なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

夜間に吐血

2012年03月11日 | Weblog
 80歳台前半の女性。大腿骨頸部骨折で整形外科に入院した。手術を受けた後に、リハビリテーション病棟(整形外科医担当)に転科して、リハビリ中だった。関節リウマチでプレドニン5mg/日とNSAID(セレコックス)を内服している。一昨日から発熱があり、ボルタレン座薬も使っていた。内科だと、まず発熱の原因を検索するとこだが、とりあえず解熱剤が出るところは整形外科だと思う。
 土曜日の昨晩は当直をしていたが、リハビリ病棟がら連絡がきて、その患者さんが高熱があり吐血しているという。病棟看護師が主治医のリハビリ医に連絡したところ、私が当直しているというので診てもらうように言われた。鮮血ではなく、コーヒー残差様の吐物だった。点滴して、オメプラール注を入れていると嘔吐はおさまった。バイタルは安定していた。翌朝まで持続点滴で経過を見ることにした。
 今日日曜日の午前9時半ごろ、検査結果が出たので、また病棟に行ってみた。バイタルは安定して、嘔気もなくすっきりした顔をしていた。採血では炎症反応が上昇していた。ポータブルの胸部X線で明らかな肺炎はなかった。尿検査の結果から、急性腎盂腎炎による発熱と思われた。入院時と比べてHbが12から10に下がっていた。消化器科医が日直で来ていたので相談したが、今すぐ緊急内視鏡検査をするほどではないので、このまま絶食・点滴・オメプラール注で経過をみて、明日内視鏡検査をすることになった。
 明日リハビリ医に、高齢者の発熱はインフルエンザ以外ではウイルス感染症ということはなく、何らかの細菌感染症を考えて検査をすることを伝えておこう。高齢者が発熱する度に、内科に診察依頼が来ることになるが。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする