まこの時間

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日野山と木の芽峠  その1

2018-05-08 | 山歩き

「日野山はかねてから私の目をつけていた山だった。学生時代から北陸線の往復で、鯖江、武生あたりから見るこの山の美しい姿に私は惹かれていた。平野からすぐに立っており、車窓からも目近に仰がれるので、高さ八百メートルの山とは思えない貫録をそなえている。当然昔からこの地方の名山である。」深田久弥の「山頂の憩いー「日本百名山」その後」の中の「日野山と木の芽峠」より。

深田久弥がこの時登った日野山は、妻の志げ子さんと出かけた最後の山行きとなった。茅ケ岳登山中に亡くなったので、この紀行文は遺作となった。

その、文章にある木の芽峠へ「深田久弥と山の文化を愛する会」のメンバーと行くことになった。参加者12名は、3台の車に分乗し、深田久弥山の文化館を8時に出発した。

目的地である木の芽峠は、福井県の嶺北と嶺南を隔てる峠である。今日は登山ではなく遠足だ。

北陸自動車道を走り、今庄で下りて国道365号線をひた走る。川沿いの道を走り、板取の宿であったという所を行くと、まさしく国道の名前そのものの「今庄365スキー場」の看板があり、そのままスキー場へ上がっていく。

スキー場の駐車場より更に上へ車で移動する。スキー場には道があるのだと改めて思った。雪に埋もれると、どこも雪一面であるが、その下に道路があることに気付かなかった。上の駐車場で車を降りて、歩くこと15分。北国街道であったこの峠は、松尾芭蕉も通り、現在でも吉崎御坊の「蓮如忌」には、京都から蓮如上人の御影を歩いて運ぶのである。その最大の難所が、この木の芽峠であると言われている。

 

言奈地蔵堂でお参りし、そのいわれを読んだ後、目的の峠の茶屋番所へ向かう。この茶屋の当主である前川さんは、三匹の犬と暮らしている。築550年というこの茅葺の建物を守っている。どうぞ。どうぞと招かれて、一行は中へ入る。


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