麒麟琳記〜敏腕Pの日々のつぶやき改題

還暦手前の身の回りのこまごま。
スポーツや映画演劇など。

かわずかな

2022年12月26日 | 鑑賞

古本屋があった。

しかも店先に100円の棚があるスタイル。

さっと上段から中段まで目を配って、

西加奈子『しずく』を手にした。

気になりながらまだ読めていない作家。

恥ずかしながら……。

 

恥ずかしついでにいえば、足腰が弱って、

下段を見るのにしゃがむのが辛いため

中程までで選択したのだった。

閑話休題。

 

それは芝居を見に行く道すがら。

観たのは、アングラの雄とも評されつつ、

最近は著名な俳優を客演に招き、

新たな地平に踏み出している「桟敷童子」。

 

演劇界の金字塔『どん底』の翻案。

『老いた蛙は海を目指す』

(作/サジキドウジ、演出/東憲司

時/2022年12月15日~27日

於/すみだパークシアター倉)

 

 

さすがの筆力で、かのゴーリキーの『どん底』を

ただの焼き直しではなく、見事に

「桟敷版・どん底」に創りあげていました。

 

帰路。芝居の余韻に浸りながら

黄色い電車内で買ったばかりの文庫本を開いた。

短編集。

二本目『灰皿』にうんこが登場したのだが、

錦糸町の倉庫を改造した小屋の芝居にも、

コネタとしてうんこが出てきたので驚く。

大人の読む小説、大人のみる芝居に

なかなかその三文字は出てこないと思うので。

 

加えて。小説の主人公の女性の姓が蓮田で、

『老いた蛙~』に出演していた川原洋子と筆者が

遠い昔に所属していた僅か四人の劇団

「観音芝居」の主宰が住んでいたのが蓮田だった。

蛇足ながら、埼玉県にある市である。

 

まぁこれはやや無理のある偶然かしら……

では、これはどうかしら?

『どん底』でいえば、木賃宿の大家の女房

ワシリーサにあたる役を藤吉久美子が熱演。

観劇前の朝、たまさかつけたテレビの、

レポーターが太川陽介だった奇遇。

 

【文中敬称略】


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