日本の核エネルギー政策の大元は、自前のエネルギーを将来において、他国の影響力を受けずに済む、持続可能なエネルギー自給策である。
しかし、核融合の連続で燃料を生み出す、「高速増殖炉の研究開発」は、実現不可能な超難関であることが20世紀の末には判明した。
そこで、日本の核エネルギー関係者たちは、将来の核武装の段階には、核エネルギーの開発技術を常時進化させて、核兵器開発の基礎となる技術を温存する必要性を、政治家たちに吹聴してきた。
自民党政権の軍事力重視派は、将来の核武装をできる体制を維持することが、日本の安全保障戦略にとって、必須の要素だと判断した。
しかし、日本国民は核武装を容認する機運には全くない。
そこで、憲法改定で攻撃的兵器の核武装の論理ができるまでは、実現不可能な核エネルギー技術であっても、とにかくエネルギー自給化のためには、今の高速増殖炉の開発は中止しない、と決断した。
結局、【高速増殖炉もんじゅ】は、廃炉を選択するしかなくなり、国費の2兆円以上が無駄な研究開発費として消えた。
そして、残された「ウラン燃料型の原発」は、エネルギー自給化の手段とはなり得ずに、あとは、廃炉の時期を先伸ばしするだけになる。
日本の核エネルギー政策は、無駄と誤魔化しの連続で終わるのだ。