庵KM

技術屋OBの環境問題独り言

経済問題。交通問題。健康問題。そして、日本の国創り問題。快適社会問題。

アメリカの一方的な国益に振り回されるな。

2017-04-19 | 国創り政治問題

アメリカの経済政策では、従来の路線は「金融業界の利益はアメリカの国益」との主張で、金融のグローバリゼーションを推し進めてきた。

確かに「ウオール街のエリートたち」の収入規模は、天文学的な規模に膨らみ、億万長者を多数生み出してきたが、アメリカの庶民は貧乏になる。

ブッシュ元大統領の時代までは、金融業の利益でアメリカ全体としての経済成長は順調に進んでいるように見えたが、住宅バブルの崩壊で破綻してしまった。

オバマ前大統領の時代には、この破綻した経済を立て直すだけで、8年間を要して「共和党政権のツケ」をやっと返済したような状況だ。

 

その間に、国民の【実質収入ダウン】となり、挽回のためには、「TPP交渉」の妥結に力点を置いてきたが、任期終了間際に、やっと交渉をまとめる妥協をした。

アメリカの共和党は、この妥結の中身は譲歩しすぎとして、議会での承認を引き延ばしてきたが、想定外の「トランプ大統領の誕生」によって、混乱している。

トランプ大統領の政権公約では、製造業の復活を掲げているが、「保護貿易主義」と非難されている。

しかし、関税自主権を主張するなら、今でも世界の標準は、国ごとの貿易体制での関税が認められているから、異端でもなんでもない。

問題は、海外の輸出企業に、アメリカ国内への工場移転を強要することにある。

 

は貿易保護主義を更に昔に戻して、国家社会主義の傾向を強めることになる。

その一方で、経済再生には「企業活動の規制緩和」を更に進めるとして、「金融業界への規制緩和」を実施すると宣言している。

アメリカの国益第一と言いながら、実質はアメリカの強い業界の後押しをして、更に利益を増やそうとの魂胆である。

また、二国間だけの貿易額の不均衡を槍玉に挙げて、しかも、単一業種の不均衡を是正するような、幼稚な認識の要求を掲げている。

このような論理の未熟な要求を、まともに受け止める必要もないが、裸の王様のトランプ氏は、まだ周囲からの知識を勉強中だから、何も決められない。

 

しかし、アメリカの収益、アメリカ人の雇用、給与水準だけは、一流を目指してくるのは確実だから、対外的な要求は必ず強硬に主張してくる。

中国政府のような「為替操作国」と扱われないように、「日本の超金融緩和政策の見直し」は、必須になるだろう。

また、農業分野での関税引き下げの要求も強く迫ってくる。

そのような場合でも、日本は将来の国のあり方を十分に策定したうえで、日本の国益に沿う方向に妥結をしていく基本路線を守るべきだ。

アメリカが日米安保体制をタテにして、経済分野での譲歩を迫るようならば、日本の将来を考えた、「自主独立的な専守防衛の路線」に改革していくべきである。

あくまでも、日本国民の生活の安全と豊かさを追求する姿勢を貫徹するのだ。