力を装備したモデルだと音が喧しい物のかなり小回りが効くのでミニカーブ運用がメインのレイアウトでも割合気楽に入線できるメリットがあります。
 (そういえば数か月前に同じショップにあった5300系も2連のGM車でした)

 フロントに貫通路、側面はパノラマカーの血を引く連続窓とかなり異彩を放つルックスもキハ8000系同様私の好みだったりします。

 キットメイクらしくやや腰高な上に前ユーザーが前面カプラーをKATO化しているので少し電車っぽさに欠けるきらいはありますが運転派にとってはもう2~4連の増結に対応していると思えば我慢の範囲内でしょう。
 それにしてもこういう「短編成で成立する(しかも様になる)優等列車」を作らせると名鉄のセンスの良さは際立っています。

 試運転では棚幡線を走らせましたが本来なら村山橋風モジュールの方が似合う編成と言えましょう。
 今度試してみます。

「鉄道ファンでない鉄道模型ファン」は存在するか?し得るのか?

2016-01-26 05:45:58 | 思いつくままに・考察













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 昔のTMSを読んでいて触発された事から。

 もう50年以上前の1962年のTMSバックナンバーが何冊か安く手に入り帰りの電車で読みふけっていたのですがその中のある話が目を引きました。
 「鉄道ファンでない鉄道模型好き」という人種の登場がこれからの鉄道模型会の成熟には必要ではないかという、確かそんな内容のミキストだったと思います。

 「鉄道模型嫌いの鉄道好き」だったら当時も今も結構いそうな気もしますが、「鉄道ファンでない鉄道模型好き」という人種も今となっては意外に潜在層が多いのではないかという気がしています。
 とはいえ、これを読むまでは「鉄道模型が好きな人間なら鉄道も好きに決まっている」と漠然と思っていたのでそんな心の中に楔を打ち込まれた様な衝撃も感じました。

 この論旨は元々は「最近の鉄道模型ユーザーが手を動かさなくなった」事に対する危惧からスタートしたものらしく、後の号ではそれを巡った軽い論争的なやり取りが掲載されています。
 (実はこれにも驚きました。「50年前にそんな事が問題なら今の現状はどうなの!?」笑。ですが鉄オタのマナー問題といい、50年やそこいらで人間は進歩しない物らしい事を再認識させられました)

 さて、これらについては読んでゆくうちに少し触発されましたので少し書いてみたいと思います。

 そこに出ていたいくつかの文言を私の記憶に沿って再現して見ると

 実物の鉄道が好きでそれを再現するためのモデルを作る人も確かに多いだろうが、何かを作る事に興味を持っている人の琴線にたまたま鉄道と言う対象があったがために鉄道模型マニアになったと言うタイプの人もあるはず。
 ここで夫々が自分を振り返って見たら鉄道が好きで鉄道模型が好きなのか、あるいは「作る楽しみ」が興味の中心なのではないか?

 鉄道ファンと鉄道模型ファンの唯一の違いは「何かを製作するかしないか」であり鉄道ファンが学究的ならば鉄道模型ファンの本質は「創造的」にあるのではないか。
 (但し「集めるだけで作らないコレクター」は鉄道模型のファンと一緒にされるのは困る) 

 しかし「作る」と言う概念は時代とともに変化する。とにかくその個人独特の「よそでは売っていない物を作っていればそれは『作った』と解釈されても良いのではないか。

 というのが最初の問題提起であり、これに対して暫く後の号で反論や意見がいくつか寄せられています。
 そこでは

 (上記の論旨は)模型ファンの本質を「作る」事だけに置く事は危険ではないか。なぜなら「工作の量や技術力だけがファンの位置の高さを図る基準」にされかねない。
 昔と違って製作環境の進歩によって「工作」と言う概念が写真の現像や引きのばしと同じ様に容易にインスタント化されてきている。その中では製作者の持つ美的感覚やセンスが重要視されるのではないか。
 
 特にレイアウトでは車両以上にそうした面が重視され将来は「駅も山もポイントもあります」と言うだけのレイアウトはナンセンスになると思われる。

 そうなると車両を中心とした対象だけに興味のある実物ファンと模型ファンとが本質的に異なるのは明白である。

 あるいは

 鉄道ファンでない鉄道模型マニアが多ければ多いほど鉄道模型が発展するとは言い得ないのではないか。
 明らかに基本的な考証の異なるモデルばかりで埋められるのが発展だろうか?

 模型ファンの質が向上してくればその対象である実物の知識も要求されてくる。作るだけなら模型屋の職人こそが最も偉大なモデラーであろう。

 鉄道模型が作るだけの趣味だというならレイアウトの運転はどうなのか。運転のために既成品を買い求めレイアウトの建設に助手を雇うのは鉄道模型ファンではないのだろうか。

 確かこういう内容だったと思いますが(自分でもよく思い出せたなあとか思います)

 最近の鉄道模型の世界の論争を眼にするとまさに上記の論のいくつかが拡大再生産されて論争されている様な印象すら受けます。
 しかもこれは今から50何年か前のTMSの読者投稿やミキストの引用なのです。
 50年前にこれほどの考えを持って開陳されているのを凄いと思うべきか、それとも鉄道模型ファンなんて50年経っても進歩がないと呆れるべきなのか、正直言って私にはわかりません。

 それと時代的にこの問題提起に登場しにくいジャンルなのですが最近私の中で一つの潮流になっている「旧モデルのレストア」は「作るうちに入るのか?」と言うのも考えさせられる点だったりします。

 レストアを入れるならこれらの論議を読んでみて自分に当てはめて見るなら私の中では実物ファンと模型ファンとの比率は6:4くらいかなとか思います。
 上述の論議に出ている様にレイアウト作りがメインになって来ると車両工作はどうしても付随的になりがちですしそもそもちゃんとしたレイアウトを作るのに鉄道の知識しかなかったらおっつきません(笑)
 
