昔の人は、小柄な女の人でも体幹がしっかりしているので、米俵など軽々持っていたらしい。
わたしは、育ちが良かったせいか、力仕事はできない。おまけに、若いころのしっかりした体幹は衰え、12キロもやせてしまったので、小屋にある30キロの米を持ってくることが出来ない。
1年分の米をクーラーに入れてあるのだが、昨年から鉢植えの車つきの台に載せて運ぶことを思いついて、力のないものは知恵を使わなくてはと一人ごちていた。
タンスも、本棚も毛布を使って動かすこともできるようになった。けれど、慢心はいけない。わたしの悪い癖だ。米を台所の後ろの家庭用精米機まで運び終わった後、廊下を見た。
「があああーーーん。」廊下に筋がついている。タイヤに負荷がかかったのか。何かが飛び出ていたのか。まあいいか。それで困ることはないし。明日の米があればよい。
めでたし。めでたし?