羽を休める鳥のように

きっとまた訪れる薄紫の夕暮れを待ちながら

道を曲がると出会う

2013年12月01日 | Weblog
日曜日だけど仕事。
それはぜんぜんかまわない。
ただ、「あれま!?」という事があったので、
少々つまらない気分でのろのろと帰り始めていた。

駅へと向かう。なんとなく曲がる。
あ、そうだ、この道には「猫の手書店」という古本屋があった。
にわかに元気になる。
本屋の前に行くと「30%引き。本日まで!」と張り紙があり
ますますわくわくしてくる。

最初、文庫本や猫の本を見ていたが奥まったところに
「文庫になっていない単行本、新しいのもあります」というコーナーを
発見。どうしてこんな奧に宝物を・・・?隠しておくのか?
そこでまず松浦寿輝さんの「川の光 外伝」を見つけて驚き、
すぐに取り出してみる。川の光、外伝がでたのは知らなかった。
出会えてよかった・・・・。
梨木香歩さんの新しいエッセイ、藤野可織さんの「爪と目」。
なるほど新しい本もあってしかもきれい。
中村文則さんの「惑いの森」、これも知らなかったが昨年の刊行。
そしてふと下の棚を見たら村上春樹さんのあの「色彩を持たない多崎つくると
彼の巡礼の年」があった。
春樹さんの本はほとんど読んできたと思うし、新刊がでるのはもちろん嬉しく
楽しみだった。
けれどあの「騒ぎ」のような時期にはどうものれなかった。
いずれすこし落ち着いたら必ず読もう、と思っていた。

あれもこれも買いたくなるコーナーからようやくこの三冊を抱いて
レジに持っていった。

わたしは読みたい本はたいてい図書館で借りる。あるいは古本屋で「あーっ」と思ったら買う。
もしくはネットで検索する。どうしても欲しい本は図書カードで購入する、
というつましい暮らしなので好きな作家の本をいっぺんに三冊も、
それも全部で1480円で買えたので帰りの中央線から夕焼けを眺めながら
なんだかにっこり気分。

道を曲がるといいことがある。
急がないで歩くと何かに出会う。
今日はそういう日。
ひたすらに何かに突き進むだけが道じゃない。
「あれま」とガッカリしたときにはゆっくりどこかへ歩を進めればいいんだと思った。