羽を休める鳥のように

きっとまた訪れる薄紫の夕暮れを待ちながら

2013年07月20日 | Weblog
その空の色には名前がなかった
すみれいろではなくあかねいろでもない
もうすぐ夜をむかえることを知っていて
そのために雲が寄りそい一瞬の
あどけないはじらい
すぐに消えていく
散っていく
離れていくから
いまはただ見上げている
言葉も声もなくため息さえなくて
それはぐうぜんのおどろきと歓喜に似ている

                   


最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
素敵な言葉たち。 (ケイ)
2013-07-22 08:29:41
空には名前がなかった。

この冒頭の一節!

素敵! もうその一言。この一節で、世界が生まれている。

現実だけど、現実でない世界。そこでは、すべてのものが生きていて、空にすら名前があるべき世界。

そんな世界の中で、名前を失った空は、おそろしくさみしげで、頼りなげ。

う~ん、素晴らしい。むずかしい言葉はないし、ひねくりまわしてもいない。ありふれた言葉をつなぎ合わせて、これだけの世界を創るなんて。作る、じゃない、創る。

恐るべし、カモメさん。


最近の詩作の状況は、いかがですか。


返信する
はじらう言葉たち (すみれこ)
2013-07-23 01:11:47
ケイさん、こんばんは。

ミクシィからきていただいたのですね。
ようこそ。

お褒めの言葉をいただきありがとうございます。
かなり恥ずかしいですね。

その日の朝、洗濯物を干しながら見上げた空は
湖のようでした。
夕刻になり再び見上げるとそれは果てしない雲たちの
連なり。頬を染めた雲たちのあどけなさを一枚。

せっかく撮った一枚なので(?)ここにアップしながら
思いうかんだまま短い添え書きを・・・。

最近はあまり書いていません。
でも「薄紫二人誌」を待っていてくださる有り難い方が
いらっしゃるようなので、
「雑巾を絞るように」向き合っていこうと思います。
返信する

コメントを投稿