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まこの時間

毎日の生活の中の小さな癒しと、笑いを求めて。

衣桁(いこう)

2016-10-25 | 小さきもの

孫が右手首の骨を折った。土曜に友達たちとJボーをしていて、自転車をよけて転んだのだ。あり得ない形で変形していた。その日のうちに手術をして、翌日には退院したが、学校は休まなくてはならないので、うちに預かることになった。

さて、三角巾で首から吊るのは、首が痛くなるそうだ。痛みのあるうちは腕をあげると痛みが和らぐらしい。上から吊るものはないか考えた。座敷にある衣桁がどうだろうかと。

これが、ぴったりだった。昔は嫁入り道具に欠かせないもので、道具運びの日はこれを1番に家の中へ入れるということだった。「いいこ(いこう)がくる。」と、言うのだそうだ。恐ろしく昔の話だ。結局、着物が日常でなくなった今は座敷のすみにひっそりと息を詰めているように、壁にへばりついている。しかし、今出番が来た。

食事中は、椅子の横に開いて置き一番上から吊る。ソファのところでは、ハンガーで長さを調節した。「ばっちりや。ばぁばは賢いやろ。」と、自慢すると孫は「前から知っとったよ。」と、片腕をあげゲームをしながら言った。会話が長引かないこつを知っているようだ。