Straphangers’ Room2022

旧Straphangers' Eyeや習志野原の掲示板の管理人の書きなぐりです

自然発生ルールを毛嫌いする害悪

2023-12-01 21:13:04 | 交通
世の中には自然発生的に成立した「ルール」や「マナー」を蛇蝎のように嫌う人がいますね。権力が押し付けた、というような昭和中期の発想を引きづっているとまでは言いませんが、国民、市民が自分から統制しているということがどうも受け入れられないんでしょう。自然発生というのはまさにそれがコンセンサスであり誰もが受け入れるルールなんですが。
さらに批判だけならまだしも、影に日に働きかけて折角の定着をぶっ潰しているのを見ると、社会を悪くする害悪としか言いようがありません。

交通の世界ではエスカレーターの片側開けがまさにその象徴で、歩くより遅い代物で歩くな、と歩行中に足止めを課すような非常識な話ですが、それを条例にするような論外の自治体も出てきています。昔の阪急梅田の「歩く歩道」のように両側歩きを強制しているでもなく、立つ人、歩く人を両立させるスマートな対応をなぜ潰すのか。わざと立ち止まって妨害する要員を配置するという税金泥棒の自治体もあるわけで(手当を出さずとも本来それが無ければしていた仕事が出来ないことによる損失が発生)、時間という老若貴賤を問わず等しく有限の資源を無駄遣いさせるという人類の敵です。

これに味を占めたのか、次のターゲットを探しているわけです。誰得というよりも生活を邪魔することに快感を覚えているが如き有害な行動がこれ以上広まらないようにしないといけません。
そのターゲットと思しき記事がネットに出ていましたね。いわゆるサンキューハザードに噛み付いています。

「ハザード」の本義というか邦訳としては「障害」(ゴルフで池や水路を「ウォーターハザード」と言いますよね)ですが、もちろん「障害」がある、あるいは「障害」になっていることを示す標識等がその本来の使い方であることは誰も否定していません。
でも左右のウィンカーとライト、そしてハザードランプ以外の「発信」が出来ないクルマがどうやったらコミュニケーションを取れるか、という必要が生んだ「マナー」なんですが、何が悪いのか。

お礼か障害かわからない、という斜め上も極まれり、という批判がネットの記事で識者の弁として出ていましたが、それが識別できないようであれば即刻免許を返納すべきです。そもそもそのケースではまずブレーキをかけるわけですし、それはハンドル回避よりもブレーキと警察も奨励しています。「サンキューハザード」は基本的にブレーキと同時使用にはなりません。前に入れてもらって減速したらただの割り込みと嫌がらせです。また、後ろをよく見ていない無理な割り込みではなく、認識していますよ、という意味もあるわけです。

だいたい、ハザードは本来一時停車時の使用が原則で、特に本線上で故障などで止まらざるを得ない場合の注意喚起が本旨です。しかし警察公認の使い方として渋滞最後尾の点灯がありますよね。ハザードを付けている側は故障等の不具合は全くなく、前方の渋滞があって減速あるいは停車している、というサインです。これだって厳密に言えば「正しい」使い方じゃありませんし、自然発生的に生まれたサインですが、これは良くてサンキューハザードはダメという理由が見えません。

あるいは急勾配での超低速走行での点灯もそうでしょう。大型やトレーラーのように急勾配にめっぽう弱い車両が峠越えの区間ともなると登坂車線でもなお止まりそうなスピードとなるわけで、ハザードを付けて超低速であるサインを示しています。
どちらかというと幹線道路で見られるシーンですが、R1の箱根新道とか、名阪国道の天理のオメガカーブといったところでは、登坂車線が無い区間を中心にハザードで知らさないと危険というケースが多発しています。

だいたい、コミュニケーション不足こそが事故の原因です。そう考えたら、どうやったらコミュニケーションが取れるのか、と考えないといけません。それこそ人類は手段が限られる中でコミュニケーションツールを考えてきたわけです。手旗信号然り、信号旗然り、モールス信号然り、それはローカルルールではなく世界共通のルールとなっています。ウィンカーなどの使い方にしても、それこそ決めごとですよ、こういう時にはこう示す、と決めればいいのです。点滅回数で使い分けるというのはさすがに無理がありますが、ハザードの出し方とか、決めれば済む話ですが、それは本来の使い方じゃないっ、と否定するのは進歩に背を向けた有害な発想です。

ライトやクラクションもそう。あおり運転と勘違いされるとか逆ギレするバカがいますが、これもルールにすればいいんですよ、
先に横断させる時にはライト点灯時は消灯、日中はパッシング、とか、前方が進んでいるのに気が付かないケースには後方が軽くクラクションを鳴らすとか、今現在一般化している「お作法」を制度化して、理解できない、理解する気が無い、勘違いするバカを排除そればいいのです。