 何より技術の優劣で言うなら間違いなく私などは下位の方な筈ですし。

 それにレイアウトやモジュールの製作に関する限りは「鉄道のある風景の再現」のために従来の鉄道マニアには思いもつかなかったセンスで作品をものにしているケースが増えているのです。

 これらの大半は余程出来のいい物を除けば専門誌に露出する事は殆どありませんが、ちょっと自分の周りを歩き回って見れば意外とそうした物を目にする機会があるものです。どちらかと言えば出不精に属する田舎者の私の周囲でさえそうなのですから都市部ではその比率は更に高まるでしょう。

 してみると50年後の今の目で観るなら「工作に対する興味」から鉄道模型に入り込んでくる層は増えていると思われますし底上げとまでは行かなくても鉄道模型ファンの層を幾分でも厚くはしているとは思います。
 ただ、これが鉄道模型そのものの発展にどれくらい寄与しているかと言うとそこは未知数ですが。

 ところで「手を使う工作」と言う概念の対極に「バーチャルリアリティ」と言うのがあると思いますがこれについても思った事があるのでこれについても近いうちに書いてみたいと思います。

 それにしても昔のTMSは面白い。
 談論風発、今でも見過ごされがちな事を発掘して考察、意見表明を重ねるスリリングさは今の専門誌全体に欠けているものですね。

「不動品」のマイクロED91タイプに目論む(汗)

2016-01-24 05:49:46 | 車両・電気機関車






 






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プロローグ

 今回は今年の初めに一年の計として出していたネタから。

 昨年の秋ごろに紹介した20系の入っていたジャンク袋にはマイクロのED91も入っていました。
 「ED91」と言いましたが実際にはCタイプのショーティ機です。

 モデルとしては相当な古ぼけ加減。
 そして何より(例によって)「走りません」と特筆大書された商品札が(笑)

 元々が他との抱き合わせのうちのひとつですしトータルで買うなら(例によって)3桁価格。
 オハネ2両にEF58(但しエンドウの)も付いてくるなら結構なリーズナブルさです。
 そんな訳で持ち帰りました。同梱の20系とEF58については前にも紹介しているので割愛します。

 問題のED91タイプの不動の動力ユニットですが通電してやるとモータは回転します。
 つまりモータや集電系ではなく駆動系のトラブルが中心と言う事になります。

 このユニット構造自体は簡単なのですがウォームギアとインサイドギアのかみ合わせに1ミリ近い隙間が空いているためモータが空回りしているというのがトラブルの実態でした。

 モータのマウントははめ合わせだけでハンダ付けしている所すらなく動力の分解は容易でした。
(と言うよりこれほど簡単な構造の動力ユニットは初めてです)

 ですが故障の原因が単純なだけに問題は厄介です。
 何しろ走る様に調整するには「ギアがかみ合う様にモータ位置を下げる」以外に方法が見当たらず、しかもこれがシャシの大掛かりな加工を要すると思われるからです。

 ついでに本機のウェイトのダイカストは微妙に変形(恐らく経年劣化)していて使い物になりません。

 この種のギアのトラブルは当時の「しなのマイクロエース」ではよく見られまして、初のプラ成形モデルだった185系の動力もギアが削れまくるほどモータが空転したりしています。

 つまりこれだけだとジャンク品以下。走れるモデルに戻すことは難しそうです。
 ですがこのED91をいじくっていてふと思いついた事が。
 これについては近いうちに書こうかと思います。




 今回入手のED91はギアの問題から走る事ができず、走れるモデルに戻すことは難しそうです。
 この時点では完全にジャンク品以下という事になります。
 
 ですがこれを手に取った時、ふと触発された所がありました。

 実はこのED91タイプ、以前「鉄道模型考古学N」と言う本で「2両合わせてスケール機を作りたくなる位印象をよく捉えた傑作」と書かれていた事です。
 そして私の手元には一昨年に入手していた(こちらは自走できる)同じED91タイプがもう1両あるのです。

 今回の1両だけならコレクションにもならないジャンクで終わってしまいますが同じのがもう1両となると話は変わります。

 何故と言って「そこまで傑作なら実際に2両組み合わせて見たくなる」ではありませんか(笑)
 因みにED91のスケール機は既にワールド工芸辺りからモデル化されているのでED91ファンならそちらを作った方が手っ取り早い訳です。
 (何より完全に実車準拠ですし)

 ですが今回の場合は「手元に材料があって工作自体に好奇心をかきたてられる」側面の方が大きいのでわたし的には全然OKです。
 第一「走りません」というのもこの場合は全く好都合ですし。 

 そんな事もあって20系やキハ35といった他のもろもろと共に袋ごとレジに持って行く仕儀となりました。
 (こちらの「同梱品」にも使い道があった事は前述した通りです)




 帰宅後さっそく以前入手のED91のボディを取り外し仮合わせをして見ます。
 「2両切継ぐ」なら出来る限りボディを長く取りたいのが人情ですから片側運転席直後のぎりぎりまでカットしたい所です。

 仮合わせした所で大体のボディサイズを割り出した所で次に「動力はどうするか」

 ここで好都合と言えるのが鉄コレの動力ユニットです。
 何しろ12M級から20・5M級まで各サイズがよりどりみどりで選べ、しかも他社のそれよりも入手が容易です。
 しかも最近は機関車用まで出ています。

 手持ちの鉄コレ動力(既に動力化したモデルから取り外して)を現物合わせしてみます。
 残念ながら機関車用のユニットはこの組み合わせではまだ短すぎる事が判明。
 15M級は逆に長すぎでした。

 車輪径が小さくなるのを覚悟で言うなら12M級動力がどうにか適合しそうです。
 (想定される両側デッキの分も計算して、ですが)
 但しスケール機に近づける事を考えると「実車の長さに合わなそう」と言う事の他にもうひとつ問題があります。
 それはサイドビューの窓とルーバーの数。

