相棒熊さんのジムニ-が真夜中の秋山街道をひた走る。
国道を少し走って峠に向う林道に入ると野生の鹿がヘッドライトに浮かび上がった。
辿り着いたのは程なく日付が変わろうとする時刻になっていた。
これからここで酒盛りが始まる。
この1ヶ月、きっちりと食事制限を続け酒も控えてきた身にとってはこんな時間が何より嬉しい。
梅雨の終わりを告げる大雨で岐阜や長野の溪はかなりの増水らしい。
予定を変更して訪れたこの溪は近場なゆえにもう何年ものあいだ忘れかけていた溪である。
真夜中の焚火ほど有り難いものはない。
燃えさかる炎を前にするだけで心和むのに、酒を酌み交わし語り合う友の存在は尚更に嬉しい。
カツオの刺身とシシャモで酒が進み話しが弾んだ。
語り尽くす頃には酒が体に染み渡り心も体も弛緩して幸せな心地に満たされる。
シュラフに潜り込み満天の星を眺めながら岩魚との出合いに想いを馳せて目を閉じる。
野宿こそ男のロマンだなんて言うつもりはさらさらないが、やはり男のロマンであることに変わりはない。
午前8時少し前、熟睡した高原の朝は殊更に気分がいい。
ゆっくり朝食を取ってから支度を調えて入溪する。
先行者が居ようが居まいがそんなことはどうでもいいことである。
熊さんは中流域に、僕は最上流から源流帯へと遡行する。
息を呑むほどの素晴らしい溪相が続く、ほんの少しの増水笹濁り。
ここから7寸のヤマメが姿を現わした。
美しい溪には美しい溪魚が棲む。
最初の二俣に出た、迷わず左に進む。
これはセイシェルの浄水器、濁りも細菌も毒物も除去してくれる心強い相棒である。
濁りの残っている沢や初めての沢で不安のある時は必ず携行するようにしている。
程なく最初の滝に突き当たる。
左岸の岩をよじって登る、さあここから桃源郷が始まるのだ。
と、滝上をしばらく進むと先行者が2人入っていた。
余りにも距離が近いのでやむなく戻ることにした。
気を取り直して二俣を右に進んだ。
落ち込みの巻き返しから22センチほどの岩魚が姿を現わした。
そして最後の二俣、ここからが源流帯となる。
水量の多い左の沢に進んだ。
あの落ち込みの上の岩陰に岩魚の気配を感じた。
ネイティブの岩魚はすこぶる警戒心が強い。
慎重にスト-キングして距離を縮める。
身をかがめ息を押し殺してふわりとフライ落とした。
この緊張感がたまらない。
右側の岩陰に身をひそめていた陰がス-っと寄ってきてフライを咥えた。
反射的にロッドをあおるとシビレルような躍動がロッドを通じて伝わってくる。
この瞬間に酔いしれる、これこそが釣りの醍醐味なのかも知れない。
8寸ほどの岩魚であった。
これが源流に棲む猛者の顔である。
素敵な流れはまだまだ奥へ奥へと続いていた。
でもビ-ルの時間が迫っていた、ここでタイムアップ。
心を溪に残したままに溪を下った。
次回こそ水の一滴まで遡行し、峠まで詰めてみたいものである。
昼飯は豚トロ、鶏のバジルソ-ス、牛のステ-キでキンキンに冷えたビ-ルをあおる。
これこそが釣り本来の楽しみだと密かに思っているのだが邪道であろうか?
そして仕上げは冷え冷えのソ-メン。
日本人の幸せとは多分こういうことを言うのかもしれませんね。
そしてまた溪で味わうソ-メンは一層美味しく感じるのです。
うだるような下界の暑さはここには無縁です。
爽やかな高原のそよ風に吹かれているとついつい眠りに誘われてしまいます。
野良仕事を終えた爺ちゃんと婆ちゃんの午後のまどろみと一緒ですね。
こんなひとときがあるから釣りをやめられないのかもしれません。
『カユイィ-----ッ』
ひときわ甲高い叫び声に穏やかなひとときが引き裂かれてしまいました。
午後6時、ブユが活動を始める時間です。
ケツを剥き出しにして寝ていた熊さんがブユに襲われたんですね。
皆さん、昼寝をするときはくれぐれもケツを剥き出しにしてはなりませんぜ!
