なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

「高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン」

2019年07月26日 | Weblog

 昨日は高尿酸血症・痛風の講演会に出た。フェブリクを販売している帝人ファーマの開いた会で、全国にweb配信されていた。「高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン 第3版」が出版されており、作成委員の先生が講演された。

 日本では痛風の症状がなくとも、検査で高尿酸血症があれば治療対象とされている。欧米では痛風だけが治療の対象で、症状のない高尿酸血症だけでは治療の対象にならず、薬の適応がないそうだ。

 高尿酸血症は血清尿酸値>7mg/dLで、治療の要点は、

 血清尿酸値>7mg/dLは、痛風関節炎または痛風結節があれば薬物治療

 血清尿酸値≧8mg/dLは、合併症(腎障害、尿路結石、高血圧、虚血性心疾患、糖尿病、メタボリックシンドローム)があれば薬物治療

 血清尿酸値≧9mg/dLは、合併症がなくても薬物療法

 それ以外の高尿酸血症は生活指導のみ(薬物療法を行う場合、当然生活指導も行う)。

 治療は血清尿酸値6.0mg/dL以下を目指す

 ということ。

 ガイドラインには、個人的には(専門家としては)こうした方がいいと思っても、エビデンスがないと載せられないと言っていた。生活指導に熱心な先生で、食品の例を上げていた。プリン体は1日400mg程度の摂取が好ましいが、通常の(地味な?)和食でもギリギリになる。焼き鳥とビールであっさりオーバーしてしまうそうだ。(当方は酒が飲めないので関係ないが)いわゆるレバーや海産物のたっぷり入った鍋料理を「痛風鍋」として紹介していた。

 ただし、もともと食物からつくられるプリン体は20%で、体内の細胞の新陳代謝などでつくられるプリン体が80%なので、尿酸値が≧8mg/dLあると、食事療法を頑張っても正常化するのは難しいそうだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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