 この切り継ぎパターンですと実車の5枚に対してモデルは4枚。
 ルーバーの配列に至っては実車でも見ないと思われる「ルーバーが4連連続する」外見となります。
 つまり真横から見ると「ED91に見えない」であろう事は必須ではないかと。

 こればかりは目をつぶるしかありません。
 それにこの動力ユニットは片側駆動で牽引力にも問題が残りますし(汗)


 上の写真は二つのボディを切り継いだらどうなるかを2枚の写真を合成してシミュレートしたものです。
 PCのおかげでこんな事ができる様になったのは有難い話ですが、これでも「もっとも上手く行った場合はこうなる」と言う目安程度のものです。
 しかも自分の腕と照らし合わせても確実にこれよりも仕上がりは悪くなるであろうことは必定。



 動力ユニットですがボディ内部のポッチが当たらないなどの理由から鉄コレの12M級が最も適当と思われるので手持ちの上田電鉄から一旦動力をドナーして対応します。
 (実はこの12M級動力、この春に再販が決まったのだそうで今は宙に浮いた形になる上田の電車もいずれ復活可能となるという目論見からです)

 さて、肝心のボディカット。2台のボディの運転台ぎりぎりの所から切断、組み合わせる事で少しでも長さを確保するつもりでいました。

 ところがレザーソウを垂直治具に当てて切断したまでは良かったのですが治具の隙間のわずかな遊びのために微妙に曲がって切れてしまう体たらく。
 わずか1ミリの狂いでも実物換算では15センチですからつなぎ目の曲りが目立ってしまい参ります。
 何しろ今回のは寸法的にもぎりぎりの線なので切削の遊びが大きくとれません。

 しかも切断中に徐々に今回購入のモデルの方がボディにバリバリとひび割れを生じ始めました。
 以前購入の新しい年式のボディの方はサクサクと切れたので、モデルの年代的にプラスチックの経年劣化が進行していたようです。
 前面に至ってはちょっと押しただけでぺきぺき折れてしまう始末。
 ついに前面と側面が粉々に近い所まで分解してしまい一瞬頭の中が真っ白になります。

 これまで相当な高年式のモデルをベースにした改造を何度かやっていますがボディがここまで脆くなっていたケースは初めてでした。

 幸いと言いますか、場所がお菓子の「東雲」の箱の中での作業だったために大半の破片がその箱の中に納まってくれたのだけは幸いでした。

 やむなく割れた部分を再度貼り直すなどのリペアも同時並行で進行、切り継ぎ工作の筈が途中から「ジグソーパズル」のノリに変わってしまいました。

 まさかこういう事になるとは思いもしませんでした。

 おかげでただでさえ見苦しいボディが更に凄い事になりました(大汗)
 更に鋸が直接当たっていた2体のボディの接合部付近の破片は粉々状態でどうにもならないので楔状に切ったプラバンで更に穴埋め。
 いつボディが割れるか冷や冷や物の現状を思うとパテ盛切削など思いもよりません。

 それでも切り継いだボディをユニットに載せてみるとどうにかぴったりです。
 足回り、特に台車枠がベースの上田電鉄そのまんまなのはやむを得ません。但しカプラーだけはスペーサーで伸ばせるだけ伸ばしました。この上にデッキを持ってくるためです。

 もちろん試走でも問題なく走り切りました(吊るしの動力なので当たり前と言えばそうなのですが)

 デッキの部分はこの時点ではプラ版切り出しのパーツをボディに接着。
 手すりもオリジナルのモデルからの移植です。




 今回の改造に当たって昨年暮れに秋葉原のGMに出向いて必要と思われるパーツを調達しました。
 パンタはTOMIXのED75用を転用、碍子類は彼の地でも銀河の物が残っていなかったのでGMの交直流電車用を数両分入れました。
 配線類についてはエバグリの処分品に燐青銅線の処分品があったのでそれを入手しました。
 これらはいずれも屋上機器類の加工用です。

 が、参るのが実際のED91の配線がどうなっているのかの資料が極端に少ない事。
 ワールドのモデル写真まで探してある程度は見当を付けましたがさて、どうしたものか。

 なお今回のモデルは現存するED91のどれとも窓やルーバーの配置が異なるため、完全な「タイプ」となります。
 実車に存在しない6号機以上の数字を代入する感じになりそうです。

 何とか形が出来上がったところで、とりあえず塗装。
 ボディカラーは近似色としてMr Colorのモンツァレッドを使用。
 本来は塗膜が薄く出来るラッカー系を使いたかったのですが接合部の乱れがひどすぎるので塗膜を厚めにしてごまかそうという姑息極まる手段なのはここだけの秘密です。

 屋根上は定石の黒。
 これも悲惨としか言いようのない塗りです。
 
 ここまでやった時点で屋上機器の取り付けを。

 とはいえよく見るとこのモデルと実際のED91とでは屋根上の凸凹の配置がまるで異なることも判明しています。
 ですから碍子を植えるにも「それっぽい配列」以上の事はできません。

 同じ事はED75そのまんまのパンタでも同様です。




 ここまでの改造でボディ本体の方はどうにか形になりつつありますが問題として残ったのはデッキの部分です。
 もともとED91タイプに付いていたデッキ部はシャシとほぼ一体となっており鉄コレの12M級動力とのマッチングの点で問題を残していました。

 何しろED91動力のカプラーは殆ど固定されていて首すら左右に振りません。
 ですのでとりあえずとしてプラバンにED91の手すりを貼りつけたもので当初は代用していましたがデッキ部の下の部分が如何にもスカスカで見た目に間抜けすぎます。

 何か代用できそうなパーツが無いか考えていたのですが、例えばKATOのタキ3000や鉄コレの機関車の前部なども検討した物のどうもピンときません。

 ですがそこまで考えていて、ここでふと思いついた事が。

 実は以前乗工社の小田急デユニ1000を動力化した際にジャンク品のKATOのDD13の動力をドナーした事があります。
 その際元々の車体を取り外して取って置いていたのですが、その中に前部を含めたデッキ部分一式のパーツもあったのです。

