Straphangers’ Room2022

旧Straphangers' Eyeや習志野原の掲示板の管理人の書きなぐりです

露骨な誘導の果てにしぶしぶ復活

2024-08-20 21:26:58 | 交通
適当な理由を付けてモバイルへ強制移行させようとしていたSuicaやPASMO本券の発売停止がようやく終了します。
記名式に限定とはなっていますが、定期券がないベーシックタイプの本券が入手可能になります。


この間クレカがICチップ付きカードをどんどん発行していたわけで、交通系でもJR西日本などはICOCAを発売しています。JR東日本とPASMO協議会各社だけです。インバウンド需要で半導体不足ガーという説もあるようですが、Welcome Suicaはこの間発売を継続しているわけで、デポジットも取らずにスーベニアにもなるという大盤振る舞いをして、日常利用者に不便を強いてきたわけです。まるでどこぞの政府みたいですよね。外国へのバラマキは熱心で、国民のことなんか知ったこっちゃないという感じで。

交通系全体ではSuicaとPASMOだけということで他の8種類を使えばいいじゃん、と事業者無謬が言って来そうですが、首都圏特有のサービスであるSuicaグリーン券に対応しているのはSuica、PASMOのほかはTOICAとKitakaだけです。従来グリーン車は事前料金と車内料金という区分だったのが、ICか紙か、という区分になっており、まさに強制モバイル状態でした。

何度も言っていますが、ICカード本券は裏面の13桁番号が読み取れなくなるとチャージなどの機能が出来なくなるわけで、経年劣化による交換が不可避です。
しかし買い替えが出来ないとなると実に阿漕なモバイル強制で、今回ようやく復活となって一息というところです。

いやいや、モバイルにすればいいだけ、というかもしれませんが、ICカードを使った企画券、とりわけいったん「定価」で支払ってあとからポイント還元という商品がJR東日本、西日本で増えている中、モバイルの場合は一つのスマホで使うカードを切り替えないといけません。何らかのはずみでデフォルト設定側に切り替わるリスクもあるわけで、切り替わってしまい企画券でない側のICカードとしてタッチしても通れてしまうし、引き落とし金額はいったん「定価」なので識別できる機会がありません。でポイント還元が無くて大惨事、ということになるリスクがあるわけで、これがICカード本券、要は物理カードですよね、これで登録していれば、当初の紐付けミス以外に間違いは起きないだけに、リスク商品への誘導は抵抗があります。

またモバイルをEX予約の乗車用カードとして登録すればモバイルのみで通過できますが、会員資格確認のためEX-ICやEX予約のハウスカードの携帯を要求されています。EX-ICはモバイルとの併用が出来ないので、連絡改札での2枚重ねタッチが出来ませんが、山陽新幹線に多い新幹線ホーム→連絡改札→構外への改札という駅では、2枚重ねタッチで連絡改札を出て、交通系で最終の改札を出れば0円引き落としで通過できますが、モバイルとEX-ICの併用の場合は有人改札経由になります。連絡改札と新幹線改札、在来線改札がある駅で、連絡改札が無人になっているケースもありますが、この場合は詰みますね。(EX予約だけでなく、青春18の新幹線ワープでも乗車駅記録がないと扉が閉まる駅だと詰む)

といったモバイル固有の問題があり、その解消が想定できない状態でのモバイル誘導がやっと終わるわけです。
他社やクレカ各社がICチップ付きカードをどんどん発行しながら、SuicaとPASMOだけ発売停止という、どう見ても他に理由があるやろ状態がようやく解消しますが、ここまであきらかに適当過ぎる理由で発売を停止してたことの合理的な説明が欲しいですね。みどりの窓口廃止問題と根は一緒です。誘導するなら解消していないといけない事象を放置して誘導してきたわけですから。



「74年ぶり」というもやもや感

2024-08-20 21:26:53 | 震災・災害
私怨ライターの不勉強はともかくとして、南海トラフ系の大地震に先立って、また誘発されたのかその後にも内陸や日本海側で大きな地震が発生しているというデータがあります。近世以前は地方部での地震に関する記録が充実していないのですが、敗戦前後の昭和東南海、昭和南海については、1925年の北但馬地震、1927年の北丹後地震から、1943年の鳥取地震、そして事後になる1948年の福井地震あたりがその事例とされています。

正面を警戒していたら後ろから不意打ち、というパターンなので厄介ですが、「本震」との間隔も15年以上となるとどこまで警戒すればいいのやらという話でもあります。その意味では倉吉市などに大きな被害を出した2016年の鳥取県中部地震もその関連性が疑われるところでしょうね。2000年の鳥取県西部地震はさすがに現時点でも離れすぎていますが。

