何かをすれば何かが変わる

すぐに結論なんて出なくていい、でも考え続ける。流され続けていくのではなくて。
そして行動を起こし、何かを生み出す。

心時代の夜明け

2010-05-27 23:44:45 | Book Reviews
「心時代の夜明け 本当の幸せを求めて 衛藤信之・著、PHP研究所、1998年2月26日

p.2 正常でまともな人たちは自分を見つめる目(第三の目)を持っているということです。

p.3 経済界の浮かれ経営、自浄能力を失った政界、官僚の保身術、カルト宗教に見られる教祖の異常化とそれを気づかない教条的な信者たち。このような人たちに共通する「自分は正しい」、「自分は間違うわけがない」という思考は、私たちの日常生活の中にも数えあげればキリがないくらい発見することができるのです。
 自分を疑ってかからない人たちによって戦争は始まり社会はおかしな方向へ進まされるのです。

p.20-1 また、「君のために言うのだが、仕事というものはだな、こういうものなのだ」というご立派な上司ほど部下に失敗させず、そこから学ぶべき気づきや経験知を奪ってしまいます。

p.24 支配的な上司に苛立っていた社員が、「あの上司が権力的で威圧的なのは、周りから攻撃されることを恐れて、先手必勝で頑張っているんだ。だから『俺はこわいんだぞ』と強がっているわけなのか。『弱い犬ほどよく吠える』なんだ。きっと、そうすることでしか人間関係を維持できない、不安な権力者なんだ。かわいそうに」。

p.39 実はこの不機嫌というのがくせ者で、これは心理学的には「受動的攻撃性」と言います。だから子供たちはうれしくなくても、その不機嫌さを避けるために、喜んだふりをさせられる。なぜなら、喜ばなければ父の無言の怒りに触れることになるのですから。
 「喜べない本当」の自分と「ふりをさせられる」コントロールされた自分を、子供たちは持つように強要させられることになります。このように相反する感情を幾度となく持たされることで分裂症は起こります。

p.44-5 自分の感じたように、望むように周りが動いてくれてあたりまえ、動いてくれないと無性に腹が立つというのは、本来「子供の心理」の特徴です。
 うまく自分が望んだようにいかない時に、だだをこねたり、相手を責めるだけで、自分の欲求自体に無理があることを認めないのです。

p.52 吉田松陰が「自分は投獄され、親よりも早く死ぬかもしれません」と親もとに報告にいきました。松蔭の親は「生死のことは問わず、お前にあげた命だよ。信じることにお使いなさい」と言ったそうです。

p.65 「お前には、お前の独自の感じ方があるし、生活のリズムがある。たとえ俺の妻といえども、育った環境も違う、ものに対する感じ方も違っていてあたりまえさ。そんなお前をまるごと愛しているんだ」

p.78 「どんな時代、どんな環境の中でも生きがいを発見でき、精一杯おかれている人生をエンジョイし、笑いながら生きられる人間になること」、これこそが人生の成功者だと思います。

p.94 自分が絶対正しいと言う人びとは変化を嫌います。そのような人たちによって歴史上の間違いが、多々起こってきたのも事実です。

p.175 コミュニケーションが断絶するのは、相手の言動や行為に対して「相手はこうあってほしい」というこちら側の願望を相手に押しつけて、その希望をかなえてくれない場合、こちらの思いどおりにならない「相手が悪い」と責めたくなるのです。コミュニケーションのポイントは、相手を責めることよりも、自分は何を期待していたのか、どうあることを望んでいるのかを自己開示することなのです。そのほうが他人に行動変化をさせるには効果を発揮します。

p.178 怒りは、こちらが安心していてうまくやってくれるだろうという期待をはずされたことで起こるのですから、怒りの前の感情である期待を伝えるのが、自己開示です。

p.190 遅刻しないことが「常識だ」としか考えない上司は、時間とおりに遅刻しないで出社する優秀な部下を、ほめることなどは絶対できません。なぜならば、そんな上司にとって部下が時間どおりに来て当然なのですから。したがって感謝することも、もちろんできません。有能なリーダーは、時間どおり出社する部下にいかに助けられているかを考えています。遅刻することの問題点がパッと浮かぶ上司は、遅刻しないことの良い影響も語れます。

p.211-2 日本以外の海外の人たちは、印象に残った先生のことを良く覚えていますよ。それは、先生方が自分自身を語るからです。
 子供を叱るときも、『俺はその態度が好きではない。なぜなら、先生は親や牧師さまから、人はこう生きるべきだと教えられた。こないだ、私の娘が君と同じことをした。だから、そのときにも先生は悲しくて娘を叱ったんだ。お前も同じことをしたんだ・・・・・』と、自分自身の人生観を語るからなんです。

p.216 「真の人間関係は、弱点をさらけ出しても怖さのない関係である」

p.222 自分をさらけ出すことで、他人も安心して自分を出せる。互いに自分を出せる安定した関係が「真の人間関係だ」・・・

p.231 たとえば「○○ちゃんは洗いものをしてくれて、良い子ねぇ」というのは評価です。裏を返せば「あなたが洗い物を手伝わないときは悪い子よ」と、脅迫のメッセージが含まれていて、そのうちに子供たちには効果がなくなります。

p.233 できて当然思考では、人はやる気を失っていくのです。やがてすべてのことが当然になることを、人は恐れるからです。

p.251 そのとき、「~してやったのに」と見返りを期待する気持ちを持つことは、「愛」が「恨み」に変わる方程式です。

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