麒麟琳記〜敏腕Pの日々のつぶやき改題

還暦手前の身の回りのこまごま。
スポーツや映画演劇など。

休演、而して仕込

2013年06月10日 | 制作公演関連
「而して」は「しこうして」と読みます。
漢文の授業で出てくる程度(?)の存在
だから、覚えてる人は覚えてるし
記憶の片隅にすらない人も多いだろう。
意味は「そうして」「それに加えて」。

今回タイトルに使ったのは、
何となく語呂がいいなぁと思っての事。
大意はなく、逆に文法的には些か変だ

ちなみに「些か」は「いささか」。

と言葉をこねくりまわしてみたが。
こーゆー悪文じゃなく、
イプセンの『ヘッダ・ガブラー』は
劇的な美しさもさることながら、
言葉の華麗さが魅力で、
ただ少々の時代掛かりが難。
それを、演出の矢内文章が
今に馴染むようテキストレジしていて
これが頗る評判が善い。

くどいが「頗る」は「すこぶる」

そんな6月10日『ヘッダ』は休演日。
僕は新宿のスペース・ゼロへ。
「非戦を選ぶ演劇人の会」が
明日明後日の公演にむけて、
仕込、そして舞台稽古です。

こちらは「日本国憲法」に拘った公演。
当日は小冊子にして配布もします。
豪華キャストでお届け(文末)。
11日19:00、12日14:00。

なのでACFをお休み。
12日夜からはルデコに参ります。

***

『いま、憲法のはなし
~戦争を放棄する意思』
台本構成/石原燃
演出/鵜山仁、演出捕/永井愛

出演/市毛良枝、円城寺あや、古村比呂、
ゴリ(ガレッジセール)、田岡美也子、
高橋長英、田根楽子、西山水木、根岸季衣、
平岳大、益岡徹、みやなおこ他

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『ヘッダ』とアイアンマンレース

2013年06月09日 | 制作公演関連
いわゆる「小劇場」と呼ばれる
演劇の公演は大概一週間が相場で、
週の前半ないし中盤に小屋入りし、
水曜から日曜まで、或いは
金土日の三日ってのが多いわけで。

これには経済の問題と、
そこに内包される需給バランスが
関連しての結果であるのだが
そこは端に寄せておいて…

水曜からギャラリー・ルデコで開幕した
この芝居も、さぁラストスパート!
と普通ならなるところです……。

けど。

アトリエ・センターフォワード
『ヘッダ・ガブラー』は
マラソンより長い
アイアンマンレースの趣。

全15回の、昨日でやっと三分の一だ。

ただ出だし3日の夜1回ずつから、
週末の2日で昼夜昼夜の4ステージ。

競技場を数周してからロードに出て、
走りのペースを掴んだところで
斜度のきっつ~い心臓破りの坂を
今まさに疾走中です。

役者は正念場。
ここを乗り越えれば月曜は休演。
給水ポイントとなります。

おっとっと。
心臓破りの坂は役者ばかりでなく、
例えば制作は、上のフロア
(文房具の展示会)が昨日撤収で
どったんばったん、かなりの音

向こうは向こうで時間との戦い。
階段を上がり
「本番中なんで勘弁してよ」と
決して言葉にはせず態度で示すと
敵は暫く静かになり、がそのうち
ガラガラガシャンと何かを落とす。
また階段を上がる。
走ると芝居に影響するから忍び足で。
……そんな裏での戦いなどあって。

15分の5を終えました。

今日は良い天気。
残り10ステージ、全回チケットあり。
ただし沢山はないのでお早めに。
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『ヘッダ』華麗なるスタッフワーク

2013年06月07日 | 制作公演関連
さて開幕から3ステージを
怒涛の連続フルハウスで疾駆する
アトリエ・センターフォワード
『ヘッダ・ガブラー』でございます。

今回、演出に専念の矢内※
のディレクションは
勿論素晴らしいのだが、

(※普段は作演出に加え
出演もしています)

これまでACF作品を支えてきた
舞台美術の宇野奈津子の仕事が
イプセンの古典を《現在》に
飛躍させる高性能エンジンとして
めっちゃ、効いています。

まぁ詳しく書けないんですが
学校の工作の延長線上の作業で
とてつもない世界を創出している
と書けば、観た方は納得してくれる
……のじゃないかしら(;^_^A

衣裳の有島由生も、相変わらず
……彼女はACFお初です。
ただ僕的に三度目なので、
あえて「相変わらず」と表現……
丁寧な仕事っぷりです。
助手で入っている友永香純との
息も大変良い。
(二人もこの現場で初タッグ)

さて、ギャラリー公演なので
劇場のような照明設備はない。
そんな中、矢内がそれを感じさせない
灯りを作っている。
音響は、基本、生音である。

その分、ヘアメイクを外部から招聘。
有名女優の髪も数多く手懸ける
鎌田直樹が独特の世界観で、
側方支援。
酒井高徳ばりのアーリークロスを放つ。


お客様にいただいた花。

舞台上には七輪の華、
役者が咲いていますが
裏方たちの花も見ごたえあります。
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完売続く『ヘッダ・ガブラー』