 この部分をED91の車体に装着できればこれまで以上にそれらしい外見になりますしデッキ部にカプラーを逃がすための欠き取りがあるのでカプラーへの対応も出来そうです。
 早速パーツを引っ張り出して見ましたが、どうにか行けそうに見えます。

 早速デッキ部をカットしましたがカットしたデッキ部はボディよりも動力ユニットに取りつけた方が手すりの高さが自然なようだったので、ユニットの端部を若干カットして接着しました。
 前の写真で紹介したプラバン製の即席デッキよりは様になります。

 惜しいのはデッキ部の材質が塗料ののりにくい物だった事で貼り付け時に一部がはがれ始めたのでリペイントが必須の情勢です。
 併せて車体下部に黄色いクラフトテープを貼り付けラインの代用とします。
 (実はこれも接合部の段差を目立たなくさせるための姑息な策なのですが)
 実車ではこのラインから下は黒ですがボディと動力ユニットとの段差が案外大きく下手に黒く塗るとかえって段差が強調されそうだったのでとりあえずそのままにしています。




 今回のモデルも一応出来上がりましたが、側面から見ると実車に無い「側面4枚窓」に「迫力の8連ルーバー(笑)」実車に思い入れのある向きには失笑物です。
 (もちろんこの程度の仕上げしかできない私の腕の問題もあるのですが)
 ですがそこを離れて見る限りは「一応ED91みたいには見える」のが収穫でした。

 このモデルの製作開始時にも書きましたが「鉄道模型考古学N」で著者の松本吉之氏が描かれていた様に「2両切り継いでスケール機を作りたくなるほど実車の印象を捉えた傑作」と言うのは嘘ではないと思います。
 (まさか自分がそれを実行するとは2両目のジャンク品を買うまで思いもつきませんでしたが)
 その意味では何かの理由でこのボディが2両手に入って窓やルーバーのスムージングができる方なら必ず今回以上の出来栄えになると思います。

 或いは前面だけを使い、側面を自作するならボディも1両分で済みますしむしろそっちの方が楽かもしれません。

 さて、一応形の出来たED91(のようなもの)をレイアウト上で試走させます。
 動力ユニットが片側台車駆動の鉄コレ12M級なので牽引力ははっきりいって期待できません。

 平坦線のエンドレスでTOMIXのオハ35系3~4連が精々と言った所でしかもこれでも息を切らします。

 以前紹介したTOMIXの9600機関車に似た様な「非力だけれど一生懸命走っている」感とでも言えば良いでしょうか。
 見るからに試作機上がりの機関車と言えなくもない走り味です。

 今回の工作は「たまたま材料が揃ったのでやってみた」感が強く実車への思い入れと言うよりはアイデア工作に近いノリでした。
 ある意味「作るために作る」と言う工作でしたが、でもそれが結構楽しかったです。

 これでもう少しでも腕が上がれば…

ジオコレの「駅前近代ビル」と秋葉の思い出(笑)

2016-01-23 05:48:15 | ストラクチャー

 私が初めて秋葉原と言う場所を意識したのは中学の時に上京してラジオを買ってもらった時でした。
 田舎者には「電気屋さんだけでできている街」というのが当時は結構なカルチャーショックでしたし、そこに黒山の人だかりができていると言うのも驚きでした。

 (まあ、その前にアメ横につきあって「電車の駅と駅の間が全部商店街」と言うのに驚かされたりもしたのですが)

 その夜、ホテルで観たテレビで「石丸電気」のCFを観た時にも「田舎のデパート一軒分のビルが丸ごと電気屋さん」と言うのに二度びっくりする訳です。

 その後、現住地に移り住んでからも「大晦日の夜に実家用のビデオデッキを買ってその足で最終の新幹線に持ち込んだ」とか「地元の電気屋にない特大サイズのホットプレートを買って持ち帰った」「最上階のLDコーナーでマイナーな映画ソフトを買った時に全く関係のないアニメのポスターが付いてきた」など、思い出には事欠かない店のひとつとなりました(笑)

 今回こんな話から始まるのは先日出たジオコレのビルのひとつが「本丸電気」だったりするからです。
 昨年の暮れに「駅前再開発」と称してに続いて近代型のビルが三棟リリースされました。
 以前リリースされた「ぺデストリアンデッキ」と併せて近代的なビル街が組めるわけです。

 で、中でも一番大きいビルのイメージは確かに「電気街にでもありそうな背高のっぽ」のそれなのです。
 今の秋葉に行ってもこういうタイプの電気屋さんは激減してしまいましたが私にとっては懐かしい物に見えました。

 もうひとセットは半分の敷地面積で二棟のビルがセットになっていますが、これも確かに最近の街並みで見かけるタイプのものです。
 地価の高い都会ほどこの手のビルの比率が高まるものですがこんなのまでリリースされるとはジオコレ恐るべし。これならレイアウトの既存のビル街のわずかな隙間を縫ってこっそり紛れ込ませる事すらできそうな気がします。

 パッケージの作例にある様なジオコレの「昭和のビル」との組み合わせも悪くありませんがウェザリング等でトーンを揃えれば(造形のラフさによる落差をカバーするために)ジオタウンの近代ビルなんかと併せるのも悪くはありません。

 それにしてもここまで出すのならそろそろ「都会のターミナル駅ビル」なんてのも出そうで怖いです。

Nゲージ50年を振り返ったこの1年(笑)

2016-01-22 05:43:02 | 趣味の原点をふり返る
 今回の話は本来なら昨年暮れに上げる予定だったのですが、つい年を越してしまいました。
 出し遅れの証文みたいな感じになっていますがご勘弁ください。

