朝の９時になる少し前、山口銀行のＡＴＭに出かけた。
用事を済ませて銀行から歩道を歩いて戻ろうとすると、事務所
の前あたりの車道に黒い物体が目にはいった。色と大きさから
カラスだろうかと思ったが、少しずつ近づくとどうもそうでは
ないようだ。さらに近づくとその物体が明らかに。
・
黒いバックと、その横に携帯電話が無造作にバックから投げ出
されていた。歩道から車道に出て取りに行こうとすると、車が
前方から走ってきた。「危ない携帯電話が踏まれる」。すると
車は、黒いバックをまたいで避けてくれた。その車をやり過ご
すと、続け様に２台目、３台目がすぐにやってきた。歩道から
「お願いだから携帯電話だけは踏まないでくれ」と、心の中で
叫ぶと、車達は上手にまたいで通り過ぎていった。
・
黒いバックと携帯電話を持って事務所に入った。携帯電話があ
ったので、持ち主はすぐに判明するだろうと思ったが、本人確
認できるものはなかなか見つからない。仕方がないので、バッ
クの中を調べていくと、一通の中身のない封筒が出てきた。
宛名がわかったので、電話帳を調べると電話番号がわかった。
「もしもし、○○さんでしょうか」「はい」
「○○様の○○さんは、いらっしゃいますか」
「家内です。よかった～、主人は今探しに出かけています」
・
しばくすると、本人さんが折り箱を持ってやってきた。
「バックを車の上にポイと置いて、用事を済ませてそのまま
車を走らせてしまったのです。ありがとうございました」。
人助けができて、気分がスカッとした。私にもありそうなこと
なので、注意しなくっちゃ～ね。
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