お茶を習う。
弓道の会員の方の奥さんがお茶の先生で、公民館で教えている。
わたしも、会員の方に誘われて久しぶりに習うことにした。
結婚前に会社の茶道部に弓道の先輩が先生として教えていて、弓道と茶道は共通するということで誘われて、その時に扇子や袱紗や懐紙入れを揃えたので、喜んで出かけたが、昔々のことで、完全に初心者である。
さて、先生は奇しくも私と同じ名前である。
しかし、私と違って着物姿が馴染んでいて気品がある。
掛け軸は、「春宵一刻値千金」なるほど、なるほど。
春の宵の一時は値千金であるとのことだが、宵でなくてもこの穏やかな春の一刻は大事な時間である。
茶碗には飛梅と神牛の絵が描かれていて、このコロナ禍に悪いものを飛ばし今年の干支の牛は神の使いということで、良い方向に向かいますように。
飛梅と神牛は菅原道真公か・・。と、私の番になって、お茶を頂く時に「ホーホケキョ♪」と、鶯が鳴いた。
何というタイミング。
今日のお稽古は3人。正客の方が飛梅のお茶碗で飲んで春を感じ、私は素朴な唐津焼を口にした時に鶯が鳴いて、最後の方の時も、また鶯が鳴いたので、その時、みんなでわ~という声を出しながら自然と拍手が起こった。
お稽古は午前中なので宵ではなかったが、まさしくこのひと時は値千金だった。
これがテレビドラマならべたなシュチュエーションである。
午後のおやつの時間に、縁側でお茶を立てた。
ひとりでは静かである。カラスが鳴いているだけだ。
誰かあたいにお金をください。あたい千金。
ひとりでボケて突っ込んでもしゃあないわ。
品の良さはこういうところからは生れてこない。