 昨年はKATOが製品としての日本型Nゲージとしては初となる「初代C50とオハ31」をリリースしてから50年に当たる節目の年だそうです。

 
 鉄コレも10周年、記憶に間違いなければグリーンマックスがNに進出したのも40周年だったかな?と。
 (今は鉄道模型をやっていないですが学研のNゲージも40年前のリリースだった筈です)
 ついでながら私が75年にこの趣味を本格化させてから(途中20年のブランクがありますが)40周年にも当たります。
 してみるとKATOに限らず2015年とはあらゆる意味で節目の年だったと言えます。

 このブログでもそれにあやかる形で(かなり強引な内様ですが)Nゲージの50年を私なりに振りかえる企画をやってみたりしつつ当時を回顧して見たりしました。

 私がNを始めた時期自体KATOのNの10周年のタイミングの筈ですが、その当時でさえNのラインナップは16番はおろかメルクリンのZゲージよりも貧弱な状態でした。
 それでも始めて入線させたキハユニ26を線路上で走らせた時の感動は忘れられません
 (パックは16番用、線路はフレキシブル、フィーダーに至っては「ワニ口グリップ」でしたが)


 「走らせるシステム」としてのNゲージが確立したのは翌年に当時のトミーが「TOMIX」をスタートさせてからです。
 このインパクトは大きく、現在のうちのレイアウトはTOMIXが無かったら絶対に存在できないとすら言いきれるほどの意味を持っています。

 ですから私の中では「KATOはNゲージの生みの親あるいは元祖」「TOMIXはNゲージの育ての親、もしくは中興の祖」と言うステイタスがあります。
 つまりKATOだけでも又TOMIXだけでも現在のNの隆盛はあり得なかったと。
(後発のGM、学研、マイクロエース、MODEMOなどはこの2社の補足的な存在意義に留まってしまっています)

 ですから私なんぞからすれば「KATOかTOMIXか」と言う論争は例えるなら「お父さんとお母さんのどっちがいいか」と訊かれている様な物で答えに困るのです。

 何れにせよその後の紆余曲折もあるにせよNゲージは50年でここまで来ました。

 今の時点で今後のNがどうなるのかはわかりませんが、私にとって鉄道模型のメインストリームがNであり続ける事は間違いないと思います。
 昨年と言う年は一面そうした事を再確認する一年でもあったのではないかと。

 その意味では随分理屈っぽく過ごした一年でもあったなあと反省しきりです(汗)

 ああ、そう言えばTOMIXも今年か来年が40周年だったのでは?

 余談です
 先日KATOの50周年モデルの第二弾がC50のリニューアル品と発表されました。
 最近のKATO蒸機の出来を考えるとかなり期待できると思うのですが最初は「予価2万円越え」にショックを受けたのも確かです。
 ですがよく聞いてみると「50周年記念DVDとブックレットの付いたセットらしい」との事でそれなら幾分納得できる気もします。
 ですが、だとするとやっぱりこれも予約しなければという気分になってしまいました。
 その理由についてはいずれ書く事もあると思います(大汗)

「偉大なる凡庸」の系譜・番外編・TOMIXの「近郊住宅」

2016-01-21 05:39:46 | ストラクチャー
 偉大なる凡庸の系譜、今回は搦め手と言うか番外編です。

 Nゲージのレイアウトの普及の一因としてストラクチャーの量販化と言う側面があるのには異論は少ないと思います。
 特に初期の普及期の時点でGMとTOMIXが競い合いながら着々とラインナップをそろえてきた事の意味は大きかったと思います。

 とはいえその弊害で一時期「どのレイアウトを見ても風景が同じ」という現象もあったのですが。

 個人的にその中の傑作と思うひとつがTOMIXの「近郊住宅」です。

 この当時Nの一般住宅はGMのキットからも出ていましたが改造がしやすい反面「どの方向から見ても同じに見える」とか「ちまちまし過ぎて印象が薄い」とか言った欠点も指摘されてきました。
 個人的に思うのですがその印象の最大の理由に「間取りが推定できない真四角な敷地設定」そして「普通なら大抵の住宅にある掃き出し窓がない」事が挙げられると思います。
 前者は切り継ぎ改造である程度は解消できますが後者はちょっと難物でした。

 そんな中、わらぶき農家に続いてTOMIXがリリースしたのが近郊住宅でした。
 写真を見てお分かりの通り上述の欠点がこのモデルには殆どありません。郊外と言わず下町でも田園地帯でもどこに置いても様になる稀有なストラクチャーです。

 掃き出し窓ばかりかそれに付随する雨戸の戸袋、二階のベランダ部分もきちんと再現され、一階と二階の作り分けもきちんとしています。
 このままでももちろん様になりますが室内にカーテンを引いたりベランダに干し物でも追加すると更にパーフェクトになります。

 実際、レイアウト用品としての住宅に求められるのはこの「どこにでもありそうな普通さ」であり、その点で先日書いたGMの商店と並び「偉大なる凡庸」たる所以だと思います。
 これに限らずTOMIXのストラクチャーは他社に比べると「普通さの表現」に優れたものが多く「コンビニエンスストア」「アパート」等は未だに傑作モデルと思います。

 さて、なんで今になってこんな感想を書いたかと言うと先日の上京で某ショップで久しぶりにこれの中古を買い込んだ・・・ばかりでなく先日の帰省でももう一軒中古を購入(前ユーザーの趣味か、塀がレンガ色に塗られていたのがいい味出していました)したからだったりするのですが、実はそれとは別に当レイアウトでは既に二軒の郊外住宅が建っています。
 それでも敢えてこれをを買ったのは「見る向きによって印象が違う」点を買ったからで色を塗り替える等すれば同形の建物に見えなくすることも割合楽です。
 裏口周りもきちんと「裏口らしく」作られていますがここまで気配りされたモデルは今でも案外少ないです。

 今はジオコレやジオタウン、みにちゅあーとのおかげでNの住宅モデルもかなり拡充してきました。
 ですがそれらの中にこっそりこの近郊住宅を放り込んでもあっさりと溶け込んでしまう辺りはこのモデルのいちばんの人徳と言えます。


