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【政府・日銀が海外リスクを強調する理由】裏目に出た円安誘導⑥

2013-10-13 00:01:47 | 日本

(前回からの続き)

 こう「裏目」が出続けると、さすがに「日銀異次元緩和って本当に日本のためになるの? 給料は増えないのに物価は高くなる一方だし、景気はなかなか良くならないじゃん」といった疑問を抱く人が増えてくるのではないでしょうか。とくに消費税率が引き上げられる来年4月以降はこうした声がいっそう高まりそうな予感がします。

 で、これに関連して個人的にちょっとばかり気になっているのが、近頃、安倍政権や日銀周辺がさかんに「世界経済のリスク」について言及していること。いまさら何を―――つまり、本ブログでもたくさん書いてきたように、米欧中、そして新興国と、世界のどこをとっても過剰な「借金」に依存した危うい経済情勢にあること、だから日本は外需に過度の期待を寄せるわけにはいかないということは、ずっと前から分かりきっていることのはず。ではどうしてそんなリスクを政府・日銀は「いま」というタイミングで強調するのでしょうか―――。

 ―――「だからわが国の景気はぱっとしないんですよ。悪いのは日本経済ではなく世界経済のほうなんです。決して円安インフレとか4月の消費税率引き上げの影響じゃないんですよ~」と1年後に言い訳できるように布石を打っておく―――こうすることで政府・日銀は「アベノミクス」や「円安誘導」や「消費増税」に批判が及ぶことを回避しようとしているのではなかろうか、などと勘ぐっています。世界経済リスクについて消費税率を引き上げる直前に言い出したら、さすがに「わざとらしい」ですが、引き上げ半年前の「いま」くらいから少しずつこの認識を世間に浸透させておけば国民の関心は自然と外国の景気低迷に向く。国内経済の輸入インフレや消費増税にネガティヴ感を抱くことなく・・・。

 逆にいうと、いまからそんな布石を打たなければならないということは、安倍政権も日銀幹部も来年度の景気の落ち込みをそれだけ高い可能性で見込んでいることのあらわれともいえそうです。結局、本音では内需の盛り上がりに自信が持てないのでしょうね、安倍首相も黒田総裁も・・・。

 ある意味でそれは当然だと思います。アベノミクスはわが国のGDPの構成要素で最大、約6割を占める「個人消費」を円安誘導と消費増税で大いに抑制しているわけですから。「カブノミクス」つまりアベノミクス唯一の希望の星である「株高」も、消費増税の影響とか世界経済の不透明感などをマーケットが意識し始めるとこの先は「?」、といったところでしょうか。

 とどのつまり、「円安誘導による外需狙い」で輸出に期待するしかないわけですが、かりに輸出額が増えたとしても、輸出は日本のGDPの15%前後、個人消費の1/4程度に過ぎません。だから輸出の増分だけで個人消費の落ち込みをカバーすることは至難の業。しかも、しつこく繰り返しますが、円安によって現状は輸入が輸出を上回る勢いで拡大し、貿易赤字は増加傾向です・・・。

 かくしてアベノミクスの「円安誘導」は裏目続き。このままでは日本経済は最悪のスタグフレーションに突入か!?といった予想すらできそうだ―――。

 ―――などと心配していたら、何だか本当に世界経済があやしくなってきました。突然のリスク発生で、この先、意外に早く円高外貨安モードに転換するときがくるかも!? もっともそれこそアベノミクスにとっては最大の「裏目」ということになるのでしょうが・・・。

(「裏目に出た円安誘導」おわり)


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