2013年06月06日 | 制作公演関連
アトリエ・センターフォワード
『ヘッダ・ガブラー』は昨日初日。

お陰さまで昨日今日と完売\(^O^)/
賑々しい封切りとなりました。
おっと、そして今明日も完売。

そんなルデコの五階から
渋谷駅方向をパシャ


特に意味はありません。
右の背の高いビルが
話題のヒカリエです。

そうそう。
渋谷駅は只今工事中。

地下からの出口は109につながる
《1》に始まり、徐々に増えて
ヒカリエの《15》が最大。
でしたが、最近明治通り脇に出る……
つまりは『ヘッダ』に行くのに便利な
……《16》出口が完成。
この通路がどぶ臭いのである。

利用される方は覚悟するか、
歩道橋ルートでご来場ください。

渋谷には暗渠が通っていて、
その「きわ」に作ったんだから仕方もない。

それこそ僕が小さい頃の
首都圏の河川なんざ
もぅ川だか、どぶだか解らないほど
汚れておりましたのです。


僕の住む地域には鶴見川という
全国ワースト3の常連で、
記憶が正しければ輝かしく(?)
ナンバーワンになった川があって。
絵の具使って絵をかいたあとの
洗筆の水の色のような流れが
放っていた、あの頃の匂いを
思い出しました。

小学校の3年だったか、
そんな川で遊んでて、誤って落ち
鱈腹その水を飲んだことがある。
色んな意味で死ぬと思ったな・・・

おっと、鶴見川の名誉のために補足。
今やアザラシだかも溯るほど
浄化されてます。

さて、そんな下々の暮らしには
関係なく育ったろうヘッダ。
しかし舞台の始まる時代、
将軍だった父の威光はなく、
否が応にも時代の新しい流れに
「溺れて」いくのです・・・

土曜日以降はまだチケットあり。
しかし油断するとなくなります。
ご予約はお早めに。

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さあ『ヘッダ』は明日初日、ザックジャパンはW杯へ!

2013年06月04日 | 制作公演関連
高速に乗ってまだ幾らも走ってないのに
サービスエリアに入るような、
今年の梅雨ですね。

めっちゃ早い入梅と聞いたけれど
余り降られた印象はなく、
今日なんざ《ブラジルW杯出場決定》
を祝うのに絶好のよい天気ではないか。

  

そう、素晴らしい気候なのだが
我々ACFは、昨日に引き続き仕込みっす。
ビルの五階なのにほとんど窓がない
閉塞感満点の黒塗りの空間で。

いや芝居をこさえるには
結構な雰囲気で着々準備は進んでます。
六階は文房具の展示会の、
四階は別の芝居の、それぞれ準備中で。

こんな感じでルデコ満室の巻です。

昨日はそんなわけで一階から六階まで
さまざまな使い方をする団体が
たった一台のエレベータを分け合い、
つまりはほぼ階段で搬入して
若干名、筋肉痛の者もいますが、
今日は元気に(?)頭から
各場面を細かく当たっております。

制作は廊下で、かわるがわる来る
劇団(やユニット)の折込対応。

お手伝いの辻子こと辻村嬢は、
僕の以前いた劇団の友理香先輩、
後輩の美奈子がバイトしてた
新宿の居酒屋Dでバイトしてて
二人を知っていたりする。
…世の中狭いな

とか書いているうち、
キックオフの時間を過ぎたよう。

勝つのはわかってますが、
状況が状況だけに生で見るのは無理。
まあ、しゃーない。
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2013年06月02日 | 制作公演関連
一昨日みた芝居。
ピンズ・ログ第七回公演
『短編集2013』
(作・演出/平林亜季子)は
題名通り四本の短い作品から成り
そのひとつ『花嫁の友』は
解散した劇団員たちの話でした。
その劇団名が「ル・ピリエ」。

「ル・ピリエ」は仏語の「柱」。
昔、池袋の映画館の地下に
同名の小劇場がありました。
知る人には懐かしい響き……。

建物を支えるべく太い柱があり
それは舞台を見る大きな妨げで、
けれども同時に魅力であった。

さて『ヘッダ・ガブラー』。
いよいよ三日後には幕をあける
会場の「ギャラリー・ルデコ」にも
舞台ほぼ中央にどんと柱が鎮座する。
かなりの存在感の・・・。

それをいかに活かすか、どう魅せるか、
演出の力量にもなるわけであります。

と柱のことを書きながら
思い出さずにはいられないのが、
四月の公演、ピタパタの『猫町』だ。

それほど太くはないものの、
中央に等間隔に柱が数本立っていた。

そこを旅館の柱に見立て、
掛かっている絵が曲がっているのを
女中が直す場面が早々にあった。
なんと『ヘッダ』でも
似た場面が出てまいります。

ちなみに下の写真の中央の柱は
実は仮設です。

(右から、出演の小暮智美、
渋谷はるか、演出の矢内文章、
そして再び俳優陣。
井上裕朗、吉田テツタ、辻親八)

今日で稽古場を払って、
明日はいよいよ劇場入りだ。

最後に少しだけピンズの話。
何度か見ているカンパニーで
見る度はずれがないが、
今回で活動休止というのが
本当にもったいないなと思った。
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