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Some Like It Hot

お熱いのがお好きな映画ファンtakのつぶやき。
キネマ旬報社主催映画検定2級合格。

霧の旗

2025-06-11 | 映画(か行)


◼️「霧の旗」(1977年・日本)

監督=西河克己
主演=山口百恵 三浦友和 三國連太郎 関口宏

百恵×友和共演作は5、6本観ている。盛んに共演作が製作された時期、僕は小学生から中学生。映画館で観たのは唯一「炎の舞」だけだ。これまで観た中で強く印象に残っているのは、社会人になってから観た「霧の旗」。松本清張の原作がいいのは当然なのだが、大人びた魅力をまとった山口百恵に圧倒された。初めて観たのは1991年3月、多分地上波の録画。昨年倍賞千恵子の65年版を観たのでこっちが観たくなって再鑑賞。

冒頭画面中央に若戸大橋がデーンと映る。え?北九州だったっけ😳。洞海湾を見渡すカメラに「北九州市小倉北区」の文字。そこ若松区です!。日本初のアーケード商店街である小倉北区の魚町銀天街の看板がデカデカと。通りの向かいにあるガラス張りエレベーターから撮ったんだろなぁ。ローカルな話ですみません💧

悪女役はまだ早いと監督に言われたが、「歌にもいろんなレパートリーがあるようにいろんな役があってもいい」と山口百恵本人が主張したとか(wiki)。当時18歳とか19歳とかでこの落ち着き。三國連太郎演ずる大塚弁護士と堂々と渡り合う演技は改めて観てもすごい。

ただ橋本忍脚本の65年版と比べるとストーリーの進行にどうも粗さがあるように思える。小山明子演ずる河野径子が弁護士の愛人だと、彼女の容貌も含めていつ知ったのかよくわからなかったし(見落としているならごめんなさい)。左利きというだけで、2つの事件が同一犯だと説明するのはいかがなものか。

三浦友和演ずる雑誌記者の存在が大きくなって、恋愛感情まで含めてしまったのが大きな改変。まぁ2人の共演が売りの映画だから仕方ないのだが、告られて涙まで浮かべたのに、その直後大塚弁護士を罠にかける変貌ぶり。このパートでの百恵=桐子の行動の振り幅は、それでもアイツを許せないという強い感情があるのだと思わせてくれる。千恵子=桐子はただひたすらに恨みを晴らす行動に徹しているだけに、思い詰めた怖さがある。物証となるライターをめぐるラストの違いも面白い。まぁもう一度三浦友和を出す場面が欲しかったんだろうな。

ともかく。70年代アイドル映画とは思えない作風と、松本清張原作にリスペクトを感じる良作でした。

コメント
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