エンドウの「都営地下鉄10-000形」が入線する

2016-01-20 05:36:58 | 車両・私鉄/民鉄

 今回の帰省では帰省先でモデルを買った時の試運転用と称して先日エバグリで買ったエンドウのエンドレスレールセットを持ち込みました。
 この種の線路は既にファイントラックのカント付きが既にありますがカーブの径が小さいので無理すれば複線化も可能と言う目論見(笑)です。

 ですからこのセットを持ち込んだこと自体に全く他意はなかったのですが、それに加えてまさかエンドウの中古車両が入手できるとは思いませんでした。
 実家に向かう途中立ち寄った某県にて新装オープンした全国チェーンの中古ショップを覗いたのですが、そこで見つけたのが

 エンドウの都営地下鉄10-000形の4連です。
 これも都会のショップとか奥などでは出物が少なくあっても私には手の出ない値付けであることの多いモデルなのですが、オープンセールだったからか、相場が分からなかったのか驚くような安さで入手できました。
(とはいえ、ショップのある街は私の故郷などよりも十二分に都会なところのはずなのですが)

 中古モデルの値札を見て(相場よりも…と言う意味ですが)「安くて驚いた」のはかなり久しぶりのことです。尤もこのモデルは最近マイクロからも製品が出ているので細密モデルがお好きな向きはそちらの方が後悔しないと思います。
 私個人はこのエンドウので十分以上ですが(笑)

 車体全体がメッキされたコルゲート車体の電車なのですが以前入手したキハ35-900程にはくたびれた感じはなくむしろかなり良いコンディションの車体でした。
 プレス打ち抜きゆえの窓周りのクリーンさは今でも(わたし的には)十分に魅力的に見えます。
 屋根上のアンテナ類も丁寧な作りがされており細密ではない物のかなり好感の持てる造りになっています。
 この辺のディテーリングの取捨選択の適切さはいかにも量産ブラス模型に手慣れたメーカーらしいところではないでしょうか。

 走行性能もエンドウの中古としては相当に滑らかに走る部類でした。
 実車は京王線と相互乗り入れを果たしていた車両ですので同時期の京王の車両との相性も悪くないでしょう。
 また、実車では今回のモデルより後に作られた仕様(外見が一部異なりますが)だと高尾山口まで乗り入れている物もあったりするので「山の中の単線を走る地下鉄」としてローカルレイアウトとの相性も良いかもしれません(本当?)

「趣味のカラー」のED75(笑)

2016-01-19 05:35:39 | 車両・電気機関車
 昨年最後の入線、現住地に持ち帰ったという意味では今年最初の入線車という事にもなりますか(EF55の立場は?)

 帰省の途上で新宿の某有名ショップのジャンク品の中から発掘したものです。
 見ての通りKATOのED75のリペイント品。

 走行状態には問題なく、カプラーが交換されている以外特に瑕疵は観られません。
 これで1000円ちょいですから安かった理由はどう見てもこのカラーリングでしょう。

 塗装自体はかすれなども最小限でそれほど悪い物ではありません。

 これを見た時、思わずかつてのマイクロエースがやっていた「趣味のカラー」と言う一連の製品を連想してしまいました。
 「趣味のカラー」をご存じない方に説明しますと倒産したしなのマイクロが有井に吸収された直後位にしなのの最後の頃の製品だったEF71、EF64や10系客車なんかをフランスのTGVをはじめ各国の列車のカラーリングに変更して売り出したものです。

 もう30年近く前になりますか、当時は鉄道模型の趣味の中断中だったのですがたまたま立ち寄った池袋の駅前の露店でマイクロの「趣味のカラー」製品が叩き売り状態だったのを見た事があります。
 あの当時でも(個人的にですが)かなり珍妙な製品と言う印象があり手を出す気になれませんでした。

 まあ、あの頃はNの車両のラインナップも発展途上でしたしこの手のフリーランス的なカラバリが受け入れられる余地は少なかったと思います。

 今回のED75、個人のリペイント品と言う点で意味合いは違いますが今になってこういうモデルを見ると一種わくわくさせるものがあります。

 実車のED75にもJR貨物仕様のカラーとかオリエントサルーン仕様などのカラバリが存在しますが個人的にはどれもピンと来ない物がありあれだけED75を入線させていながら「赤い75」以外は在籍した事がありません。
 これまた個人的な印象なのですがこれまでのカラバリは殆どが赤基調のカラーリングばかりでノーマルの75を中途半端に塗り替えた様な感じがあったからだと思います。

 それが今回は通常車との共通点の少ないカシオペアカラー。
 これ位豪快に変わっているといっそ清々しい気すらします(笑)

 なにより大晦日の年越し運転のゲストとしても結構華を添えてくれそうな気がしました。

 その狙いは過たず、鉄道ホビートレインとともに「単線エンドレスのお座敷運転」をそこそこお祭り騒ぎに変えてくれた効果は大きい物があります。

「鉄道模型」と「カーライフ」のはなし・番外編・これはクルマか電車か?

2016-01-17 05:30:04 | 思いつくままに・考察
 今回は昨年夏頃に書いた「鉄道模型とカーライフ」の番外編です。

 昨年暮れ、諸般の事情で車を買い替える事になり暮れのギリギリのタイミングで納車されました。
 運転会のモジュール運搬や帰省時の車中泊、更には子供の自転車まで積み込んで走行する用途となると5ナンバーサイズのミニバンが最も適しています。燃費と凍結路の走行性も考慮するとできればハイブリッド車が有効と考えました。
 結局在庫車があり年内の即納が可能、同じ理由で値引きが比較的良かったという事でエスクァイアのHVに決まった次第です。


 ですがこの流れ、昨年夏にこのブログで書いた事と殆ど同じだったのについ苦笑しました。
 あれを書いた時点ではこれほど早くクルマを買いかえるとは考えていませんでしたから(汗)
 さて、それから一週間、その間に年まで越したエスクァイア。

