何かをすれば何かが変わる

すぐに結論なんて出なくていい、でも考え続ける。流され続けていくのではなくて。
そして行動を起こし、何かを生み出す。

仕事の作法

2010-05-03 23:02:21 | Book Reviews
「仕事の作法」 鍵山秀三郎・著、PHP、2009年3月11日

p.45 「来る人には楽しみを、帰る人には喜びを」

p.59 社員に卑屈な思いをさせてまで会社経営をしても、意味がない・・・(そのような取引はしない)

p.60 会社の売上は二の次。社員にみじめな思いをさせてまで取引を続けたくなかったのです。会社の利害だけを優先すると、つい、媚びたり卑屈になったりします。

p.72 不合理なことをなんとかして合理的に変えようとするなかで、ほんとうの知恵と才能が育まれるのです。

p.80 昔やられた分、「やり返す」という考え方をしても、なんの進歩もありません。「やり返す」のではなく、「受け入れる」。かつて、販売を拒否された仕入先から、逆に、お願いされるようになった幸せをかみしめることが前向きな生き方だと思います。

p.90 店員の目の動き、言葉使い、表情、態度、しぐさは、いつもお客様に見られています。お客様は、販売員が自分に何をしてくれたか、何をしてくれなかったかで、その店員の評価を決めるものです。

p.97 何か一つのサービスに特化してみてください。特化したことが、無理なくお店に定着したとき、お客様から必要とされる繁盛店になることでしょう。

p.117 掃除を継続するためには、まず、きちんとした道具を揃えることが何よりも優先すべき大事なことです。できれば、少々贅沢と思えるくらい上質の道具を多めに揃えることをお勧めします。

p.157 権限だけが横行すると、人は権利で反発したくなるものです。そうなると、権限と権利が飛び交い、もはや組織の体を成さなくなります。権威のない組織ほどもろいものはありません。

p.158-9 権威のない上司は、部下に指示・命令をすることができません。上司が励むべきは、部下に素直に従わせる権威の確立です。

p.162 ほんとうの権威を見につける具体的な方法は、まず、「社長や上司と共感できる自分」になることです。そのうえで、社長や上司や会社を好きになることです。好きになり、自慢できるようになれば、自然と権威は身に具わるようになります。

p.164 その人にでもできるような簡単なことや、得意にしているようなことを頼む。少しでも結果が出たら、一緒になって心底喜ぶ。
 そういうことをあきらめずに繰り返していると、どんな社員でも心を開いてくれるようになります。人からあてにされているという使命感が、自分でも人の役に立っているという自信になるからだと思います。
 自分でつかんだ使命感や自信が身につくと、放っておいてもその社員はやる気を起こすようになります。

p.164-5 もともと、社長が社員を思いどおりに動かそうという考え方自体、間違っています。ことごとく、社長と相反する考えや行動をするのが社員というものです。その社員に、社長である自分の考えを理解してもらい協力してもらうには、自分から近づいていく以外の方法がありません。

p.165 社員教育に、これといった決め手はありません。つまるところ社員から気の毒がられるようなリーダーの経営姿勢が伴ってこその、社員教育だと思います。

p.174 普通の判断基準で選ばれた社員が、普通に活躍できない職場は、会社に問題があるということです。

p.186 ただ単に利益目標を達成したいという考えは、経営者の個人欲であり、名誉心以外の何物でもありません。
 経済性と同じように、社会性、人間性を具えてこその会社。
 社会性、人間性を重視すれば、多少の経済性が落ちるのはやむを得ないことです。重要なことは、この三つが無理なく調和しながら会社経営できることです。

p.189 重要なことは、社員の人生と会社の経営理念を一致させるということです。社員の人生と会社の経営理念を一致させれば、他人事になりません。

p.194 「結果」だけを重視すると、どうしても「終わりよければ、すべてよし」という、投げやりで短絡的な考え方になりがちです。そうなると、手間ひまかける途中の「過程」を省くようになります。大切な「過程」を省いた「結果」には、誠意が感じられません。 #RM
 また、「結果」主義は、「相対差」に通じます。「相対差」とは、いつも周囲と比べる世界のことです。比べる世界には、安らぎがありません。いつ失うかもしれないという不安と恐怖が、常につきまといます。競争に勝つことだけが頭にこびりつき、心が落ち着かないからです。

p.200 「会社を単なる個人的な金儲けの手段として設立すべきではない」

p.206 「唾面自乾」
 たとえ顔に唾を吐きかけられても拭かずに、自然に乾くまで待て、という意味。

p.212 ただ収益を上げて、すぐれた経営者として評価してもらいたいのであれば、冷酷な気持ちさえあればできることです。方法はいくらでもあります。しかし、そんな経営は会社の私物化であり、関わる人を不幸にするだけです。社員や仕入れ先や販売先はもちろん、地域社会と共存共栄してこその株式会社です。経営者個人の名誉心のために、短期的収益だけを競ってはならないのです。
Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする