羽を休める鳥のように

きっとまた訪れる薄紫の夕暮れを待ちながら

ひさしぶりに泣いた

2009年04月20日 | Weblog
このちっぽけな携帯電話は、実に多くの出来事をわたしに
伝えてくれる。
うれしいことはゆっくりと、活字や手紙や、声で、知らされることが
多いけれど、緊急な用件、突然の知らせ、予期せぬ事態、は、
この小さな電話が計らずも背負った任務のようだ。


朝、その知らせをメール文として読む。
覚醒していない意識の中で意味が把握できない、もう一度読む。
ようやく伝わる。

涙が頬を伝い、頭が混乱し始める。

でも朝はぐずぐずしている時間がない。
いそいで顔を洗う。
鏡の前で笑ってみる。
がんばって仕事に行っておいで、とじぶんを励ます。

仕事中も、なんどか危なかった。
そのことはなるべく考えないようにして、仕事に集中し、
時間が過ぎるのをひたすら祈った。
はやくひとりになりたかった。

帰りのバス、花粉症に感謝しながら、そっと鼻をかみ、
ついでに目じりを拭う。

やっと自室に帰りついた。
ふと気がゆるんだ刹那、涙があふれだし、
両手で顔を覆って泣いているじぶんがいた。

涙腺は弱いから、本を読んでも泣くしもらい泣きもする。
「さあ、どうだ」というような映画やドラマでは泣かないが、、。
子供の病気でも事故でも泣いた。
父を亡くしたとき。
夫婦喧嘩したとき。
でも、じぶんのことで泣いたのはほんとうに久しぶりみたい。

泣くと鼻が真っ赤になるし目もはれてひどいことになる。
頭も痛くなる。

だから、なるべく泣かないようにしてきた。
格好悪いからだ。
もしも表面上に変化がみえなかったら、目の淵に涙をためて
唇をかむ回数は減っていただろう。

「流れるな、涙、、、こころでとまれ、、」という
みゆきさんの歌があったっけ。

これから毎日、こころでとめて、ふわっと笑ってやっていけるだろうか。
そして夜になったら、きっとやっぱり泣くんだろう。