 早速買い物に通勤にと使い倒されています。
 運転時ここ一番の加速が欲しい時などはパワーモードを使いますが、それ以外は原則エコモードでの走行です。

 そんな使い方を一週間続けて思ったこと

「これは自家用の電車だw」

 エコモードでの加速のとろさはクルマとしてみると許しがたい向きも多いと思いますが、そのとろくさい加速の中、インバータサウンドをかすかに響かせながら走行する様は「加速」とか「アクセルオン」とかではなく「力行」という言葉がぴったり来ます。で、アクセルを離すと「惰行」になると(笑)
 もちろんある程度以上の加速では徐々にエンジンにバトンタッチするのですが最近のトヨタ車らしくエンジン音が意外と出しゃばらない上に動力が変わっても加速の傾向があまり変わらないので「電車っぽさ」もそのまま継続します。
 更に車内には電車ほどでないにしてもインバータの音が響き、加減速の度に電車のサウンドが響きます。
 (さすがに歌は歌いませんが)

 減速時に至っては回生ブレーキが作動するのでこれまた電車的。
 モータが発電した電気を架線に戻すか電池に貯めこむかが違うだけで急ブレーキでもない限りはこの減速フィールも電車的なのです。
 (この点、旧型エスティマハイブリッドの方がまだ自動車的なフィーリングでした)
 あらかじめ余裕を持って徐々に減速やレーンチェンジ(これまたポイントを通って側線に滑り込むような感覚)をしてゆくと特にこれらの「電車感覚」を感じます(笑)

 このクルマ、動力自体は先行して出ているプリウスαとほぼ同じ。
 但し車重が重い上に重心も高いエスクァイアの場合プリウスやアクアほどには急加速や高速旋回を要するシチュエーションが少ないのでより電車的な側面が強調されるきらいもあると思います。
 (少なくともこれに乗って飛ばそうという気にはなりません)

 とどめに電車的なのがその着座位置・姿勢とパッケージング。

 容積型ミニバンゆえに背も室内高も高く室内が前後に細長い事、ウォークスルーと称する通路が車内を貫通している事などは他車とほぼ同じなのですがどうもそれだけとは思えません。
 ところが実際に運転席に着いてみるとこれまで乗ってきたミニバンよりも見晴らしがはるかによく感じられる事に気づかされました。

 背の高さは昔のワンボックスよりもかなり低くなっているのになぜかと思ったのですがエスクァイア(及び兄弟車のノア・ヴォクシー)の場合窓のウェストラインもかなり低い事に気づきました。
 私だけでなく周囲で見かける同形車を覗いてみると大概「外からドライバーの肘が見える」のです。
 これは乗用車としては異例の事です。
 普通のセダンなんかだと意識的にウェストラインを高く設定して「コクピット感覚」とか「包まれ感」を演出するのが定石なのですがエスクァイアはそれとは真逆の「露出感」「解放感」を優先した作りになっているようです。
 更にシートもセダンに比べてはるかにアップライトな着座位置の高いシートですがこれも電車、それも特急電車辺りの雰囲気に近いものです(特にクルマ用としては異例に大きいヘッドレストもそれを助長している感じがします)

 これはこの車の前に出ている初代ポルテとほぼ同じ文法で見様によっては「走る温室」にもなりかねないのですが、この構造自体も最近の路面電車のそれによく似ています。

 これらのすべての印象が積み重なって「自家用電車」とでも言う様なハイブリッドミニバン特有のフィールにつながっているのではないかと思います。
 なお上述の加速傾向ですが「パワーモード」を選択するとかなり自動車らしい加速に変身します。
 (モータとエンジンが同時作動する比率も増えて力強さも増します)
 電車感覚がうっとおしい向きはパワーモードに入れっぱなしの方が良いかもしれません。現にプリウスに乗っている知り合いの多くはパワーモードを常用しているそうですし。

 してみるとこの車、「電車ファンの自家用車」としては面白い存在かもしれません。

 今後この種の容積型ハイブリッドミニバンはステップワゴンやセレナにも登場するらしいので選択肢も広くなるでしょうし予算と使用頻度さえ許せば(HVで価格差の元を取るには相当な期間と走行距離がかかります)おすすめかもしれません。

ワールド工芸のEF55・マイクロと比べてみる

2016-01-16 05:25:10 | 車両・電気機関車
 今回は今年最初の入線車から。
 故郷の中古ショップの開店直後と言う時間に入店・入手した拾い物です。
 元日の午前中と言う時間帯の中古モデル購入というのは昨年元日の夕方購入のKATOのD51よりも早い新記録です(笑)

 物はEF55、ワールド工芸のモデルです。
 聞く所ではワールドのEF55は20世紀中に3回モデルチェンジを繰り返していたそうでそれぞれサイズや動力の構造に差異があります。
 今回入手できたのは3代目に相当するモデルの様で(理由は後述)90年代の時点では唯一のEF55の量産モデルだそうです。

 しかも説明書を見る限りキットを組みたてた物らしいのですが塗装の仕上がり具合はメーカーモデルに引けを取りません。
 キットメイクとすると前ユーザーはかなりの腕のモデラーと思います。

 さて、EF55と言うと今最も入手しやすいのはマイクロエースのプラ製品という事になりますが、動力改良のタイミングで数年前にこちらのモデルも入線させています。
 当然このふたつを比較してその個性や特徴の違いを楽しめる(笑)訳です。

 今年の仕事始めの一日はこのモデルが気になって気になって(汗)
 そんな訳で早速並べて見ましたが
 「ぱっと見では見分けがつかない」位に造形のレベルが接近しています。
 ボディ周りを見る限りはこっそりふたつをとっかえてもとっさには分らないのではないでしょうか。

