6月上旬、瑞垣山の山腹はレンゲツツジのひときわ鮮やかなオレンジ色で彩られる。
丹沢に咲き誇るシロヤシオやトウゴクミツバツツジの純白や赤紫の高貴な花とは
一線を画す艶やかで優しい色合いもまた登山者の心を惹きつけて離さない。
午前7時をまわる頃、僕は瑞垣山への登山口『みずがき山荘』に降り立った。
平日だと言うのに駐車場はすでに20台ほどの車に占拠されていた。
レンゲツツジと時を同じくしてシャクナゲの季節を迎えているのだろうか?
北八つのシャクナゲも見事であるが瑞垣山に咲くシャクナゲに魅せられてわざわざ足を運ぶ登山者も多いと聞く。
さて、今日の僕はレンゲツツジやシャクナゲを愛でる優雅な山行のためにここに来のではない。
この森に住むヤマトイワナを探索するという『崇高なミッション』を遂行するためにここを訪ねたのだ。
昨年9月28日、この森のいくつかの沢の探索中に美しい純血ヤマトだけが棲む1本の沢に出会った。
この沢の他にも頑なに純血を保つヤマトの沢がまだあるに違いない。どうしても出会いたいと思っていた。
僕に与えられた武器は、ザックに括り付けた熊鈴とホイッスル、
釣友から貰った紙火薬のピストル、そして腰に付けた山刀と熊撃退スプレ-だけである。
ザイルやシュリンゲは使う予定はないが一応ザックの中に収めた。
今日、最初に入るのは『深森沢』
無数に流れる名もない枝沢に僕が勝手に付けた名である。
鬱蒼とした深い森には熊の気配が充ち満ちている。
障害物も多く遡行もロッドを振ることさえも難儀する。
だからこそヤマトが棲息すると目を付けたのだ。
森に入ると、沢筋にはコゴミやミズの群落が続く。
一面シドケの畑が、、、
5月中旬が摘み頃であろうか?
更に遡行する、、、
と、暗い森の中に突如として陽が差し込むお花畑が出現する。
薄紅色や白や紫の花々が咲き乱れるその空間は、この森に似つかわしくない不気味さがある。
何人かの釣友と酒を並べて宴を開くのならいいのだろうが
一人でいると何故か身震いしてしまうような妖気を感じて立ちつくしてしまうのだ。
美しいお花畑なのに一刻も早く立ち去りたい、そんな衝動に駆られて通り過ぎた。
程なく、岩魚が潜んで居そうなポイントに辿り着いた。
障害物で守られた落ち込みは一筋縄では行かない。
密かにスト-キング、ひざまずいてボウ&アロ-でフライを放つ。
着水したフライに間髪置かずに食らいついたのはヤマト、、、、、、のハイブリッドであった。
こんな狭いエリアに岩魚が棲息できるのか?
そんな疑問はフライをキャストしてみればすぐに解ける。
まさに一投一尾、ポイントには間違いなく岩魚が潜んでいた。
これは色濃くヤマトの血を残すハイブリッド、体側上部の僅かな白点が恨めしい。
遡行する行く手にはどこもかしこも倒木が横たわり心が折れそうになる。
源頭部に至ると、こんなポイントだけになる。
ロ-ルキャストもボウ&アロ-も歯が立たず、提灯釣りの世界になるが岩魚は確実にいる。
ロッドティップから30センチほどフライを垂らして右側の藪の陰にフライを置く。
難儀して取り込んだ岩魚は残念ながらこれもハイブリッドであった。
ここまでおよそ20尾、その中に純血ヤマトは一つとしてなかった。
こんな源頭部の細流でさえヤマトの純血が侵されていようとは、、、、。
やりきれない気持と徒労感を抱えてとぼとぼと山を下りた。
2本目の沢は『きのこ沢』
昨秋、きのこを探していて偶然見つけた枝沢である。
勿論、地形図にも無ければ名も知らない細流である。
先ずは燃料を補充する。
森の中でやる冷え冷えのビ-ル2本、さっきまでの疲れが吹き飛んだ。
○○や○○を酒肴に焼酎を一杯追加した。
崇高なミッションの途上にはふさわしくないので画像は抹消する。
お腹が満たされれば眠るに限る。
昔、大和の国には隠密裡に任務を果たす一団があった、忍びの者である。
忍びの者が野で眠るとき、彼らは必ず体の左側を地に着けて眠ったそうである。
不意に斬りつけられた時、右腕の自由が効くし心臓が守れるからだと言う。
僕もそれに習ってやってみたがこれはいただけない。
満杯になった胃袋からビ-ルが逆流して不快この上ないのだ。
やはり川原乞食は仰向けに大の字に眠るのが一番心地よいのだと実感した。
さあ、再び探索を開始しよう!
