なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

受け入れたくない理由は

2012年03月22日 | Weblog
 70歳台後半の男性。離婚して妻子とは何10年もかかわりがない。ひとり暮らしで、兄弟姉妹などの親族が時々世話をしていた。数日前から動けなくなって、昨日親族が救急要請した。搬入先をあたったが、どの病院も救急とはいえないことなどを理由に受け入れてくれなかったそうだ。そのまま救急隊はいったん帰った(そんなこともあるんだ)。今日また救急要請して、当院に受け入れ要請がきた。午前中の救急当番をしていて、事情は察しがついたが、受け入れることにした。
 搬入時、意識は清明だが、認知症がある。連れてきた親族の名前もわからない。脳梗塞後遺症があるが、麻痺のためというよりは、次第に動かなくなったためと、ちゃんと食事してないため、筋肉が萎縮して廃用症候群になっていた。打撲したのか、低温やけどでもしたのか下肢に傷が何か所もある。ずっと入浴していないのだろうと思われた。一通り検査したが、高血圧症の治療を中断していたため血圧は高いが、それ以外は異常がなかった。治療というよりは介護も問題で、暖かい食事と入浴と暖かいベットが状態を改善するのに一番効果があるのだろう。
 入院後は病院の食事を完食した。ソーシャルワーカーに連絡して、介護保険の手続きを進めてもらうことにした。廃用症候群のリハビリをしながら、施設入所まで病院で過ごすことになる。町役場(住所は隣町)に連絡して、もっと早く福祉サービスにつなげればよいのにと思うが、だれが責任を負うかということもあり、食べ物を差し入れるくらいでここまで来てしまったのだろう。
コメント
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