Straphangers’ Room2022

旧Straphangers' Eyeや習志野原の掲示板の管理人の書きなぐりです

9割方は既存系統で対応できるのなら鉄道の意義は

2024-08-30 20:36:49 | 交通
新幹線開業に伴う函館(山)線の代替バスの運行計画が公表されています。
現状の鉄道が上下33本ですが、バスは区間運転の集合体となり単純比較が難しいですが、最も輸送力が大きくなる余市-小樽間で上下125本の体制になります。そういうと早速どこぞのインフルエンサー(笑)のように差し引き92本分、いや、免許も違うから125本分の運転手をどうやって確保するのか、とバス転換の無謀を叫ぶのでしょうが、計画を見ると実は根深いというか、バスと鉄道の両方を維持することの効率が強く問われる結果になります。

実は黒松内-蘭越間を除くと既存バス路線があります。鉄道駅からは離れたところを通るが集落の配置などを考えると代替性があるバスも含めて、既存バス路線は最大の余市-小樽間で既に上下112本が運行されています。そう、差し引き13本しか増えない計算です。
一部路線は代替バスで置き換えるので廃止となるので、代替バスとして新たに系統を起こすのはこれも最大となるのが余市-小樽で上下21本。これは間違いなく朝を中心としたラッシュ時の対応が大半でしょうから、必要な資源は同区間に集中することになります。

バスの輸送力には正直余裕がありますから、それを活用することで多くはカバーできます。輸送量に段差がある倶知安以北で新たな系統は上下18本、もと元バス路線がない上記区間で上下10本となるわけで、5~10往復程度の増便も出来ないのか、というのが正直なところでしょう。逆に運行時間帯の設定の見直しとか再編を進めれば、詰め込んだり立客を出すことなく、そして本数も増やさずに対応も可能でしょうね。バス路線がない区間をカバーする(長万部-倶知安?)で5往復程度、それとラッシュ時対応の余市-小樽をカバーする10往復前後でしょうか。なお鉄道の輸送力ガーと騒ぐでしょうが、座席定員はバス以下で詰め込むH100系なら普通にバスでカバーできます。そうなると今まで鉄道があったのは全体最適じゃなかったのでは、という話にもなりますよね。

それと函館(山)線の代替バスが運行開始するのは新幹線開業時です。つまり、倶知安、新小樽を経由する新幹線にシフトする乗客が相当数出てきます。
特に足元の輸送力不足感を演出しているのは倶知安、ニセコ関係ですから、インバウンドを中心とした観光客による混雑は新幹線に完全シフトもあり得ます。現状は優等者車両どころか優等列車すらない状態ですから、普通列車でないと困るという乗客は少数派です。
そうなるとローカル輸送の需要は相当数減少するわけで、下手をしたら現状のバス便よりも少ない本数で賄える可能性も高いです。であれば運転手不足も現状の買い叩き、無為無策状態よりも必要数が減ると考えられますね。