やっと日本で公開されました。韓国で上映されて約1年半早く見たかったんですよ。ただ感想としては、2つあるんですよねぇ・・・。
【映画好きの私としての感想】日本のヒーローでありながら、なかなか力道山を扱った作品って日本ではないんですが、出身地とされる韓国から初めて力道山自身を描いた作品が作られました。話の方向としては、朝鮮から強くなるのを夢見て日本に来た「金」がプロレスで日本のヒーローとなっていくが、成功するたびに差別という壁を見せつけられて孤独になっていく・・・という力道山の悲しさのほうに焦点を置いている気がしましたね。ただ事実と違う箇所が(特に重要な場面に)あるので、この映画を力道山の伝記として見るのはどうかなと思いますね。
ただプロレスシーンはよく出来てました・・・シャープ兄弟戦のところの空手チョップの打ち方なんかはよく研究されてましたし、髪をさわるところなんかは映像でみる力道山とそっくりでした。
【プロレス好きの私としての感想】この監督さんはもう少し力道山のこと当時のプロレスのことをを調べてからこの映画を撮ってもらいたかった。いくら映画だからといっても現代風にアレンジしたといってもNOAHと百田さんが許可をだしたといっても、事実と違い過ぎます。
・ハロルド坂田を始め、力道山もシャープ兄弟もラリアット(クローズライン)なんか知りませんって。
・ましてや、力道山がコバルダやトップロープ越しのプランチャなんかする訳がない。(ドロップキックとブレーンバスターも怪しいもんだし・・・)
・当時の選手コールの身長体重は尺貫法でしたから、ポンドは使わなかったはず。
・金一(大木金太郎)はあんなに早く弟子入りしませんって。
・義浩と光雄の兄弟はなぜ出ない?
・ワールドリーグ戦の開催時期は昭和34年です。東富士の前ではない。
・力道山を刺した犯人の動機が違うよ。(まあこれははっきりとした事実が明らかではないけどね・・・)
そして最後に韓国映画の翻訳の第一人者根本理恵さんへ・・・プロレスの3本勝負なんだから、1回戦・2回戦じゃなくて1本目・2本目と訳してもらいたかった。
プロレス好きからみたら、アラの多い作品でした。ほとんどがプロレスシーンなんだけどね。