 これがTOMIX(あるいはKATO)と昔のエンドウ・しなのマイクロ辺りのブラスモデルとの比較だとボディ造形に歴然とした差があったのですがワールド工芸やシバサキの登場以降はその差は一気に縮まった印象です。
 一方でこれまでプラ造形モデルが苦手としてきた手すり類の別パーツ化もマイクロやKATOがかなり手を加えるようになってきましたから素材の違いによる差は随分双方が歩み寄ってきている感じもします。
 それでもよく見れば、マイクロのは肉厚のプラボディにはめ込み窓ガラスを採用しているため窓が厚ぼったい印象ですしワールドのは肉薄のボディに薄い透明プラバンを貼りつけた感じで金属らしさは出ています。

 ただ、寸法面で言えばマイクロの55の方がワールドよりもデッキを含めた長さが微妙に大きかったのは意外でした。

 というのもワールドのEF55は初代モデルこそプロポーション重視で幅狭の小柄なボディだったのを既存動力の利用の関係から2代目になってからやや大きめに作り直されているという経緯を聞かされていたからです。
 2代目準拠の寸法のワールド製の3代目は当然大きめボディという事になりますがマイクロのは更にそれより大きい事になる訳です。

 そんな訳でボディの方の差は思いのほか少ないのですが、足回りはEF55特有の問題をクリアする手法の違いがはっきりしていて非常に興味深かったです。
 「EF55特有の問題」とは流線型ボディに極端に垂れ下がった前面スカートを先輪付の旧型電気の足回りと組み合わせた為にフロントの先輪が首を振りにくい構造になっておりNゲージの標準的なカーブ(280~315R)すらクリアできないか困難である事です。
 (ワールドのEF55が2代目でサイズアップした理由のひとつにこれがあったと思われます)

 その為に動力機構にはそれぞれの工夫がなされています。
 マイクロは第一先輪を「展示用」と「走行用」の車輪を使い分ける事で対応。展示用は普通のN車輪ですが走行用は黒のオールプラの一回り小さい車輪をはめ込み、走行中は宙に浮いた状態で対応させるという荒業を使いました。
 レンタルの様な大レイアウトで遠目で見ている分には気になりませんが、それでも相当に思いきった印象です。

 一方でワールドはボディ内に収まる動力ユニットに「平行移動装置」と称する機構を組み込みカーブではモ動力ユニットを左右動させる事で先輪が逃げるスペースを確保するやり方で対応したようです。
 この辺り実物を手に取って見ても詳しい機構がよくわかりませんが、レイアウト上で走らせる分には最急315Rのカーブは多少の抵抗こそあれどうにかクリアしました。

 動力の改造でずいぶん手間を掛けた印象ではありますが問題なく走らせるならカーブは350R以上の径が無難の様です。
 また、車体に固定されるアーノルドカプラーを使う限りは確実な連結を確保する上でも小径カーブでの使用はやめた方が良さそうです。
 (単独ではカプラー自体が首を振らないKATOカプラーでも同様)

 後部ではマイクロのデッキが後部台車とともに首を振る構造、ワールドはデッキは車体に固定されています。
 この辺りも長さの違う印象に拍車を掛けている気がします。

 結果としてこのふたつのモデル、見た目の差異よりも動力や台車の工夫の違いを見ている方がはるかに面白かったと思います。
 色々な意味で意外な比較ではありました。

年越し運転のあとさき

2016-01-15 05:19:20 | 旅行・探訪・イベントなど
 昨日も書きましたが、正月は仕事が二日からという事で帰省も実質2泊2日(笑)と言う神風帰省となった・・・と言ってもこういう年末年始がここ数年続いています。

 数年前までなら自宅のレイアウトで何本も列車が行き交う年越し運転だったのですがこれも1月上旬の「走り初め」に移行し、年越し運転そのものは「実家に仮設したエンドレスでのお座敷運行」になりました。

 実家に持ち込む車両も勢い制限されますが、大概の場合は帰省の途上や故郷の中古屋で入手したジャンク車や中古モデルが乱入するので意外とイベント性はあります。
 今気づいたのですがこういう用途に使うならNゲージと言うフォーマットは実にぴったりと思います。
 編成物でなければ車両の持ち運びが容易な上に新品中古共に非常に入手しやすいから「帰省の途中でひょいっと車両を追加する」なんて事ができてしまうのです。
 残念ながら16番やZゲージでこれをやるのはサイズと購入環境の面で厳しい物があります。

 世間が紅白をはじめとする様々なテレビ番組に興じつつ蕎麦でもすすっている様な時間帯。
 早速レールを架設して試運転をしている私がいたりするのですが私にとってはこれも恒例化した年越しのイベントなので寒くても気分は盛り上がります(笑)

 今回自宅から持ち込んだのはマイクロの「鉄道ホビートレイン」と昨年最後の新車となったKATOのC59。
 そのC59も単機回送運転が主でした。
 
 単線のエンドレスとはいえファイントラックのカント付を使っているので単機の運転でも結構いい走りっぷりになるのが取り柄です。それに前にも書きましたが鉄道ホビートレインは「どんな場所でもお祭り会場にしてしまう」独特のオーラがあるのでこういう場合には重宝します。
 とはいえ、会場が寒い部屋なのが祟ったか最初のうちは走りが今ひとつでした。

 帰省の途上、新宿の某中古屋で見つけたジャンク品のED75
 前ユーザーによって「趣味のカラー」化したスペシャル仕様車が今回乱入したゲストでした。
 走りもそこそこなのに恐らくはこのカラーリングのせいで異様なほどの安さだったモデルでしたがこういうイベントには打ってつけのロコと言えます。
 この車両については後で書きたいと思います。

 乱入組にはもう一組あったのですがこれについても後で紹介したいと思います。

 それはさておき、

 23時55分位から慣らし運転を始めたのは昨年を代表するモデルのひとつと言えるKATOのC59。
 前にも書きましたが走りもピカイチなので当初予定していたC12から急遽差し替えた経緯があります。
 単機で走らせても非常にゆったりした走りを見せてくれるのがこのロコの一番の美点と思います。

 0時の時報と同時にゆったりと発進してエンドレスを走り抜けるC59。今年もこれ位スムーズでありたいものです(汗)