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【ソフトバンクG、有利子債務18兆円は本邦ワースト】高値掴み-円の現金に遠く及ばない外国企業の価値②

2019-11-19 00:00:07 | 日本

前回からの続き)

 前回、ソフトバンクグループ」が今年7~9月期の四半期決算で1兆円近くもの大赤字を出す破目に陥った最大の原因は、参加のファンド事業体「ソフトバンク・ヴィジョン・ファンド」(SVF)が結果として米シェアオフィス会社「ウィワーク」(WeWork:ウィ社)を超「高値掴み」してしまったことにある、と書きました。このあたりはこちらの記事に書いた本邦他社のケースと同じです。つまり、これらはどこも、円のキャッシュを抱えてじっと「巣ごもり」をしているべき投資の「厳冬期」(外貨建て資産投資に手出し無用の時期)の真っただ中(同Gは2017年)にノコノコと外に出て行った(手を付けてしまった)ための大損害ということです・・・

 以前から書いているように、いま世界のリスク資産は株、債券、不動産、はては美術品や骨とう品に至るまで、ほぼすべての価額がバブルになっています。したがって多くの企業価値はどこも相当に過大評価されているとみるべきでしょう。ゆえに投資対象の見極めにはよほど慎重なスタンスが求められるところです。

 さらに、2013年からいままで7年以上も続いている「アベノミクス」すなわち日銀の超緩和的な金融政策「異次元緩和」のために為替レートはそれ以前より2割以上も円安外貨高になっています。これを対外投融資の観点からみれば、企業を含む外貨建て資産には原則「売り」の姿勢で臨むべき。当たり前ですが、実質実効ベースよりも2割以上もドル高だから、いま売ればそれだけ余計に円を得ることができます。そして「買い」はその逆ですから基本、手控えです。まあ3割もの為替損がこの先発生したとしても差し引きでプラス利回りが見込めるくらいの上玉なら別ですが、それがウィ社とは、とても思えないわけです、失礼ながら・・・

 前述のように、年初には500ドル近くもあったとされるウィ社の現在の価値は80億ドル程度なのだそう。これに100億ドル以上も突っ込んだ同Gは(凝りもせずに?)さらに95億ドルもの大金を追加投入するそうです。そうでもしてウィ社の経営状態を改善し、IPO(新規株式公開)でもさせない限り、この投資額を回収すらできないでしょう(?)。けれど上述したことから、これも非常に危険な賭けに思えます・・・

 ソフトバンクグループの有利子負債は上記四半期末の時点で何と!18兆円もの規模に膨れ上がっています。これ、事業会社としてはダントツの日本一、というより本邦企業でワーストです(ちなみに2番目は東京電力HD、ってもこちらは装置産業だから、まあうなずけるところ)。よくいわれるように同Gは中国企業で時価評価額1位のネット通販会社アリババ集団の筆頭株主であり、その含み益が数兆円はあるはずです。とはいっても、これ急にはキャッシュにはできないでしょうから、いざというときの資金繰りが非常に心もとない印象です。

 今後、上記バブルの崩壊、そして所有する投資資産の評価額の暴落さらに巨額の為替損発生などにより、同Gの経営状態はさらに厳しくなっていくのではないか。その第一の元凶が2017年という投資NG年にSVFによって始められた大規模投資になるような気がしてなりませんが・・・

(続く)

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