朝から夕刻まで飯も喰わずに釣り続ける釣友には申し訳ないのですが
これが僕の釣りのスタイル、これに懲りずに末永くお付き合い下さいませ。
あぁ、またあのうだるような下界に帰らなければなりません。
この一日に満たされれば満たされるほど帰りが辛くなるものですね。
帰りたくないなあ、、、、、。
国道を少し走って峠に向う林道に入ると野生の鹿がヘッドライトに浮かび上がった。
辿り着いたのは程なく日付が変わろうとする時刻になっていた。
これからここで酒盛りが始まる。
この1ヶ月、きっちりと食事制限を続け酒も控えてきた身にとってはこんな時間が何より嬉しい。
梅雨の終わりを告げる大雨で岐阜や長野の溪はかなりの増水らしい。
予定を変更して訪れたこの溪は近場なゆえにもう何年ものあいだ忘れかけていた溪である。
真夜中の焚火ほど有り難いものはない。
燃えさかる炎を前にするだけで心和むのに、酒を酌み交わし語り合う友の存在は尚更に嬉しい。
カツオの刺身とシシャモで酒が進み話しが弾んだ。
語り尽くす頃には酒が体に染み渡り心も体も弛緩して幸せな心地に満たされる。
シュラフに潜り込み満天の星を眺めながら岩魚との出合いに想いを馳せて目を閉じる。
野宿こそ男のロマンだなんて言うつもりはさらさらないが、やはり男のロマンであることに変わりはない。
午前8時少し前、熟睡した高原の朝は殊更に気分がいい。
ゆっくり朝食を取ってから支度を調えて入溪する。
先行者が居ようが居まいがそんなことはどうでもいいことである。
熊さんは中流域に、僕は最上流から源流帯へと遡行する。
息を呑むほどの素晴らしい溪相が続く、ほんの少しの増水笹濁り。
ここから7寸のヤマメが姿を現わした。
美しい溪には美しい溪魚が棲む。
最初の二俣に出た、迷わず左に進む。
これはセイシェルの浄水器、濁りも細菌も毒物も除去してくれる心強い相棒である。
濁りの残っている沢や初めての沢で不安のある時は必ず携行するようにしている。
程なく最初の滝に突き当たる。
左岸の岩をよじって登る、さあここから桃源郷が始まるのだ。
と、滝上をしばらく進むと先行者が2人入っていた。
余りにも距離が近いのでやむなく戻ることにした。
気を取り直して二俣を右に進んだ。
落ち込みの巻き返しから22センチほどの岩魚が姿を現わした。
そして最後の二俣、ここからが源流帯となる。
水量の多い左の沢に進んだ。
あの落ち込みの上の岩陰に岩魚の気配を感じた。
ネイティブの岩魚はすこぶる警戒心が強い。
慎重にスト-キングして距離を縮める。
身をかがめ息を押し殺してふわりとフライ落とした。
この緊張感がたまらない。
右側の岩陰に身をひそめていた陰がス-っと寄ってきてフライを咥えた。
反射的にロッドをあおるとシビレルような躍動がロッドを通じて伝わってくる。
この瞬間に酔いしれる、これこそが釣りの醍醐味なのかも知れない。
8寸ほどの岩魚であった。
これが源流に棲む猛者の顔である。
素敵な流れはまだまだ奥へ奥へと続いていた。
でもビ-ルの時間が迫っていた、ここでタイムアップ。
心を溪に残したままに溪を下った。
次回こそ水の一滴まで遡行し、峠まで詰めてみたいものである。
昼飯は豚トロ、鶏のバジルソ-ス、牛のステ-キでキンキンに冷えたビ-ルをあおる。
これこそが釣り本来の楽しみだと密かに思っているのだが邪道であろうか?
そして仕上げは冷え冷えのソ-メン。
日本人の幸せとは多分こういうことを言うのかもしれませんね。
そしてまた溪で味わうソ-メンは一層美味しく感じるのです。
うだるような下界の暑さはここには無縁です。
爽やかな高原のそよ風に吹かれているとついつい眠りに誘われてしまいます。
野良仕事を終えた爺ちゃんと婆ちゃんの午後のまどろみと一緒ですね。
こんなひとときがあるから釣りをやめられないのかもしれません。
『カユイィ-----ッ』
ひときわ甲高い叫び声に穏やかなひとときが引き裂かれてしまいました。
午後6時、ブユが活動を始める時間です。
ケツを剥き出しにして寝ていた熊さんがブユに襲われたんですね。
皆さん、昼寝をするときはくれぐれもケツを剥き出しにしてはなりませんぜ!
朝から夕刻まで飯も喰わずに釣り続ける釣友には申し訳ないのですが
これが僕の釣りのスタイル、これに懲りずに末永くお付き合い下さいませ。
あぁ、またあのうだるような下界に帰らなければなりません。
この一日に満たされれば満たされるほど帰りが辛くなるものですね。
帰りたくないなあ、、、、、。
近場って、どの辺?
下がヤマメで上が岩魚
ちゃんと棲み分けているんだね。
次回は8月11日お盆に戻ります。その時、時間が合えばよろしくお願いします。
これから広島に戻ります。暑っぢぃ~
森の中の溪は正に天然のク-ラ-です。
涼風の中で呑んで眠るのはこの上ない幸せですね。
近場にも良い溪がまだ残っているね。
ここは桂の支流だす。
源流域は岩魚のみでしたよ。
久しぶりの上京だったのに残念です。
夏休みは13日あたりから行きませんか?
この溪を源流まで詰めてみようと思いますが如何ですか?
是非予定に入れておいてくださいな。
これだけ楽しんだら帰りたくなくなりますね
山遊びのプロフェッショナルです
あ~私も何だか行きたくなってきました。
現在ジョギングしてスタミナ付けてます
かなり緩んだお腹が気になるので・・・・・笑
真夏はやっぱり溪に涼しさが一番ですね。
溪で呑んで昼寝もたまりません。
一度是非ご一緒したいですね。
どうかメタボのままでいて下さい。
僕も体力が落ちてきているので
ご一緒するには丁度いいですわ。
それにしても、清涼感たっぷりですね~♪
奥の深い渓みたいですから日記読んでて自分もその上流が気になっちゃいました。
あ~渓流釣りにも行きたくなります。
毎日暑いところで生活していると渓流に逃げたくなりますよ!
高原でのんびり釣行、いいですね~。
熊さんもいい仕事してます、よだれが出そう。