全盲のピアニスト

夜９時のニュースを見ていたら日本人初の快挙と見出しがありました。
ピアノコンクールで、優勝をしたというのです。ここまではフーンそん
なことかと思っていましたが、優勝をした人が全盲と聞いてテレビに釘
付けになりました。優勝をした方は辻井さんと言って二十歳の学生さん
でした。目が見えずに生まれた時、ご両親は、はたしてこの子は幸せを
つかむことが出来るのだろうかと悲観しました。目が見えないのなら、
音があると考えたお父さんは、一才ぐらいの時におもちゃのピアノを買
い与えました。目が見えないその子は、歩く前からピアノに興味を持ち
ピアノを引き出しました。そこからピアノの生活が始まりましたが、音
楽を学ぶには楽譜を読めなくてはいけません。辻井さんは目が見えない
から、音で覚えてピアノの練習をしました。楽譜を見て覚えるより、
耳から入る音の実践で、全てをマスターしたわけです。
そして、細かい音の感性は辻井さんの心の感性で味付けしたのですね。
辻井さんのピアノの音色には、きっとだれにも真似の出来ない魂が込め
られていて、審査員をうならせたのでしょう。
お父さんが「あの子は、生まれてきてほんとうに良かったと、はじめ
て思ったでしょう」と言っていました。本人はそうだと思いますが、
それよりも、きっとお父さんの方がそう思ったに違いありません。
私達健常者に、生きていくお手本を教えてくれた辻井さん、ほんとうに
おめでとうございました。これからは、表舞台に出てきて、これからの
日本の若者に希望と勇気を与え続けてほしいですね。

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