だがアルコ-ルの入った後は探索などどうでも良くなってしまう。
緩慢になった体で跪き、膝に圧迫されて胃袋から逆流しそうなビ-ルを押さえつけながらボウ&アロ-でフライを射る。
飛び出した岩魚はヤマトとは程遠い個体であった。
酔っぱらっていたって警戒心の強い筈の枝沢の岩魚は釣れる。
と言うことは、釣りは決して腕の良し悪しではないと言うこと、その好例である。
上流になるにつれてこんなポイントになる。
この枝沢でも15尾ほどの釣果。
でもやはり純血ヤマトは一つとしてなかった。
細流はまだまだ上流へと続いていた。
しかし純血ヤマトの棲息は絶望的であり酔いも残っている。
諦めて車に戻って二度寝に就いた。
太古の昔、おそらくこのみずがきの深い森の中でヤマトイワナは生を謳歌していたに違いない。
今日の探索で出会った30を越える岩魚に色濃く残るヤマトの血はその証左である。
一時の釣りブ-ムの陰で無差別に放たれたニッコウイワナによって
無惨にもヤマトの聖地が浸食されてもう元には戻せないところまで来てしまった。
しかし、この森のどこかに昨秋出逢ったような純血ヤマトの聖地が必ずある筈である。
それをひたすら信じてヤマトの探索を続けて行きたいと思っている。
丹沢に咲き誇るシロヤシオやトウゴクミツバツツジの純白や赤紫の高貴な花とは
一線を画す艶やかで優しい色合いもまた登山者の心を惹きつけて離さない。
午前7時をまわる頃、僕は瑞垣山への登山口『みずがき山荘』に降り立った。
平日だと言うのに駐車場はすでに20台ほどの車に占拠されていた。
レンゲツツジと時を同じくしてシャクナゲの季節を迎えているのだろうか?
北八つのシャクナゲも見事であるが瑞垣山に咲くシャクナゲに魅せられてわざわざ足を運ぶ登山者も多いと聞く。
さて、今日の僕はレンゲツツジやシャクナゲを愛でる優雅な山行のためにここに来のではない。
この森に住むヤマトイワナを探索するという『崇高なミッション』を遂行するためにここを訪ねたのだ。
昨年9月28日、この森のいくつかの沢の探索中に美しい純血ヤマトだけが棲む1本の沢に出会った。
この沢の他にも頑なに純血を保つヤマトの沢がまだあるに違いない。どうしても出会いたいと思っていた。
僕に与えられた武器は、ザックに括り付けた熊鈴とホイッスル、
釣友から貰った紙火薬のピストル、そして腰に付けた山刀と熊撃退スプレ-だけである。
ザイルやシュリンゲは使う予定はないが一応ザックの中に収めた。
今日、最初に入るのは『深森沢』
無数に流れる名もない枝沢に僕が勝手に付けた名である。
鬱蒼とした深い森には熊の気配が充ち満ちている。
障害物も多く遡行もロッドを振ることさえも難儀する。
だからこそヤマトが棲息すると目を付けたのだ。
森に入ると、沢筋にはコゴミやミズの群落が続く。
一面シドケの畑が、、、
5月中旬が摘み頃であろうか?
更に遡行する、、、
と、暗い森の中に突如として陽が差し込むお花畑が出現する。
薄紅色や白や紫の花々が咲き乱れるその空間は、この森に似つかわしくない不気味さがある。
何人かの釣友と酒を並べて宴を開くのならいいのだろうが
一人でいると何故か身震いしてしまうような妖気を感じて立ちつくしてしまうのだ。
美しいお花畑なのに一刻も早く立ち去りたい、そんな衝動に駆られて通り過ぎた。
程なく、岩魚が潜んで居そうなポイントに辿り着いた。
障害物で守られた落ち込みは一筋縄では行かない。
密かにスト-キング、ひざまずいてボウ&アロ-でフライを放つ。
着水したフライに間髪置かずに食らいついたのはヤマト、、、、、、のハイブリッドであった。
こんな狭いエリアに岩魚が棲息できるのか?
そんな疑問はフライをキャストしてみればすぐに解ける。
まさに一投一尾、ポイントには間違いなく岩魚が潜んでいた。
これは色濃くヤマトの血を残すハイブリッド、体側上部の僅かな白点が恨めしい。
遡行する行く手にはどこもかしこも倒木が横たわり心が折れそうになる。
源頭部に至ると、こんなポイントだけになる。
ロ-ルキャストもボウ&アロ-も歯が立たず、提灯釣りの世界になるが岩魚は確実にいる。
ロッドティップから30センチほどフライを垂らして右側の藪の陰にフライを置く。
難儀して取り込んだ岩魚は残念ながらこれもハイブリッドであった。
ここまでおよそ20尾、その中に純血ヤマトは一つとしてなかった。
こんな源頭部の細流でさえヤマトの純血が侵されていようとは、、、、。
やりきれない気持と徒労感を抱えてとぼとぼと山を下りた。
2本目の沢は『きのこ沢』
昨秋、きのこを探していて偶然見つけた枝沢である。
勿論、地形図にも無ければ名も知らない細流である。
先ずは燃料を補充する。
森の中でやる冷え冷えのビ-ル2本、さっきまでの疲れが吹き飛んだ。
○○や○○を酒肴に焼酎を一杯追加した。
崇高なミッションの途上にはふさわしくないので画像は抹消する。
お腹が満たされれば眠るに限る。
昔、大和の国には隠密裡に任務を果たす一団があった、忍びの者である。
忍びの者が野で眠るとき、彼らは必ず体の左側を地に着けて眠ったそうである。
不意に斬りつけられた時、右腕の自由が効くし心臓が守れるからだと言う。
僕もそれに習ってやってみたがこれはいただけない。
満杯になった胃袋からビ-ルが逆流して不快この上ないのだ。
やはり川原乞食は仰向けに大の字に眠るのが一番心地よいのだと実感した。
さあ、再び探索を開始しよう!
