東京里山農業日誌

東京郊外で仕事のかたわら稲作畑作などをしていましたが、2012年4月に故郷の山口県に拠点を移して同活動をしています。

夏・秋の藍染めに向けて準備、藍の乾燥葉を発酵

2020年05月14日 | 綿栽培,糸つむぎ,織り,染色

 先日、去年収穫した藍の乾燥葉を試しに発酵させて藍染めをしてみました。紺屋のような本格的な藍染めはできませんでしたが、薄くとも藍染めは成功でした。今回、もう少し多目の乾燥葉を発酵させることにしました。藍の乾燥葉はお茶のような香ばしい臭いがします。その葉を発酵させても嫌な臭いはしません。数年前に水に浸したまま発酵させてみましたが大失敗でした。薄くは染まるのですが、とんでもない臭気に困りました。発酵したのではなく腐敗したのです。それに懲りて、腐敗しない工夫をいろいろして、今回のような発酵にたどり着きました。

           発酵中の、砕いた藍の乾燥葉


 藍を専門的に扱う業者は、大量の藍の乾燥葉を堆肥を作るようにして発酵させるようです。私も大量の堆肥を作ったことがありますが、発酵熱で驚くほど温度が上昇します。何度もかき混ぜて、温度が上昇しなくなったら堆肥の完成です。藍の発酵もそれに似ているのではないかと思います。藍の場合、出来上がるのは堆肥ではなく「すくも」と呼ばれるものです。ちなみに、江戸時代も今も淡路は「すくも」の大生産地です。

  乾燥葉を水で戻す    ミキサーで粉砕     細網で水分を除く
  

 発酵させる前に乾燥葉を砕くのですが、私はミキサーを使っていますがミンサーを使った方が無駄がないのではないかと思います。砕いた後、水分を取り除いて発酵工程に入ります。含まれる水分量に、腐敗と発酵が分かれるポイントがあります。なるべく暖かい場所に最低でも2週間置きます。時々揉むと良いでしょう。発酵が進むとだいぶ量が減ります。
 今のところ、1回の染めでは紺屋のような濃い染めはできません。しかし、4回程度染めを繰り返せばそれなりの濃さに染まりました。田布施町の場合、江戸時代どのようにして栽培した藍を染物に使ったのか記録がありません。何とか近づきたいと思っています。

   ビニール袋内で発酵中     染めの回数、だんだん濃く染まる
 

コメント
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