ふぉるもさキッチン(台湾厨房)

台湾あれやこれや、色々なトピックスをご紹介したいと思います。(すでに閉店してしまった施設、店舗もあります。悪しからず。)

鹿港老街その3

2010-08-10 23:00:24 | 町を訪ねて
 鹿港老街の旅最終回は中山路と新盛街のコーナーにある「意楼」からスタートです。


       
 意楼の特徴は壁の上部に丸い煉瓦製の窓があることです。この窓はヒョウタンと小銭の形がモチーフになっていて、それぞれ幸福と富を象徴しているそうです。そして丸い窓枠は円満を意味しているのだとか。
 意楼の外壁は最近修復されて、綺麗になっていました。


       
 意楼から少し北側に戻ると、そこには鹿港名物の「九曲巷」と呼ばれる道があります。九曲巷も路面が煉瓦の石が敷き詰められていて、素敵な雰囲気が漂っていますね。


       
 新盛街から九曲巷に入ると、すぐに「十宜楼」という建物が飛び込んできます。ここはかつての商社の持ち主が住んでいたというお屋敷です。


       
 この建物は「二坎二進一院」という建築様式で、屋敷内に光と風が通るように楼井(天井の一部を空けること)が作られています。
 また「十宜楼」の十は、琴、囲碁、詩、酒、絵画、花、月、賭博、タバコ、お茶を表しており、昔、ここに集まった文化人達がいろいろな芸をしたり、遊んだりしたということを示しているのだそうです。


       
 更に九曲巷を歩きます。この小道は文字通り何か所か曲がっていますが、これは寒い冬でも風を防ぐことができ、通りに住む人々が暖かく過ごせるようにという工夫なのだそうです。


              
 九曲巷で水ポンプを発見!昔から使われているものなのでしょうか、かなり年季が入っていました。


       
 ずっと道なりに進んでいくと市場の方に出ます。ここが九曲巷の出口であり、入り口でもあります。


       
 再び中山路に戻り、新盛街との角あたりに「丁家大宅」を見つけ、ちょっと入ってみました。その昔、商売で成功した丁さんのお宅です。ここも縣の古蹟に指定されています。
 お邪魔しま~す!と入ってみると、意外にも奥に長いのですね!奥行きは70メートルもあるとのことです。


       
 丁家大宅の裏口を出ると、その向かい側に洒落た建物が見えました。重厚な西洋式の建物です。ここは「鹿港民俗文物館」で、今は文物館として使用されていますが、元々は日本統治時代の豪族だった一の邸宅だったそうです。


       
 中山路をやや南に下り、派出所の手前を左に折れて少し行き、左上の方向を見てみると、そこには瓶を並べた壁がありました。「甕牆」と言われるそうですが、これは鹿港の民家でよく見られます。飲み終わったお酒の瓶を壁として並べたものですが、見た目も美しく風通しもよいので、その昔はこのような壁が流行ったようです。


             
 更に中山路を南に進むと「興安宮」というお寺が見えてきます。このお寺は1684年に建てられた古刹で三級古蹟に指定されています。正殿には媽祖の神様が祀られています。


       
 興安宮の向かいにも甕牆がありました。しかし、これは新しくつくられたもののようですね。


             
 徳興街のほうに入っていくと、今度は「鳳山寺」というお寺がありました。1824年に建てられたものだとか。本当に鹿港には古いお寺がたくさんありますねえ。


             
 鳳山寺のやや西の方に、有名な道があります。「模乳巷」という細い路地。


             
 確かに細い通りです。道幅は1メートルあるかないかでしょうか・・・・・・・


             
 向こうから来た人とすれ違おうとしたら、体を横に向けなければなりません。こうすると胸が壁にくっついてしまいます。名前の通り、“乳が触れてしまう”道なんですねえ。


       
 模乳巷の北側に「慰霊廟」というお寺があるはずなので行ってみると、なんとお寺は修理中。その向かい側のプレハブに神様達がいらっしゃいました。


        
 さて、これは地蔵王廟というお寺。その名の通り、主に地蔵菩薩を祀っています。国の三級古蹟に指定されている古刹です。


             
 このお寺には「重興敬義園捐題」と書いてある石碑が置いてあります。「敬義園」とは鹿港で創建時期の最も早い慈善組織で、地方で公益事業を行っていたそうです。


       
 中山南路沿いに「文武廟」というお寺がありますが、これは武廟、文祠、文開書院という三つの建物が同じ敷地にあるので文武廟と呼ばれています。
 まず、一番奥にある文開書院ですが、1827年に建てられたものだそうです。明朝の儒学者、沈光文を記念するために別名を使って書院と名付けられたということです。


       
 そして真ん中にあるのが文祠です。1811年よりこの文祠を建てることが計画され、度重なる修復を経て今日に至っています。
 現在の文祠は祭祀の場所としてだけではなく、学生が勉強したり詩人が集まって作品を作ったりする場所でもあるそうです。


