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【円の対ドル上昇率は大半の外資の価値上昇率に勝る】高値掴み-円の現金に遠く及ばない外国企業の価値④

2019-11-23 00:00:37 | 日本

前回からの続き)

 前回、ファンド事業「ソフトバンク・ヴィジョン・ファンド」(SVF)の失敗で苦境にあえぐ「ソフトバンクグループ」が、サウジアラビアなどから受け入れたドル建ての出資金をローリスクで大きく増やす手は、その全額でを買って倉庫に積んでおくこと、と書きました。現在の1ドル108円が、近い将来には同70円くらいには余裕でなる(?)でしょうから、これで上記ドルを108/70=1.54と1.5倍以上に増やしてあげることができる、というわけです。

 このあたり、急成長が期待できそうな国内外の株式公開前の企業等に出資し、上場ができるくらいまでサポートして、そのIPO(新規株式公開)等で利益を得ようという、この手のファンドが強く意識しなければならないところだと思います。つまり、投資対象の選別に当たっては、そこがもたらす予想利益が、出資時ののキャッシュ(あるいは円の預貯金≒日本国債)の価値を上回るかどうかをしっかり見極めよ、ということです・・・

 ・・・って、これ「高値掴みにならないように気を付けて」という当たり前の話ですが、その対象が外国企業の場合には、上述したことから、現時点でリターンがドル元金に対して少なくとも5割程度(!?)は見込めなければ投資とかM&Aのターゲットにはするべきではない、とも言い換えられます。今後、円がドルに対して、それくらいの上昇を演じるため、想定利回りが50%に届かない対象への投資は高値掴みのあげく元本割れは必至だから、そのドル元本で円の現ナマを買って寝かせておいた方がマシ、というか、そのほうが結果としてドルを大きく増やすことができる、というわけです。

 上記の観点で、はたして、この円の対ドル急騰にも勝るハイパフォーマンスをみせる外国の企業等なんてありますか?ってことです。まあ・・・ゼロではないでしょうが、きわめて少ないでしょう。よって現実には、これらの大半が円に対して「負ける」(そのドル建て価値の上昇率が円のそれにはかなわない)ことになるはずです。よってこれらにドル高円安のとき、すなわちSVFのように2017年あたりのタイミングでドル資産に飛びついた投資家は結果として超~高値掴みをすることになり、近い将来、巨額の含み損を抱えた不良資産の山を前に、あのとき、こんなの買わずに円の現金で持っておくべきだった~と後悔することしきり・・・になってしまうのではないでしょうか・・・

 さらにコワいのは、円の上昇に反比例するかたちで、各資産価額は大きく下落することが予想されること。要するに世界的な資産バブルが崩壊するということです。以前からいろいろ書いているように、バブルの生成と円の下落とは相関関係があります。ゆえにバブル崩壊や株価等の暴落と円の上昇もまたシンクロするわけです。となると、上記で買い漁っていたベンチャー外資の円換算額が暴落するほか、リスクオフ・モードでドル建て価額まで急降下は不可避です。それらはIPOどころか、未上場のままで売るに売れなくなってしまうでしょう(?)。そうこうしているうちに危機を察知した出資者がファンド解約と換金を迫ろうと押しかけてきて・・・ジ・エンド?

(続く)

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