だがアルコ-ルの入った後は探索などどうでも良くなってしまう。
緩慢になった体で跪き、膝に圧迫されて胃袋から逆流しそうなビ-ルを押さえつけながらボウ&アロ-でフライを射る。
飛び出した岩魚はヤマトとは程遠い個体であった。
酔っぱらっていたって警戒心の強い筈の枝沢の岩魚は釣れる。
と言うことは、釣りは決して腕の良し悪しではないと言うこと、その好例である。
上流になるにつれてこんなポイントになる。
この枝沢でも15尾ほどの釣果。
でもやはり純血ヤマトは一つとしてなかった。
細流はまだまだ上流へと続いていた。
しかし純血ヤマトの棲息は絶望的であり酔いも残っている。
諦めて車に戻って二度寝に就いた。
太古の昔、おそらくこのみずがきの深い森の中でヤマトイワナは生を謳歌していたに違いない。
今日の探索で出会った30を越える岩魚に色濃く残るヤマトの血はその証左である。
一時の釣りブ-ムの陰で無差別に放たれたニッコウイワナによって
無惨にもヤマトの聖地が浸食されてもう元には戻せないところまで来てしまった。
しかし、この森のどこかに昨秋出逢ったような純血ヤマトの聖地が必ずある筈である。
それをひたすら信じてヤマトの探索を続けて行きたいと思っている。
最近は湿地に咲く貴重な花、クリンソウだと思う、なんと素晴らしきかな、人は自然と共に生きる喜び、まったく嬉しい生きていて良かったと思う。
何処にも1人りくらいは似たような方がいるもんだ。
『http://had0.big.ous.ac.jp/~hada/plantsdic/angiospermae/dicotyledoneae/sympetalae/primulaceae/kurinsou/kurinsou.htm』
去年拝見したヤマト岩魚の鮮やかな黄色は実は大変貴重なものだったことがよく判りました。
こちらは、突然やってきた繁忙期。
休みもろくに取れず毎日疲労困憊。
(カァちゃんも朝は6時前から夜は11時過ぎまでせっせとお仕事・・・)
それで、ブログもチョッとお休み・・(フォトは撮り貯めております。)
早く、この繁忙期を過ぎて、先輩のようにミッションして~!
小さなポイントからもイワナを引きずり出す技術、流石です。
もしもフライフィッシングにこだわらないなら、一度エサ竿でチョウチンテンカラをお試しください。
ボサがすごいポイントでもなんとか毛ばりを置けますぞ。
・・・って、高崎さんがやるわきゃね~べさ(^‐^)
前回はこちらの体調で計画駄目にしてしまいましたが、また近々酒飲みたいですね。
それにしても、水たまりから良く出しますね!流石です!
ヤマトは最近めっきり見なくなりましたね、南アルプスも最近はニッコウ岩魚しか居ませんし、今度一緒にヤマトを求めて深山に行きましょう!
雨後にでも行ってみたいですね。
このポイントでチョウチン以外では、かなりのテクが必要ではないでしょうか、
私には、到底真似できそうにありません。
とうとう梅雨入りしてしまいましたが、私もヤマトさんに会いたい病が・・・
私めはというと、膝の調子が日光の手前なもんで・・・・・今一(笑)
釣りに出かけてませんが、来週から再開するつもりです。
ヤマトを見つけたらご報告します。
確かにお花畑のあの花はクリニソウです。
教えていただいてありがとうございます。
もう繁忙期が始まったんだね。
この夏に半年分しっかり稼いでね。
夏を乗り切ったらまた温泉でまったり
旨い酒を充分に堪能してください。
しばらくブログみられなくて寂しいけど
首を長~くして待ってるよ。
サイフも鞄も出てきたようで超残念です。
これからは鞄は首に下げて歩きなさい。
7月7日の血液検査を控えて
あさってから食事制限を開始します。
焼酎は1杯だけ、でかまるもやし味噌も当分お預けです。
お酒はそれ以降でおねげえいたしやす。
あぁホリャさんの溪食くいてえ~!
赤羽も行きてえ~!