       
 文祠の入り口の両側の壁には、鹿港で有名な書道家の作品がありますので、見てみてください。


       
 最も入り口に近いところにあるのが武廟です。1812年に竣工した廟で、関聖帝君が祀られているそうです。正殿の前に古い鐘がありますが、これは武廟の重要な文物とされているとのことです。


       
 彰鹿路七段の附近に見えるのが「福興穀倉」です。日本統治時代、米どころの鹿港に造られた米倉、穀物倉ですが、今では修復されて芸術作品などを展示するスペースとして用いられています。


       
 中山路と彰鹿路八段がぶつかる地点に、かつて台糖が造ったサトウキビ列車の駅「鹿港駅」跡があります。ここは旅行インフォメーションセンターにもなっていますので、ご利用ください。


             
 このインフォメーションセンターには、鹿港の町を案内するこんな音声ガイドがあります。えー、実はですねえ・・・・この音声ガイドの日本語音声は、私の夫の声なんです!!ですから、是非是非聞いてみてくださいね~!!


       
 さて、金門巷に出ると、そこには赤と青の色が鮮やかな建物が見えてきます。これは「金門館」と呼ばれています。金門出身の鄭用錫が総監督として、この建物の修復工事をしたことからこの名前となったそうです。
 正殿に祀られているのは金門出身者の守護神である蘇府王爺だそうです。ここはお寺ですが、金門出身者の集会所としても使われていたそうで、両側の廟廊も宿泊施設として用いられていたそうです。


       
 金門巷の1本北の通り、金門街には龍山寺があります。明代末期、清代の初期に建立された古刹で、国家の一級古蹟に指定されています。龍山寺の敷地面積は1600坪あまりで、主に観音菩薩様が祀られてるそうです。


       
 1790年代から何度も修復されてきたお寺ですが、その歴史的、芸術的価値の高いお寺として評価されています。中でも素晴らしいのは石柱の彫刻と、八角形をした藻井などに施されている
木工彫刻です。


             
 鹿港老街最後のご紹介はやっぱりお食事どころ!金門館の近くにある「永香民俗小吃」というお店ですが、お昼時に行ったためか、もーのーすごーーい人!!


       
 ここの看板メニューは切仔麺や鶏巻などいろいろありますが、中でも気に入ったのはエビ団子入りの麺でした。このエビ団子、エビの濃いお味がしておいしかったです~!!

 以上、長々と鹿港老街レポートを書いて参りましたが、やっぱり百聞は一見にしかず!興味が湧いてきた方は、是非是非現地へ飛んでいってください!!

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4 コメント

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たっぷり見せていただきました (okei)
2010-08-17 14:10:33
ガイドブックで見たら鹿港は台中に近い場所ですね。
「古きよき台湾の雰囲気がぎっしり詰まった魅力あふれる街」
と書かれていました。
今回、我が家にホームステイした子の実家は台中です。
大学は新竹。
まだ続く夏休みは実家にいると思います。
たくさんの思い出を残し帰国しましたが台湾での再会を約束しました。

次回の台湾旅行の計画を立て始めています。
ますます台湾行きの楽しみが増えました。
鹿港老街も候補に入れました。
有難うございました。
返信する
是非おでかけください (ももママ)
2010-08-17 23:25:37
okeiさん

鹿港と台中、近いです!
高鐵(台湾新幹線)で台中まで行き、そこから彰化まで列車で二駅、彰化からは鹿港行きのバスが出ています。

台湾へホームステイした学生さんを訪ねていらっしゃるなら、鹿港へも是非おでかけください。
台中も趣のある茶芸館がたくさんあり、とてもいい町です。
新竹も見所が多いので、次回の台湾旅行は楽しみですね。
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Unknown (hasuki_ken)
2010-08-23 17:51:03
こんにちは~
私も鹿港2回ほど行きましたよ。
いづれも台中に行ったときですけど。
あそこって土日は賑わっているんですけど、平日に行った時は、お店が結構閉まってて寂しい感じでした(>_<)

ところで、ちょっとお尋ねしたいのですが、茶業博物館の近くの徳志茶園に行かれた事ありますよね?ここってレストランもしていると以前の記事にかかれてましたけど、お値段がいくらぐらいって分かります?
実は来月茶業博物館に行こうと思ってまして、合歡茶宴風味餐廳で最初はランチをして、徳志茶園でお茶を購入しようと思っていたのですが、合歡茶宴風味餐廳のランチは高いと言われ…。何処か安くて美味しい所を知っていたら教えてほしいのですが。
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Unknown (ももママ)
2010-08-23 23:00:28
haski kenさん

鹿港、行かれましたか!
いいですね、昔の町並みが広がっていて、お寺もたくさんあって、それに美味しいものもいっぱいあって、魅力的な所ですね。

鹿港もそうでしょうが、他の老街も平日はちょっと静かですね。
やはり、人は多いけど、老街へは土日に行くのが面白いかもしれませんね。
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