麒麟琳記〜敏腕Pの日々のつぶやき改題

還暦手前の身の回りのこまごま。
スポーツや映画演劇など。

『揺れる』

2020年03月28日 | 鑑賞
3月26日木曜日。
俳優座『マクベスの悲劇』は夜公演だったので
昼、東京演劇アンサンブルの芝居に行った。

『揺れる』
作/マリア・ミリサヴリエヴィッチ
訳・ドラマトゥルク/高橋文子
構成・演出/公家義徳
於/日暮里d-倉庫

・・・なんて「今」なタイトル。

日々情勢の変わるウィルスの猛威に、
日本、否、世界が対応を余儀なくされている。

先に感想を書くと・・・
「鴻上尚史」を思い浮かべた。
第三次小劇場ブームを牽引した一人。
第三舞台を率いて、『朝日のような夕陽をつれて』
『スナフキンからの手紙』等、代表作多数。
所属俳優たちも、多くが売れっ子に!

彼の未来への目線、
スタイリッシュな言葉の洪水などなどが、
ドイツの作家の世界に浸りながら、
何故だか想起された。
前述した鴻上作品に連なる
「エネルギー」が共通していたのだろうか?

アンサンブルが発信する紹介文を引用すれば。

【今回の作品は、ト書きもなければ、配役もない。
ただただセリフがかかれている戯曲で、
3人でも100人でも、
何人で演じても良いと書かれています。

ネットゲームでのチャットよろしく、
世界が一瞬でつながれる現代の物語】

そうそう。
鴻上ワールドには欠かせないワードが
「ヴァーチャル」だった。

観劇後にパンフレットを開けば、
『揺れる』の作者もめっぽう若かった。
明日が千秋楽。

「千秋楽」といえば。
都知事の発信から始まり、東京近辺の首長が連動した
「不要不急の外出、都内への移動の自粛要請」に
多くの劇団が中止を選択した。
本来の終幕をあきらめ「楽日」を前倒し。

さらには、四月の公演を延期する劇団も。
命と直結した問題、当然である。

当然ではないのが明日の天気予報だ。

雪だと。
三月も終わるというのに……。

3月29日、雪。
世界史に詳しい御仁ならば、
1461年、タウトンの戦い
・・・と諳じるかしら。
薔薇戦争の中の戦いで、死傷者2万人超の
英国内で最も血なまぐさいと謂われる、
あの、雪の中の戦闘を。

『揺れる』。
その劇中にも戦争は「出現」する。
そして、今。
我々は目に見えない的と闘争中だ。
コメント
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