ちなみに30年くらい前には当たり前に見られたコミュニケーションとして、高速道路での右端車線での右ウィンカーがありましたが、これは消えましたね。渋滞時のハザードの前段階として、前方低速車あり、という状況で、前に対しては走行車線への復帰を促し、後方へは減速することを知らせるという二役のサインでした。いまこれをやると「煽られた」と勘違いするバカが雨後のタケノコのように湧いてきますが、追越車線への居座りと後続車の妨害は立派な道交法違反、すなわち犯罪行為であり、それを咎めて何が悪い、という話なんですよ。右端車線での右ウィンカーがルールとして確立していれば、塞栓状態による渋滞も減るというのに。

まあこうしたサインの中には、この先ネズミ捕りあり、という趣旨でパッシングというのが結構広まっていましたから、警察も自然発生的なルールを無条件に肯定できなかったのかもしれません。



万博にはしゃぐ在阪メディア

2023-12-01 21:11:54 | 時事
2025年大阪万博は、500日前ということで前売券も発売開始となりましたが、コストアップや負担の問題が批判を浴びるなか、急に「万博待ち遠しいな」系の報道が始まったのには強い違和感を感じます。前日までは百億単位で膨れ上がるコストに、半年で解体する350億円の日よけリングとか、「宴のあと」はどうなる、という報道が連日流れていたのはどうしたのか。

このあたりは大阪発の国際イベント、ということでお国自慢が最優先の大阪人に阿った在阪メディアの本性が出てきた格好で、しかも大好きな維新主導のイベントですから、東京本社やキー局の批判中心の報道からようやく脱することが出来る、と思っているんでしょう。

ホント懲りないというか、芸能プロダクションへの忖度報道の反省の色もない感じで、しかも政権維持のために維新の協力が欲しい「増税ナントカ」が国がケツを拭きますから、と誰が決めたのか、という約束をしていますから、大阪は人のふんどしで相撲を取るというか半年のお祭り騒ぎを楽しめるという最低の状態です。

別にいいんですよ、いくらかかろうが。ただしそれは大阪と維新、そしてその支持者というか信者が全額負担してください。
地方議会も含めて維新に議席を許している自治体の住民もです。まさに民主主義のコストですからね。あなたの支持が、一票が招いた災厄です。その意味では今住んでいる自治体は維新の議席を許していますから、私も負担しないといけません。

大阪府や大阪市側、また維新の黒幕は、やるからには素晴らしいものを、とか言っていますが、やるからには、じゃないんですよ。やる必要性が無いんですから。やりたければ自分の財布でお願いします。それが身を切る改革とやらでしょう。
まあ有権者の側も世界中からのパビリオンが、楽しみ、というおめでたい発言が普通に出ているわけで、まあ人のカネで食べるご馳走はひとしおなんでしょう。

この手の「意義」論で何回誤魔化してきたか。2週間程度の五輪に半年程度の万博。でもレガシーが残ったとか言っていますが、その程度の効果に巨額の公費を投下していいのか。長野は終了直後こそバラ色の効果が喧伝されていましたが、四半世紀が経ってその効果を得たのは一部の世代だけで、あらゆる世代は「負のレガシー」の負担に苦しんでいますからね。負債どころかランニングコストとして今なお計上を続けているのです。この垂れ流しを考えたら、それこそ東京港区が批判を浴びた「海外に修学旅行」、の方が真っ当ですよ。今回の万博世代の小学生を海外に連れて行った方がまだ安いでしょうし、下手をしたら継続だって可能でしょう。

まあとにもかくにもメディアの無節操には反吐が出ます。
提灯記事を乱発するのであれば最初から批判などするなと。お先棒メディアなんだから。
このあたり、万博はあくまで露払いで、本命はカジノというところが見え隠れしているのもあるんでしょうね。こちらは恒久的施設ですからおこぼれに与れる人にとっては必死です。メディアも当然恩恵があるわけですから。



コストを賄うという発想を削ぐ愚行

2023-12-01 21:10:34 | 交通
岡山市が12月1日から1月3日まで、岡山市域を少しでも通る路線バスにつき、1乗車最大200円という破格のキャンペーンを始めました。現金でもハレカなどICでもOK、また岡山県民や岡山市民などの縛りもなく、誰でも適用です。

一部リムジンバスと高速バスは対象外ですが、地元紙の報道を見ると中鉄北部バスの岡山道経由真庭方面の路線は対象のようです。また岡山駅からのリムジンバスも対象のようですね。

この真庭方面へのバスや、備北バスの成羽線といった路線になると9割引き、7割引、というような投げ売り状態です。またここまで安いとただでさえ割引率が渋い定期券が「無意味」になってしまうわけで、事業者によっては12月を含む定期券の購入は熟考を、とアナウンスしており、またすでに購入している場合は無手数料で払い戻すとか、けっこう混乱気味です。

ただ今回のキャンペーン、岡山市外で利用する際はどうなるんでしょうね。岡山市域にタッチする系統は最大200円なのに、岡山市域まで行かないバスは「定価」となりますが、便によって値段が変わってきます。

そしてこの原資は税金ですが、ちょっとやり過ぎではないのか。運転手不足で減便や路線廃止が相次ぐ中、あるべき姿は労働分配を増やすべく一定の値上げをしないといけないなか、真逆の流れで関心を惹いてどうするのか。安いから乗る、という流動をいくら増やしても恒久的な利用増にはつながりませんから。