麒麟琳記〜敏腕Pの日々のつぶやき改題

還暦手前の身の回りのこまごま。
スポーツや映画演劇など。

杉並演劇祭その2

2006年03月15日 | 鑑賞
 杉並演劇祭の特色を、12日付の当ブログで「まだ三回目で模索の過程ではあるが…」という前置きをして、
 Ⅰ)地元杉並に拠点を持つカンパニーに重きを置く
 Ⅱ)会場を区内広域に置く
 の二点にあり、まさに「杉並区の演劇の祭典」といえると書いた。大変面白く、かつ壮大な試みであるわけだが、それゆえに壁も高いと言える、とも。
 例えば会場のひとつ、高円寺会館は、学校の講堂というか体育館というか、校長先生の立つおなじみのステージとフラットな床があるばかりで、観客は後に行くほど見づらい構造なのだ。演劇に必要な最低限の照明設備もない。
 杉並演劇祭は、Ⅱの特色を持ち、近隣の住民が手軽に足を運べるプラス面の一方で、せっかく出向いても観劇状況において「演劇」にふさわしい会場が少ないマイナス面がある。
 セシオン杉並は大きく立派だが、この演劇祭に参加する集団であの大きさを使いこなす所は少ないだろう。今年は幸か不幸かセシオンが平日2日しか押さえられず、力のある集団が収まり、セシオンを希望した他団体には民間劇場が割り振られた。これは新しい方向性だし、結果的に正解だったと思う。前述の高円寺会館が今年度で御役御免となり、新たに演劇専用ホールに生まれ変わるという(まあ完成は先の話だが…)。このあたりも含めて光明はあると言える・・・。
 (演劇祭全般については、今後も小出しで行きます)

 12(日)夜 最後のアマチュア球団
 『Time/Limit』高円寺会館
 14(火)夜 電劇
 『過ぎ去りし日々』セシオン杉並
その高円寺会館で芝居を観た・・・。
 さすが日芸! 体育館のような空間のど真ん中に花道をこしらえて客席を上手と下手に各々半円に造る工夫で、多少は見やすくなっていた。
 さて。芝居そのものだが……。
 やはり大学には、まるでガラパゴス諸島に稀少種が生きているように「80年代小劇場演劇」が脈々と息棲いているのだな。これは皮肉ではない。コレステロールを気にして焼魚定食ご飯少な目を食べる中年が、焼肉定食大盛りに餃子をつけて食べる大学生を羨むようなもの。
 決してスマートじゃないが逞しくはある“熱い芝居”を先輩達から受け継いで・・・セリフは大声で、何故か突然踊ったり、真面目なシーンを笑いで収束させる・・・あのスタイルの炸裂である!
 劇団(あるいは劇場)のゲの字もつかない「最後のアマチュア球団」とゆーネーミングがまた「らしい」けれども、兎にも角にもエネルギッシュに約三時間(休憩10分含む)のステージをかましてくれた。
 いやあ、よく消防(救急、消防、レスキュー)を調べました。調べたからには書きたいのが人情。かつ17人の出演者それぞれにおいしいシーンを用意したので、そりゃ長くもなります。その見せ場は残して、余りに盛り沢山な話(そして無駄な笑い)を整理すれば2時間チョイで行けたはず!!とは思ったが、聞けば「最後の」がつくのは日芸(今更ですが日芸=日本大学芸術学部です)を卒業し、バラバラになるという…。
 彼等としてはきっと「盛り沢山」で行きたかったのだろう!
 話はご都合に過ぎたけれど、泣ける話で全然長いとは思わなかった。いやいやむしろ、とても面白かったのダ。

長くなったので、電劇は明日に・・・。

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