脳には妙なクセがある。
無意識と意識について。これは、日頃、弓を引いていて特に思う脳と身体についての謎に迫るのではないかと思える。
まず、自由意思は脳から生まれないという。自分の意志と思っていたことは、実は反射であるという。
「ヒトは自分自身に無自覚であるという事実に無自覚である」らしい。正しい反射をしてくれるか否かは、本人が過去にどれほどよい経験をしてきているかに依存する。「よく生きる」ということは「よい経験をする」ことだと考える。すると「よい癖」がでる。「頭がよい」ということは、「反射が的確であること」と解釈する。その場に応じて適切な行動ができること。苦境に立たされても、適切な決断で、上手に切り抜けることができる。コミュニケーションの場では、瞬時の判断で適切な発言や気遣いがてきること。そのような人を頭の良い人という。
ここで、池谷先生は、人の成長は「反射力を鍛えること」という一点に集約されると言われる。そして、反射を的確なものにするためには、よい経験をすること。悪い反射癖が身についてしまうと、なかなか元へ戻せない。
そこで、例えばテニスやゴルフで・・と、脳の作動原理としては、身体運動と直感はともに手続き記憶という同じプロセスであるという。
で、結論は、わたしの場合、すっかり悪癖が身についてしまった状態となり、ここしばらく休んでいたために、それが抜けていればよいが、どうも、悪い環境を身につけてしまったことが、半年やそこらでは抜けないと思う。
ここから、自由意思と思っていた自分の脳が、無自覚であるということにつながり、わたしの「あれから、ん十年」積み重ねたことは、マイナスの稽古だったのではないかと思われる。
恐怖に陥りながら、次の章へ読み進むのであった・・・・。