何かをすれば何かが変わる

すぐに結論なんて出なくていい、でも考え続ける。流され続けていくのではなくて。
そして行動を起こし、何かを生み出す。

日本でいちばん大切にしたい会社2

2010-05-04 10:52:05 | Book Reviews
「日本でいちばん大切にしたい会社2」 坂本光司・著、あさ出版、2010年1月26日

p.17 なぜ「株主や出資者」ではなく、はじめの四人(社員やその家族、社外社員(下請け・協力会社の社員)、現在顧客と未来顧客、地域住民、とりわけ障害者や高齢者)の幸福を追求しなければならないのでしょうか。
 それは、株主や出資者を重視するあまり、つまり、短期の業績を追い求めるあまり、企業の不祥事が次から次に露呈しているからです。
 リストラ策も、原因をつくった経営者やリーダーたちの責任がより重いのが経営学の王道であるのに、自身は居座り、なんら罪のない社員や下請け企業に対して、過度の負担を強いる人たちがあまりに多く見られるからです。

p.18 不況のたびに繰り返される、道理のない、理不尽な発注やコストダウンを強いる取引先に、どうして心からの愛着心や協力心が生まれるでしょう?
 むしろ、そこには憎しみ、反発が発生するのです。なぜなら、下請企業・外注企業の社員や家族は、発注者の奴隷、従属物ではないからです。
 であるのに近年、社員や下請企業、外注企業を、まるで虫けらのように扱う企業が目立ちます。

p.19 最も大切な社員を犠牲にする企業は、業績が悪化・低下すると、決まってその原因を「景気・政策の悪化」「規模の小ささ」「業績の恵まれなさ」「ロケーションの悪さ」、そして「大企業・大型店の進出」といった五つの言い訳を口実に、「問題は外、自社は被害者」と決めつける言動が多いのが実態です。

p.76 一年、二年で辞めてすまう医療従事者の多い病院は、その病院のリーダーや経営そのものに問題の本質があるのです。心ある医師は、職場環境や人間関係の悪化のために辞めていってしまいます。

p.126 新しい技術開発には、ライバルが必要です。技術を囲い込むと短期的には利益を確保できると思いがちですが、長期的には違います。「独占」という安心感から技術開発にブレーキがかかり、新技術が生まれにくい土壌になってしまうのです。技術の公開によってライバルが出てくると、なおいっそうの緊張感をもって競い合わなければならなくなり、結果として新しい技術が出てくるのです。

p.133 私たちは幸せに生きていかねばなりません。そして本来、すべての技術はそのためにのみ発展すべきものなのです。結局、最も大切となるのは技術ではなく、それを操る人間です。人々を幸せにする、そんな技術や技術者、起業家が一人でも増えるように、これからも何かできれば・・・・・」

p.150 社員はみんな仕事をしに出社してくるのです。病気で休んだとしても、常に頭のなかは自分の仕事でいっぱいでしょう。そんな社員にとって、出社したという証明である出勤簿やタイムレコーダーに、どれだけの価値があるのですか?

p.180 「ホウレンソウ(報告、連絡、相談)禁止」というのも、管理をしない経営の特徴でしょう。「常に考える」ですから、「相談するな、自分で解決しろ」というわけです。

p.181 儲かっていない会社は例外なく本社が大きいということです。総務・人事・経理の社員が多すぎるのです。
 そういった部署に社員が多いとどうなるか? 本社の社員は、社員が多すぎると思わせないように、「管理」という仕事を考え出します。管理しようと、本社がいろいろと口出しをしたり、手を出しすぎたりすると、現場の思考能力が停止します。
 すると社員は自発的にものを考えなくなり、モチベーションが下がって、結果、儲からなくなるのです。

p.198 私たちは車を売ることを目的とはしていません。より大切なことは、社員が幸せに働ける会社をつくることです。そうすればお客様にとっても、自然に満足度の高い会社になるのです。仕事や職場にやりがいを感じ、所属する組織に誇りと喜びを感じている社員は、お客様に心から喜んでもらえるサービスを提供しようと考え、行動するのは自然だからです。
 売上を伸ばすためのサービスは、本当のサービスではありません。会社とは、集まっているすべての社員が人間性を尊重され、やりがい、働きがいを感じる場所であるべきです。

p.236 「いちばん大切なことは、お客様との関係を深めることで、商品を売り込むことはしない」という考えなのです。
 「売り込まないのに、どうして売り上げが立つのか」と、疑問を持つ読者の方もいるかもしれません。
 ですが沖縄教育出版では、まずお客の話をよく聞き、それぞれのお客に合ったものをお知らせする。そして運よく買っていただけたら、手紙や絵葉書を書くなどして、きめ細かなケアをしていく。このことに徹しています。
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