東京里山農業日誌

東京郊外で仕事のかたわら稲作畑作などをしていましたが、2012年4月に故郷の山口県に拠点を移して同活動をしています。

古い松下製電池管ラジオ 4W-260の修理(2/2)

2014年01月08日 | 古ラジオ修理工房



 古い松下製電池管ラジオ、B電池がないため動かすのを諦めていました。ところが、東京から持って帰った荷物をあれこれ整理していると、なんとこのラジオの100V電源コードが出てきました。細くて頼りなさそうな電源コードです。テスターで導通を計ると、導通していたため使えそうです。

           2年半ぶりに出してみた松下製電池管ラジオ、音が出るか?  


 絡まっていた電源コードを丁寧にほぐすように伸ばしました。とても古いコードですので、ひび割れしないか心配でした。しかし、なんとか伸ばすことができました。電池管ラジオ側に電源コードを差し込みました。漏電などショートしている恐れがあるため、100Vに一瞬つないでみました。しかし、何も起こりませんでした。大丈夫のようです。

     絡まっていた電源コード              電源コードをラジオに差し込む
 

 そもそもこのラジオは、電池で動作する真空管ラジオです。トランジスタがまだ無かった頃のポータブルラジオです。しかし、真空管を加熱するA電池(単一電池)とB電池(積層67.6V)が必要です。B電池は今、製造されていません。この電池管ラジオは、トランジスタラジオが登場すると、あっという間に駆逐されてしまいました。一時期ニュービスタと呼ばれる超小型の真空管が出たようですが、とてもトランジスタには歯が立ちませんでした。トランジスタラジオの登場によって、電池管ラジオは、投げ売り状態になったそうです。今や歴史遺産のようなラジオですので、今ではむしろ希少価値があるのではないでしょうか。

    A電池(単一電池)を入れる個所         積層67.6V電池、今や製造中止
 

 電源コードを100Vに繋いで、電源スイッチを入れてみました。すると、すぐに小さなザーっと言う雑音が聞こえてきました。真空管はスイッチを入れてから10秒位経たないと音が出ないと思っていました。電池管ラジオは意外に早く音が出るようです。フィラメントがすぐに赤熱するのでしょう。直熱式なのかも知れません。
 チューニングダイヤルを回すと、嬉しいことにラジオ放送を次々に受信しました。この電池管ラジオは、特に故障していませんでした。単に積層67.6Vが無かったため動作させることができず、故障しているかどうか分からなかっただけです。動かないと思っていたラジオが、復活するのは嬉しいものです。

               電池管ラジオの内部、4本の電池管で構成


 この電池管ラジオの端子をいろいろ調査してみました。すると、積層67.6Vで動作させるか100V電源で動作させるかの切り替えスイッチがありました。イヤホン端子も付いていました。100V電源部の蓋は開け閉めできるようになっていました。

   開閉可能な100V電源部の蓋               A:イヤホン端子,
                                                               B:電池/100V切り替えスイッチ
 

 感度もなかなか良いようです。音を大きくすると、少しばかり音が割れますが聞き取れます。
トランジスタラジオが出るのは、昭和30年代初めです。この電池管ラジオは、昭和20年代後半から昭和30年前半を飾ったポータブルラジオではなかったかと思います。濡れティッシュで汚れを綺麗に拭き取った後、その歴史を感じさせる音をもう一度聞き直しました。

              濡れティッシュで綺麗に汚れを取っている電池管ラジオ


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