日本海側、内陸側という意味で少し気味が悪かったのが、16日夜の兵庫県北方沖を震源とする地震。
聞いたことがない震源だな、と思ったら、但馬沖を震源とする有感地震は実に74年ぶりだそうで、これもなんか不気味ですね。

震度が計測された場所もまた特徴的で、若狭、丹後から但馬、鳥取方面の沿岸で揺れた、というのではなく、これら沿岸でも揺れましたが、豊岡から朝来、そして瀬戸内海側の高砂、加古川に抜ける狭いエリアで観測しています。なんか円山川から播但線方面に地震波が伝わりやすい地形があるようですが、深さ10㎞で深発地震の異常震域のような分布を見せたのはなんか不気味です。



みんな前知事が悪いのよ、とその程度の知識で言われても

2024-08-20 21:24:46 | 震災・災害
「宿敵」が退陣して念願のリニア推進派知事になったことで例の私怨むき出しのライターも「お役御免」かと思いきや、飯の種がなくなると困るとばかりに未だに前知事叩きの記事で糊口を凌いでいます。ここまで来ると、昭和中期の人気噺家が一世を風靡した都都逸のように「電信柱が高いのも、郵便ポストが赤いのも、みんな前知事が悪いのよ」の世界ですね。
で、今度は南海トラフ臨時情報にかこつけて静岡県では2038年発生説が前知事肝煎りの学者の主張により染みついている、と来ましたね。1976年にセンセーショナルに取り上げられた「東海地震」をも前知事批判に使っているわけですが、確かに明日起こっても不思議はないと政府が煽りながら半世紀近く発生していないものの、「東海地震」の名前が消えたとは実に不勉強ですよね。
前知事を叩ければ事実に反してもなんでもOKというスタンスが露見した格好です。まあリニア問題でも忖度メディアよろしく最後までJR東海の「方便(方策)」問題を隠し通していましたからね。その程度のライターとしか言いようがありません。

だいたい、静岡に大地震が起きましたか、とドヤ顔で語っていますが、ネットメディアとはいえ静岡の地元メディアを名乗ってそれはないでしょう。
2009年8月の駿河湾地震、そして東日本大震災の誘発地震とも言われていますが2011年3月の静岡県東部地震と、前者は最大震度6弱、後者に至っては最大震度6強の地震が静岡県域を震源にして発生しています。前者は帰省ラッシュ直前の東名高速における路肩崩壊、全面通行止という災害発生は未だに記憶に残りますし、小規模ながらも津波も発生しています。これらの地震はプレート内のためプレート境界で発生するとされる東海地震のメカニズムとは違うとは言われましたが、発生当初はすわ「東海地震」か、と大騒ぎになっていますが。実際に「東海地震」に基づく対応もされていますけど。

そして「東海地震」は結局南海トラフの東側で発生する地震ということで、宝永地震のような「全割れ」ではなく「半割れ」を指すという認識になっていますけどね。
「東海地震」の根拠となったのは1854年の安政東海地震と1944年の東南海地震ですが、「東海地震」の震源域を東南海地震での「割れ残り」と見做したことから話が大きくなっています。そして南海トラフ地震自体は1854年に32時間間隔で発生した安政東海地震と安政南海地震、1944年の東南海地震と1946年の南海地震徳利かれており、間隔的にそろそろヤバいと注目を集めているわけです。それが1707年の宝永地震のような「全割れ」になったら、ということで、「東海」だけではない、と話が大きくなっているだけです。「東海地震」はその地震予知に関してはかなり問題ですが、発生するであろうという意味では否定されたことは無いわけで、より規模が大きい南海トラフ地震という概念に発展的解消を遂げただけです。

ちなみに歴史地震の解析などもあり、南海トラフの東端が「東海地震」であるように、西端(南端)は「日向灘地震」として警戒されるようになり、今回の臨時情報につながります。なお日向灘の地震で南海トラフ地震の発生可能性が上がった、ということが、南海トラフ全域のどこかで発生する、ということを理解していないんでしょうね。それは当然「東海地震」も含む概念ですから。

余談ですが、駿河湾地震での東名高速の路肩崩壊は、発生から40数時間、帰省ラッシュ初日に間に合う格好で下り線が復旧し、その2日後にはUターンラッシュに間に合う格好で崩壊現場側で2車線ともえぐられた上り線も復旧、しかも両方とも片側2車線での復旧と、日本の土木の底力を見せた格好になっています。
架橋は済んでいますが上部工の工事中だった新東名の新大井川橋の開放や、中部横断道や東富士五湖道路なども対象とした迂回運用など、「通す」という使命を最優先にした公共インフラとしての矜持を強く感じる対応もありましたね。煽り官庁とタッグを組んで少しの可能性で身勝手運休という、「公共交通」の名も恥ずかしい昨今の公共インフラが裸足で逃げ出すような立派な対応でした。