羽を休める鳥のように

きっとまた訪れる薄紫の夕暮れを待ちながら

眠りの舟

2011年04月26日 | Weblog
「睡眠障害・睡眠外来」という言葉を幾度となく検索していた時期がある。
パソコンがない息子はネットカフェで調べたりもしていた。
なるべく一緒に受診したいと思っていた。
過干渉と言われようとかまわない。
ヘルプと言ってくれたのだからとことん付き合おうと思っていた。
当然、彼は母の付き添いを断ったけれど、それは「頑なに」拒む、という
ほどのものではなかった。

眠れないつらさ、はわたしにもわかるつもりだった。
けれどそれは本当に個人差のあること。
サッカーの大会に出かけ疲労困憊して仲間が眠りに落ちてから、
ひたすら天井を見上げていた彼のつらさがどこまで理解できていたか
わからない。
今回、あらためてそんなことを思った。

薬剤師が「着替えて布団に入る直前にお飲み下さい」といって
眠剤を渡したから、この錠剤にどれほどの力があるのか訝った。

服用したとたん麻酔にかけられたように前後不覚になるなどとは、
もちろん思わなかったけれど。

それでも、薬剤にはそれなりの効果があった。
長女に借りた角田光代さんの「ひそやかな花園」を閉じてから、
久しぶりによく眠ったかもしれない。

駿のいない春の夜だ。猫の寝顔はほんとうに安らぎだったな~と思う。