麒麟琳記〜敏腕Pの日々のつぶやき改題

還暦手前の身の回りのこまごま。
スポーツや映画演劇など。

四月馬鹿と、へのへのもへの。

2020年04月02日 | 鑑賞
織田作之助の掌編小説『四月馬鹿』。
昨日の弊ブログで触れた。
武田麟太郎の急逝に寄せた、
彼に対する愛の深い作品だと。

織田と言えば、衆知のとおり
「無頼派」、しかも三羽烏の一人。

まったく個人的な話だか・・・

太宰治は、父の故郷の英雄で、
夏休みの帰省時には当たり前に
斜陽館、芦野公園や小泊など、
太宰ゆかりの地を訪れたものだった。
(父が格段、ダザイストだったわけではなく、
津軽の観光地を巡るイコール
太宰ゆかりの地になっちゃうわけだが…)

縁とは不思議で、2017年には
太宰の朗読をライフワークとする
原きよ氏とも出会い、三鷹で
彼女主催の公演に制作でついた。
(三鷹は太宰が眠る場所でもある)

坂口安吾は大学が同門。
しかも文学部で、さらに三哲
(哲学科、印度哲学科、中国哲学文学科)
の、先輩は印哲、私は中哲なので、
かなり近しい学科と謂える。
2013年には二つが一つの学科になった。
東洋思想文化学科というらしい。
また。
私が1997年~2009年まで在団した
某劇団の程近くの小学校で、
坂口が代用教員をしていたのは有名で、
下北沢演劇祭の目玉企画のひとつ
「世田谷区民演劇上演グループ」の
稽古場として、その小学校を使ったことも。
その制作も長年務めた。

・・・要は、無頼派三羽烏の中では
織田への思い入れが一番小さいと。
それだけのことに随分文字数を使った。


無頼派といえば「ルパン」。
銀座の文壇バー。

ルパンといえば『ルパン三世』。
銭形のとっつぁんが逮捕した……
と思いきや、ルパンのジャケットを着た
案山子にすりかわるのはよくあるパターン。
で。
その顔は、へのへのもへじである。

ここでようやく『四月馬鹿』に戻る。

武田の原稿があがらず、
印刷所に缶詰になるくだりがあり、
武田はその状況でも筆が進まず、
原稿用紙に落書きをする。

それが・・・へのへのもへの

〈へのへのもへの〉?
思わずググってみた。
一説では、江戸時代の上方が
発祥起源で「へのへのもへの」の他
「へのへのもへまる」「へのへのもへまろ」
などがあり、関東へも伝播。
歌川広重の新法狂字図句画に登場する
侍の顔に「へへののもへいじ」。

成程。歴史があるのだな。

さて、恐らく、新型コロナに対しての
精神的疲弊のせいなのだろう。
国民の選んだ彼らは日夜精一杯に
国民のために働いてくれているのだ。
そんな国会議員の顔が、
へのへのもへじに見えるのは、
繰り返しになるけれど、
私の「コロナ疲れ」のせいに違いない。

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